フレームレートとは?ゲーミングPCの設定などをご紹介
フレームレート:fps(フレーム毎秒)とは「1秒間の動画が何枚の画像で構成されているか」の単位となり、ゲーミングPCの重要項目となります。
この記事では、フレームレートとはどのようなものか?から高い数値におけるメリット、ゲーミングPCにおけるおすすめの設定方法などをご紹介します。
もくじ
- フレームレートとはどのようなものか
- フレームレートが高いことによるメリット
- フレームレートが高いことによるメリット「目標の動きを予測しやすくなる」
- フレームレートが高いことによるメリット「残像が少ない」
- フレームレートが高いことによるメリット「レイテンシが少ない」
- フレームレートの設定方法
- フレームレートを設定・調整するのは「画質設定」が基本
- フレームレート調整のための画質設定「解像度」
- フレームレート調整のための画質設定「描画設定」
- フレームレート調整用の「描画関連のおすすめ設定」
- フレームレートへの影響が大きい設定項目
- フレームレートの決め手はグラフィックボード
- フレームレートはモニター性能である「リフレッシュレート」の数値も重要
- フレームレートとリフレッシュレートは近い数値であることが理想的
- まとめ
フレームレートとはどのようなものか
フレームレート:fps(frame per second:フレーム毎秒)は「1秒間にパソコンから画像の情報が出力される回数」と考えるとわかりやすいでしょう。
フレームレートはパソコンのグラフィックボード(GPU)などの性能によって、出力できる数値が決まってきます。
高性能なグラフィックボードを搭載している場合、フレームレートは基本的に高くなります。
フレームレートが高いほどパソコンゲームにおいては有利となる傾向があり、動画の滑らかさなどにも大きく影響してきます。
次の章からフレームレートについて詳しく紹介していきます。
フレームレートが高いことによるメリット
フレームレートの数値が高いほど「FPSゲーム(First-person shooter:ファーストパーソン・シューティングゲーム)」など「eスポーツゲーム」の対戦型ゲームで優位に立てるとされています。
以下のような項目が理由となります。
- 目標の動きを予測しやすくなる
- 残像が少ない
- レイテンシが少ない
それぞれの項目について、次の章から紹介していきます。
フレームレートが高いことによるメリット「目標の動きを予測しやすくなる」
FPSゲームや、シューティングゲームなどは、目標に対して的確にヒットすることが重要となります。
動いている目標に対して的確にヒットするためには、目標の動きを見ながら射撃をする必要があり、動きがなめらかに見えていれば、動きの予測がしやすくなります。
フレームレートの数値は大きいほど動きは滑らかになります。
60fpsと240fpsの例で比較すると、60fpsと240fpsでは1秒間に描写できる回数が「4倍」となる計算になります。
高フレームレートであれば、始まりから終わりの過程を描写する情報量が増えるため、スムーズな動きを表現することができます。
フレームレートが高いことによるメリット「残像が少ない」
フレームレートが高くなると「残像」を減らすことが可能です。
残像とは、1つ前のフレームに出力された画面情報が残って見えてしまうものとなります。
低フレームレートでは1秒間に更新できる画像枚数が少ないため、次の1枚へ画面が切り替わるときの情報の更新される差が大きくなります。
1枚1枚のフレームが大幅な画像の変化になりますので、モニターに残像が大きく残ってしまうことなります。
高フレームレートであれば、1秒間の表示に使用される画像枚数が増えるため、次の1枚へ切り替わるときの情報の更新される差は少なくなります。
そのため、フレームレートが高ければ、残像が少ない動画の表示が可能となります。
フレームレートが高いことによるメリット「レイテンシが少ない」
フレームレートにおいてのレイテンシは、マウスやキーボードの操作がパソコンに送信され、情報がモニター表示されるまでの「内部遅延」を意味します。
基本的には、高フレームレートであるほどレイテンシを減らす効果が期待できます。
ネットワークゲームを例にすると、映像描写はインターネット経由でCPUとグラフィックボード(GPU)が1枚1枚の画像を瞬時に作り出しつづけています。
1枚の画像を表示したら、続く画像を連続して表示しつづける仕組みです。
そのため、高フレームレートになるほど高速で情報を出力できるCPUとグラフィックボード(GPU)が必要になります。
ネットワークから受け取った情報を瞬時に画面へ反映できるため、高フレームレートほど「FPSゲーム」では敵を素早く見つけることも可能となります。
大手GPUメーカーの調べた情報によると、フレームレートの設定数値が高いほど「バトルロワイヤルゲーム」で成績が良くなる傾向にあるようです。
そのため「FPSゲーム」や「eスポーツゲーム」などオンライン対戦ゲームをプレイする人にとって、フレームレートはとても大切な数値となります。
次の章からフレームレートの設定方法を紹介していきます。
フレームレートの設定方法
フレームレートはWindowsなどの設定で「フレームレートはこの数値に固定して設定します」ということは基本的にできません。
フレームレートは主に以下の項目によって、結果として出てくる数値となります。
- パソコンパーツの性能
- 処理するデータの量
- パソコンゲームの個別の設定
「パソコンパーツの性能」はパソコンを購入したり、パーツの組み込みや交換した結果として、発揮される性能となります。
「処理するデータの量」はゲームのプレイ中において増減が常にあるため、秒単位で変化しつづけるものとなります。
「パソコンゲームの個別の設定」がフレームレートを設定する場合の基本となります。
次の章から「パソコンゲームの個別の設定」について紹介していきます。
フレームレートを設定・調整するのは「画質設定」が基本
フレームレートはプレイするゲームタイトル内の「画質設定」で大きく変化します。
パソコンゲームのほとんどはプレイ時に「3Dの画質設定」が可能となっています。
「画質を良くする」のか「画質を荒くする」のかでフレームレートが変化します。
基本的には以下の関係でフレームレートは調整できます。
- 画質を荒くする:フレームレートは「上がる」
- 画質を良くする:フレームレートは「下がる」
基本的に「画質設定」で画質を上げれば、画像が鮮明になりますが、フレームレートは下がります。
逆に画質を下げれば画像が荒くなったり、ぼやけて見えたりしますが、フレームレートは上がります。
そのため、フレームレートを調整するためには、画質設定について理解することが重要となります。
フレームレートを左右する「画質設定」は大きく2つに分けることができます。
「解像度」と「描画設定」です。
次の章から詳しく紹介していきます。
フレームレート調整のための画質設定「解像度」
「フルHD」「WQHD」「4K」などが解像度の規格の規準となります。
解像度は「ドット」つまり「点」の数となります。
「ドット」の数が多くなれば1フレームで描画するデータ量が増えます。
高解像度であるほど「データ量は増える」ことになり、フレームレートは「下がる」ことになります。
フルHD
横1,920ドット×縦1,080ドット=2,073,600ドット
2,073,600ドットを1秒間に何枚描画できる回数がフレームレートとなります。
4K
横3,840ドット×縦2,160ドット=8,294,400ドット
4K解像度の場合は縦と横のドット数がそれぞれフルHDの2倍になりますので、ドット数はフルHDの4倍になります。
解像度の下げ方
解像度設定はモニターの対応する解像度以上をゲーム設定で適用しても、モニターのドット数の限界があるため、モニターの解像度の数値が限界となります。
解像度に関しては下げていく形で調整することになります。
フルHDから設定を下げる場合、解像度を徐々に低く設定変更するのがおすすめです。
フルHD以下の解像度設定としては「1,600×900」「1,366×768」「1,280×720」などの種類が存在していますので、順番に解像度を下げてみて、フレームレートが上がるかどうかを確認しつつ調整していきます。
フレームレート調整のための画質設定「描画設定」
1フレームの1枚の絵をどのような品質で描くかを決めるのが描画設定です。
品質の意味は単に解像度のようなドットの細度だけではなく、描画におけるエフェクト、視覚効果などを含めたものだと理解してください。
描画設定の項目名や調整できる内容はゲームごとに違ってきますので、おおよその表記方法で紹介をしていきます。
プリセット設定を使用する
設定項目は「プリセット」という大まかな画質設定項目があることが多いです。
プリセットとは「preset:前もってセットする、あらかじめ調整する」の意味となります。
「最高画質設定」「高画質設定」「中画質設定」「低画質設定」などという分類にされることが多い傾向があります。
描画設定に関しては、ゲームによって、特に最高画質設定の項目名はゲームの世界観を反映した名称になっていたり、一般的なものとは異なった表現になっていたりする場合があります。
3D描画設定
3Dグラフィックを使用するゲームでは、使用するパソコンごとに快適に動作する設定が選択できるように詳細設定が用意されています。
詳細設定の項目は「詳細設定」や「アドバンスド設定」という項目名で、ゲーム設定画面の項目として存在していることがあります。
詳細設定には専門的な用語も多く、英語の名称の項目も多い傾向があります。
ゲームによってはマウスオーバーすると個別の項目の説明が表示される場合もあります。
設定項目は変更後に「設定を保存する」というような項目をクリックすると保存できます。
フレームレート調整用の「描画関連のおすすめ設定」
描画設定を全部自分で操作して決めることも可能ですが、設定するのに時間がかかってしまいます。
おすすめの方法は、最初に「プリセット」で用意されている設定を選択し、フレームレートが安定する画質設定を確認します。
その後、プリセット選択後に少し画質を良くしたい場合は「テクスチャ」「アンチエイリアス」の設定を上げることで、よりくっきりした画像にすることができます。
フレームレート調整用の設定を一旦戻すことも検討する
設定を変えすぎて、プレイに支障が出たり、フレームレートが想像と違って極端な状態になってしまう場合があります。
設定を変更しすぎて、プレイしづらく感じた場合は設定を一旦元に戻してみましょう。
「設定を初期化する」または「初期設定に戻す」という項目で、プリセット設定に戻すことができますので、一旦戻してからあらためて設定をしてみるようにしましょう。
フレームレートへの影響が大きい設定項目
フレームレートへ大きく影響を与える可能性がある設定項目を個別に紹介していきます。
アンチエイリアス
曲線部分を滑らかに表示できるようにするのが「アンチエイリアス」です。
オフにしたり、設定を下げたりすると曲線部分の表示が荒くなりますが、フレームレートは向上します。
モーションブラー
画面上をすばやく動くものやカメラ視点を動かした場合にリアルに表現するために、あえて「画像のぶれ」を表示するのが「モーションブラー」です。
オフにすると画面上を動くものの見え方の効果はなくなりますが、フレームレートは向上します。
Fog(フォグ)
「Fog(フォグ)」は「霧」や「もや」の表現を決める設定項目です。
「霧」や「もや」の表現は、ゲーム内で表示される瞬間にパソコンへの負荷がかかり、フレームレートが下がります。
特に「霧」や「もや」の表現が多いゲームでは「Fog(フォグ)」をオフにすることでフレームレートは向上します。
Explosion(エクスプロージョン)
「Explosion(エクスプロージョン)」は爆発の表現を決める設定項目です。
「Explosion(エクスプロージョン)」の設定はオンオフで決められる場合と、表現品質の上下設定のみの場合があります。
設定を下げることで「爆発表現」の瞬間のフレームレートの低下をおさえることができます。
フレームレート制限
フレームレートの最大値を変更できる項目です。
「フレームレート制限」は、フレームレートの上下の変動幅を小さくして、フレームレートを一定に近づけようとするものです。
「フレームレート制限」はほとんどのパソコン用モニターが表示に対応する60fpが一つの規準となっています。
60fps以上の設定項目は、モニター側が対応している必要があります。
「フレームレートがもっと出るはずなのに60fps以上でない」という場合、この項目が影響している可能性があります。
VSYNC
画面を描画する際は、画面全体を1枚で描画しているわけではなく、画面を複数分割して描画を行います。
描画タイミングが上下で違うと、画面の途中がずれて見える場合があり、垂直方向のずれを抑制する機能がVSYNCとなります。
VSYNCでは表示がずれないように、フレームレートを自動で下げる調整をし表示するため、結果としてフレームレートは下がることが多くなります。
VSYNCをオフにすると、表示のズレが発生する場合がありますが、フレームレートは高いままとなる傾向になります。
VSYNCに関しては以下のページもご確認ください。
フレームレートの決め手はグラフィックボード
ゲーミングPCであれば、高性能グラフィックボードを搭載していることが条件の一つとなります。
フレームレートの決め手になっているのは、グラフィックボード(グラフィックス)の性能となるためです。
高いフレームレートを目指すなら、可能な限り高性能なグラフィックボードを検討するようにしましょう。
グラフィックボードは「NVIDIA」社のGeForceの「RTXシリーズ」や「GTXシリーズ」と「AMD」社のRadeonの「RXシリーズ」があります。
グラフィックボードの性能は「グラフィックボード性能比較ページ」でご確認ください。
グラフィックボードの製品については以下のページをご確認ください。
フレームレートはモニター性能である「リフレッシュレート」の数値も重要
フレームレートが60fpsなら1秒間に60回の描画情報がモニターに送信されます。
240FPS(フレーム毎秒)なら1秒間に240回の描画情報がモニターに送信されることになります。
ただし、フレームレート単体の数値のみが単純に高くても、実際に表示される画像がフレームレートの上限にならない場合があります。
モニターに画像は表示されるため「リフレッシュレート」の数値もフレームレートに合わせて高くなければならないためです。
フレームレートとリフレッシュレートの相関
リフレッシュレートはモニターの表示能力の単位と考えてください。
リフレッシュレートの単位は「Hz(ヘルツ)」となります。
60Hzのモニターならばモニターが1秒間に60回の画像を更新することになります。
「フレームレート240fps:リフレッシュレート60Hz」の場合を考えてみます。
この場合、リフレッシュレート側の数値である「60Hz」に合わせることになります。
パソコン側から240fpsのデータを送信されたとしても、表示するモニター側が240回の表示には対応しきれないということになります。
1秒間に画面上で表示される回数は「リフレッシュレートの限界の数値」である「60回」となります。
逆も同じです。
「フレームレート60fps:リフレッシュレート240Hz」の場合を考えてみます。
この場合、フレームレート側の数値である「60fps」に合わせることになります。
パソコン側から60fpsのデータしか送信されてこないので、表示するモニター側が240回の表示に対応していても表示できるものが60回分しかないということになります。
1秒間に画面上で表示される回数は「フレームレートの限界の数値」である「60回」となります。
リフレッシュレートについては以下のページもご確認ください。
フレームレートとリフレッシュレートは近い数値であることが理想的
高いフレームレートを発揮するグラフィックボード(GPU)には、高リフレッシュレートのモニターで表示の限界をなるだけ高めておくことが理想的となります。
144fps(フレーム毎秒)が出せるパソコンのグラフィック性能ならば、144Hz(ヘルツ)のゲーミングモニターで表示すれば、最大限の描画性能を発揮できることになります。
「高性能なグラフィックボードを搭載したパソコン」は「高性能なモニター」とあわせて使用することで最高のパフォーマンスが発揮されます。
ゲーミングモニターならば、ゲームに向いた高性能を実現しているので検討してみてください。
まとめ
フレームレートについて紹介をしてきました。
フレームレートの数値はパソコン自体のグラフィックス性能に大きく依存する部分があります。
ゲームの設定での調整は可能ではありますが、画質を落とす方向でフレームレートを調整していくことになります。
可能であれば高性能なグラフィックボードと、その表示に対応できる高性能なモニターを用意して、可能な限り高画質でありつつ高フレームレートを維持できるようにすることを検討するようにしましょう。
そのためには「高性能なグラフィックボード」と「144Hzを超える高性能なモニター」がおすすめとなります。