セキュリティソフトの必要性、コンピュータウイルスの種類や脅威、その対応策についてご紹介
セキュリティソフトは最近のWindows 10などのセキュリティ性能向上によって不要と考えてしまうかもしれませんが、必要性はとても高いです。
この記事では、セキュリティソフトがなぜ必要なのか?コンピュータウイルスはどのようなもので、具体的にどのような脅威があるかも含めてご紹介をします。
もくじ
- セキュリティソフトとは
- マルウェアとは
- コンピュータウイルスとは
- コンピュータウイルスの感染経路とは
- 代表的なコンピュータウイルスの種類と感染原因
- 自己増殖するコンピュータウイルス「ワーム型」
- 情報漏洩するコンピュータウイルス「キーロガー」「スパイウェア」
- パソコン内に潜伏するコンピュータウイルス「トロイの木馬」
- データファイルを利用するコンピュータウイルス「マクロ感染型」
- ファイルから感染するコンピュータウイルス「ファイル感染型」
- 身代金を要求するコンピュータウイルス「ランサムウェア」
- コンピュータウイルスに感染した場合の対応
- セキュリティソフトの導入で事前対策をする
- セキュリティソフトの紹介
- まとめ
セキュリティソフトとは
セキュリティソフトとは、コンピュータウイルスなどのパソコンへの攻撃の脅威や不正アクセスによる情報漏洩などからコンピュータやネットワークを守るためのソフトウェアをひとまとめにした呼び名となります。
パソコンを使っていると「セキュリティ対策」や「コンピュータウイルス対策」という言葉を目にする機会が多くあります。
セキュリティ対策について、具体的にどのような脅威があって何をすればよいかわからないと思う方もいるかもしれません。
「マルウェア」などの聞きなれない用語などは、自分には無縁なのでは?とも考えてしまう可能性もあります。
セキュリティ対策の第一歩と言えるのがセキュリティソフトの導入となります。
パソコン購入時にセキュリティソフトの期限付きのお試し版などがあって、ソフトの更新をしたり、有料で期限を延長したりする重要性が理解しにくい場合もあるかもしれません。
セキュリティソフトの役割を知るために、まずはマルウェアやコンピュータウイルスなどはどのようなものなのか?どのようなセキュリティの脅威があり、どのような対策が有効なのかを次の章から紹介して行きます。
マルウェアとは
マルウェア(Malware)とは「Malicious Software」を語源とします。
Malicious 「悪意のある」Software「ソフトウェア」で「マルウェア」=「悪意のあるソフトウェア」となっています。
ユーザーやシステム管理者の意図とは違う、悪意のある操作などを行うプログラムやコードの総称となります。
コンピュータウイルスとは
コンピュータウイルスとは、簡単にいうと不正プログラムのことを意味します。
コンピュータウイルスもマルウェアの一種です。
人間の体内にウイルスが侵入して熱やくしゃみを引き起こすように、パソコンもコンピュータウイルスに感染することでさまざまな問題が生じます。
パソコンを利用していればコンピュータウイルスが侵入するリスクがあり、知らない間に感染している場合もあります。
そのまま使い続けていると、自分のパソコン以外にも被害を広めてしまう可能性があります。
どんな症状が起こるかは、コンピュータウイルスの種類によってさまざまです。
パソコン内にウイルスを侵入させることで、不快なメッセージを表示させたり、パソコンが起動しなくなったりなどがあります。
パソコンだけの問題に止まらず、悪質なコンピュータウイルスが侵入すると、個人情報を盗み取られてしまうこともあるので注意しましょう。
コンピュータウイルスの感染経路とは
コンピュータウイルスに感染する経路は、主に4パターンが考えられます。
1つめはメールからの感染です。
メールに添付されたファイルを開いたり、URLをクリックしたりすることで感染します。
2つめはインターネットの閲覧です。
コンピュータウイルスが仕掛けられたページを閲覧することで感染します。
3つめはネットワーク感染です。
ウイルスに感染したパソコンとネットワークでつながることで、コンピュータウイルスの被害が拡大します。
4つめは記憶媒体からの感染です。
USBや外付けハードディスクなど、ファイル内にコンピュータウイルスが含まれた記憶媒体を接続することで感染します。
代表的なコンピュータウイルスの種類と感染原因
コンピュータウイルスにはさまざまな種類があります。
代表的なウイルスにはどんなものがあるのか、それぞれの感染原因についてもチェックしておきましょう。
次の章から「ワーム型」「キーロガー」「スパイウェア」「トロイの木馬」など代表的なウイルスの例を紹介して行きます。
自己増殖するコンピュータウイルス「ワーム型」
「ワーム型」と呼ばれるウイルスは、ネットワークドライブの保存ファイルに感染したり、自分のコピーをメールの添付ファイルとして送信したりします。
パソコンの操作に関わらず、自動的に増殖していくコンピュータウイルスです。
インターネットやLANを利用することで多くのコンピュータを感染させるウイルスとなります。
情報漏洩するコンピュータウイルス「キーロガー」「スパイウェア」
企業がコンピュータウイルスの攻撃を受けて個人情報が漏洩したというニュースを目にすることがありますが、個人のパソコンでも同じ被害を受ける可能性があります。
情報漏洩のパターンは大きく2つに分かれます。
パソコンに保存した情報が特定の外部サイトに送信されて起きる場合と、インターネットに情報が公開されて起きる場合です。
たとえば、キーボードに入力した情報を記録する「キーロガー」や、パソコン内の情報を外部に送信する「スパイウェア」といったコンピュータウイルスがあります。
コンピュータウイルスに感染しても、画面上には変化がないため気がつかないことがほとんどです。
ユーザーIDやパスワード、画像など漏洩した情報を、ネットワークから完全に削除することは難しいでしょう。
パソコン内に潜伏するコンピュータウイルス「トロイの木馬」
感染したパソコン内に潜入するウイルスは「トロイの木馬」と呼ばれています。
パソコンの外部から侵入するための裏口となる「バックドア」を作成するとても悪質なウイルスです。
感染すると、外部から自由にパソコンを操作されてしまうなどの可能性があります。
画面上に変化がない状態でも遠隔操作が可能で、パソコンを利用しているユーザーに気がつかれることは、ほぼありません。
プログラムの実行や停止、ファイルのダウンロードやアップロードといった不正活動を行います。
データファイルを利用するコンピュータウイルス「マクロ感染型」
マクロ機能によって、ExcelやWordでよく使う定型の処理を手軽に呼び出せます。
処理手順をセットしておくことで自動実行が可能です。
「マクロ感染型」コンピュータウイルスはソフトに仕込まれており、データファイルに搭載されたマクロ機能を介して感染します。
「マクロ感染型」ウィルスは「スパムメール」として送信されることが多いです。
「スパムメール」とは宣伝目的で一方的に送られてくる電子メールの総称です。
宣伝メールのタイトルに、なんとなく身に覚えがあるような?無いような?と受信側が警戒せずにファイルを開いてしまうのが感染の原因です。
「マクロ感染型」ウイルスを含んだファイルを開くことで、自動的にマクロコマンドが実行されて感染します。
ファイルから感染するコンピュータウイルス「ファイル感染型」
「ファイル感染型」は、単体活動せずファイルに付着するコンピュータウイルスです。
「.com」「.exe」「.sys」といった拡張子の「実行ファイル型」のプログラムを書き換えて感染させます。
「実行ファイル型」タイプのファイルが感染することで、ファイルの制御を失わせるコンピュータウイルスです。
上書きするタイプとデータを追加するタイプの2種類があります。
感染したファイルを上書きするタイプのものは、一部のみが書き換わるので発見しにくいと言えます。
コード自体を書き換えるので、復元は困難です。
データを追加するタイプのものは、ファイルサイズが大きくなるため発見しやすいと言えます。
不正コードを取り除くことで復元可能な場合がありますが、専門家やセキュリティソフトなどに頼るのが良いでしょう。
身代金を要求するコンピュータウイルス「ランサムウェア」
悪質なウイルスとして世界中で被害が拡大しているのが「ランサムウェア」です。
ランサムには「身代金」という意味があります。
「ランサムウェア」は、感染するとデータが強制的に暗号化され、ファイルを開くための金を要求する不正なプログラムです。
身代金は銀行振り込みではなく、ビットコインなどを利用しネット上で行われることが多い傾向があります。
「ランサムウェア」は犯罪者にとって手軽で、リスクが低く、金銭的な見返りを得られることから、続々と登場しています。
主な感染経路は2パターンです。
1つめは「メールからの感染」です。
添付ファイルを開いたり、URLにアクセスしたりすることによって起こります。
メールの件名や本文、拡張子に至るまで実在する人物になりすましているため、開封を防ぐのは困難といえるでしょう。
2つめは「サイトからの感染」です。
脆弱性があるソフトウェアで改ざんされたサイトを閲覧することで感染します。
また、ダウンロードしたファイルに「ランサムウェア」が仕掛けられている場合は、ソフトウェアの脆弱性に問題がなくてもファイルの開封による感染を避けられません。
ほかにも、システムを破壊するウイルスや、いたずら目的でメッセージを表示させるウイルスなどがあり、さまざまな危険に晒されています。
コンピュータウイルス感染を防ぐためには、ソフトウェアのバージョンを常に最新にする、セキュリティソフトを使って対策を強化するなどの方法が有効です。
コンピュータウイルスに感染した場合の対応
もしもコンピュータウイルスに感染した場合なるだけ急いで対応をする必要があります。
対応方法の例を手順に沿ってご紹介します。
※個人の場合の対応の例です、ウイルス感染の対応は高度な知識が必要となる場合もあるので、実施は自己責任で対応するようにお願いいたします。
※業務上のパソコンでのウイルス感染の場合はセキュリティ部門の指示に従うようにしましょう。
ネットワークから切断、遮断する
パソコンに接続しているネットワークケーブルを抜いて、インターネットやLANから切断します。
LANケーブルがパソコンに接続されているなら、急ぎLANケーブルを抜きます。
無線LANで接続している場合はワイヤレスをOFFにしてください。
無線LANのOFFの方法がわからないときは、スマートフォンでネット検索や、取扱説明書などで確認しましょう。
ウイルス感染したパソコンを使い続け、インターネット検索等で方法を調べたりするのはNGです。
インターネットを切断するのは、ネットワークでつながっている別のパソコンへの感染を防ぐためです。
また、感染したコンピュータウイルスによって、別のコンピュータウイルスが侵入したり、情報が漏洩したりするのを防ぐために重要なので、早急に対応しましょう。
セキュリティソフトで感染しているコンピュータウイルスの特定や駆除
コンピュータウイルスは種類によって対策方法が変わるため、セキュリティソフトを使ってパソコンや接続機器のコンピュータウイルスをスキャンします。
コンピュータウイルスが発見された場合は、セキュリティソフトの指示に従って駆除して行くようにしましょう。
もしコンピュータウイルスが駆除できなかった場合は、パソコンを購入したときの初期状態に戻すリカバリー作業が必要です。
リカバリー作業を行うと、写真やメールなどパソコン内のデータが消えてしまうので注意してください。
以上がコンピュータウイルス対応となります。
出来ることが限られていることがお分かりいただけるかと思います。
コンピュータウイルス駆除は非常に困難な場合があります。
万が一に備えて、データを外部メディアにコピーしてバックアップを取っておくなど、コンピュータウイルス感染が起こる前に対策をしましょう。
日頃の対策をしっかりとしておくことが重要です。
そのためにやっておくべきことを次の章から紹介して行きます。
セキュリティソフトの導入で事前対策をする
日常的に何気なく行っているサイトの閲覧やメールの送受信には、個人情報を盗まれるなどのリスクが潜んでいます。
コンピュータウイルス感染の対策には、データのバックアップをするほかに、セキュリティソフトの導入が効果的です。
標準搭載されているWindows Defenderなどのセキュリティソフトはある程度の性能を持っていますが、有料のセキュリティソフトと比較すると機能不足は否めません。
詐欺対策やネットバンキングの不正送金予防などさまざまな機能があるので、自分に合ったセキュリティソフトを選びましょう。
すでにセキュリティソフトを入れている場合は最新版に更新します。
更新方法はメーカーによって異なるので、サポートページで確認してください。
更新の通知が来た場合などは後回しなどにせず、即更新を心がけるようにしましょう。
セキュリティソフトの紹介
セキュリティソフトはどのようなものがあるのでしょうか。
たくさんの種類があるのですが、その一部をご紹介します。
ノートンライフロック:「ノートン 360 デラックス」
「株式会社ノートンライフロック」は、消費者向けのインターネットセキュリティ製品を扱う企業です。
過去には「シマンテック」とも呼ばれていたので、その名前の方で憶えている方も多いのではないでしょうか。
およそ5千万人に利用されている実績があり、個人ニーズに適したセキュリティの確保や快適さが評価されています。
「ノートン 360 デラックス 1年版」は、Windows、Mac、Android、iOSに対応しており、パソコン、スマホ、タブレットなど3台まで利用できます。(※2021年3月現在)
新たに登場したプランで、データやデバイスを保護するセキュリティ対策に、プライバシーを守る「ノートン セキュア VPN」がプラスされました。
「ノートン セキュア VPN」はWi-Fi通信に潜む盗聴の危険性から守る機能があります。
また、フリーWi-Fiスポットでも高いレベルのセキュリティで送受信データを暗号化するため、外出先でよく利用するという人におすすめです。
ライセンスの有効期限内にパソコンに問題が発生した場合は、専門スタッフがコンピュータウイルス駆除をサポートしてくれます。
チャットでの24時間サポートや平日の電話サポートに対応しているのもポイントです。
トレンドマイクロ:「ウイルスバスター クラウド」
「トレンドマイクロ株式会社」は、企業からの評価が高く長年に渡りトップシェアを誇るセキュリティベンダーです。
個人向けセキュリティソフトの「コンピュータウイルスバスター クラウド」はWindows、Mac、Androidに対応しています。(※2021年3月現在)
素人では見分けがつかないレベルのネット詐欺から、大切な金銭や個人情報を守ってくれるソフトです。
AIによって防御力を進化させ、不正なファイルやアプリを判別してコンピュータウイルスをブロックします。
パソコンのほかにも、スマホ、タブレットと合わせて3台まで使えるので、複数のデバイスを利用している方にもおすすめです。
サポートも充実しており、電話やメールのほかにLINE、チャットなどから365日問い合わせを受け付けています。
まとめ
セキュリティソフトについての必要性、コンピュータウイルスの代表的な種類や脅威などについて紹介をしてきました。
コンピュータウイルス感染後の出来る対応策は限られていて、なおかつ緊急性も高いものが多いです。
感染する前のセキュリティ対策がとても重要と言えます。
自分のパソコンのみが使えなくなるだけではなく、情報の漏洩や他のパソコンへの影響も考えると、使っている「パソコンが壊れても良いから」などの理由で放置するのは大変なリスクとなります。
そのため、セキュリティソフトをインストールし、常に最新版に更新しておくことがとても重要と言えます。
様々な影響や損失を考えれば、セキュリティソフトの年間の維持費は数千円のものが大半ですので、是非導入をするようにしましょう。