Ubuntu(ウブントゥ)とは?Linuxの一種であるUbuntu(ウブントゥ)の入手方法や特長をご紹介
Ubuntu(ウブントゥ)はLinuxの一種で、Windows 10などと同じOSの仲間です。Linuxのデストリビューションとも呼びます。
この記事では、Ubuntu(ウブントゥ)とはどのようなものなのか?から入手方法や使い勝手、その他のLinuxの種類との比較などを紹介します。
もくじ
Ubuntu(ウブントゥ)とは

Ubuntuの読み方は「ウブントゥ」となります。
Windows 10などと同じOSの仲間となり、Linuxと言うOSの中の種類の一つとなります。
Linuxと言うと、プリインストール(※最初からインストールされている)のPCは少なく、普通に市販のパソコンを購入する分にはなかなか触れ合う機会が無いものかもしれません。
そして、Linuxと聞くと、「扱いにくい」というイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
正直なところ、Linuxはコマンドでの使用が基本であり、Windows 10やmacOSに比べると、少々難易度が高い面があるのは確かだといえるでしょう。
実は、コマンド操作のLinuxをWindows 10やmacOSのようなGUI操作(※アイコンをクリックしたりする操作)で扱えるようにしたものがいくつか存在します。
そういったLinuxの派生した種類のものをディストリビューションと呼び、日本語環境にも対応した扱いやすいものがリリースされています。
※ディストリビューションとはLinuxのカーネル(中核部分)とその動作に必要なライブライリー(関数、機能、データのまとまり)とソフトウェアをひとまとめにしたものです。
その中のひとつがUbuntu(ウブントゥ)です。
Ubuntu(ウブントゥ)は、オープンソースのLinuxディストリビューションです。
Ubuntu(ウブントゥ)は、日本語にすると「他者への思いやり」という意味になります。
名前のように、ユーザーフレンドリーなソフトフェアのため、はじめてLinuxを使いたいという場合にもおすすめです。
Ubuntu(ウブントゥ)の入手方法
Ubuntu(ウブントゥ)は無料です。
公式サイトからダウンロードすることで、簡単に使い始めることができます。
Ubuntu(ウブントゥ)のダウンロードページはこちら
Windows 10などと共存できるため、デュアルブート環境を構築することも可能です。
求められるシステム要件が低いため、自宅に余っている古いPCにダウンロードするのもよいでしょう。
OSを含めソフトウェア全般に言えますが、周りに使っている人が居ないことは不安な点となると思います。
Linuxともなるとどうしても、周りで常に使っている人が居る環境と言うのは限られていると思います。
ただし、新しいOSにチャレンジしてみることは悪い事ではありませんので、なるだけ導入しやすいものから挑戦してみる価値はあります。
Ubuntu(ウブントゥ)はLinuxの中では利用者が多いため、それなりに情報が多くありますので、わからないことがあっても解決しやすいといえます。
Q-Successの調査によれば、Ubuntu(ウブントゥ)はLinuxのWebサイト向けシェアで第1位です。
2020年11月12日の調査では、47%以上のシェアを獲得しています。
実際に困ったことがあれば、初心者向けのサポートページがあります。
Ubuntu(ウブントゥ)日本語フォーラム
過去の質問を参考にしたり、新たな疑問点を質問したりしてみるとよいでしょう。
Ubuntu(ウブントゥ)の特長
Ubuntu(ウブントゥ)にはいくつかの特長があります。
マウスで操作が可能な点は大きな特長となりますが、その他にも色々と良い点があります。
次の章から紹介をしてきます。
Ubuntu(ウブントゥ)は使用環境などを含め使いやすい
Ubuntu(ウブントゥ)の一番の特長は、「使いやすい」ということです。
PCもそうですが、マウスやキーボードなどでも通常のものが使用できるので、使いやすい環境が整えられています。
マウスで操作が可能、コマンド入力をしなくてもOK
Linuxの中でも、コマンドだけではなく、マウスで操作が可能なのがUbuntu(ウブントゥ)です。
キーボードでのコマンド入力をせずに操作が可能となっています。
Windows 10やmacOSのような操作感で利用できるため、はじめてLinuxを使う場合でも安心です。
コマンドでの操作も簡単にできる
Ubuntu(ウブントゥ)はLinuxのため、コマンド操作も簡単にできます。
コマンド操作を利用してみたい場合には、ショートカットキーまたはアプリケーションから簡単に起動できます。
ショートカットキーは、「Ctrl+Alt+T」です。
Linuxのコマンド入力を試してみたい方にとっても、マウス操作とコマンド入力両方が可能である点で、少しずつ慣らしていくことも可能な点は大きな魅力と言えます。
Ubuntu(ウブントゥ)は日本語のサポート体制も充実している
英語が苦手な方でも、Ubuntu(ウブントゥ)は使い勝手のよいものとなっています。
公式サイトから日本語版がダウンロードできるのはもちろんのこと、Ubuntu(ウブントゥ)Japanese Teamがローカルコミュニティとして存在しているのです。
Ubuntu(ウブントゥ)Japanese Teamは、2005年に設立された歴史のあるチームです。
独自のフォーラムを設立したり、Wikiを作成したりしています。
そして、公式のUbuntu(ウブントゥ)では対応しきれない日本語の文字エンコーディングに対応した、追加パッケージも配布しています。
追加パッケージは、日本チームが独自に作っているものであり、文字化けが起きる可能性を減らせるでしょう。
このような日本語での充実したサポート体制も、Ubuntu(ウブントゥ)ならではの魅力だといえます。
Ubuntu(ウブントゥ)はリリースが半年に一度定期的に行われる
Ubuntu(ウブントゥ)は、リリースが定期的に行われます。
毎年4月と10月に新しいバージョンがリリースされることになっており、アップデートも無料です。
新しいバージョンにアップデートしたくない場合でも、セキュリティーアップデートがあります。
Ubuntu(ウブントゥ)のセキュリティーアップデートは、通常バージョンと長期サポート(LTS)バージョンの2種類です。
通常バージョンはリリースから9ヶ月以上、長期サポートバージョンであれば、5年間のサポートがついています。
どちらも無料でサポートが受けられるため、費用面での心配はありません。
Ubuntu(ウブントゥ)は資金や人材面でも安心感がある
Ubuntu(ウブントゥ)がアップデートを含めて無料で使えると知り、「無料なのは良いが、いつかアップデートがとまってしまうのでは?」と心配になった方もいるかもしれません。
その心配は現状では不要です。
実はUbuntu(ウブントゥ)は、カノニカルという会社の支援を受けています。
カノニカル社は、Ubuntu(ウブントゥ)を利用したサーバー運用などのサポートで利益を得ています。
そのため、Ubuntu(ウブントゥ)に資金や人材面の支援をすることで良い循環を生み出しているのです。
ソフトやハードウェアをしっかりと普及させて、その関連するコンテンツやサービスで利益を出すビジネスモデルはIT業界を含め多数あります。
Ubuntu(ウブントゥ)も、資金や人材の提供を受けることで、よりよいOSが提供できるといえます。
他のLinux系OSと比較すると、継続的に利用する場合でも安心して利用できるでしょう。
Ubuntu(ウブントゥ)とDebian(デビアン)の比較
Ubuntu(ウブントゥ)はDebianというLinuxのディストリビューションから派生したものです。
ここでは、両者の比較をし、関係性について紹介します。
Debian(デビアン)も無料でダウンロード可能
Debianは(デビアン)、LinuxをベースとしたOSです。
そのためUbuntu(ウブントゥ)と同じように、サイトから無料でダウンロードできます。
基本的にはUbuntu(ウブントゥ)と使えるソフトは同じです。
ボランティア団体が運営しており、公式サイトには日本語訳が提供されているページも多くあります。
そのため、必要に応じてWikiなどを参照できる点もUbuntu(ウブントゥ)と変わりません。
Ubuntu(ウブントゥ)はDebianをベースに進化した
Ubuntu(ウブントゥ)は、Debian(デビアン)をベースにして派生していったOSです。
Debianがボランティアで運営されているのに比べ、Ubuntu(ウブントゥ)は企業からの支援を受けて運営されています。
資金面ではUbuntu(ウブントゥ)のほうが良い環境だと言えるでしょう。
もちろんDebianは現在でも更新され続けています。
Ubuntu(ウブントゥ)とDebian(デビアン)の違いを整理する
Ubuntu(ウブントゥ)とDebian(デビアン)の違いは、以下のようになっています。
Ubuntu(ウブントゥ)
- 操作方法:マウス操作が中心
- デスクトップ環境:あり
- リリースのペース:半年に一度
- エディション:・デスクトップエディション・サーバーエディション・サーバーエディション・IoTエディション・クラウドエディションなど
- 日本語コミュニティ:あり
- 開発環境:カノニカル社の人的・金銭的的支援
※2020年12月現在の情報です。
Debian(デビアン)
- 操作方法:マウスも使えるが、キーボード操作の割合が多い
- デスクトップ環境:あり・なしを選択可能
- リリースのペース:おおよそ2年ごと(不定期)
- エディション:・Debian 10.0
- 日本語コミュニティ:あり
- 開発環境:ボランティア、有志により成り立っている
※2020年12月現在の情報です。
Ubuntu(ウブントゥ)から派生したディストリビューション
Ubuntu(ウブントゥ)には、いくつもの派生ディストリビューションがあります。
Ubuntu(ウブントゥ)をベースにしながらも、軽量化したり、特定の機能に特化したりするものがリリースされています。
以下で派生ディストリビューションをいくつか紹介していきますので、参考にしてください。
XUbuntu(ズブントゥ)
XUbuntu(ズブントゥ)は、Ubuntu(ウブントゥ)よりも軽量化されたOSです。
そのため、Ubuntu(ウブントゥ)のシステム要件を満たさないPCや、軽量なOSを求めている場合に最適だといえます。
最低512MBのメモリと8GB以上のHDDで動くため、家で使わなくなったPCの再利用もできるでしょう。
Ubuntu MATE (ウブントゥ マテ)
Ubuntu Mateは、Ubuntu(ウブントゥ)が以前利用していたデスクトップ環境を引き継いでいます。
そのため、見た目が少し古い感じがするかもしれません。
ですが、操作性はWindows 10やmacOSにより近いものだといえます。
XUbuntu(ズブントゥ)と同様に、Ubuntu(ウブントゥ)よりもシステム要件が低いため、古いPCにも最適です。
LUbuntu(ルブントゥ)
LUbuntu(ルブントゥ)は、軽量さを売りにしている派生Ubuntu(ウブントゥ)です。
デスクトップ環境は、LXDE/LXQTという軽量のものを使用しています。
※LXDEとはLinuxなどで動作する、GPL(フリーソフトウェアライセンス)下で配布されるオープンソースのデスクトップ環境の事です。
こちらも、XUbuntu(ズブントゥ)のように軽量化に重点を置いています。
デスクトップ環境が異なるとはいえ、基本的な機能は変わらないので安心して使用できます。
Ubuntu Studio(ウブントゥ・スタジオ)
Ubuntu Studio(ウブントゥ・スタジオ)は、クリエイター向けの派生Ubuntu(ウブントゥ)です。
動画や音楽の編集ソフトなどが充実しています。
さまざまなソフトが入っている上、無料で使えるのがメリットだといえます。
パソコンが古くなり、最近のソフトが動かなくなってきたというクリエイターの方は、試しに使ってみるとよいでしょう。
まとめ
Ubuntu(ウブントゥ)について、入手方法や基本的な使用方法、その他のUbuntu(ウブントゥ)の派生ディストリビューションなどについて紹介をしてきました。
Linuxの中では知名度、人気ともに抜群のOSとなりますので、使っていないPCなどでも良いので、一度体験だけでもしてみると良いでしょう。