デフラグとは?Windows 10でデフラグを実施する場合に知っておきたいポイントをご紹介

デフラグとは「データの断片化解消」の意味。最近ですと「HDDとは違ってSSDでデフラグは必要?」などの疑問点を持つ方もいるかもしれません。
この記事では、Windows 10のデフラグについて、操作方法、SSDの場合の断片化の処理、仮想ハードディスクの場合の注意点などを紹介します。

デフラグとは?

デフラグとは?

デフラグの正式名称は、デフラグメンテーション(defragmentation)。
SSDやHDDなどのデータ断片化をなくすという意味です。

パソコンは、SSDやHDDなどの保存媒体でデータの読み書きを行いますが、使用していくとどうしてもデータが分断されてしまいます。
ファイルが分断されて、データが散らかってしまっている状態を「ファイルの断片化」と言います。
この断片化を解消してファイルを整理するための機能がデフラグです。

デフラグをする理由

デフラグは「ファイルの断片化」を解消するために実行する機能と説明をしましたが、なぜ「ファイルの断片化」を解消する必要があるのでしょうか。

例として、部屋の中を考えてみましょう。
ファイルが断片化した状態というのは、部屋が散らかり、なにがどこにあるのか分からない状態の場合、探すのに時間がかかってしまいます。

パソコンの「ファイルの断片化」も同じです。
必要なときに必要なファイルがすぐに見つからないので、ファイルを見つけるまでに時間がかかってしまいます。
そのため、「ファイルの断片化」を解消し、ファイルを見つけやすくするために、デフラグをするのが良いと言えます。

「ファイルの断片化」が解消されると、データの場所が整理されます。
デフラグを行えば、何度もデータを検索することが不要になり、SSDやHDDへの読み書きの速度が向上することになり、結果としてパソコン自体のデータの処理速度も向上します。

Windows 10でのデフラグ起動方法

Windows 10でデフラグを起動する方法の中で「検索ボックス」「スタートメニュー」を使用する2種類を紹介します。

Windows 10 の検索ボックスでデフラグを起動する

  1. Windows 10のウィンドウ下部、タスクバーにある検索ボックスに「デフラグ」と入力します。
    Windows 10のウィンドウ下部、タスクバーにある検索ボックスに「デフラグ」と入力します。

  2. 検索結果ウィンドウにある「ドライブのデフラグと最適化」をクリックするとデフラグの設定ウィンドウ「ドライブの最適化」が表示されます。
    検索結果ウィンドウにある「ドライブのデフラグと最適化」をクリックするとデフラグの設定ウィンドウ「ドライブの最適化」が表示されます。

Windows 10のスタートメニューからデフラグを起動する

  1. スタートボタンをクリックし、メニュー「W」項目の「Windows 管理ツール」をクリックします。
    スタートボタンをクリックし、メニュー「W」項目の「Windows 管理ツール」をクリックします。

  2. 展開されたメニューの中にある「ドライブのデフラグと最適化」をクリックするとデフラグの設定ウィンドウが表示されます。
    展開されたメニューの中にある「ドライブのデフラグと最適化」をクリックするとデフラグの設定ウィンドウが表示されます。

    以上の方法などでWindows 10のデフラグ設定ウィンドウ「ドライブの最適化」が表示されます。
    次の章からデフラグの設定を紹介していきます。

Windows 10デフラグ画面、デフラグの設定方法

デフラグ設定ウィンドウに表示される内容やデフラグの設定方法を紹介していきます。

状態(T)

パソコンに接続されている、SSDやHDDなどのドライブが一覧表示されます。

  • 「メディアの種類」項目にSSD:ソリッドステートドライブなどのドライブの種類が表示されます。
  • 「最後の実行」の項目には最後にデフラグが実施された日時などが表示されます。
    パソコンに接続されている、SSDやHDDなどのドライブが一覧表示されます。

手動でのデフラグ実施方法

デフラグを手動で実施する場合、以下の2つのステップで実施できます。

  1. デフラグを実施したいドライブを選択します。
  2. 「最適化」ボタンをクリックするとデフラグが実施されます。
    デフラグを手動で実施する場合、以下の2つのステップで実施できます。

自動で定期的にデフラグを実施する方法

定期的なデフラグを実施するように設定しておくと手間が無く便利です

  1. 「スケジュールされた最適化」項目の中の「設定の変更」ボタンをクリックします。
    定期的なデフラグを実施するように設定しておくと手間が無く便利です

  2. 「最適化のスケジュール」が表示されますので
    「スケジュールに従って実行する」にチェックを入れて「頻度」のところでデフラグのスケジュールを設定すればOKです。
    「スケジュールに従って実行する」にチェックを入れて「頻度」のところでデフラグのスケジュールを設定すればOKです。

  3. デフラグ対象のドライブを選択したい場合は「選択」ボタンをクリック
    定期的なスケジュールで最適化するドライブの選択ウィンドウが表示されますので、チェックを入れればOKです。
    デフラグ対象のドライブを選択したい場合は「選択」ボタンをクリック
    定期的なスケジュールで最適化するドライブの選択ウィンドウが表示されますので、チェックを入れればOKです。

以上の方法でデフラグの実施ができます。

デフラグ時の注意点

デフラグ中はパソコンの電源は絶対にOFFにしたり、電源を抜いたりしないようにしましょう。
ドライブへのアクセス中の電源OFFはエラーが発生する可能性があります。
デフラグには時間がかかるため、作業を行っていない状態で実施することをおすすめします。

Windows 10ではSSDはデフラグせずにTRIMコマンドを実行している

基本的にはデフラグを実行した方が良いのですが、中にはデフラグを実行しない方が良い場合もあります。
そのひとつが、SSDを使用している場合となります。

SSDでデフラグを推奨しない理由

SSDでデフラグを推奨しない理由は以下となります。

  • デフラグを実行したとしても、性能が大きく向上するわけではない
  • SSDは書き換え回数に制限があり、デフラグを行うと製品寿命が短くなる可能性がある

HDDのみの時代ならば「デフラグ」は「とりあえずデフラグしておけば快適に使える」くらいの考えが、SSDでは「ドライブの最適化」がもしかしたら「NG機能になる?」と思うかもしれません。
Windows 10では「ドライブの最適化」の機能において、SSDに対してはデフラグではない対応を実施しています。

SSDはWindows 10では「TRIM(トリム)コマンド」が実行される

上記の理由でSSDでのデフラグは推奨されず、実際Windows 7ではSSDを検出した際にデフラグされないような措置がとられていました。
Windows 10の「ドライブの最適化」のウィンドウでは「SSDもデフラグの設定画面に表示されていたけれど問題無いの?」と思う方もいると思います。
Windows 10では「デフラグされない」のではなく、デフラグの代わりとして「TRIMコマンド」が実行されるようになっています。
※TRIMコマンドに対応していないSSDの場合は対象外になります。

TRIM(トリム)コマンドとは

TRIMコマンドはSSDの未使用領域を、内部的な方法で消去するために用いられるコマンドの事となります。
TRIMコマンドが実行されることで、データが保存されている特定の領域が未使用になったことをSSDに通知することができます。

SSDの仕組み上、古いデータを消去してから新しいデータを書き込むという手順が必要です。
つまり、SSDではデータの直接の上書きはできないことになります。
そして、複数の「ページ」をまとめた「ブロック」と呼ばれる大きな単位でデータをコピー・消去・書き込みの手順を行う必要などがあります。
また、繰り返し同じ箇所への書き込みを防ぐ「ウェアレベリング」という操作をすることもあります。
SSD内部の処理はその特性から少々複雑だったり大規模な処理が行われていることになります。

TRIMコマンドによって、上記のような複雑で時間のかかる処理を効率化することができるようになっています。
消去して問題ない論理アドレスをSSDに通知することで事前に内部的な処理として消去しておき、すぐに書き込める状態にしておくことが可能となっています。

Windows 10ではSSDはTRIMコマンドが実施され「●●%トリム済み」と表示される。

仮想環境のハードディスクではデフラグをしない

「仮想環境のハードディスク」はデフラグをしないようにしましょう。
なぜなら、デフラグを行ってデータの整理を行うのが目的のはずなのに、デフラグを行うことによってデータサイズが増えてしまうためです。
次の章からその理由を順番に紹介していきます。

仮想ハードディスクとは

そもそも、「仮想ハードディスク」とはなんなのでしょうか。
パソコンの中にさらに仮想的なパソコンを作ることができます。それを「仮想マシン環境」と呼びます。
「仮想マシン環境」の中でOSやアプリケーションを動作させることができます。
そして、パソコン全体の環境自体を仮想化しているため、保存媒体であるHDDの役割も存在しています。
「仮想ハードディスク」とは、「仮想マシン環境のHDDの役割の領域」のことを指します。

可変容量の仮想ハードディスク

「仮想ハードディスク」には、「実際に必要なデータ部分」だけをファイルに記録する「可変容量の仮想ハードディスク」と呼ばれる機能があります。
「可変容量の仮想ハードディスク」の目的は、無駄にディスクを使用するのを防いだり、実際のディスク入出力を減らしたりすることにあります。

例として、「仮想マシン環境」のハードディスクとして60GBを割り当てた場合、使っている部分が20GBのみなのであれば、「実際に必要なデータの20GB」のみが記録される形となります。
では「実際に必要なデータ」の部分をどうやって判断するのでしょうか。
以下のような基準となります。

  • 一度でも書き込んだことがあればそれを仮想ディスク・ファイルに書き込む
  • 一度でも書き込んだことがなければ書き込まない

全ディスク領域のうち一度でも書き込んだことがある部分は、「実際に必要なデータ部分」と判断しています。
これにより、必要な部分と不要な部分が明確に判別し、使っていない部分をファイルとして確保しないようにしています。

そのため、仮想マシン内でファイルを削除したとしても、「仮想ハードディスク」のファイルサイズが小さくなることはありません。
なぜなら、「可変容量の仮想ハードディスク」には「一度でも書き込んだことがある部分」が「実際に必要なデータ」の判断の基準として存在しているからです。
そのため、どこが削除されて「使用可能」になったのかは判断する基準が無いので、削除された部分も「実際に必要なデータ部分」として残る事になります。

仮想環境のハードディスクでデフラグは実施しない方が良い理由

デフラグの仕組みを簡単に解説すると、ファイルの位置を空き領域に移動して再配置することで、並び順を整理するというもの。
「仮想マシン環境」のディスクのドライバにとっては、ファイル・システム上のどこが未使用領域は分かりません。
そのため、結局は一度でも書き込みがあった部分をすべて物理的なディスクに保存するしかないのです。

デフラグを行うと、以前は未使用だった領域に新たにデータを書き込むことになります。
そうなると仮想ディスク・ファイルの拡大や圧迫につながってしまうのです。

「仮想マシン環境」上にWindows 10をインストールした場合

Windows 10を仮想環境にインストールした場合、「仮想環境のハードディスク」が自動でデフラグされるのを防ぐ必要があります。
デフラグの設定ウィンドウ「ドライブの最適化」を開き「設定の変更」ボタンをクリックし、「スケジュールされた最適化」の「設定変更」ボタンをクリック、「スケジュールに従って実行する」のチェックを外しておくと良いでしょう。

デフラグの設定ウィンドウ「ドライブの最適化」を開き「設定の変更」ボタンをクリックし、「スケジュールされた最適化」の「設定変更」ボタンをクリック、「スケジュールに従って実行する」のチェックを外しておくと良いでしょう。

まとめ

デフラグについて、意味や設定方法、Windows 10でのデフラグの機能について詳細に説明をしてきました。
SSDの場合の「TRIMコマンド」や「仮想環境のハードディスク」においてのデフラグについて少し踏み込んだ説明も実施し、少し難しいという印象を持つ部分もあるかもしません。
「普段意識せずに使えているから」と言う理由で関心を持っていないと、思わぬところで無駄なデータ容量や時間を消費してしまうこともあります。
デフラグは基本的な機能ではありますが、年々進化している面も多数ありますので、一度デフラグの設定画面である「ドライブの最適化」の設定を確認してみるのも良いでしょう。

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