キーボードの種類とは?キーボードタイプごとの特長や用途別おすすめのキーボードのご紹介
キーボードはパソコンを使う際の必需品ですが、分類するとメンブレン式、パンダグラフ式、メカニカル式、機械軸など、種類や機能に多様性があります。
この記事では、キーボードの種類ごとについて違いを解説し、仕組み、仕様、軸の違いなど選ぶ際のポイントや用途別のおすすめのキーボードを紹介します。
キーボードの種類は主に4つ!それぞれの特長
キーボードは文字入力に欠かせないデバイスですが、その仕組みや見た目はタイプによってさまざまです。
キーボードの種類によって「タイプ音の大きさ」や「指の疲れやすさ」が違うため、特長ごとの違いを理解することがキーボード選びにおける1つのポイントになっています。
実際の品質は商品ごとに異なるものの、キーボードの種類に応じた特長についてご紹介します。
メンブレン式キーボード
メンブレン式キーボードとは、1つのシート(基板)をキーボード全体に使ってすべてのキーをカバーしているキーボードを指します。
ほとんどのケースでキーボードを押し戻す仕組みにラバードーム(ゴム)が用いられており、タイピングの打ち心地はゴム特有の感触になっています。
広く普及している仕組みですが、しっかりと中央部分を押し込むタイピングが必要になります。
また、ゴムの劣化が進むにつれて徐々にタッチの感触も悪くなってしまうため、1つのキーボードを長く運用したい方にはあまり向いていません。
メンブレン式キーボードの特長
- 価格設定が比較的安価
- しっかりと押し込む(タイピングする)必要がある
パンタグラフ式キーボード
パンタグラフ式とは、メンブレン式と同じ仕組みに加えてひし形のパンタグラフが追加されたキーボードを指します。
メンブレン式に比べると、キーを支える支持構造が増えているためタイピングしやすいです。
軽いタッチでもタイピングしやすく、キー全体が傾かずに沈むため中心部以外を押し込んでも入力しやすいといったメリットを持ちます。
一般的にはノートパソコンのような薄型キーボードのイメージが近いです。
パンタグラフ式キーボードの特長
- ノートパソコンのキーのような薄さ
- メンブレン式に比べるとタイピングしやすい
メカニカル式キーボード
メカニカル式キーボードとは、1つ1つのキーが独立して機能しているキーボードです。耐久性やカスタマイズ製に優れていますが、複雑な仕組みから高価になりがちといったデメリットもあります。
スイッチの内部には「青軸」や「赤軸」といった機械軸が用いられ、軸の違いによって「入力時の手ごたえ」や「タイピング音」が変わるという一面を持ちます。
軸ごとの特性を理解すれば自分好みにキーボードをカスタマイズすることも可能です。
カスタマイズを考えている場合は各パーツの交換に一定の知識や技量が求められるので、上級者向けのキーボードだといえます。
メカニカル式キーボードの特長
- 耐久性が高い
- キーごとにカスタマイズできる
- 知識があれば修理できる
静電容量無接点方式キーボード
静電容量無接点方式キーボードは、メカニカル式と同じくそれぞれのキーが独立して機能するキーボードを指します。
スイッチを押すときの静電気を感知して入力するため、一般的なキーボードでよく見られる「底打ち」をする必要はありません。
タイピング時に発生する底打ち音を抑えることで、通常よりも静かなタイピングが可能です。
キーボードの仕組みに関わっているパーツが少ないことから、キーが劣化しにくい傾向があります。
また、構造上の仕組みによりチャタリングが発生しないメリットもあります。
※チャタリング:「A」と1回だけ入力したつもりでも、「AAA...」とキーが連続反応して必要以上の文字入力が起きること。
「キーボードを頻繁に使う」「オフィス周りのタイピング音を静かにしたい」といったオフィスワーカーには特におすすめのキーボードです。
静電容量無接点方式キーボードの特長
- 耐久性・快適性に優れている
- タイピング音が独特である
- 価格設定が高め
キーボードを選ぶうえで見るべきポイントは?

キーボードの仕組に加えて、製品の違いによってもキーボードの機能面が大きく異なります。キーボードを選ぶうえで見るべき、5つのポイントをご紹介します。
キーボード言語や仕様の違い(英字・日本語やテンキー)
日本で一般的に使われているキーボード仕様は「JIS(日本語)」配列ですが、「US(英字)」配列もあります。
JIS配列とUS配列は「キーの数や並び方、印字」などに違いがあるため注意が必要です。
たとえば、USキーボードでは”かな文字”の印字がなかったり、「@(アットマーク)キー」が数字キー2の上にあったりと、普段JISキーボードを使っている方にとっては少し抵抗があるでしょう。
また、キーボードごとの仕様で「F1~12(ファンクション)キー」やテンキーがついていないこともあります。
「普段キーボードのテンキーを使って数字を入力している」という場合は、テンキーレスキーボードを間違って購入しないよう注意しましょう。
有線・無線接続方法の違い
キーボードには有線・無線の2つが存在します。
使い勝手はどちらも一長一短のメリットがあり、好みで使い分けることがポイントです。
有線キーボードは接続が安定している一方で、ケーブルの届く範囲内でしか操作できません。
また、使っているPCデバイスの数によってはデスク周りがケーブルだらけになってしまうデメリットもあります。
無線キーボードは通信できる範囲であれば自由な位置からタイピングできる一方、入力時のレスポンスに遅延(ラグ)が生じるケースがあります。
また、キーボードタイプによっては電池の交換が必要になるなど、ワイヤレスで利用するためのコストが必要です。
近年ではレスポンス速度に優れた無線キーボードも出ており、キーボードの有線・無線は好みの範囲になりつつあるといえます。
耐久性の違い(防水など)
キーボードは主に4タイプに分かれていますが、中でもメカニカル式や静電容量無接点方式のキーボードは長持ちしやすく、耐久性に優れています。
「飲み物を手元に置きながらキーボードを使う」場合は、万が一に備えて防水性に目を向けてみるのも1つのポイントです。
完全防水で丸洗いOKのキーボードや、キーボードに排水穴があるタイプなど、ちょっとしたアクシデントにも対応できる製品ならキーボードの寿命も伸びるといえます。
キーボードの清掃メンテナンスはあまりしたくないという方でも、完全防水のキーボードを使えば丸洗いで簡単に清掃できます。
キーストロークやキーピッチ(キーの押しやすさ)の違い
キーボードを選ぶ場合は、キーストロークやキーピッチの違いに注目してみるのもおすすめです。
キーストローク
キーストロークとはタイピングしたキーが沈み込む深さを指し、押下(おうか)とも呼ばれます。
キーストロークが深いほどしっかりとキーを押し込む必要があるものの、タイプミスが起きにくいといった効果を期待できます。
デメリットとして、タイピングスピードが若干遅くなってしまいます。
そのため、タイピングスピードを突き詰める場合は、キーボードの選び方としてキーストロークが浅めのタイプが候補にあがります。
キーピッチ
キーピッチもタイピングのしやすさに影響を与えます。
キーピッチとは隣接しているキー同士の中心から中心までの距離を表しており、標準的なキー同士の距離は18.5mm~19mmほどです。
キーピッチが狭いほどキーボードはコンパクトになり、「持ち運びしやすい」「手の移動を最小限にできる」といったメリットがあります。
ですが、キー同士が密集することでタイピングしづらくなってしまう傾向があります。
「普段から隣のキーを巻き込んだ誤タイピングが多い」という場合は、キーピッチが標準よりも離れたキーボードを利用すればミスタッチを改善できるかもしれません。
青軸・赤軸など機械軸の違い
メカニカル式キーボードを選ぶなら、使われている機械軸をチェックすることが重要です。
機械軸は「青軸、赤軸、茶軸、etc...」といった色分けがされており、それぞれ色の違いによってタイピング音や打鍵感が異なります。
代表的な機械軸としてCHERRY社の「MXスイッチシリーズ」を例に、軸ごとの違いをご紹介します。
青軸
- 打鍵感が強く、入力する時にキーの重みを感じる
- カチカチ音が強く、タイピング音は大きめ
- タイピングしている感覚が欲しいユーザーにおすすめ!
赤軸
- キーが軽く、なめらかなタイピングがしやすい
- カチカチ音が弱く、タイピング音も小さめ
- タイピングの静かさを求めるユーザーにおすすめ!
茶軸
- 赤軸と青軸のちょうど中間ほどのスペック
- もっともスタンダード
- はじめてメカニカル式キーボードを買う人におすすめ!
キーボードを提供している会社によって、導入している機械軸や色分けのスペックが異なる点はご注意ください。
あらかじめ販売元の公式ページより機械軸ごとの特長をつかんでおきましょう。
用途別おすすめキーボード
キーボードを選ぶには基本構造や接続方法といった仕様の違いを比べる必要があります。
ですが、キーボードの選び方がいまひとつ分かりにくいという方もいるでしょう。
用途別に使いやすいキーボードの特徴を知りたい方へ向けて、おすすめキーボードをご紹介します。
スマートフォンやタブレットにおすすめのキーボード
スマホやタブレットでキーボードを使いたい場合は、Bluetoothに対応したワイヤレスタイプのキーボードがおすすめです。
持ち運びのしやすさに注目して、好みで「テンキーレス」「パンタグラフ式」といった小型・薄型キーボードを選ぶのもよいでしょう。
Logicool Bluetooth マルチデバイスキーボード ブラック (K480BK)
- Bluetooth対応のパンタグラフ式キーボード
- テンキーレス
- 最大3台までワイヤレス接続可能
最大3台のデバイスを接続できます。
ダイヤルを回すことで接続先を簡単に切り替えられるうえに、キーボード本体にスタンド機能がついています。
そのため、スマートフォンやタブレットをそのまま立てかけることも可能です。
1台で複数の端末に使えるキーボードをお探しの方におすすめです。
パソコンゲームにおすすめのキーボード
eスポーツなど競技性の高いゲームユーザーであれば、複数キーの同時押しもしっかり識別できるゲーミングキーボードをおすすめします。
ゲームプレイ中にボイスチャット機能を使う場合は、静音性に優れた赤軸採用のメカニカル式キーボードもおすすめです。
Logicool Bluetooth マルチデバイスキーボード ブラック (K480BK)
- 応答速度は1msでプロゲーマーでも採用
- 充電可能なワイヤレス接続
- 赤軸と入れ替えればゲーム中の入力音も静か
「Logicool G PRO X」はプロゲーマー向けキーボードとして発売され、プロシーンからMMOまでゲーム向け機能が多く搭載されています。
専用ソフトウェアを使うことでキーボード設定を瞬時に切り替えられたり、マクロを作成してキー1つでマクロを動作させたりすることが可能です。
テンキーレスで持ち運びもしやすいため、オフライン大会などeスポーツに熱中しているユーザーにおすすめのゲーミングキーボードだといえます。
ビジネスにおすすめのキーボード
ビジネスで長時間タイピングをし続ける場合は、「キーの反発力が抑えめ」のキーボードがおすすめです。
軽く押し込むだけでスッと入力できる静電容量無接点方式を採用した低荷重キーボードであれば、長時間のオフィスワークでも指にかかる負担を軽減できます。
東プレ REALFORCEシリーズ
- 圧倒的に快適なキータッチ
- 長期間の運用にも耐えられる耐久性
- 底打ち不要なのでソフトタッチでタイピング可能
「東プレ REALFORCE」は静電容量無接点方式のキーボードとして特に有名なブランドです。
「速く打てて疲れにくい」とされ、多くの金融機関や計算センターでのデータ入力に採用された実績があります。
指の動きにあわせてキーの傾きが絶妙に設定されている「ステップスカルプチャータイプ」であれば、タイピングの快適性をさらにアップさせる効果も期待できます。
まとめ
キーボードにはメカニカル式やメンブレン式などいくつかの種類があります。
特にメカニカルキーボードは機械軸の違いによって性能が異なるため、あらかじめ機械軸の違いを知っておくことが重要です。
他にもさまざまな機能面の違いが存在します。
用途によってキーボードに求めるスペックは異なります。
自分がどのような用途でキーボードを使うのか、必要な機能についてイメージしておきましょう。