ゲーム実況をこれからチャレンジする人向け、準備からやり方までを解説
ゲーム実況とは
ゲーム実況とは、YouTubeやニコニコ動画などでプレイヤーがゲームをしている様子を配信することです。
ゲーム実況ではゲームをプレイしながら攻略方法を解説したり、難易度の高いテクニックを披露したり、単にプレイしながら雑談をするなど様々なスタイルで配信されています。
歴史的には1980年代に高橋名人をはじめとしたファミコン名人たちがテレビでファミコンをプレイしながら解説していたのがゲーム実況の先駆けといえます。
ゲーム実況の種類
ゲーム実況には大きく分けて「動画投稿」と「ライブ配信」があります。それぞれのスタイルについて以下に説明します。
動画投稿
動画投稿は事前にプレイしたゲーム画面の動画を編集して、動画投稿共有サイトに投稿するスタイルです。
ゲームの見どころの場面だけを編集でつなげたり、テクニックをゲーム画面と手元のゲーム用コントローラー操作もあわせて見せたり、ゲームプレイを後から解説やテロップを付け加えたりすることができる方式です。
編集技術があれば、見応えのある場面を軸に構成できるため、視聴者を飽きさせない動画配信が可能です。
ゲーム実況を動画化する際などにもさまざまな工夫を付け加えることができます。
ライブ配信
ゲームプレイしている様子をリアルタイムで配信するスタイルです。ゲーム実況者がプレイしている様子を生で見られるので、コメントや投げ銭などによる応援で実況者と視聴者との間の一体感を盛り上げることができます。
ライブ配信後にアーカイブとして残したり、編集してダイジェスト版を投稿したりする実況者もいます。
ゲーム実況に必要な機材
ゲーム実況に必要な機材について説明します。
ゲーミングPC
実際にゲームをプレイするだけでなく、動画の編集や配信に必要な機材です。
ゲーム実況をライブ配信で実施する場合、高機能なゲーミングパソコンを所有しておきたいところです。
ゲームプレイの様子をライブ配信する場合、ゲームプレイのためにグラフィックボードの性能だけでなく、メモリ容量などのスペックに余裕があるゲーミングPCがおすすめとなります。
理由として、性能に余裕があれば高画質なゲームプレイを安定して配信することができます。
逆にパソコンの性能に余裕がないと「解像度」や「画質設定」を下げて配信することになります。
視聴者によりよい映像でゲーム実況の様子を見てもらいたい場合、ゲーミングPCの性能は重要な要素といえます。
動画編集とゲーム実況の配信を同じパソコンで行う場合はCPUの負荷が上がる傾向があり、高性能なCPUを搭載したゲーミングPCを選ぶと、動画編集にかかる時間の短縮にもなります。
おすすめのスペック例
項目 | スペック |
CPU | Core i7もしくはRyzen7以上 |
GPU | RTX3060もしくはRadeon 6600以上 |
メモリー | 16GB以上、動画投稿なら32GB以上 |
ストレージ | SSD 500GB以上 |
ゲーミングPCを選択するのに迷ってしまう場合は「ゲーミング」向けとして紹介されているモデルからするようにしましょう。
家庭用ゲーム機やスマートフォン
実況するゲームが「パソコン用のゲーム」ではなく「家庭用ゲーム機」や、「スマートフォン用のゲーム」の場合、配信用のパソコンとゲーム機を別々に用意します。
キャプチャーボード
家庭用ゲーム機やスマートフォンのゲームを実況する場合には、キャプチャーボードが必要となります。
キャプチャーボードは家庭用ゲーム機やスマートフォンのゲーム画面と音声をPCに取り込み表示するための機材です。
キャプチャーボードには種類があり「パソコンに内蔵するタイプ」と「USB接続する外付けタイプ」が存在します。
USB接続のキャプチャーボードであれば、必要な時に、デスクトップパソコンに接続できるだけでなく、ノートパソコンにキャプチャーボードを接続して収録することも可能となり幅広く使用できます。
マイク・ヘッドセット
マイクやヘッドセットは、ゲーム実況の際、音声入力するのに利用します。
ゲームプレイのライブ実況の場合、体を動かした時にも音声が拾いやすいようにヘッドセットを選択するのがおすすめです。
動画編集で音声入力する場合は「音質の良い据え置き型マイク」などのように使い分けると、より動画のクオリティーがアップします。
Webカメラ
Webカメラを通じて、ゲーム実況の画面内に、実況者の顔を小窓で表示する「ピクチャーインピクチャー」は表情や感情が伝わりやすく、視聴者に親近感を持ってもらいやすくなります。
ゲーム中のテクニックを解説する場合、ゲーム画面だけではなく、PC コントローラーを操作する手元の画面も映像として取り入れると、説得力のある実況になります。
これらの映像をUSB接続出来る「Webカメラ」が周辺機器メーカーより販売されています。
キャプチャーソフト
キャプチャーソフトはPCの画面を録画するためのソフトです。
PCのデスクトップ画面に表示されているゲーム画面と音声を録画することができます。
音声による実況や実況者の顔も同時に録画したい場合、PCに表示されている画面を録画するだけではなく、PCに接続されたWebカメラからの映像やマイクからの音声も同時に録画できる機能を持つ「キャプチャーソフト」を選択するようにしましょう。
キャプチャーボードを購入すると、キャプチャーソフトが付属している場合もあるので、有料のキャプチャーソフトの購入は、検討しているキャプチャーボードの仕様も確認してから決めることをおすすめします。
無料のキャプチャーソフトでおすすめは「OBS Studio」です。
「OBS Studio」は「OBS」とも呼ばれ、多くの人が利用していて、情報はブログや動画でも見つけることができます。
動画編集ソフト
本格的なゲーム実況動画を投稿するには動画編集ソフトを使って、録画した動画から必要となる場面をカットしてつなぎ合わせたり、テロップを挿入したり音声やBGM、さらにはオープニングやエンディングの映像を追加といった作業が必要となります。
数ある動画編集ソフトのなかで、利用者数も多く有名な動画編集ソフトを紹介します。
ソフト | 無料/有料 | 特長 |
AviUtl | 無料 |
日本で有名な無料動画編集ソフト。 インストールにはやや手間がかかりますが情報が豊富にありますので検索する手間を惜しまなければ使えるようになります。 |
DaVinci Resolve | 一部無料 買い切り:47,980円 |
プロのクリエイターも利用する高機能な動画編集ソフトです。一部有料となる機能はありますが無料部分の機能で十分に編集できます。 高機能かつ多機能なので使いこなすまでにはある程度の習熟期間が必要となります。 |
PowerDirector | 月額課金制:517円/月~ 買い切り:12,980円~ |
比較的安価に入手出来る編集ソフトで、利用者も多いです。 機能も豊富で使いやすいソフトなので、動画編集が初めてという方にはおすすめです。 |
Premiere Pro | 月額課金制:2,728円/月 | プロのクリエイターが最も利用している動画編集ソフトです。 高機能かつ多機能なソフトなのである程度の習熟期間は必要です。 将来、プロの動画編集を目指す人なら最適なソフトです。 |
※価格は2022/11/10現在のものです。
ゲーム実況の方法
実況するゲームの選択方法や配信する動画共有サイト、投稿の流れを説明します。
ゲームの選び方
実況でプレイするゲームを選ぶ必要があります。
ゲーム好きであれば、面白い作品を次々に紹介したくなる人もいるかもしれません。
ですが、ある程度の配信するゲームの傾向が決まっている方が、実況の継続性や、視聴者の獲得の面では有利となります。
自分が楽しめるゲーム、プレイしたいゲーム実況をすることが結局のところ長続きし、視聴者も長期で増加して行く可能性が高くなります。
ゲーム実況や動画配信は、映像を使ったコミュニティーの一種と考えた場合、考えておくべきことともいえます。
配信者自身が楽しんでプレイしていると、視聴者にも楽しさが伝わりやすくなり、ゲームの関連情報を交えた解説もしやすくなる傾向があります。
実況するゲームの基準
実機用するゲームを選ぶ基準は以下のものが考えられます。
- 自分が熱中していてその楽しさを伝えることができるゲーム
テクニックや攻略法が含まれてなくても面白さが伝われば観てくれる人はいます。 - 攻略法やテクニックを熟知しているゲーム
そのゲームのテクニックなどを知りたいと思っている人は観てくれるでしょう。 - リリース後間もないないゲーム
リリースされてすぐの旬のゲームはユーザーが多いため、ゲーム内容や攻略法など知りたいと思ってくれる人がいます。
配信する動画共有サイトを決める
動画投稿共有サイトは、YouTubeやニコニコ動画をはじめとして複数存在します。
サイトの雰囲気や視聴者のコメントなどの反応を確認して自分と相性の良いサイトを選択してみて下さい。
サイト名 | 特長 | 投稿スタイル | 推奨画面比率 |
YouTube |
最もユーザー数が多い動画投稿共有サイトです。 視聴者の数も多いですがゲーム実況をおこなう競合も多いと考えて下さい。 |
動画投稿/ライブ配信 | 16:9 |
ニコニコ動画 | 日本最大級のサイトで動画の時間軸に紐付けたコメントを付けられることが特長です。 | 動画投稿/ライブ配信 | 16:9 |
Twitch |
ライブ配信をメインにしたサイトで、当初はコンピュータゲームに特化したサービスでした。 現在、配信カテゴリーにはゲームやEsports、Music、クリエイティブ、雑談があります。 |
動画投稿/ライブ配信 | 16:9 |
ツイキャス |
Twitterと連携するライブ配信サービスです。 ゲームカテゴリーでは個別のゲームやゲーム種類で細分化されたカテゴリーが用意されています。 |
ライブ配信 | 16:9 |
Mildom |
ゲームを中心としたライブ配信サービスです。 動画投稿は審査を受けてから公開となります。 |
動画投稿/ライブ配信 | 16:9 |
ゲーム実況とショートムービーとの組合せもおすすめです。
上記サイトの1つをメインとして、YouTubeShortsとTikTokなどにダイジェストした短尺の動画を配信して、興味を持ったユーザーをメインのサイトへ集客するようにすれば視聴回数が上がる可能性が高くなります。
ゲーム実況動画投稿の流れ
動画投稿する流れは概略以下の通りです。
- ゲームプレイの動画
キャプチャーソフトを利用してゲームのプレイ画面と音声を録画します。
- 録画した動画の編集
必要なシーンのカットとつなぎあわせ、テロップや効果音の追加を行います。
画面比率を投稿するサイトにあわせた比率へ変更します。
また、必要に応じて実況音声の追加や効果音、BGM、Webカメラからの映像追加も実施します。
最後にチャネルのブランディングとなるオープニングとエンディング映像を追加して完成です。
- 投稿
完成した動画を動画共有サイトへ投稿します。
ゲーム実況はパソコン2台使う配信もある
2台のパソコンを用意できるならハイクオリティなライブ配信を行うことができます。
1台をライブ配信専用に、もう1台をゲームプレイ専用に割り当てます。
ライブ配信用パソコンは、ゲームプレイ用パソコンほどハイスペックである必要はありません。
ゲームプレイ用のパソコンから、HDMI出力でライブ配信用パソコンのキャプチャーカードに接続することで、ゲーム実況の配信が可能です。
ゲームプレイの負荷とゲーム実況を行う負荷の2種類の負荷を、2台で役割分担することで、ゲーム用のパソコンは、ゲームプレイに処理能力を最大限使用することができます。
ゲーム実況で気をつけるポイント
原則として、作品や音楽の配信は著作権者の許可がなければ利用できません。そのため、ゲームおよびBGMや音源を配信する前に、著作権での問題がおきないかどうかの確認が必要となります。
多くのゲーム開発会社は「ゲーム実況などで利用するためのガイドライン」という「決まり事や利用方法の基準」を公開しています。
実況するゲームのガイドラインを確認し、どの範囲までなら実況可能かを確認するようにしましょう。
ゲームによっては実況することで、ゲームにおいて重要な情報やこれからプレイする人が事前に知ってしまうべきではないこと、いわゆる「ネタバレ」になってしまうことがあり、実況を禁止している場合もあるので注意が必要です。
まとめ
ゲーム実況について紹介をしてきました。
同じゲームをプレイしていて、実況者や視聴者と共感したいユーザー、ゲームプレイをするよりも、気軽に視聴することで楽しみたいユーザー、実況者の解説やリアクションを楽しみにしているユーザーなどにとってゲーム実況はとても魅力があります。
さまざまな実況の公開方法や配信サイトがあるので、自分に合った方法を試行錯誤しながら、よりよいゲーム実況ができるようにしていきましょう。