禅の心で果物を一刀両断! 二刀流アクション「Fruit Ninja VR」

 画面上を飛び交うフルーツを指でなぞって切っていくスマートフォン用ゲーム「Fruit Ninja」という作品をご存じだろうか。スマートフォン黎明期の2010年に登場したアプリで、シンプルなゲーム内容から世界中で人気を博した。「Fruit Ninja VR」は、その魂を受け継いだ新たなVRゲームである。

 「Fruit Ninja VR」における基本は、やはり果物を切ることである。スマートフォンと決定的に異なるのは操作方法。プレイヤーが両手に持ったコントローラーは刀となり、画面上に飛び出してくる果物を、その刀で切っていく。刀の切れ味は抜群で、あらゆる果物は刀に触れたところから綺麗にスライスされる。

 ゲームモードは「ARCADE」、「CLASSIC」、「ZEN」、「SURVIVAL」の4つ。「ARCADE」は下から飛び出してくるフルーツを、60秒の制限時間内にどんどん切っていく。中には時間を延長してくれたり、果物の動きが遅くなったりする特殊な果物が入っており、切ると効果を発揮する。

 「CLASSIC」は、飛び出してくる果物を全て切りつつ、爆弾は切らずに見逃していく。果物を切り損ねると1回ミスとなり、3回のミスでゲームオーバー。爆弾を切ってしまうと1発でゲームオーバーだ。いかにミスなく、爆弾を避けて果物を切り続けられるかというゲームになっている。

 「ZEN」は「ARCADE」に似ているが、爆弾が登場しない。90秒間にわたり、ただ果物が飛び出してくる。ただし果物は複数が一度に現れるので、タイミングと角度をうまく図ると、一度に全ての果物を両断できる。居合切りのごとく、静かに一振りで決めることに集中できる。そのテイストが「ZEN(禅)」なのだろう。

 「SURVIVAL」は他とは異なるゲームモード。スタートすると幽霊のようなキャラクターが漂い、時々こちらに向かって複数の果物を発射してくる。これに刀を合わせて、飛んでくる果物を両断していく。果物を切り損ねるとミスになり、3回のミスでゲームオーバー。幽霊は右へ左へと動く上、果物を真正面に発射するとは限らない。他よりも格段にアクション性が高いゲームとなっている。コツは果物を切るというより、飛んでくる果物に刃を合わせるという感覚で挑むことだ。

 どのゲームモードにおいても重要になるのが、一度に多くの果物を両断することだ。ゲーム中ではコンボと呼ばれており、数多くの果物を一振りで両断することで、スコアボーナスが得られる。またスコアを抜きにしても、単純に一振りで大量の果物をさばけた時の爽快感が素晴らしい。それもあって、筆者のお気に入りは爆弾を気にせずコンボを楽しめる「ZEN」である。

 コントローラーを刀に見立てるゲームはほかにもあるが、本作はさほどシビアなゲーム内容でもなく、気軽に刀を振り回せるのが最大の魅力だ。単純でいながら、VRだからこそ楽しいゲームになっている。ゲーマーは究極のコンボを求めて集中してプレイして欲しいし、そうでない方も刀をブンブン振り回して大量の果物を切りまくって楽しんで欲しい。

 なお本作は執筆時点(11月6日)で、Steamにて早期アクセスゲームとして公開されている。購入は可能だがまだ開発は進行中というステータスなので、今後ゲーム内容が変わる可能性もある。その点はご注意いただきたい。