144Hzのモニターはゲームで有利? 高リフレッシュレートのメリットを解説

公開日:2022/10/20

もくじ

・モニターのリフレッシュレートって何?

・高リフレッシュレートのメリットは?

・フレームレートとの違いは?

・可変リフレッシュレート機能(G-SYNC、FreeSync)との関係は?

・まとめ

 

 eスポーツの大会などでは、144Hzといったリフレッシュレートの高いゲーミングモニターが使用されます。大会でなくとも、FPSといった競技性の高いジャンルのゲームを好んでプレイする人も、高リフレッシュレートのモニターを好む傾向があります。本記事では、リフレッシュレートとは何か、高いリフレッシュレートにどんなメリットがあるのかを解説します。

 

モニターのリフレッシュレートって何?

 リフレッシュレートとは、モニターが画面を書き換える(リフレッシュする)頻度のことです。パソコンやスマートフォン等で使われているモニターは、高速で画面表示を書き換えることで映像を表現しています。映像が動いて見える原理はパラパラ漫画と同じです。

 

 リフレッシュレートの単位は「Hz(ヘルツ)」です。1Hzは1秒間に1回書き換えることを表します。一般的なモニターは60Hzで、毎秒60回書き換えています。144Hzになると、書き換え頻度は2倍以上になります。

 

 リフレッシュレートはモニターごとに決まっており、モニターの仕様よりも高く設定することはできません(下げることはできます)。また原則として書き換え頻度は一定で、リアルタイムに変更するにはそのための機能が必要です。

 

高リフレッシュレートのメリットは?

 高リフレッシュレートのメリットは主に①速く反応できる、②映像がなめらかに見える、の2点です。

 

 速く反応できるのは、画面の更新頻度が高いぶん次の画面がわずかに速く表示されるためです。60Hzは秒間に60回画面が描き変わるのに対して144Hzの場合は1秒間に144回画面が描き変わります。例えばゲーム内で対戦相手のキャラクターが物陰から顔を出した場合、先に相手の姿を視界に捉えることができます。この差は、時にプレイヤー間の実力差を埋めてしまうほどの効果があります。

 

 実感するには、画面の変化に反応してマウスをクリックする反射能力テストを試してみるとよいでしょう。144Hzのモニターを使い、設定で144Hzと60Hzを切り替えて同じテストを行うと、普段ゲームをプレイしない人でも144Hzの方が速くクリックできます。

 

 映像がなめらかに見える効果は反応速度にはあまり影響しませんが、プレイする感覚は大きく改善します。多くの場合、速い動きでの残像感が減り、キャラクター等の輪郭がはっきり表現されたような印象になります。慣れたゲームであれば、違いはすぐに分かるでしょう。

 

フレームレートとの違いは?

 高リフレッシュレートのモニターは、それだけでは効果を発揮できません。パソコン側のフレームレートをあわせる必要があります。

 

 フレームレートはモニターに対して画面のデータを送る頻度を表します。単位は「fps(frames per second)」で、1fpsは1秒間に1回送ることを表します。リフレッシュレートが60Hzのモニターを使っている場合、60fps以上あっても表示しきれません。反対にモニター側のリフレッシュレートが144Hzでも、パソコン側が60fpsでしかデータを送っていないとモニターは実質60回分しか書き換えができません。すると60Hzのモニターを使っているのと同じになってしまいます。

 

 フレームレートは主にゲームの処理の重さとパソコンの性能で決まり、ゲームの描画設定や画面解像度でも変わります。画面内のキャラクター数や背景などゲーム内のシーンにもリアルタイムで影響を受け、変動し続けるため一定ではありません。高リフレッシュレートのモニターを生かすには、描画設定を落とすなどの方法でフレームレートを高く維持し、リフレッシュレートに近い数字になるようにするとよいでしょう。

 

 リフレッシュレートはモニター側の仕様、フレームレートはパソコン側の能力を表す言葉です。フレームレートをリフレッシュレートにぴったり合わせられるとベストですが、フレームレートは常に変動しているため、あくまで目安となります。

 

 リフレッシュレートが高いと動画もなめらかになると期待するかもしれません。しかし、動画はあらかじめフレームレートが決められており、144Hzなどの高フレームレートで記録されたものはあまりありません。高リフレッシュレートのモニターを活用できるのは、主に3Dゲームとなります。

 

可変リフレッシュレート機能(G-SYNC、FreeSync)との関係は?

 高フレームレートの環境には、昔からテアリングとスタッタリングの問題がありました。テアリングは表示する画面に次の画面が入り込んでしまい、ある高さで上下がずれて見える現象、スタッタリングは画面の書き換えが間に合わずにガタついて見える現象です。

 

 テアリングは主にフレームレートがリフレッシュレートより高い場合に起こります。そのためフレームレートを落とすか、V-Sync(垂直同期)というフレームレートをリフレッシュレートで頭打ちさせる機能を有効にするという対応策があります。

 

 一方スタッタリングは、主にフレームレートがリフレッシュレートより低い場合に起こります。フレームレートがリフレッシュレートより低いと、書き換えるための画面データが書き換えタイミングに間に合わないことがあります。その場合、直前の画面を表示し続けるため、1つの画面を通常より長く表示する上に次の画面をスキップすることになり、映像がガタついて見えます。これへの対策は、フレームレートをリフレッシュレートより高くすることです。

 

 つまり、テアリングを避けようとするとスタッタリングが、スタッタリングを避けようとするとテアリングが発生する可能性がありました。これを同時に解消しようとした技術が可変リフレッシュレート機能です。NVIDIAは「G-SYNC」、AMDは「FreeSync」という機能名で展開しています。

 

 可変リフレッシュレート機能は、通常は一定間隔の画面書き換えタイミングをフレームレートに合わせて変化させます。画面データが用意できてから画面の書き換えを行うため、速すぎることも遅れることもなく、テアリングもスタッタリングも起こりません。ただしリフレッシュレートをモニターの仕様よりも高くすることはできないため、通常は垂直同期と併せて利用します。当然、本来のフレームレートは得られません。可変リフレッシュレートは、リフレッシュレートをフレームレートに合わせて下げる機能と言い換えられるでしょう。

 

 フレームレートが頭打ちになってしまうことへの対策として、G-SYNCやFreeSyncに対応したモニターは、多くのモデルがリフレッシュレートをより高い240Hzや360Hzなどに設定しています。例えば200fpsなど高いフレームレートの環境でも、240Hzのモニターであれば可変リフレッシュレート機能と組み合わせて性能を発揮できます。

 

まとめ

高リフレッシュレートのメリットを解説しました。

リフレッシュレートはより細かく画面が切り替わることから、速く次の場面が見えるようになり、対戦ゲームでの反応速度の向上に役立ちます。また高いほど表示される映像がなめらかに見えるため、スムーズな見え方が好きな人には大きなメリットになります。

 

一方、きちんと動いて見えるという意味では、30fpsくらいでも十分です。例えば映画館で見る映画は24fpsで撮影されています。高リフレッシュレートに慣れていると24fpsは低く感じますが、ガタついて迫力がなくなるといった現象は起こりません。

 

高リフレッシュレートは対戦ゲーム向けの環境と言ってよいでしょう。