【Library Of Ruina】図書館を舞台にした韓国発のカード&ダイスシミュレーションをレビュー!

【Library Of Ruina】図書館を舞台にした韓国発のカード&ダイスシミュレーションをレビュー!

公開日:2020/8/19

Library Of Ruinaの概要

 2020年5月にSteamでリリースされたシミュレーションゲーム『Library Of Ruina』。韓国のディベロッパー「Project Moon」によって製作された。「図書館」という珍しいテーマとグラフィックに惹かれて購入。早速ゲームの内容と筆者がプレイした感想を紹介していくぞ。

 



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Library Of Ruinaのストーリー

 都市でフィクサーを営む主人公の「ローラン」はある日、街を歩いていると謎の図書館に迷い込んでしまう。混乱しているローランの前に、図書館の長「アンジェラ」が現れる。

 

図書館に侵入した理由を聞かれたローランが回答に窮すると、アンジェラは不思議な力で攻撃し、ローランは重傷を負い気絶してしまう。

 

 ローランが目覚めると、何故か傷は完治していた。どうやらアンジェラが不思議な力で治療したらしい。まだ事態が呑み込めていないローランに対し、アンジェラは召使いとなることを命じる。

 

 アンジェラの目的は、図書館を発展させ「究極の本」を見つけ出すことだという。拒否権のないローランは頷くしかなく、こうして二人の物語は幕を開けるのであった。

 これがおおまかな「Library Of Ruina」の始まりである。

 

ゲーム性

 『Library Of Ruina』は大きく分けて「ストーリーパート」と「バトルパート」の二つから成り立っている。

 ストーリーパートでは、新たなゲストを図書館に招待して、接待(バトル)を行う。招待の他には、後述するキャラクターのカスタマイズや図書館の拡張などを行うことができる。

 

 バトルパートでは司書(プレイヤー)とゲスト(敵キャラクター)で戦闘を行い、勝利すると、招待したゲストの記憶を「本」という形で入手することが可能。

 

そして、入手した本を組み合わせることで、新たなゲストを招待することができる。Library Of Ruinaは、招待と戦闘、この二つを交互に繰り返して進行していく。

 

バトルパート

 バトルパートはカードとダイスを使ったランダム要素は高いが複雑で戦略的なシミュレーションバトルシステムが採用されている。

 

 まず、バトルの勝利・敗北条件については、一般的なRPGやシミュレーションゲームと同様、ゲスト(敵キャラクター)の体力を0にして全て撃破することができれば勝利、司書(味方キャラクター)が全滅すれば敗北となる。

 各キャラクターは幕(ターン)開始時に光(ポイント)を1つ回復し、このポイントを使ってページ(カード)を使用していく。カードには「コスト・攻撃属性(斬/突/打)・行動回数・ダメージ判定時のダイス範囲」が設定されている。

 

 例えば、画像のカード「軽い攻撃」は

  • 使用ポイント:1
  • 攻撃1:ダメージ2~3の突属性攻撃
  • 攻撃2:ダメージ1~4の打属性攻撃

 となる。

 

 実際のダメージは、カード使用後にダイスを振って決定することになる。それだけ聞くと「ただの運次第のゲームじゃないか」と思うかもしれないが、決してそんなことはない。もちろん、ダイスの目が良いに越したことはないのだが、プレイヤーのカード選択、行動次第で戦闘の結果は大きく変わってくる。

 

 「運」という絶対的な要素に振り回されつつも、その中でどのように最善の選択を取っていくか、それこそがカードゲームおよびダイスゲームの醍醐味といってもいいだろう。

 

Library Of Ruinaのオススメポイント

気持ちの良い指パッチン

 「パチン!!」。未プレイの方からするとさっぱり分からないだろうが、既プレイの方であれば何のことかすぐに分かっただろう。

 

 Library Of Ruinaはバトルパートにおいてダイスロール決定時に流れる指パッチンの効果音がとにかく気持ちいい。中毒性が高く、何度も聞いているとだんだんクセになってくる。指パッチンを聞くために戦闘し、指パッチンを聞くためにダイスを振る、それが『Library Of Ruina』の一つの側面といってもいいだろう。

 

 なお、デフォルトでは戦闘時の自動ダイスロール機能(Quick Mode)がオンになっており、せっかくの指パッチンが省略されている。自動ロールだと自分でダイスを振る楽しみも薄れてしまうこともあり、今からプレイする方は、Quick Modeオフで遊ぶことを強くオススメする。

 

ビジュアル面(グラフィック、音楽、ムービー)

 『Library Of Ruina』を語る上で、ビジュアル面に触れないわけにはいかないだろう。

 ストーリーパートのキャラクター、背景や一枚絵、バトルパートのちょこまか動くSDキャラクターなど、グラフィックの完成度が非常に高い。BGMも素晴らしく、薄汚れた都市部や、きらびやかな図書館などの各シーンにマッチしている。クオリティの高さもさることながら、全体を通して統一感があり、ゲームへの没入感を増している。

 

 特にプロローグ直後に挿入されるオープニングムービーは圧巻で、ゲームの世界に一気に引き込まれることだろう。

 

幅広いカスタマイズ(性能、グラフィック)

 Library Of Ruinaはとにかくカスタマイズの幅が広い。

 一つは、キャラクター性能のカスタマイズだ。Library Of Ruinaは、撃破したゲストの能力を「ページ」という形で装備することができる。

 

 ページは一般的なRPGでいう「職業」のようなもので、ステータスが増減するだけでなく使用可能なカードも変わってくる。防御カードが多いページを選択したり、相手の弱点属性攻撃を持つページを選択したりと、次に戦闘する相手ゲストのスタイルに合わせて、プレイヤーは最適な組み合わせを考えて戦闘に臨む必要がある。

 

 見た目は弱そうなページが実は特定の状況では非常に強力だったりと、試行錯誤を楽しめるのもLibrary Of Ruinaの魅力の一つだ。

 

 さらに、カスタマイズできるのは能力だけではない。このゲーム、キャラクターのビジュアルもカスタマイズ可能だ。まず、ページに応じてキャラクターの服装が変更される。ゴロツキのページを装備すればゴロツキ風の服装やモーションになるなど、芸が非常に細かい。

 

 さらにさらに、カスタマイズできるのは服装だけではない、なんと顔パーツ部分も自由にカスタマイズ可能だ。髪型、髪色、目や口など、用意された様々なパーツを組み合わせて最強のキャラクタービジュアルを目指すことができる。

 

 性能のカスタマイズと合わせると、まさに無限パターンのカスタマイズが可能といってもいいだろう。

 

和訳の質が高い

 Library Of Ruinaは韓国のゲームである。ボイスこそ韓国語のままだが、文字については言語選択から日本語に変更できるため、プレイに際し支障は全くない。筆者がプレイして驚いたのは和訳の質の高さ。海外インディーズ作品にありがちな「意味は分かる」といったレベルを遥かに凌いでいる。キャラクターの口調や単語の選び方など、全てが世界観に溶け込んでおり、ゲーム全体の統一感を後押ししている。

 海外産のゲームだから物語を楽しめるか心配、といった方もいるかもしれないが、『Library Of Ruina』については安心してプレイできると断言できる。

 

もうひとおしポイント

 ここまでLibrary Of Ruinaのオススメポイントばかりを上げていたが、マイナスポイントや評価に悩む部分も挙げる。

たまにエラーで終了してしまう

 筆者のパソコンが原因かもしれないが、プレイ中に何度かアプリケーションが突然終了することがあった。幸いオートセーブのため、再スタートによるタイムロスはほんの僅かだが、せっかく世界観に入り込んでいたのに残念、ということもしばしば。

 

 とはいえ、本ゲームはまだアーリーアクセス段階ということもあり、多少のエラーは仕方のない部分でもある。今後の改善に期待したい。

 

システムが難解

 筆者は魅力の一つだと思っているが、Library Of Ruinaはただでさえ覚えるのが大変なシミュレーションだが、さらに複雑なシステムや、世界観に沿った汎用的でない用語群、そして淡白なチュートリアルと、ゲームシステムを感覚的に理解するための導線に乏しく、スムーズにゲーム性を理解するハードルが少し高い印象を受けた。

 

 幸い、ゲーム画面からすぐに開けるマニュアルは充実しており、それを読むことでシステムは理解できたため、全く分からないままゲームが進む、ということはないので安心だ。

 

まとめ

 Library Of Ruinaはシステムこそクセは強いが、ハマる人はとことんハマるタイプのシミュレーションゲーム。

 また、「SCP財団」からインスピレーションを得たという『Lobotomy Corporation』の続編で、内容も続きものとなっている。

 ランダム要素と高いカスタマイズ性が好きなプレイヤーや、少し不思議な世界観に惹かれるプレイヤーにはオススメの一作。

ぜひ「Library Of Ruina」をプレイしてみてほしい。



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Steam公式サイト

Steam:Library Of Ruina

「Project Moon」のTwitter

 ProjectMoon (@ProjMoonStudio) / Twitter


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