【レビュー】ゲーミングキーボード Corsair「K55 RGB」 どこを取ってもハイエンド顔負けなコスパ良好モデル

【レビュー】ゲーミングキーボード Corsair「K55 RGB」 どこを取ってもハイエンド顔負けなコスパ良好モデル

公開日:2021/4/30

 今回ご紹介するのはCorsair社製のキーボード「K55 RGB」です。ゲーミングキーボードとしてはエントリーモデルに位置づけられる価格帯ながら、ハイエンドモデルに引けを取らないほど充実した機能を搭載している本製品。マクロの割り当てが可能な専用キーや防塵・防滴設計といった独自の強みも持っており、コストパフォーマンスは抜群です。実際の使用感を交えながら、その魅力をお伝えします。

 

基本スペック

接続 USB
キーレイアウト 日本語108キー かな印字あり
外形寸法 480.2×166.3×34.6mm
重量 822g

 基本的なスペックはこちらです。レイアウトはテンキー付属の日本語配列・フルサイズ。各キーにはかな表記が印字されており、かな入力派の方も安心です。ゲーミングキーボードには日本語配列であっても印字が英数のみとなっていることも多いため、意外とうれしいポイントですね。

 

 そしてキースイッチにはメンブレン方式が採用されています。使用感の項目で後ほどご紹介しますが、静音性と確かなレスポンスを兼ね備えており、本格的なゲーミング用途でも安定したパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。メンブレン方式は一般的なキーボードにも採用されることが多いため、はじめてゲーミングキーボードに触れる方でも違和感なく使えそうです。

 

 とは言え、もちろんゲーミングキーボードとしての要所はしっかりと押さえています。最大で同時8キーのアンチゴースト(誤入力防止)のほか、Windowsキーのロック機能を完備。意図したものとは違う操作をしてしまったり、重要な場面での誤タッチによってプレイが台無しになったりする恐れはありません。

 

 続けて「K55 RGB」の最大の魅力とも言える、専用のマクロキーについてご紹介しましょう。縦1列・合計6個あるこちらのキーには、自分でカスタマイズしたマクロを割り当てることができます。もちろん複数キーの同時押しや、マウスのクリックを含む連続したキー入力の記録にも対応。FPSからMMOまで、プレイするゲームのジャンルに合わせて自由自在に使い分けが可能です。例えば「Wキーを2秒押しつづけて離し、3秒停止したあとにSキーを……」といった複雑な操作でも、マクロキーひとつで呼び出すことができるのです。

 

 マクロキーに割り当てたマクロは本体のメモリに記録されるため、別のパソコンに接続した際にもまったく同じ設定を呼び出せます。また本体上部の「MR(マクロ)ボタン」を長押ししたあとにマクロキーを押せば、そのキーだけを無効化することも可能です。ゲームをプレイしている最中でもソフトウェアを開かずにワンタッチで設定を変えられるのは、ゲーマーにとってはかなりありがたいポイントと言えるでしょう。

 

 最後にご紹介するのは本体の頑丈な設計についてです。「K55 RGB」は「IP規格」と呼ばれる防塵・防水仕様を満たしており、ある程度のアクシデントに対しては物ともせず耐えてくれます。具体的には「少し飲み物をこぼした」「お菓子のクズが堕ちてしまった」くらいであれば、故障するようなことはないと考えられるでしょう。

 

参考:

IP規格・防水保護構造及び保護等級 日本エイ・ヴィー・シー株式会社

外観

さて、ここからは「K55 RGB」の外観をご紹介します。

 

 まずはキーボード全体の画像をご覧ください。リストレストがかなり大きいこともあり、重厚感のあるサイズ感です。本体上部はキー部分とは別の素材が使われており、デザインも洗練されている印象を受けますね。中央にプリントされた「Corsair」のロゴも良いアクセントになっています。

 

 リストレストは着脱式になっており、簡単に取り外しが可能です。デスクのスペースなど環境によって使い分けられるのが便利ですね。

 

 リストレストを接写した画像がこちら。滑り止めの加工が施された軟質ゴム製のリストレストは、手首への負担をしっかりと軽減してくれます。長時間のプレイでも疲れることなく、快適にゲームへと集中できそうです。

 

 先ほどご紹介したマクロキーは本体の左側に縦一列に配置されています。実際に「K55 RGB」を使って見るとわかりますが、左手で押しやすい位置であるうえに、タイピングの際などには邪魔になることがない絶妙なポジションです。

 

 そして本体の右上には、動画・音声の再生/停止や音量調整ができるメディアコントロールボタンを完備。意図しないかぎり手を伸ばすことがないテンキーの上部に位置しており、誤タッチする心配はありません。

 

 ゲーミングキーボードの肝とも言えるバックライトはこちら。中にはバックライトを目当てにゲーミングキーボードの購入を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 「K55 RGB」のバックライトは、キーの下から淡く光が漏れ出しているのが特徴です。上品ながらもしっかりと存在感を示している灯りは、ハイエンドモデルのゲーミングキーボード顔負け。バックライトは左右で3つに区分けされており、それぞれにライティングの設定を割り当てることができます。専用のソフトウェアによって、ライティングの色・パターンを自分好みに変更可能です。

 

実際に使ってみた感想

 ここからはいよいよ「K55 RGB」を使ってみた感想をお伝えしていきます。キーそのものの感触をチェックしたあとに、ゲームでの使用感を見ていきましょう。

 

打鍵感(打鍵音)

 まずは打鍵感(キーを入力したときの感覚)と打鍵音を確認します。実際に「K55 RGB」を使ってタイピングしている動画をご覧ください。

 メンブレン方式のキーは打鍵感が軽く、スムーズにキーが押し込まれていく印象を受けます。その分、打鍵音もかなり控えめなのが特徴的ですね。

 

 なお筆者は過去に何度かメンブレン方式のキーボードを使っていた時期がありますが、それらと比較すると同じ方式でも、よりゲーミング向きのしっかりとした打鍵感が返ってくると感じました。「茶軸」「青軸」といったメカニカルスイッチよりライトではありますが、ゲーミングキーボードを使っている実感は得られるはずです。

 

ゲームでの使用(『VALORANT』編)

 それではいよいよ、ゲームでの使用感を確認していきましょう。今回は「K55 RGB」を使用してFPSゲーム『VALORANT』をプレイしてみました。少人数でのチーム戦というゲーム性から、一つひとつのプレイが勝敗に大きな影響をおよぼす同タイトル。キーの反応速度や反応の精度が重要となるため、ゲーミングキーボードのテストプレイにはうってつけであると言えそうです。「K55 RGB」のお手並み拝見といきましょう。

 

 まずは基本的なキャラクターの操作から確認。「キーを押している感覚」と「キャラクターが動く感覚」が寸分のズレもなく一致しており、操作性は極めて良好です。キャラクターの進行方向と逆に一瞬だけ操作キーを入力する「ストッピング」も、ストレスなく行うことができます。数時間のプレイを通して、誤入力が起こったり入力のラグを感じたりすることは一切ありませんでした。

 

 また実際に使ってみると、リストレストによる手首への負担軽減もかなりはっきりと実感できます。手のひらをリストレストに置くことで、無理な力を入れずに手を動かせるため、プレイが終わったあとに手首・腕の腱・指などのこわばりを感じないのです。

 

 キー自体の性能と機能面を総合すると、価格帯には見合わないほどの高パフォーマンスを発揮してくれるゲーミングキーボードであると言えそうですね。

 

総評

 ゲーミングキーボードの中では比較的安価ながら、ハイエンドモデルに比肩し得る性能を誇っている「K55 RGB」。反応速度/精度、マクロ機能、バックライト……など、どこを取ってもゲーミングキーボードのエッセンスがしっかりと備わっています。ゲーミングキーボードを使ってみたいと考えている方にぜひ検討していただきたい、コストパフォーマンスに優れた逸品です。淡く光るバックライトに酔いしれながら、その性能をぜひ体感してみてはいかがでしょうか。