BTOパソコン用ディスプレイのたどった歴史、メーカーやブランド、製品選びのポイントをご紹介
BTOパソコン用ディスプレイは各メーカーが多彩な製品をラインアップしています。製品選びは悩ましいと感じている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ディスプレイのたどった歴史、メーカーやブランドとともに、何を基準に選ぶのが良いのいか?用途に応じた製品選びのポイントを紹介します。
もくじ
BTOパソコン用液晶ディスプレイの歴史
BTOパソコンなどを利用するうえで不可欠なディスプレイは、現在液晶ディスプレイが主流です。
ノートPCでは有機ELディスプレイも使われ始めていますが、単体のディスプレイとしてはまだ数えるほどしか製品がありません。
液晶ディスプレイは画面サイズや形状はもちろんのこと、解像度をはじめとするスペックや機能もさまざまなで、各メーカーが多彩な製品をラインアップしています。
そのため、製品選びは悩ましいと感じている人も多いのではないでしょうか。
ゲームやデザインなど用途がはっきりしていたり、好みのメーカーやブランドが確立したりしていれば良いのですが、不慣れな人は何を基準に選んでいいのか分かりにくいと思います。
そこで、この記事ではディスプレイのメーカーやブランドとともに、用途に応じた製品選びのポイントを紹介します。
世界的なアジア企業もBTOパソコンで使用できる液晶ディスプレイを開発
この記事では、国内で製品を購入できる代表的な液晶ディスプレイメーカーを紹介します。
液晶ディスプレイメーカーは、液晶パネルメーカーから供給される液晶パネルを基にして製品化を行いますが、液晶パネルの供給までも手掛けるメーカーはほとんどありません。
ちなみに、現在の世界的な液晶パネルメーカーとしては、中国のBOEや韓国のLGディスプレイ、サムスンディスプレイといったアジア企業が挙げられます。
ひと昔前であればシャープなどの日本企業がグローバルに液晶パネルを供給していましたが、近年はこれらの海外企業の勢いに押され、その多くが衰退。現在は、ジャパンディスプレイ(JDI)のみがその存在感を示しています。
ディスプレイメーカーとブランドのご紹介
液晶ディスプレイの専業メーカーも少なく、大半のメーカーはPC本体や周辺機器なども手掛けています。
そのため、「名前は聞いたことがある」というメーカーもあることでしょう。
主要なディスプレイメーカー、ブランドを紹介します。
ASUSTeK Computer Inc.(エイスース)
ASUSTeK ComputerはPCパーツや周辺機器、PC本体も開発する台湾メーカーで、近年はスマートフォンも手掛けています。
自作PCではマザーボードやグラフィックボードなどで知名度の高いメーカーですが、液晶ディスプレイのシェアも着実に拡大しています。
2019年のBCN調査では、国内シェアが約13.2%で2位に食い込んでいます。
「TUF Gaming」や「ROG」というゲーミングブランドを持ち、PC本体とともに液晶ディスプレイでも展開しています。
BenQ(ベンキュー)
BenQは台湾を拠点するメーカーで、もともとはAcerの子会社でした。現在はプロジェクターや液晶ディスプレイを主力としており、液晶ディスプレイの国内シェアは2019年のBCN調査で約11.5%の3位を獲得。
2017年~2019年は3年連続で2位になるなど、近年は常に上位につけているメーカーです。写真や動画編集、高画質エンタメ、eスポーツなど、用途や目的に応じた多彩なラインアップが魅力です。
ViewSonic Corporation
ViewSonicは米国のディスプレイメーカーです。
日本国内で液晶ディスプレイの販売を始めたのは2015年なので耳慣れない人も多いかもしれませんが、1987年創業の老舗メーカーです。調査会社のIDCによる2014年の調査では、米国でディスプレイブランド1位を獲得したとしています。
国内では価格が安めのモデルを中心にゲーミングPCやクリエイターPCなど展開しています。
Acer(エイサー)
Acerは世界的なPCメーカーとしても知られる台湾企業です。
PCメーカーとしての人気や知名度と比例して、液晶ディスプレイのシェアも高くなっています。
「Predator」や「NITRO」といったゲーミングPCを手掛けるほか、ベゼルを極限まで薄くした「ゼロ・フレーム」デザインや、画面の両端が前方に向かって湾曲している「曲面ディスプレイ」を採用する製品もあります。
Dell
DellはPCメーカーとして有名ですが、ディスプレイメーカーとしても世界市場で最大級のシェアを持っている大手です。
ラインアップの幅も広く、エントリー向けからクリエイター向けまで、多くのモデルをそろえています。
EIZO
EIZOは数少ないディスプレイ専業メーカーの1つで、アイ・オー・データ機器と同じ石川県に本拠地を置く国内メーカーです。
CRTの時代からPC用ディスプレイを手掛ける老舗で、価格は高めながらもその品質の高さに定評があります。
スタンダードモデルの「FlexScan」に加え、厳密な色管理に対応するクリエイター向けの「ColorEdge」、医療従事者向けの「RadiForce」などのシリーズを取りそろえています。
アイ・オー・データ機器
石川県に本社を置くアイ・オー・データ機器は、豊富なPC周辺機器を取り扱う老舗の国内メーカーです。
外付けストレージやWi-Fiルーターなどのネットワーク関連機器とともに、液晶ディスプレイは主力製品の1つとなります。
国内の液晶ディスプレイ販売ではトップシェアを誇り、BCNの調査では2015年から4年連続で首位を獲得。2019年の国内シェアは約23%でした。初心者向けからハイスペックモデル、さらには法人・文教向けモデルまで、幅広いラインアップの製品をさまざまな画面サイズで用意しています。
LGエレクトロニクス
LGエレクトロニクスは、同じグループ内に液晶パネルメーカーのLGディスプレイを有する韓国の大手メーカーです。
PCやモバイル関連のみならず、AV機器や生活家電なども取り扱うグローバル企業となります。液晶ディスプレイでは世界的に高いシェアを持っており、日本でも上位の1つに数えられます。
画面のアスペクト比が21:9のウルトラワイド液晶ディスプレイを日本で初めて発売しました。
BTOパソコンの用途に応じたディスプレイのスペックや機能に着目しよう
液晶ディスプレイの製品選びのポイントについて、大まかに3つのモデルに分けて紹介します。
1つ目は一般的なBTOパソコンなどの用途に幅広く利用できるデスクトップ向けの「汎用PC向けの液晶ディスプレイ」。
2つ目はゲームを快適に遊ぶための「ゲーミングPC向けの液晶ディスプレイ」。
そして3つ目はサブディスプレイとして利用することを目的とした「モバイルディスプレイ」です。
あわせて、それぞれの売れ筋製品も紹介します。
BTOパソコンディスプレイの汎用モデル
汎用モデルの液晶ディスプレイは、画面サイズが24~27インチのものが人気です。
液晶ディスプレイの解像度はフルHD(1920×1080ドット)が一般的ですが、近年はWQHD(2560×1440)や4K(3840×2160ドット)の製品も増えてきました。
そのほか、液晶ディスプレイに特別なこだわりなどがなければ、価格を念頭に置きつつ、入力端子の種類や数、パネル表面の光沢のありなしなどを確認しましょう。
BTOパソコンディスプレイのゲーミングPC向けモデル
BTOパソコンに多いゲーミングPCはゲームのための機能を備えています。
ゲーム向けの機能は、大きく「快適さを高める」機能と「素早く反応する」ための機能にわかれます。
ゲーミングPC用のディスプレイの快適さは、暗いシーンの視認性を改善する機能や表示のブレを減らすといったものがあります。
AMDの「FreeSync」やNVIDIAの「G-SYNC」をサポートしていれば、対応するグラフィックボートと組み合わせて動きのあるシーンをなめらかに表示することができます。
素早く反応するための液晶ディスプレイの機能は、主に高い応答速度とリフレッシュレート(1秒間に画面を切り替える回数)で実装されています。
ゲーミングPC用のディスプレイ画面の切り替え回数を増やすことで、ゲーム内の動きをより速く画面表示に反映させられるようにします。
FPSやMOBAなど素早い反応と操作を求められる対戦ゲームで効果を発揮します。
ゲーミングPC用のディスプレイではリフレッシュレートは「144Hz」以上といった高速なモデルがおすすめとなります。
BTOパソコンディスプレイのモバイル向けモデル
モバイルディスプレイはここ数年で製品が増えたジャンル。
タブレットのような見た目でディスプレイスタンドが無い製品が多く、カバー兼スタンド機能のある「専用ケース」が付いている製品もあります。
モバイルディスプレイの多くの場合USB端子からの給電で動作するため、ノートPCと一緒に持ち運ぶと便利です。
製品選びのポイントは画面サイズと重さ、そして接続端子になります。
モバイルディスプレイを日常的に持ち運ぶのであれば、15.6インチで800g~1kgくらいが目安になるでしょう。
モバイルディスプレイの映像端子は要注意です。
USB Type-C端子しかないモバイルディスプレイでは、PCとUSB接続する場合とUSB Type-C端子の映像出力機能を使う場合があります。
後者のモバイルディスプレイの場合、ノートPC側もその機能に対応している必要があります。
まとめ
ディスプレイのメーカーやブランドとともに、用途に応じた製品選びのポイントを紹介しました。
各メーカーごとの歴史や得意分野などがわかると、ディスプレイを選ぶ際に参考になると思います。
また「選ぶ際のポイント」の部分は一般的に普及しているサイズやゲーミングPC用途の場合など、用途ごとに外せないポイントなどを紹介しました。
しっかりと各要点を確認することで、納得の行く「ブレの無い」ディスプレイ選びができるようになります。
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