【Lobotomy Corporation】SCPファン垂涎!未知のモンスターアブノーマリティを管理する極悪難易度の経営シミュレーション

【Lobotomy Corporation】SCPファン垂涎!未知のモンスターアブノーマリティを管理する極悪難易度の経営シミュレーション

公開日:2020/7/17

唐突だが筆者はシミュレーションゲーム、特に『シムシティ』のような経営シミュレーションが大好きだ。効率を追求したプレイで序盤の資金難を乗り切り、経営を安定させていく過程はこの上なく楽しい。

 

しかしこのジャンルのゲームにはひとつ大きな欠点がある。経営が軌道に乗ると、目標を失ってプレイに飽きてしまうのだ。完成しきった都市や遊園地、動物園を前に、手持ち無沙汰になってゲームをやめてしまった読者の方もいらっしゃるのではないだろうか。

 

だが安心してほしい。これから紹介する『Lobotomy Corporation』(ロボトミーコーポレーション)は経営シミュレーションながらダレることがない、難易度・やりごたえともに抜群のゲームだ。システムだけでなく、アブノーマリティという未知が存在や作り込まれた世界観も見逃せない。「SCP財団」からインスピレーションを得たという、超常現象・異形・ゴア表現なんでもござれの世界にぜひ飛び込んでみてほしい。

ゲーム画面は全体を見渡しやすいサイドビュー。各部屋に収容された「アブノーマリティ」を管理してエネルギーを生産する。

Lobotomy Corporationでのプレイヤーの役割は、新進気鋭のエネルギー会社「ロボトミー社」の管理人だ。未知のモンスターである「アブノーマリティ」からエネルギーを集めて、毎日のノルマを達成することが目的となる。

妖精から怪物、姿を持たないノイズまで、多種多様なアブノーマリティが存在している。SCPファンには垂涎もの。

経営シミュレーションだがストーリーパートも用意されており、残酷でシニカルな雰囲気を存分に味わうことができる。

ストーリーパートでは業務の補佐をしてくれるAIとの会話を楽しめる。彼ら/彼女らはノルマ達成をなによりも重視しているため、職員を使い捨てにすることすら厭わない発言に背筋が凍ることも。

Lobotomy Corporationのゲームシステムはとてもシンプルだ。その日の業務がはじまったら職員の雇用や強化を行い、あとは職員に命令を下すだけ。アブノーマリティから十分にエネルギーを生産したら好きなタイミングで次の日に進み、また同じ業務を繰り返してストーリーを進めていく。

 

ロボトミー社への入社を考えている方のために、以下で実際の業務の様子をご紹介しよう。



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職員に命令を下して、アブノーマリティからエネルギーを生産する

Lobotomy Corporationはリアルタイムにゲームが進行していくが、好きなタイミングでポーズをしてじっくり考えることも可能だ。操作量に自信がないという場合でも安心してほしい。

 

ロボトミー社では複数のアブノーマリティを管理している。それぞれが別々の収容室に収容されており、管理者は各収容室に職員を送り込んでエネルギーの生産作業を行わせる必要がある。アブノーマリティの特性に合わせて、友好的に接する「愛着」や周辺環境を改善する「洞察」など、4種類ある作業の中から最適な物を選んでいこう。

アブノーマリティへの作業を選択する画面。最適な作業と職員を割り当てよう。

作業の成功率は、その作業に割り当てた職員の能力にも左右される。例えば「自制」というステータスが高い職員は、「愛着」作業でたくさんのエネルギーを生産できる可能性が高い。

そのため、どのアブノーマリティに対してどの職員を使い、どの作業を行うのか……という選択が重要になる。加えて、ノルマを達成するには1日に繰り返し作業を行わなければならないので、後述するように部屋に職員を送り込むタイミングも無視できない。

作業に成功すればエネルギーの生産量も多くなる。成功による追加ボーナスがある場合も。

シミュレーションゲームに慣れている方は、ここまで記事を読んで「アブノーマリティごとに専属の職員を用意すれば簡単にクリアできるのでは?」という攻略方法を考えるかもしれない。しかしそう簡単にいかないのがLobotomy Corporationの嫌らしい……いや、面白いところなのだ。

ひとつの選択ミスが最悪の結果を招く、緊張感たっぷりのゲーム性

Lobotomy Corporationが一筋縄でクリアできない理由は大きく分けて3つある。

 

・職員は基本的に“消耗品”

職員は作業を行うごとに体力か精神力、あるいはその両方を消費する。体力・精神力は時間経過で回復していくのだが、職員に十分な休憩を与えることは困難だ。

 

本作では作業によってエネルギーを生産していくと「クリフォト」(不幸ゲージのようなもの)が増加し、一定量に達すると「クリフォト暴走」と呼ばれるイベントが発生する。クリフォト暴走中にはランダムなアブノーマリティの収容室に60秒のタイマーが表示され、時間内に作業を行わないとアブノーマリティの脱走など強烈なペナルティが課されてしまう。

 

そのため職員を“消耗品”と割り切り、時には無理な作業を割り当てる必要があるのだ。

クリフォト暴走中の収容室は赤枠で強調表示される。クリフォトの累計が増えると複数の収容室が暴走する恐れもある。

ところで、そうして酷使された職員は一体どうなってしまうのだろうか。体力がゼロになると死亡してしまうのは言わずもがなだが、さらに厄介なのは精神力がゼロになった場合だ。

 

精神を消費しきった職員はパニック状態に陥り、社内に大混乱をもたらす。パニック時の行動はもっとも高いステータスによって異なるが、殺人・自殺・収容室の開放……と、放置しておくと二次被害を引き起こす悲惨なものばかりだ。他の職員を向かわせてできるだけ早く鎮圧しよう。

精神力がゼロになると職員はパニックを起こす。他の職員に襲いかかったりアブノーマリティの収容室を開放したりとやりたい放題なので、早急に鎮圧しよう。

 

・作業をするまでアブノーマリティの特性がわからない

2つめの理由は、職員の割り当てをパターン化しようにもアブノーマリティの特性がわからないことだ。

 

ロボトミー社ではさらなるエネルギー生産のために、日数が進むごとに管理するアブノーマリティの数がどんどん増えていく。そのたびにプレイヤーは3択の中から選んでアブノーマリティを追加することになるのだが、参考にできるのは意味深な紹介文だけだ。

追加するアブノーマリティを選択する画面。紹介文だけでは特性がほとんどわからない。

好んでいる作業や管理上の注意点など、アブノーマリティごとの詳細を知るためには作業を行って調査を進める必要がある。もちろん、調査が完了する前に職員が作業に失敗して死亡したり、パニックを起こしたりするのは日常茶飯事だが。

 

・ボスモンスターが登場する「試練」

Lobotomy Corporationの難易度を高めている最後の要素は、ボスモンスターが襲いかかってくるイベント「試練」の存在だ。ゲームがある程度進行すると、クリフォト暴走と同じく作業回数に応じて「試練」が発生する。

 

上述の2点に加えて新しく悩みのタネがやってくる……この文面だけで悲惨さが伝わるのではないだろうか。ひとつ判断ミスを犯せば、手塩にかけて育てた職員があっさりとやられ、連鎖的に社内全体が崩壊してしまう恐れすらある。

日常の業務に悶え苦しんでいるなか、容赦のない「試練」が襲いかかる。経営者としての手腕が試される瞬間だ。

試行錯誤しながら自分だけの攻略方法を編み出そう

このとおり『Lobotomy Corporation』(ロボトミーコーポレーション)は極悪な難易度のゲームだが、もちろん定石と言えるような攻略方法も存在している。しかし読者の方々には、ぜひ事前情報なしでプレイしていただきたい。未知のアブノーマリティに初見殺しをお見舞いされ、「試練」で職員が全滅して心が折れかけても、あきらめずに管理者としての役割を果たしてほしい。手探りで少しずつ効率を高めて自分だけの経営を組み立てていく過程は、この上なく楽しいはずだ。



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