ゲーミングPCにダブル水冷は本当に必要なのか?
ゲーミングPCはCPUとGPUに大きな負荷をかけるため、冷却効率を高めるために空冷ではなく水冷を選択することがあります。
CPUを水冷にするゲーミングPCについてはよく聞きますが、GPUまで水冷式にするのは珍しいです。
そんなダブル水冷式のゲーミングPCはどんなものなのかについてご説明しましょう。
そもそもダブル水冷って何?
ダブル水冷というのは、CPUだけではなくグラフィックカードのGPUまで水冷式で冷却する事を言います。
CPUの冷却装置は外付けで自由に取り替えられるので水冷方式のものも多いですが、冷却装置が最初から取り付けられているグラフィックカードを水冷式にするケースはまれです。
しかし、ゲーミングPCの需要が高まるにつれてGPUの水冷式のパーツが発売され、CPUとGPUの両方を水冷式にするダブル水冷のゲーミングPCが登場するに至りました。
これにより、ゲーミングPC内部の排熱の殆どが水冷方式によって冷却されることで、GPUに負荷をかけるゲームをプレイしても効果的にCPUとGPUの両方が冷却されるようになりました。
さらに、熱発生の場所をケース外に出すことが出来るようになり、外から空気を大量に取り込む必要がなくなり内部に埃が入り込みにくく、ケース内部を綺麗に保てるようになります。
つまり、ダブル水冷を使用したゲーミングPCは静音性を確保しつつ、パソコンが苦手とする埃の付着を防止効果が期待できます。
ゲーミングPCにダブル水冷の効果はある?
問題は実際にダブル水冷にすることで冷却効果が高まるのかという点です。
さらに、冷却効果が高まることで性能がアップするかというのも気になります。
様々な形のダブル冷却PCがありますが、高負荷時にCPUとGPUの温度は少なくとも1割以上下がるようになり、ベンチマークのスコアもグラフィックカードを使ったのと同じような結果が出るようになるようです。
さらに、水冷方式は室温の影響を受けにくく、性能が安定することもあり、夏場の気温の高い時期なら、もっと大きな差が出るでしょう。
また、オーバークロックを行う場合や3Dグラフィックの制作時にもダブル水冷のゲーミングPCは大きな力を発揮し、どんな環境でも安定した性能を発揮してくれるはずです。
欠点は万が一冷却液が漏れた場合にPCパーツが破損してしまうことです。
頻繁にPCを移動させる人や部品を交換する人など、液漏れが怖いという方は素直に空冷式を選んでおくのが安全かもしれません。
ダブル水冷にするのとワンランク上のパーツを買うのはどっちが得?
ダブル水冷で性能が上がる事はわかりましたが、気になるのはお値段です。
水冷式の冷却装置は空冷式に比べると値が張るのが普通で、それだけの価値があるのかどうかを迷ってしまいます。
水冷式で高負荷時の性能がワンランク上がるのは素晴らしいですが、素直にワンランク上のパーツを買ってしまえば良いとも思うでしょう。
そこでショップで提供されているダブル水冷ゲーミングPCと同じ構成の空冷ゲーミングPCを比較してみると、1万から2万円ほど差があることがわかります。
CPUとGPUでワンランク上のモノを購入すればヘタすると2万円以上かかってしまうこともあるのでこれなら十分お得だと言えそうです。
ただ、そもそもダブル水冷PCは最高ランクのCPUとGPUで組まれていることも多いので、さらなる性能を求める人にとっては選択の余地はないかもしれません。
そこに静かで埃が溜まりにくいというメリットも加わるため、お金に余裕がある人は迷わずダブル水冷という選択もあり得るでしょう。
まとめ
ダブル水冷のゲーミングPCは、高性能なのに静かで綺麗と価格に見合った素晴らしいゲーミングPCと言えそうです。
価格は高価ですがワンランク上の構成にするよりも安価なこともありますし、液漏れによる破損リスクを気にしないのであれば水冷式を選ぶのが良さそうです。
上級者向けのゲーミングPCではありますが、ダブル水冷のゲーミングPCが十分優れているのは間違いないでしょう。