先進のUSB Type-Cも搭載!コスパ抜群のライトウェイトモバイル「Altair F-13KR」レビュー

「Altair F-13KR」レビュー

ドスパラが販売する「Altair F-13KR」は、13.3型液晶ディスプレイを搭載した薄型軽量ノートPCだ。重量約1.19kgのスリムなボディーにIntel第8世代のクアッドコアCPU、先進のUSB Type-Cも搭載する内容で、9万9,980円(税抜)というリーズナブルな価格が大いに魅力になっている。実機を使用する機会を得たので、性能や使い勝手をチェックしよう。

シンプルさがうれしいライトウエイトのシルバーボディ

シルバーのスリムなボディが印象的だ。トップカバーには、ロゴはもちろん、シンボルもない。乱反射で微妙に輝く、明るいシルバーが一面に広がる。各パーツの周囲に丸味をもたせつつ、エッジを少しカット。さらにタッチパッドの周囲はキラキラと輝くダイヤモンドカットで仕上げるなど、細部まで丁寧に仕上げられている。
そして、明るいシルバーのイメージどおりのライトウエイト。具体的なサイズは、316(幅)×217(奥行き)×15.9(高さ) mm、重量は約1.19kg。サイズ感としては、13型クラスの画面を搭載したモバイルノートPCとして、標準からやや小さめくらいだろう。ブリーフケースタイプのビジネスバッグにもすっきりと収まり、楽に持ち運べる。


シンプルなビジュアルがとても印象的だ。トップカバーにはロゴはもちろん、シンボルもない。


カジュアルなイメージの明るいシルバーにきめの細かい表面仕上げを施し、さりげない上質感を醸しだしている。


裏面もシンプル。角は丸味をもたせて、前面や両側面側に向かって少し傾斜をつけている。


前面。中央部にはトップカバーを開ける時に手をかけやすいよう段差が設けられている。


背面部もすっきりとしている。排気口はヒンジの内側にある。


実測重量は1,177gと公称より少し軽かった。

先進と実用性を兼ね備えたインターフェイス内容

バッテリーの容量、駆動時間について、具体的な数字は公表されていない。評価機をバッテリーレポートで見てみると、設計容量で約45.7Wh。13型クラスのモバイルノートとしては水準~少し多めというところ。実測値は後ほど検証する。

インターフェイスは、ボディーの両側面にまとめられている。先進のUSB Type-C(USB 3.0)に加えて、Type-AのUSB 3.0が2機、HDMI(1.4)、マイク入力/ヘッドフォン共用端子にMicroSDカードスロットも装備している。液晶上部にはWebカメラも搭載している。新旧のツボを抑えた内容で、薄型軽量のモバイルノートとしては十分な内容だろう。

なお、USB Type-Cは、USB 3.0のデータ転送に加えて、USB PDおよびDP over USB-Cに対応しており、USB PDによる充電やディスプレイ出力(DisplayPort 1.2)が可能だ。ただ、ACアダプターについては独自端子の製品が付属している。


バッテリーレポートの出力内容。バッテリーの設計容量は45.6Whと十分な容量だ。


左側面。奥側からDC入力(ACアダプター)、USB 3.0、HDMI 1.4、USB Type-C(USB 3.0)


右側面。マイク入力/ヘッドフォン共用端子、USB 3.0、microSDカードスロット(SDXC対応)


出力仕様65WのACアダプターが付属する。コネクタは独自仕様だ。ケーブル込みの実測重量は286gだった。

幅広い用途に対応できるパワフルな基本スペック

CPUには、Core i5-8250Uを採用している。開発コードネーム「Kaby Lake R」こと第8世代Coreプロセッサー(薄型軽量ノートPC向け)の中堅モデルで、2018年発売のモバイルノートPCでは採用例が多いCPUだ。

 この世代からCPUのコアが増えてクアッドコアになっており、前世代と比べると大幅にパフォーマンスが底上げされている。

メモリはDDR4-2400を8GB、データストレージには256GB SSDと実用十分な内容だ。Webブラウザやオフィスアプリが快適に動作するのはもちろん、写真編集や動画編集などにも対応できる性能をもっている。


CPUには、Core i5-8250Uを採用。開発コードネーム「Kaby Lake R」こと第8世代Coreプロセッサーの中堅モデル。TDP15Wのモバイル向けCPUだが、この世代から4コア4スレッドとなり、先代までのモバイルCPUに比べて大幅にパワーアップしている。

ノングレアの液晶ディスプレイは角度も自在に調整可能

液晶ディスプレイのサイズは13.3型、表示解像度は1920×1080ドットに対応する。ノートPCとしては標準的な解像度だ。

表面はノングレア仕上げのため、照明や外光などが映り込みにくく、照明のキツいオフィスや屋外でも使いやすい。また、画面の角度が180度開くので、好きな角度に調整できるのもありがたい。液晶の配向方式は明記されていないが、上下左右とも視野角は広く、IPS系を使用していると思われる。


液晶ディスプレイのサイズは13.3型、表示解像度は1920×1080ドット(フルHD)に対応する。視野角も広く、視認性は上々だ。


画面の角度が180度開くので、好きな角度に調整できる。


VESA DisplayHDR Compliance Testsのパネルレポート。最大輝度270nit、sRGB比99.5%と色域も十分だ。

バックライト付きのキーボード、Windows Hello対応指紋センサーを搭載

キーボードは、Enterキーの右側にキーがある配列は好みがわかれそうだが、主要キーのキーピッチは実測で縦約18×横18mmと十分な間隔を確保しており、窮屈な感じはない。キーストロークは浅めだが、押下感はしっかりあり、反発も強すぎず、良い感触だ。

キーボードにはバックライトも搭載しており、周囲が暗くなった時に自動点灯するほか、手動(Fn+F9キー)でオン/オフが可能。暗い場所でも作業できる。

キーボード手前には、大型(実測約105×64mm)のタッチパッドを搭載。Windows 10の高精度タッチパッドに搭載しており、OS標準の便利なジェスチャー機能が使える。タッチパッドの左上部分には指紋センサーも搭載。OS標準の認証機能「Windows Hello」にパスワードと指紋を登録しておけば、パスワードによる保護をしながら、指で触れるだけでサッとログインできる。


キーピッチは約18mmを確保しており、打鍵感も悪くない感触だ。右端のキーがやや細く、Enterキーの右にキーがある配列は好みが分かれそうだ。


タッチパッドにはWindows Hello対応の指紋センサーも装備し、セキュリティを保護しながらワンタッチでログインできる。


タッチパッドはWindows 10の「高精度タッチパッド」に対応。OS標準の便利なジェスチャー機能が利用可能だ。


キーボードバックライトも搭載。夜間の飛行機内など暗い場所で作業したい場合に重宝する機能だ。

最新世代ならではのパワフルなパフォーマンス

ベンチマークテストのスコアを掲載する。参考として、旧世代のノートPC(ThinkPad X250カスタマイズモデル)のスコアも搭載する。約3年半前に発表された製品で、CPUは第5世代のCore i5-5300U、メモリ8GB、SATA SSD 960GB、OSはWindows 10 Pro 64bitという内容だ。

CGレンダリングを行ってCPUの基本性能を見るCINEBENCH R15のCPUスコアでは554と、比較対象の2倍以上。クアッドコアのパワーをしっかり発揮できている。

CrystalDiskMarkで計測したストレージの性能も良い。特にランダムリードのスコアはHDDの数十倍レベルで、OSやアプリの起動が速く、日常的な操作も快適にできる。


CINEBENCH R15のスコア


旧世代PCとのCINEBENCH R15のスコア比較。マルチスレッドでCGレンダリングを行うCPUスコアは旧世代PC(Core i5-5300U)の約2倍。


CrystalDiskMark 6.0.1(ひよひよ氏・作)のスコア

総合的な性能も優秀

PCMark 10は、実際にアプリを使ってPCの用途をひととおりシミュレートするテストで、アプリの起動やWebブラウズやビデオチャットなどを行う「Essential」、表計算などオフィスアプリの処理をする「Productivity」、動画エンコードやCGレンダリングなどを含む「Digital Content Creation」、いずれも優秀なスコアだ。


PCMark 10のスコア


旧世代PCとのPCMark 10のスコア比較。どの項目でも旧世代PCを大きく上回っている。

3D描画性能も大きく進歩

グラフィックス機能はCPU内蔵機能を使っているため、3D描画性能は本格的なPCゲームができるほどではないが、それでも旧世代のモバイルPCと比べれば大きく進歩している。ブラウザベースのカジュアルゲームなどは楽しめるだろう。


FINAL FANTASY XIV:紅蓮のリベレーターベンチマークのスコア(1280×720ドット、ノートPC標準品質、ウインドウモード)


旧世代PCとのFINAL FANTASY XIV:紅蓮のリベレーターベンチマークのスコア比較(1280×720ドット、ノートPC標準品質、ウインドウモード


3DMark/SkyDiverのスコア


旧世代PCとの3DMark/SkyDiverのスコア比較

4コアの優位が動画エンコードで歴然

動画エンコードのテストは、H.264のテストとして「x264 FHD BENCHMARK」、H.265のテストとして「HWBOT x265 Benchmark v2.2.0」を利用した。いずれもAltair F-13KRは、旧世代PCに2倍以上のスコアをマークし、圧倒している。クアッドコアになった第8世代Coreプロセッサー(Kaby Lake R)を搭載している優位が顕著に表れている。


x264 FHD BENCHMARKのテスト結果


x264 FHD BENCHMARKのスコア比較。Altair F-13KRのスコアは、旧世代PCの2.14倍


HWBOT x265 Benchmark v2.2.0のテスト結果


HWBOT x265 Benchmark v2.2.0のスコア比較。Altair F-13KRのスコアは、旧世代PCの2.25倍

Webアプリも快適、バッテリーは実動8時間超

ブラウザベースのベンチマークテストとして、WebXPRT 3も実行した。HTML5、Java Scriptなどを活用したWebアプリの快適さを計測する。比較的ライトな作業が中心だが、Altair F-13KRは旧世代の比較用PCに対し、約70%も良いスコアをマークしている。

バッテリー駆動時間は、bbench 1.01(海人氏・作)を使い、無線LANで常時接続し、60秒間隔でのWebサイト訪問、10秒間隔でのテキスト入力を行なう設定で計測した。電源プラン設定は標準の「バランス(バッテリー駆動時のディスプレイの輝度40%)」を使用した。結果は、バッテリー残量20%になるまで約7時間、残り5%になるまでは約8時間10分駆動した。常時接続環境であることを考えると十分な駆動時間だろう。


WebXPRT3のテスト結果。HTML5やJavaScriptを利用したWebアプリの実行性能を計測してスコアを出す内容だ。


WebXPRTのスコア比較。Altair F-13KRのほうが70%もスコアが良い。

USB Type-Cを活用して先進のスマートな運用も

Altair F-13KRが搭載するUSB Type-Cポートは、拡張仕様である「USB PD」、「DP over USB-C(DisplayPort Alt Mode)」に対応している。つまり、1つのType-Cポートで、従来のUSBポート同様のデータ転送に加えて、PCの充電(USB PD)、ディスプレイ出力(DP over USB-C)が同時にできる。

(編集部注:ディスプレイ側の仕様によりUSBの電源供給量が65Wを下回る場合、ディスプレイ表示が途切れる場合がありますのでご注意ください)

もちろん、周辺機器側もUSB PD、あるいはDP over USB-Cに対応している必要があるが、すでに液晶ディスプレイ製品では、USB PDとDP over USB-Cに対応した製品はかなりある。

これらを利用すると、Type-Cケーブル1本を接続するだけで、Altair F-13KRの充電、液晶ディスプレイへの画面出力が同時に可能。さらに、有線LAN機能やUSBハブ機能も備えた製品であれば、有線LANへの接続、光学ドライブや外付けストレージ、マウスの接続なども同時にType-Cケーブル1本でまかなえる。

つまり、外では身軽なモバイルPCとして活用。自宅に帰って、USB Type-Cで液晶ディスプレイに接続すれば、大画面、有線LAN、光学ドライブ、マウスなどさまざまな周辺機器を備えたデスクトップ並みの充実環境ですぐに使うことができ、充電も同時にできる。そして、Type-Cケーブルを外せばすぐにモバイルで活用できるという、スマートな運用が可能になるわけだ。

モバイルディスプレイもDP over USB-C対応製品が登場してきている。こちらは、USB Type-Cケーブル1本で、ディスプレイへの給電と画面出力が同時に可能。DP over USB-Cでは、旧来のUSB接続と違い、USBに変換せずDisplayPortで直接出力できるためレスポンスがよく快適に利用できるのが特徴だ。

こうしたUSB Type-C対応周辺機器があると、Altair F-13KRはさらに便利に使うことができる。ステップアップとしてUSB Type-C対応の液晶ディスプレイやモバイルディスプレイの導入を検討してみてはいかがだろうか。


USB PD/DP over USB-C対応の液晶ディスプレイを使えば、ディスプレイへ画面を出力しながら同時にAltair F-13KRの充電が可能。


液晶ディスプレイにハブ機能があれば、有線LANや光学ドライブなど他の周辺機器の接続もUSB Type-Cケーブル1本で可能。ケーブルを外せばすぐに身軽なモバイルPCとなる。


DP over USB-C対応のモバイルディスプレイなら、ディスプレイへの給電と画面出力がUSB Type-Cケーブル1本で可能。写真はASUSTeKの「MB169C+」。DisplayPortの信号を(USBへ変換せず)ネイティブで送るためレスポンスが良いメリットがある。

コスパ抜群のライトウェイトモバイル

ベンチマークテストのスコアに見るように、クアッドコアのCore i5-8250Uを搭載しているためパフォーマンスは上々。メモリ、ストレージも不足ない容量で、幅広い用途に対応できる。

先進のUSB Type-CもType-AのUSBポートも備えるインターフェイス構成、実測で約8時間駆動できるバッテリー、自由に角度調整ができるノングレア液晶の見やすさ、Windows Hello対応の指紋センサーによるセキュアでスピーディなログオンが可能な点など、使い勝手の部分でも優秀。モバイルPCとしての完成度はかなり高い。

それでいて、プライスはリーズナブル。ドスパラの直販サイトでの販売価格は、基本構成で9万9,980円(+税、9月16日調べ)。余計な装飾がないシンプルでさりげない上質感があるビジュアルも魅力で、お買い得というほかはないだろう。

Reported by 鈴木雅暢