M.2 SSDとは何かを分かりやすく徹底解説!

SSDのパソコンへの接続インターフェースは様々な種類があります。その中でも最近採用が増えているのがM.2と呼ばれるインターフェース規格で、呼び方は「エムドットツー」です。
この記事では、SSDというデータを読み書きできる記憶装置の接続方式規格のひとつ「M.2」についてご紹介します。

M.2 SSDとは

M.2 SSDとは

従来のハードディスク(HDD)にかわる記憶媒体として急速に利用が拡大しているのがSSDとなります。

SSDは、パソコンに接続するインターフェースとしてさまざまなものに対応していますが、その中で最近使われ始めているのがM.2 SSDと呼ばれるものです。

M.2 SSDは、マザーボード上のスロットに直接差し込む基板の形をしており、基板の種類によって3種類の長さのものに分けられます。

基板のタイプ M.2 type2280 M.2 type2260 M.2 type2242
サイズ(mm) 22 × 80 22 × 60 22 × 42

従来のSSDを含めて、SSDの接続コネクタは以下の3タイプに分かれています。

  • マザーボードのコネクタに直接差し込む
  • SATAケーブルを利用
  • PCI-Expressボードタイプ *あまり無い

M.2という規格について

M.2とは、コンピュータに内蔵される拡張カードにおいて接続端子となる規格のことです。
呼び方は「エムドットツー」となります。
SSDというデータを読み書きできる記憶装置の接続方式の種類の一つでもあります。

M.2はIntel 9シリーズ以降のマザーボードに採用された新しい規格で、Serial ATA(シリアルATA)やPCI Express(ピーシーアイエクスプレス)に対応するなど、機能性や柔軟性に優れています。
接続はスロット式(マザーボードなどに直接接続する)を採用しており、基板がむき出しになったような形が一般的です。

小型ノートパソコンなどの普及に合わせて、ストレージ用の面積を小型化することを目的に開発されました。

マザーボードと拡張カードを接続するM.2は、従来あるさまざまなインターフェース規格に対応しています。
代表的なインターフェースとしては「Serial ATA」と拡張スロットの利用に使われる「PCI Express」があります。
また従来のコネクターとの互換性はないものの、データ転送の技術自体は互換性を持っています。
M.2はコネクターなど物理的な部分に関しては新しく、データ転送に関しては従来の技術を取り入れた規格となっています。

mSATA SSDと比較して分かるM.2 SSDの優位性

M.2 SSDを知る上で欠かせない規格がmSATA SSDです。
mSATA SSDを引き継ぐ製品としてM.2 SSDが開発されたからです。
新規格のM.2 SSDに対し、旧規格のmSATA SSDと理解しておいて問題ありません。

mSATA SSDはコンパクトな形状と直接スロットに差し込む型式によって、多くのノートパソコンに搭載されました。
ノートパソコンが年々薄型になっていたのにも、mSATA SSDが大きく貢献しています。
その影響は薄型化や軽量化だけにとどまらず、バッテリー面積を広げるなどにも一役買いました。

M.2 SSDも小型であり、mSATA SSDと同じく直接スロットに差し込みます。
では両者の違いはどこにあるのでしょうか。

一番大きな違いは転送速度の違いと言えます。
mSATA SSDの転送速度は6Gbpsですが、M.2 SSDは10Gbps~32Gbpsとなります。

データの転送方式にも違いがあります。
mSATA SSDがSerial ATA 3.0にの転送方式なのに対し、M.2 SSDは接続する機器に応じたデータ転送方式が可能です。
M.2 SSDは複数の信号が結線されているため、転送方式を自動的に切り替える機能が搭載されています。

形状にも違いが現れています。
mSATA SSDは小型のカードのような形状をしているのに対し、M.2 SSDは細長いスティック型となります。
スロット部分は「mSATA SSDは約30mmの幅」ですが「M.2 SSDは約22mmの幅」となり、M.2 SSDの方がより小さくコンパクトに作られています。

対応するインターフェースにも違いがあります。
M.2 SSDは二つのタイプのインターフェースがあり、高速の「PCI-E接続」と低速の「SATA接続」の両方に対応しています。
mSATA SSDはこういった対応はありません。

特に転送速度の面の向上は大きく、mSATA SSDで実現できなかった性能面や機能の追加を行った新しい規格がM.2 SSDであると言えます。

M.2の汎用性

高速のデータ転送を可能にしたM.2は、高性能なスペックを追求する人向けの製品です。
ストレージに連続してアクセスするような負荷のかかる動作を多く行う場合に適しています。
コンパクトな形状でドライブベイが不要なため、タブレットや小型ノートパソコンなどにも搭載できます。
高性能の製品を利用する際、発熱が気になるという人がいるかもしれません。
高速データ転送には大きな電力消費を要し、製品によってはその分、発熱が高くなります。

M.2 NVMeとM.2 SATAの違い

現在M.2 SSDには大きく分けて以下の2つの接続の種類があります。

  • M.2 NVMe
  • M.2 SATA

M.2 NVMe

NVMeは「読み込みや書き出しが圧倒的に速い」という特長があり、性能を重視するユーザーに大変人気があります。

M.2 NVMeSSDの製品一覧はこちら。

M.2 NVMe SSD一覧M.2 NVMe SSD一覧

M.2 SATA

SATAの規格は従来からHDDや3.5インチSSDでも使われてきたもので、M.2での接続に対応しているものがあります。
M.2 SATAはM.2 NVMeに比べると「読み込みや書き出し」が遅い傾向にありますが「省電力」「発熱が少ない」「PCIe(PCI-Express)のレーン数を使用しない」などのメリットがあります。

M.2 SATA SSDの製品一覧はこちら。

M.2 SATA SSD一覧M.2 SATA SSD一覧

M.2 SSDの接続端子(キー)の形状

M.2に接続する規格が同じでも「接続端子のキー形状(キーID)」の種類が複数存在し、形状ごとに対応する製品が違ってきます。
M.2 SSDの場合「Mキー」と「Bキー」が対象となり、対応する規格によって、ピンの配列がそれぞれ違っています。

M.2 SSDの「Mキー」「Bキー」

M.2 SSD用の接続端子のタイプは基本的に2種類あります。
名称としては「Mキー」と「Bキー」となります。

  • Mキー:PCIe×4(M.2 NVMe)
  • Bキー:SATA(M.2 SATA)

それぞれについて紹介します。

Mキー:PCIe×4(M.2 NVMe)

M.2 NVMe接続用の端子となります。
「PCIe×4」とはPCIe(PCI-Express)のレーン数を4レーン使用するという意味になります。
Mキー:PCIe×4(M.2 NVMe)の形状は以下の画像のようになります。

Mキー:PCIe×4(M.2 NVMe)の形状は以下の画像のようになります。

PCIeについて、くわしくは以下の記事もご覧ください。

PCI-Express(PCIe)とは

M.2 NVMeSSDの製品一覧はこちら。

M.2 NVMe SSD一覧M.2 NVMe SSD一覧

Bキー:SATA(M.2 SATA)

M.2 SATA接続用の端子となります。

Bキー:SATA(M.2 SATA)の形状は以下の画像のようになります。

Bキー:SATA(M.2 SATA)の形状は以下の画像のようになります

M.2 SATA SSDの製品一覧はこちら。

M.2 SATA SSD一覧M.2 SATA SSD一覧

M.2 NVMeとM.2 SATAはどちらも「同じM.2スロットを使用して接続できる」場合がある

端子の形が違いますが「M.2 NVMe」と「M.2 SATA」はどちらも「同じM.2スロットを使用して接続できる」場合があります。
例えばマザーボードの「TUF GAMING B550-PLUS」ですと「CPUに最も近いM.2スロット」に関して、以下の情報の記載があります。

  • PCIe4.0x4接続 最大64Gb/sまでの M.2 SSD または SATA 接続 M.2 SSD に対応
  • PCIe3.0x4接続 最大32Gb/sまでの M.2 SSD または SATA 接続 M.2 SSD に対応

これは以下の意味となります。

  • 対応CPUと組み合わせることで「 PCIe 4.0x4 接続」でデータ転送速度 64Gb/s までの「M.2 NVMe」に対応。
    ※搭載するCPUの世代やシリーズによって最大で対応できる速度が変化します。
    ※「PCIe 4.0x4 」接続に対応である場合「PCIe 3.0x4接続」や「PCIe 3.0x2接続」にも対応します。
  • 「PCIe 3.0x4接続」でデータ転送速度32Gb/sまでの「M.2 NVMe」にも対応。
  • 「SATA 接続 M.2 SSD に対応」なので「M.2 SATA」にも対応。

「PCIe 4.0x4 接続」「PCIe 3.0x4接続」が「M.2 NVMe」対応の意味です。
「 SATA 接続」が「M.2 SATA」対応の意味です。
このように「PCIe」と「SATA」両方の表記のあるM.2スロットは「M.2 NVMe」「M.2 SATA」両方の種類の接続ができます。

一般的には「CPUに近い側のM.2スロットはNVMe専用のことが多い」傾向があります。
また、対応するスロットと内部接続でも、製品の組み合わせによっては動作しない場合もあります。
チップが両面に搭載されているM.2 SSDの場合、マザーボードによって取り付けができるかどうかが変わるなども注意が必要です。
確実な判断としては、マザーボードの製品ページで詳細な情報を確認することが必要となります。

M.2 SSDのメーカーと製品の紹介

M.2 SSDにはどのようなメーカーがあって、どのような製品があるのかを紹介します。

Western Digital

Black SN750シリーズ

NVMe接続で競合ドライブの中でも優れたパフォーマンスを誇り、パワフルなゲームプレイを実現。容量は250GBから最大2TBまであります。

Crucial

MX500 シリーズ

Micron製品のブランド「Crucial」でDynamic Write Accelerationテクノロジー搭載。高速なフラッシュメモリからなる適応型プールを採用。

Samsung

SSD 970 EVO シリーズ

V-NAND(3D NAND)、Phoenixコントローラ、Intelligent TurboWriteテクノロジーを搭載でコンシューマーからゲーミングPCまで幅広く対応。

SanDisk

Extreme PRO

高負荷環境に最適化、NVMeプロトコルによる最大500,000のランダム読み取り IOPS1で究極のスループットを実現。

CFD

EG1VNE シリーズ

優秀なコントローラーとキャッシュで、エントリーモデルでも高いスピードを発揮。

Corsair

Force Series Gen.4 PCIe MP600

Gen4 PCIe 技術を用いて、 4,950MB/s にもなる明らかに高速な連続読み出し速度を達成しています。コントローラーのPhisonと東芝製3D NAND搭載。

Seagate

FireCuda 520

業界トップレベルのスピード、長時間の酷使に耐えられる耐久性、低レイテンシー、優れたゲーム体験を実現するゲーミングSSDならさらに先のゴールを目指せます。

GIGABYTE

AORUS

全面銅製ヒートシンクは、デバイスの前面と背面の両主要コンポーネント、コントローラ、および NAND フラッシュからの熱伝達を考慮に入れています。 全面銅製ヒートシンクは、アルミ製ヒートシンクと比較して69%高い熱伝達能力を持ち、AORUS NVMe Gen 4 SSD は最高の放熱性を発揮します。

まとめ

製品の種類も増加しつつあり、M.2 SSDは今後ますます人気が出てくるストレージとなると思われます。
M.2 SSDはデータの読み込みや書き込みの速度を少しでも速くしたいと求めるユーザーにとっては大変魅力があるSSDと言えます。

M.2 SSDの導入の際にはマザーボードによって対応できるコネクターに違いがあるので注意が必要です。
対応しているかどうかについて、マザーボードの情報を良く確認し、購入するようにしましょう。

m.2 SSDの発熱対策として「M.2 用のヒートシンク」もありますので、導入の際に是非ご検討ください。

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