リモートデスクトップとは?導入方法や設定手順、リモートデスクトップでエラーが起きた際の対応方法などをご紹介

リモートデスクトップはネットワークで接続された他のコンピューターの環境を使用できる技術です。テレワークなどでも活用される技術となっています。
この記事では、リモートデスクトップとは?から使用するメリット、Windows 10での設定方法、問題が発生した場合の対応方法などをご紹介します。

リモートデスクトップとは?

リモートデスクトップとは?

リモートデスクトップとは、コンピューター同士をネットワークで接続することで遠隔操作を可能にする機能を指します。

デスクトップ画面を接続元から接続先へ直接転送しているため、リモートデスクトップの接続先であるコンピューターを直接操作することが可能です。

この記事では、Windows 10に搭載されているリモートデスクトップをもとに、得られるメリットや導入方法、リモートデスクトップを使う際の注意点についてご紹介します。

リモートデスクトップで出来ることや得られるメリット

リモートデスクトップには以下のような利用方法やメリットがあります。

  • 同じ環境で外出先から作業できる
  • コストの削減
  • 低スペックなパソコンでも遠隔操作可能
  • Windows 10に標準でインストールされている

リモートデスクトップを使うメリットについて1つずつご紹介します。

同じ環境で外出先から作業できる

リモートデスクトップという名のとおり、リモート(遠隔)でデスクトップ画面を操作することが可能です。別のパソコンに新たな環境を構築する必要がなく、外出先で作業が必要な場合でも手間を掛けずに普段と同じ業務をおこなえるというメリットがあります。

コストの削減

リモートデスクトップであれば出社せずに作業ができるため、交通費を抑えるなどのコスト削減効果が見込めます。他にも、すでにソフトがインストールされているパソコンを遠隔操作できるため、新たにソフトを購入せずに済むといったメリットもあります。

出社など時間的コストの削減にも繋がるため、作業をするまでの効率を向上させることが可能です。

低スペックなパソコンでも遠隔操作可能

リモートデスクトップは接続先であるパソコンの性能に依存しています。実際に操作するパソコンが低スペックであっても、プログラミングや動画編集といった負荷の強い作業を効率的に行うことが可能です。

デスクトップ型に比べると端末の性能が低いノートパソコンやタブレットでも、持ち運びに優れているメリットを活かしつつ業務をこなすことができます。

Windows 10に標準でインストールされている

Windows 10には標準でリモートデスクトップ機能が搭載されており、設定さえ行ってしまえばすぐに利用を開始することが出来ます。しかし、Windows 10 Homeにはリモートデスクトップのホスト機能は付いていません。

職場のパソコンがWindows 10 Homeの場合は、Windowsに標準搭載されているリモートデスクトップ機能を使うことは出来ないといえます。

リモートデスクトップの導入方法

Windows 10にはリモートデスクトップ接続機能が標準搭載されています。しかし、デフォルトではリモートデスクトップが有効になっていないため、有効化させる設定が必要になります。

Windows 10のリモートデスクトップを利用するまでの手順をご紹介します。

※以下の作業はネットワーク管理者等と確認しながら自己責任にて実施をお願いします。

リモートデスクトップのホスト側設定

(1)ホスト側のパソコンの「コンピューター名」「ユーザー名」「パスワード」を確認する

リモートデスクトップで接続するには「コンピューター名」「ユーザー名」「パスワード」がそれぞれ必要になるため事前に確認しておく必要があります。

コンピューター名はWindows 10の設定を開き[システム]、[バージョン情報]と移動し、デバイスの仕様のデバイス名に記載されています。

「ユーザー名」「パスワード」はパソコンにログインする際に利用しているものを使います。

(2)リモート接続を許可する

タスクバーの検索フォームに「コントロールパネル」と入力し、コントロールパネルを開きます。

次に、[システムとセキュリティ]に移動し、[リモートアクセスの許可]をクリックします。

[システムのプロパティ]が開くので、[このコンピューターへのリモート接続を許可する]を選択し、[OK]をクリックすればホスト側の設定は完了です。

リモートデスクトップの接続方法

タスクバーの検索フォームに「リモートデスクトップ接続」と入力し、リモートデスクトップアプリを起動します。

リモートデスクトップ接続が開いたら、[コンピューター(C)]に確認したコンピューター名を入力し、接続をクリックします。

次にユーザー名とパスワードが求められますので、入力し[OK]を入力してください。

リモートデスクトップ接続のウィンドウが表示されたら接続完了です。

ホスト側の設定が必要なものの、上記の手順でリモートデスクトップ機能を有効化させることが可能です。

リモートデスクトップで問題が起きた場合の対処方法

リモートデスクトップ利用時に出てくるトラブルやエラーが出てくる場合があります。
単体のパソコンでの使用とは違いネットワークを経由するがゆえに問題が出る場合もあります。
具体的には、ネットワークの設定やファイヤーウォールの設定、細かいところではキーボードの設定が変わってしまうなどもあります。
それらは、いくつかの要因が考えられます、次の章から4つの事例の対処方法を紹介していきます。

リモートデスクトップのネットワークエラーの対処方法

リモートデスクトップでよくあるトラブルの1つめは、ネットワークエラーが原因となる場合です。
Windows 10をインストールした標準状態ですと「ネットワークの場所」が「パブリックネットワーク」に設定されています。
この状態ではリモートデスクトップに接続できません。

パブリックネットワークとは、公共施設や交通機関など公衆の無線LANアクセスサービスに接続できる設定のことです。
リモートデスクトップは、Windows ファイアウォールと連動しており、パブリックネットワークでは制限が厳しいため接続できなくなっています。
パブリックネットワークからプライベートネットワークに変更して問題を解決しましょう。
手順は次のとおりです

※以下の作業はネットワーク管理者等と確認しながら自己責任にて実施をお願いします。

  1. Windowsボタン(スタート)をクリックして左側にある歯車アイコンの「設定」をクリックします。
    Windowsボタン(スタート)をクリックして左側にある歯車アイコンの「設定」をクリックします。
  2. 「ネットワークとインターネット」をクリックします。
    「ネットワークとインターネット」をクリックします。
  3. 左側のメニューにある「イーサネット」をクリックします。
    左側のメニューにある「イーサネット」をクリックします。
  4. 右側にあるアイコンの「イーサネット」をクリックします。
  5. 「このPCを検出可能にする」をクリックして、オンにします。
  6. ネットワークの場所が、「プライベートネットワーク」に変更されていれば完了です。

リモートデスクトップでホストが見つからない場合

2つめは、リモート接続のホスト名が原因となる場合です。
リモート接続するためには、相手側のホストコンピューターを特定しなければなりません。
事前にホスト側のPCでホスト名を確認する必要があります。

ホスト名が見つからない場合は、名前を間違えて入力していないか確認しましょう。
手順は次のとおりです。

※以下の作業はネットワーク管理者等と確認しながら自己責任にて実施をお願いします。

  1. ホスト側のPCで、Windowsボタン(スタート)をクリックして左側にある歯車アイコンの「設定」をクリックします。
    Windowsボタン(スタート)をクリックして左側にある歯車アイコンの「設定」をクリックします。
  2. Windowsの設定画面から「システム」をクリックします。
    Windowsの設定画面から「システム」をクリックします。
  3. 左側の「バージョン情報」をクリックします。
    左側の「バージョン情報」をクリックします。
  4. バージョン情報の「デバイスの仕様」欄にある「デバイス名」の文字列をコピーします。
  5. クライアント側のPCでリモートデスクトップ接続を開きます。
  6. コンピューター名を確認し、間違いがあればコピーした名前をペーストして登録します。
  7. そのままリモートデスクトップが接続できれば完了です。

リモートデスクトップでファイアウォールの設定に問題がある場合

3つめは、原因がファイアウォールの設定によるものです。
ファイアウォールとは、ネットワーク上でパケットを監視することで、通信の許可や拒否を決定する仕組みです。
リモートデスクトップの接続を許可していても接続できない場合は、ホスト側のファイアウォール設定に問題があるかもしれません。
外部ネットワークからの接続を拒否していないか、設定を確認しましょう。
手順は次のとおりです。

※以下の作業はネットワーク管理者等と確認しながら自己責任にて実施をお願いします。

Windows ファイアウォールによるアプリケーションの許可

まずは「Windows ファイアウォールによるアプリケーションの許可」を設定して行きます。

  1. 画面のWindowsロゴ(スタート)をクリックし、Windowsメニュー一覧をスクロールさせて、「W」の項目にある「Windowsシステムツール」をクリックします。
    画面のWindowsロゴ(スタート)をクリックし、Windowsメニュー一覧をスクロールさせて、「W」の項目にある「Windowsシステムツール」をクリックします。
  2. Windows システムツールメニュー内の「コントロールパネル」をクリックします。
    Windows システムツールメニュー内の「コントロールパネル」をクリックします。
  3. 表示方法がカテゴリになっていることを確認してから、「システムとセキュリティ」をクリックします。
    表示方法がカテゴリになっていることを確認してから、「システムとセキュリティ」をクリックします。
  4. 上から2番目にある「Windows Defender ファイアウォール」の下にある「Windows ファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリックします。
    上から2番目にある「Windows Defender ファイアウォール」の下にある「Windows ファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリックします。
  5. 許可されたアプリ画面が表示されるので、プルダウンして「リモートデスクトップ」を探してクリックします。
  6. 右上の「設定の変更(N)」をクリックします。
    上から2番目にある「Windows Defender ファイアウォール」の下にある「Windows ファイアウォールによるアプリケーションの許可」をクリックします。
  7. 「OK」をクリックします。

「セキュリティが強化されたWindows Defenderファイアウォール」の設定

続いて、「管理ツール」から「セキュリティが強化されたWindows Defenderファイアウォール」の設定を行います。

  1. 「システムとセキュリティ」に戻って「管理ツール」をクリックします。
    「システムとセキュリティ」に戻って「管理ツール」をクリックします。
  2. 管理ツール画面が表示されるので、「セキュリティが強化されたWindows Defenderファイアウォール」をダブルクリックします。
    管理ツール画面が表示されるので、「セキュリティが強化されたWindows Defenderファイアウォール」をダブルクリックします。
  3. セキュリティが強化されたWindows Defenderファイアウォール画面が表示されるので、左側にある「受信の規則」をクリックします。
    セキュリティが強化されたWindows Defenderファイアウォール画面が表示されるので、左側にある「受信の規則」をクリックします。
  4. 受信の規則の一覧が表示されるので、右側のスライダーをプルダウンして「リモートデスクトップ(TCP受信)」をクリックします。
  5. 「プロパティ」をクリックします。
  6. リモートデスクトップ(TCP受信)のプロパティが表示されるので、「詳細設定」のタブをクリックします。
  7. 必要なプロファイルの項目をチェックして「OK」をクリックします。
  8. 左上の「ファイル」をクリックして、ポップアップメニューの「終了(X)」をクリックします。
  9. 外部ネットワークからの接続ができれば完了です。

リモートデスクトップで「USキーボード」などキーボードレイアウトが変わってしまう場合

リモートデスクトップ接続の問題の4つ目はクライアント側のキーボード設定です。
接続の問題ではありませんが、リモートデスクトップを使用すると「USキーボード」なってしまうトラブルによって、問題が生じる場合があります。
普段から使い慣れていないキーボードに設定されていると困ってしまいますので、その際は以下のように対処をしてください。
手順は次のとおりです。

  1. スタートメニューから「設定」をクリックします。
  2. Windowsボタン(スタート)をクリックして左側にある歯車アイコンの「設定」をクリックします。
    ホスト側のPCで、Windowsボタン(スタート)をクリックして左側にある歯車アイコンの「設定」をクリックします。
  3. Windowsの設定画面が開くので、「時刻と言語」をクリックします。
    Windowsの設定画面が開くので、「時刻と言語」をクリックします。
  4. 左側の「言語」をクリックします。
    左側の「言語」をクリックします。
  5. 優先する言語に表示されている言語から「日本語」をクリックし、「オプション」をクリックします。
    優先する言語に表示されている言語から「日本語」をクリックし、「オプション」をクリックします。
  6. 「ハードウェア キーボードレイアウト」にある「レイアウトを変更する」をクリックします。
    「ハードウェア キーボードレイアウト」にある「レイアウトを変更する」をクリックします。
  7. ハードウェア キーボードレイアウトの変更画面にあるボックスをクリックして、「日本語キーボード」を選択します。
    ハードウェア キーボードレイアウトの変更画面にあるボックスをクリックして、「日本語キーボード」を選択します。
  8. 「OK」をクリックして、「今すぐ再起動する」をクリックします。
  9. 日本語キーボードに切り替わっているか確認して設定完了です。

Chromeリモートデスクトップもツールの1つ

Windows 10のリモートデスクトップはHomeエディションでは利用することができません。

また、Windows 10のリモートデスクトップでは接続できない場合にポートを開放したり、効率的にリモートデスクトップを活用するにはIPアドレスの固定が必要になったりします。

しかし、ネットワークの知識が深くなければリモートデスクトップの設定手順に頭を悩ませてしまう可能性もあります。そのようなときにはChromeリモートデスクトップを使うことも1つの手段です。

Chrome リモートデスクトップを使うメリット

Chrome リモートデスクトップを利用するメリットには以下のようなものがあります。

・専用のアプリケーションをインストールする必要がない

Chrome リモートデスクトップはWebブラウザを通して実行するため、普段からChromeブラウザを利用されている方はブラウザにアドオンを追加するだけでリモートデスクトップを導入することができます。

・さまざまなOSで利用可能

Windows リモートデスクトップはWindows 10 HomeやmacOS、LinuxといったOSでは利用することが出来ません。しかし、Chrome リモートデスクトップであればさまざまなOSで導入することができます。

Chromeブラウザが利用できればそのままChrome リモートデスクトップ機能を使えるため、端末間の互換性を気にする必要もありません。

・専門的な知識が不要

Chrome リモートデスクトップはIPの固定やポート開放が必要ありません。細かい設定をする必要がなく、簡単なステップで使い始めることができるのも特徴の1つです。

Chrome リモートデスクトップを使うデメリット

Windows リモートデスクトップと比べて、Chrome リモートデスクトップは導入しやすいなどのメリットが存在します。しかし、メリットばかりではありません。

以下のようなデメリットも考えられます。

・パソコンへの負担が大きい

Chrome リモートデスクトップを利用するにはWebブラウザを起動する必要があります。Windows リモートデスクトップに比べると、必要のないアプリを起動することによるメモリ消費量の増加など、パソコンへの負担が大きくなってしまいます。

・インターネットに接続が必須

Windows リモートデスクトップは、同じLAN内であればリモートデスクトップを利用できます。一方で、Chrome リモートデスクトップではGoogle アカウントにログインする必要があり、インターネットへの接続が利用の条件となっています。

イントラネット環境でリモートデスクトップ機能を使いたい場合は、Windows リモートデスクトップを使う必要があります。

まとめ

Windows 10リモートデスクトップ機能を有効活用すれば、時間的コストを削減したり、自宅から業務をおこなえたりと多くのメリットを得られます。しかし、Windows 10リモートデスクトップ機能を使うにはそれなりの設定が必要になってしまうのも事実です。

「試しにリモートデスクトップの感覚を掴みたいけれど、設定がよく分からない…」という場合には、導入手順がお手軽なChrome リモートデスクトップ機能でリモートデスクトップの感覚を試してみて下さい。


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