パソコンのリセット方法まとめ|初期化の手順や注意点を解説
パソコンをリセットしたいけれどその前に知っておきたいこと
「パソコンの調子が悪いからリセットしたい」「初期化してスッキリさせたい」と思っても、やり方が分からなかったり、データが消えてしまわないか心配だったりしませんか? パソコンのリセットは、動作不良やエラーの改善に役立つ手段ですが、実行する前に知っておくべきポイントがいくつかあります。
この記事では、Windowsパソコンのリセット方法や注意点、データを残す方法、リセット後の初期設定まで、初心者の方でもわかりやすく解説します。
掲載日:
もくじ
パソコンをリセットする場合の初期化の効果と注意点
パソコンをリセットすることで、システムを初期状態に戻し、長期間の使用やソフトの影響で発生した不具合を改善できることがあります。例えば、アプリが正常に動作しない、エラーが繰り返される、動作が重いといったトラブルに対し、リセットは一つの解決手段となります。また、使用していないアプリや不要ファイルも削除されるため、パソコンの環境がすっきりするというメリットもあります。
ただし、リセットには「個人データを保持する方法」と「すべて削除する方法」があり、それぞれ結果が異なります。リセットによってすべての問題が解消されるとは限らず、事前に確認すべき点も多いため、実行前には内容をよく把握しておくことが重要です。
パソコンをリセットする場合の初期化の効果と注意点は、次のようになります。
- 不具合やエラーが改善されることがある
- 動作速度が回復する可能性がある
- インストール済みソフトや個人データが削除されることがある
- アカウントやネットワーク設定が初期状態に戻る
これらを踏まえると、パソコンをリセットする際は目的や使用環境に応じて方法を選ぶことが重要だといえます。
パソコンをリセットする手順「データを残す」
Windowsパソコンには、個人用ファイルを残したまま初期化を行う機能があります。この「個人用ファイルを保持する」リセット方法は、パソコンの動作に不具合が出ているがデータは消したくないという場面に向いています。初期状態に近い構成に戻すことで、システムの軽快さが戻ることもあります。
ただし、保持されるのは主にユーザーフォルダ内のファイルのみで、インストール済みアプリやシステム設定は削除されます。そのため、作業後には再設定やアプリの再インストールが必要になります。事前に準備しておくことで、リセット後の手間を減らすことができます。
パソコンをリセットする手順「データを残す」は、次のようになります。
※自己責任において、事前にデータのバックアップ等を実施し、慎重に判断して実行をお願いします。
- 「スタートを右クリック」→「設定」→「システム」→「回復」を選択
- 「このPCをリセット」→「PCをリセットする」→「個人用ファイルを保持する」を選ぶ
- 「画面の指示に従い」進める
アプリや設定は初期状態になりますが、ドキュメントや写真などのファイルは保持されます。ただし、完全な保証があるわけではないため、あらかじめ外部メディアへのバックアップが推奨されます。
パソコンをリセットする手順「データも含め削除」
「すべて削除する」リセットは、パソコンを誰かに譲渡する、売却する、あるいは完全に使い始めの状態に戻したいときに有効です。この方法では、すべての個人データ・アプリ・設定が削除され、初期化されます。リセット後は工場出荷時のような状態に戻るため、新品同様に扱いたいときに適しています。
特に、セキュリティの観点から、他人にパソコンを渡す前にはこのリセット方法を選んでおくと安心です。ただし、一度削除したデータの復元は難しいため、事前に外付けHDDやクラウドなどへのバックアップを必ず行ってください。
パソコンをリセットする手順「データも含め削除」は、次の手順となります。
※自己責任において、事前にデータのバックアップ等を実施し、慎重に判断して実行をお願いします。
- 「スタートを右クリック」→「設定」→「システム」→「回復」を選択
- 「このPCをリセット」→「PCをリセットする」→「すべて削除する」を選ぶ
- 「ローカル再インストール」または「クラウドダウンロード」を選ぶ
- 「画面の指示」に従い進める
すべてのデータを削除して出荷時に近い状態に戻す方法であり、パソコンを手放すときや再設定を一から行いたいときに適しています。
ローカル再インストールとクラウドダウンロードの違い
パソコンをリセットする際、再インストールの方法として「ローカル再インストール」と「クラウドダウンロード」のどちらかを選択できます。どちらもWindowsを初期状態に戻す機能です。
ローカル再インストールとクラウドダウンロードの違いは、次のようになります。
項目 | ローカル再インストール | クラウドダウンロード |
---|---|---|
内容 | パソコン内にある回復ファイルを使って初期化 | インターネットから最新のWindowsをダウンロード |
インターネット接続 | 不要 | 必要 |
処理時間 | 比較的短い | ネット環境によっては時間がかかることもある |
ファイル破損時の対処 | 回復ファイルが破損していると失敗する場合がある | 回復ファイルが壊れていても初期化できる可能性がある |
それぞれの特徴を理解し、自分の環境に適した方法を選ぶことで、初期化をより安全かつ効率的に行うことができます。
ローカル再インストールとクラウドダウンロードどちらを選ぶべきか?
ローカル再インストールとクラウドダウンロードどちらを選ぶべきかについては、次のような基準となります。
- ローカル再インストールは、ネット環境が不安定な場合や、すぐに初期化を終えたいときに適しています。
- クラウドダウンロードは、内蔵の回復ファイルが破損しているおそれがあるときや、より新しいWindows環境を一から構築したいときに向いています。
ただし、クラウドダウンロードは数GB単位の通信が発生するため、モバイル回線などを使用している場合は通信量に注意が必要です。
パソコンが起動しないときのリセット方法とは
パソコンが通常どおり起動しない場合でも、リセットを行う方法はいくつかあります。たとえば、Windowsの起動に失敗したあとに自動で表示される回復環境(WinRE)や、USBメモリを使って作成した回復ドライブを利用する方法が代表的です。
これらの方法は、電源が入っていてもWindowsが正常に立ち上がらないときに特に有効です。起動しない原因がソフトウェアに関係しているときは、リセットで復旧できる可能性があります。
パソコンが起動しないときのリセット方法は、次のようになります。
- 電源を数回強制オフにし、Windows回復画面を表示させる
- 回復ドライブまたはインストールメディア(USB)から起動する
- BIOSからブート設定を変更してリカバリーを実行
事前に回復ドライブを作成しておくと、万が一の際にも安心して対応できます。
パソコンをリセットする前に確認しておくべきこと
パソコンのリセットは、システムの不具合や動作不良を改善するために有効な方法ですが、実行する前にいくつか確認しておくべき重要なポイントがあります。リセット後にはデータが失われたり、環境の再設定が必要になったりするため、事前の準備がとても大切です。特に、仕事や学業で使用しているパソコンでは、影響が大きくなることがあります。
また、パソコンによってはリセット後にメーカー独自のソフトが削除されたり、再インストールが必要になることもあります。そのため、リカバリーディスクの有無や再インストール用のID・パスワードも確認しておくと安心です。
パソコンをリセットする前に確認しておくべきことは、次のようなものになります。
- 大切なファイルや写真などのバックアップは取ったか
- ソフトのライセンスキーやアカウント情報を控えているか
- 電源が安定している状態で作業できるか(ノートPCは充電を確認)
確認を怠ると、リセット後に復元できないデータの損失や、設定作業の手間が増えてしまう可能性があります。
パソコンのリセット後に必要な初期設定とは
リセット後のパソコンは、Windowsのインストール直後と同じような状態になっています。そのため、使用を開始する前にいくつかの初期設定を行う必要があります。これらの設定を怠ると、ネットワークに接続できなかったり、一部の機能が正常に動作しなかったりすることがあります。
また、セキュリティや操作性の観点からも、Windows Updateの実施やドライバーの確認は欠かせません。自分の用途に応じてソフトを入れ直すことで、以前と同じようにパソコンを使えるようになります。
パソコンのリセット後に必要な初期設定は、次のようなものになります。
- Microsoftアカウントへのサインイン
- Wi-Fiや有線LANのネットワーク設定
- Windows Updateの確認と適用
- 必要なソフトやプリンタードライバーの再インストール
こうした初期設定を正しく行うことで、リセット後もスムーズにパソコンを使い始めることができます。
パソコンをリセットしても改善しない場合のチェックポイント
パソコンをリセットしても症状が改善しないときは、リセットだけでは対応できない問題が隠れている可能性があります。特に、ハードウェアの故障や、OS以外の部分に原因がある場合は、リセットを繰り返しても効果は限定的です。
そのため、リセット後に不具合が残るようであれば、パソコンの状態を広い視点で見直すことが重要です。具体的な症状と原因のつながりを確認しながら、適切な対処を検討しましょう。
パソコンをリセットしても改善しない場合のチェックポイントは、次のようになります。
- ハードディスクやメモリなどのハードウェア不良
- ウイルス感染やファームウェアの異常
- 周辺機器との相性やドライバーの不具合
一度リセットして改善しないときは、専門業者やメーカーサポートへの相談も視野に入れてください。
パソコンをリセットする際の注意点とは「会社用」
仕事で使っているパソコンをリセットする場合、個人用とは異なる注意が必要です。業務用パソコンには、会社の規定に基づいたセキュリティ設定や専用ソフトウェアが導入されていることが多く、安易に初期化すると業務に支障をきたす可能性があります。
また、クラウドに保存されていない業務データがローカルに残っていることもあり、これらが失われると取り返しがつかなくなるおそれもあります。必ず会社のIT部門やシステム管理者に確認を取り、手順を確認してから実行するようにしましょう。
パソコンをリセットする際の注意点とは「会社用」は、次のようになります。
- 会社のIT管理者に確認をとる
- 業務用アプリや社内システムの再設定が必要になる
- クラウド保存ではなくローカル保存された重要データがないか確認する
業務に支障をきたさないためにも、リセット前の確認と承認は特に慎重に行う必要があります。
パソコンのリセット後にデータを復元する方法はある?
パソコンをリセットしたあとでも、事前にデータのバックアップを取っていれば復元は可能です。また、クラウドサービスを使っていた場合や、自動同期が設定されていた場合は、比較的簡単に元の状態に戻せることもあります。
一方、バックアップを取っていなかった場合でも、状況によっては専用のデータ復元ソフトを使って一部のファイルを回収できる可能性があります。ただし、リセットの方法や書き込み状況によって復元の可否は大きく変わるため、あくまで補助的な手段と考えた方がよいでしょう。
パソコンをリセットした後での主な復元手段は、次のようになります。
方法 | 内容 |
---|---|
クラウドサービス(OneDriveなど) | 同期設定していれば自動的に復元できる可能性あり |
外付けHDD・USBメモリ | 手動でバックアップしたデータを戻す |
専用の復元ソフト | フォーマット後でも一部復旧できる場合あり |
復元の可否は状況によって異なるため、リセット前にバックアップを取っておくことが最も確実な対策です。
パソコンがリセットできない・途中で止まるときの対処法
パソコンのリセットを試みても、途中でフリーズしたりエラーが出たりして、うまく進まないことがあります。こうしたトラブルの原因には、内部のファイル破損やドライバーの不具合、または周辺機器の影響などが考えられます。
再起動を繰り返しても解決しない場合は、セーフモードからリセットを試したり、USBなどからの回復ドライブを使ったりすることで対応できることがあります。焦らず手順を確認しながら進めましょう。
パソコンがリセットできない・途中で止まるときの対処法は、次のようになります。
- 周辺機器をすべて外してから再起動する
- インターネット接続を一時的に切断して再試行する
- セーフモードで起動してからリセットを試みる
- 回復ドライブからの実行を検討する
原因が特定できないときは、ハードウェアの状態やシステムファイルの整合性もあわせて確認するとよいでしょう。
パソコンをリセットする前に、正しい手順と準備を忘れずに
パソコンのリセットは、動作不良の改善や初期化の手段として有効ですが、データのバックアップや設定の確認など、事前の準備が欠かせません。 「個人ファイルを保持するリセット」と「すべて削除するリセット」の違いを理解し、目的に合った方法を選ぶことが大切です。
リセット後の初期設定やトラブル対応までを知っておくことで、安心して作業が進められます。パソコンのリセットを検討している方は、この記事の手順を参考に、安全かつ確実にリセットを実行してみてください。 大切なデータを守りながら、快適なパソコン環境を取り戻しましょう。