時代は8Kの時代へ!具体的な放送時期とは?

4Kや8Kというより高画質なモニタは存在したものの、値段が高いという点で大きく普及せず、2Kがテレビ放送の主流となってきました。
しかし、2020年に東京オリンピックを控える今、4Kや8Kに対応した放送へと放送業界は動いています。
さらに、これまで高額だった4Kや8Kのモニタの値段が下がり、より手に入れやすい価格へ。
中でも高画質で注目される8Kの放送時期はいつなのでしょうか?

2016年に試験的な放送が始まる

総務省は、4Kと8Kの放送に関して推進のためのロードマップを発表しています。
そのロードマップによると、リオデジャネイロでオリンピックやパラリンピックが開かれる2016年より8Kの実験的な放送を開始するとされています。

そして、同じくロードマップでは、民放とNHKそれぞれにおいて、どのような取り組みを行っていくかの大筋が発表されました。
具体的な取り組みをそれぞれ見ていくと、特にNHKにおいての試験的活動が活発になる模様です。

NHKにおける8Kの放送は月曜から日曜それぞれ10時から16時の時間帯で6時間の放送が予定されています。
この6時間に加え、4K放送を1時間加える形です。1日のうち6時間と言えば、1日に換算するとおよそ4分の1。

かなり大々的に試験放送が行われることが分かります。
そしてこの1日6時間の8K放送に加え、NHKは16時台において月6時間あたりの4K放送も行うと発表しています。

一方BSチャンネルでは17チャンネルにおいて、放送終了後の空周波数を利用して行われる予定です。
注目の8K放送は、2016年8月1日より試験的な放送が開始される予定です。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて

8K放送が急ピッチで進められる理由としては、2020年の東京オリンピック・パラリンピックが挙げられます。
冬期のオリンピックが札幌や長野で行われることはありましたが、夏季のオリンピックが日本で行われるのは1964年以来56年ぶり。

半世紀を経てやっと日本がつかんだチャンスでもあります。
この日本がせっかくつかんだチャンス、放送界でもしっかり活かそうと、8Kならびに4K放送は2020年を目標に放送の拡充が目標となっています。

総務省の示したロードマップにおいて、2020年における放送の目指す姿は、より多くの放送が8Kないし4Kで行われるということ。
その場でしか感じられないような臨場感を、より高画質な8Kや4K放送を取り入れることによって感じられるようにし、たとえその場にいなくても感動が伝わるという放送が目指されています。
具体的には、オリンピックの開かれる2020年までに、BSの衛星放送においても、8Kにおける実用放送を具現化していく構えです。

2025年にはテレビ放送が進化している

ただ残念なことに、2016年から東京オリンピック・パラリンピックの開かれる年の2020年まであと4年しかないことも事実です。
これまでの報告では2020年を最終的な目標として掲げてきた総務省でしたが、2015年の終わりにおける新たな発表では、2025年を最終的な目標として掲げることをロードマップとして発表しました。
それは、全体的な進捗を見て完全に8Kまたは4Kに移行することが難しいと考えたからです。

2025年における目標は、BS左旋と110度CS左旋における実用放送の多様な実現と右旋と同程度の左旋の整備です。
左旋とは何かという話ですが、現在テレビの受信は右回りの右旋で行われています。

しかし8Kや4Kの放送を行うとなる周波数の空がなく右旋では難しい状況です。
この周波数の問題は、左周りの左旋を導入することでこの周波数の問題は解決することができます。

ただし、2016年現在において左旋の普及は限定的。
つまり、このロードマップで掲げられている目標というのは、4Kや8Kの放送が2025年には現在のテレビ放送の普及と同じくらいの水準まで整備された状況にしたいということなのです。

2016年においては、テレビ放送全体で8Kが放送される訳ではありませんが、NHKを中心に8月1日より段階的な試験放送が開始される運びとなります。
ロードマップでは、2020年に多くの中継での8Kの導入、2025年に最終的な目標が掲げられています。
特に東京オリンピック・パラリンピックにおいては、会場で見られない競技をより高画質で見られるという点に重きが置かれている状態です。
今後の8Kの展開に目が離せません。