3DCG/3DCADに最適なワークステーションを選ぶ
“見る”のと“作る”のは別物
あらゆるゲームや映画など、3DCGを目にしない日はない。だがすべてのクリエイティブがそうであるように、最終的な成果物を見るためのマシンスペックと、それを制作していくプロセスで必要になるマシンスペックはまるで別物だ。3DCG/3DCAD用にワークステーションを選ぶなら、まず“作る側”の視点で検討する必要がある。
あらゆるゲームや映画など、3DCGを目にしない日はない。だがすべてのクリエイティブがそうであるように、最終的な成果物を見るためのマシンスペックと、それを制作していくプロセスで必要になるマシンスペックはまるで別物だ。3DCG/3DCAD用にワークステーションを選ぶなら、まず“作る側”の視点で検討する必要がある。
まずはグラフィックカードだが、単純な話、完成された3DCGを見るだけならNVIDIAの「GeForce」シリーズでも全く問題はない。だが、3DCGを制作する現場では力不足だ。実は3DCG/3DCAD制作環境では、3Dグラフィクス・プログラミングの標準的なライブラリーである「Open GL」にグラフィックカードが対応しているかどうかが肝になる。これにより3Dモデリングプロセスや、レンダリングの処理時間に圧倒的な差が出るのだ。「Open GL」に対応したグラフィックカードの筆頭はNVIDIAの「Quadro」シリーズになる。レンダリング処理の一部をCPUではなく、GPUで行うことでレンダラ―の性能を最大限に発揮させ、レンダリング時間を劇的に短縮できる。ミッドレンジの「Quadro 2000」からハイエンドの「Quadro 5000」、さらに超ハイエンドの「Quadro 6000」までラインアップは豊富だ。どのクラスを選択すべきか悩む場合はノウハウの豊富なショップに相談するのがいい。また、AMDの「FirePro」シリーズも多くのソフトが推奨カードに指定している。こちらは「FireGL」というATI社のワークステーション向けビデオチップを搭載。OpenGL向けに最適化されたFireGL用ドライバを用いることで高速処理を実現するものだ。一方、一部のソフトでは、ゲーミング環境向けの拡張APIである「Direct X」を利用するものもあるのでソフトメーカーのウェブサイトで確認したい。なお、CPUについては6コア以上のCore i7あるいはXeonをおすすめする。
仕事にせよ趣味にせよ、3DCG/3DCADを扱うならお気に入りの(あるいは職場で指定の)ソフトがあるはずだ。3DCG/3DCADでワークステーションを選ぶなら最初にソフトを決め、そのソフトの性能が最大限に発揮できるハードを調達するのがベストな選択となる。3DCGでメジャーなソフトと言えばAUTODESKの「MAYA」「3ds MAX」だろう。国内ユーザーも多く、参考書籍やサポート情報も充実している。Adobeの「After Effects CC」もOpen GL環境に対応し、推奨グラフィックカードを使うことで性能を最大限に発揮できる。3DCADも機械用・建築用・土木用・電気用など多くのソフトがあるが、メジャーなところでは「NX」「AutoCAD」「CATIA」「Solid Works」などがある。こちらもソフトごとに推奨グラフィックカードがあるのでソフトメーカーのウェブサイトで確認したい。
ドスパラでは、その豊富な経験からグラフィックカード選びの相談にも乗ってくれる。ワークステーションの用途・目的を伝えれば、コストと性能のバランスが取れた構成を提案してくれるのだ。これはカスタマイズを得意としてきたドスパラならではの強みだ。そして、ドスパラのワークステーションは1台からの完全オーダーメイドが可能。プロ仕様でも、ハイアマチュア仕様でも、あらゆるCPU、グラフィックカード、メモリ、HDDなどを組み合わせて最適な1台を調達できる。さらにドスパラでは「ワークステーション即納モデル」も用意している。通常、ワークステーションの調達には最低1カ月はかかるものだが、ある程度スペックを絞り込むことで、最短14日での納品を実現しているのだ。急を要する現場では非常に助かるだろう。