DirectXとは

DirectXはMicrosoftが開発した、Windowsに対応する、パソコンゲームなどのマルチメディアコンテンツ向けのAPIのことです。
この記事では、DirectXとはどのようなものか?何のために入っているのか?インストールやアップグレード方法、画面の確認方法を紹介します。

DirectXとはどのようなものか

DirectXは、ゲームや動画などのマルチメディアコンテンツをWindows上で処理させるためにMicrosoftが開発したAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の総称です。
正式名称は「Microsoft DirectX(マイクロソフト ダイレクトエックス)」となります。
DirectXの主な用途として、パソコンゲームなどのマルチメディア表現処理のために使用されています。

DirectXは、ゲームや動画などのマルチメディアコンテンツをWindows上で処理させるためにMicrosoftが開発したAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の総称です。

DirectXなどの「API」とは

ゲームを含め、アプリケーションをプログラミングする場合、大量のプログラム記述が必要となります。
APIはゲームを含めソフトウェアからハードウェアの機能を利用するための仕様、またはインターフェースを意味します。
アプリケーションの開発を容易にするために準備された、プログラムの基準や流用可能な部品(ひな形)とイメージしてください。
DirectXなのどAPIは、プログラミングの手間をできるだけなくした、プログラミングのプラットフォーム(標準規格)となります。

DirectXはどのようなことを実現しているのか

Windows自体、もともとゲーム用に作られたものではないため、専用の機能が備わっていませんでした。
Windowsには「GDI」と呼ばれるグラフィック処理の命令は存在していました。
ただし「GDI」は、ゲームやマルチメディアコンテンツなどの高速な処理を行う目的には不向きな傾向がありました。

DirectXの仕組みをWindowsに組み入れることによって、ゲームや動画といったマルチメディアを快適に処理できるようになっています。
DirectXはMicrosoftが提供するWindowsをはじめ、同じくMicrosoftが販売している「Xboxシリーズ」にも広く活用されている技術となります。

DirectXは動画や画像などの処理を効率よくできるようにするAPIセットですが、具体的に以下のようなことを行っています。

  • グラフィックスや動画に関する開発環境の提供
  • グラフィックスや動画の再生のサポート
  • サウンド関連のサポート
  • ゲームなどの実行環境のサポート

前章までは開発環境のメリットのみを説明してきましたが、実際はもっと幅広い機能を提供しています。
DirectXはゲームなどのアプリケーションの実行までサポートしています。
次の章でくわしく紹介します。

DirectXは具体的にどのように使われているのか

DirectXは何のために使われているかについて紹介します。
おもに以下のような用途があります。

ゲームなどの「開発環境(ゲームをプログラムするなど)」の提供

DirectXはパソコンでのゲームの開発にも使用される、プログラムの効率化を提供するものとなります。
DirectXを利用すれば、プログラミング言語である「C言語」または「C++」「Visual Basic」といった言語からも開発することができます。

ゲームなどの「実行環境(ゲームをプレイする環境)」の提供

DirectXはゲームなどの実行環境「パソコンで使用する側の環境」も提供しています。

  1. グラフィックに関わる「DirectX Graphics」
  2. ゲームデバイスやキーボードからの入力に関する「DirectInput」
  3. オーディオ再生などに関わる「DirectX Audio」
  4. マルチプレイに関わる「DirectPlay」

DirectXを使うには

DirectXを使う場合に考えられるのは2種類あります。
「開発側」「利用者側」となります。
それぞれでDirectXを使うという意味は大きく違ってきます。

開発側でDirectXを使うには

実際にDirectXを用いてゲーム開発を行いたい場合、開発キットのダウンロードなど、パソコンをゲーム開発に適した環境にする必要があります。
ゲーム開発に関わるさまざまなことを網羅しているので、DirectXがあれば基本的なゲームを作成することが可能です。

利用者側でDirectXを使うには

DirectXはあくまでもツールであるため、使用したいソフトやゲームに対応したバージョンのDirectXがインストールされていれば、ユーザー側で起動や設定することは特にありません。
ソフトやゲームなどのアプリケーション側が必要なDirectXのツールを必要に応じて使用するので、アプリケーションごとにユーザ側で設定するようなことも基本的にはありません。

DirectXバージョンアップがあった場合や、古いバージョンのDirectXを使用している場合は、必要に応じてDirectXのバージョンアップをすることができます。
次の章から紹介をしていきます。

DirectXのバージョンアップ方法

利用者向けのDirectXのバージョンアップは、Microsoftのダウンロード画面から、DirectXのバージョンアップを行なうことができます。
Windows Updateを有効にしている場合は、自動的にDirectXのバージョンアップも含めて、インストールが行なわれるので、特に設定をする必要はありません。
基本はWindows Updateが有効な状態のはずなので、特に操作を行なう必要がないことが多いと思われます。

Windows Update以外にも、利用者向けのDirectXを個別にダウンロードを行ってバージョンアップする方法はあります。
次の章で紹介する「DirectXのダウンロード、インストール方法」をご確認ください。

DirectXのダウンロード、インストール方法

利用者向けのDirectXのインストール方法を紹介します。

  1. Microsoftの公式の以下のサイトへアクセスします。
    Microsoftの公式の以下のサイトへアクセスします。

  2. 下部へスクロールし「DirectX End-User Runtimes - 日本語」など利用環境の言語を選択し「ダウンロード」をクリックします。
    下部へスクロールし「DirectX End-User Runtimes - 日本語」など利用環境の言語を選択し「ダウンロード」をクリックします。

  3. ダウンロードセンターに自動で移動しますのでファイルのダウンロード完了を待ちます。
  4. ダウンロードが完了したら「dxwebsetup.exe」のセットアップファイルをクリックし実行します。
    ダウンロードが完了したら「dxwebsetup.exe」のセットアップファイルをクリックし実行します。

  5. 「マイクロソフトソフトウェアライセンス条項」を確認し「同意します」を選択し「次へ」をクリックします。
    「マイクロソフトソフトウェアライセンス条項」を確認し「同意します」を選択し「次へ」をクリックします。

  6. 不要な場合は「Bingツールバーをインストールする」のチェックをはずします。
    ※Bingツールバーとは、Microsoftが提供しているインターネット閲覧向けのツールバーなのでDirectXの利用とは直接関連はありません。
    ※Bingツールバーとは、Microsoftが提供しているインターネット閲覧向けのツールバーなのでDirectXの利用とは直接関連はありません。

  7. その後はDirectXのインストールの進行なので「次へ」をクリックしつつ進行します。
    その後はDirectXのインストールの進行なので「次へ」をクリックしつつ進行します。

  8. インストールの完了のウィンドウが表示されて「完了」をクリックすれば、DirectXのインストールは完了します。
    インストールの完了のウィンドウが表示されて「完了」をクリックすれば、DirectXのインストールは完了します。

DirectXを起動する方法

「DirectX 診断ツール」を起動してみて、どのような情報が表示されるのかを確認してみましょう。

  1. デスクトップウィンドウ下部の「ここに入力して検索」へ「dxdiag」を入力します。
  2. 表示された一覧の「dxdiag コマンドの実行」をクリックすると「DirectX 診断ツール」が起動します。
    表示された一覧の「dxdiag コマンドの実行」をクリックすると「DirectX 診断ツール」が起動します。

「DirectX 診断ツール」でわかること

「DirectX 診断ツール」を起動すると、さまざまな情報がわかります。
「システム」タブでわかる「DirectXのバージョン」情報は重要な情報となります。
その他にも「OS」「CPU」「メモリ」などの基本的な情報の確認ができます。

タブごとに「ディスプレイ」「グラフィックボード」「サウンド」「入力装置の情報」などもわかります。
次の章から、それぞれのタブごとに確認できる情報を詳しく紹介していきます。

DirectXのバージョン確認するには

DirectXは前のバージョンのDirectXとの互換性が基本的にはあります。
そのため、DirectXのバージョンは新しいバージョンにしておく方が良い傾向があります。

現在パソコンにインストールされているDirectXのバージョンの確認は重要となります。
DirectXのバージョン情報は「DirectX 診断ツール」の「システム」タブで確認が可能です。

「DirectX 診断ツール」の「システム」タブ

「システム」ウィンドウ画面の下の方にバージョンが記載されているので、パソコンにどのバージョンのDirectXが入っているか確認できます。
その他には「OS」や「CPU」や「メモリ」の基本情報も確認することができます。

「システム」ウィンドウ画面の下の方にバージョンが記載されているので、パソコンにどのバージョンのDirectXが入っているか確認できます。

「DirectX 診断ツール」の「ディスプレイ」タブ

ディスプレイの情報と、グラフィックボードの情報が表示されます。
複数のディスプレイを接続している場合は「ディスプレイ1」「ディスプレイ2」など個別のタブで表示されていきます。
各装置に問題がある場合は、注意の欄に表示されます。

複数のディスプレイを接続している場合は「ディスプレイ1」「ディスプレイ2」など個別のタブで表示されていきます。

液晶モニター・ディスプレイやグラフィックボードの関連商品は以下の情報をご確認ください。


「DirectX 診断ツール」の「サウンド」タブ

サウンド関連のシステム情報の表示となり、こちらも複数のサウンドデバイスが接続されていれば「サウンド1」「サウンド2」などのタブに分かれます。

サウンド関連のシステム情報の表示となり、こちらも複数のサウンドデバイスが接続されていれば「サウンド1」「サウンド2」などのタブに分かれます。

ヘッドセットやマイクの関連商品は以下の情報をご確認ください。


「DirectX 診断ツール」の「入力」タブ

マウスやキーボードなど入力デバイス関連のシステム情報が確認できます。

マウスやキーボードなど入力デバイス関連のシステム情報が確認できます。

キーボード、マウス、ゲーミングデバイスの関連商品は以下の情報をご確認ください。


「DirectX 診断ツール」の情報をテキストファイルで保存する

「DirectX 診断ツール」で得た情報は「情報をすべて保存」ボタンをクリックすると、テキストファイルとして保存することもできます。

「DirectX 診断ツール」で得た情報は「情報をすべて保存」ボタンをクリックすると、テキストファイルとして保存することもできます。

DirectX 12 Ultimateとは

DirectX 12 Ultimateが2020年3月にリリースされています。
DirectX 12とも互換性があり、ゲームにリアリティを増すための以下のような技術をサポートしています。

  • DirectX Raytracing (レイ トレーシング)1.1:MicrosoftとNVIDIAが共同開発した、リアルタイムレイトレーシングを実現するグラフィックスAPI
  • Variable Rate Shading(可変レート シェーディング):シェーダーのピクセル解像度を状況に応じて変化させ、見た目を変化や劣化させずにグラフィク描画を高速化する
  • Mesh Shaders(メッシュ シェーダー):NVIDIA RTXシリーズなどのグラフィックボードに搭載された「シェーダー(3DCGの陰影処理を行うプログラム)」
  • Sampler Feedback(サンプラー フィードバック):不必要な計算を省略することでレンダリング負荷を下げる技術

DirectX 12 Ultimateは「GeForce RTXシリーズ」または「RADEON RX 6000 シリーズ」を購入することで機能を利用することができます。
NVIDIAのグラフィックボードでは「RTX 2000」シリーズと「RTX 3000」シリーズ、AMDのグラフィックボードでは「Radeon RX 6000」シリーズが「DirectX12 Ultimate」に対応しています。


まとめ

DirectXに関しての用途やDirectXのアップグレード方法「DirectX 診断ツール」の確認方法などについて紹介をしてきました。
パソコンゲームなどのマルチメディアコンテンツの表現に重要な役割を果たすDirectXのことを理解しておくと、今後新たなDirectXのバージョンアップやゲームの対応状況などについての理解が深まると思います。


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