VRブロック崩しが抱える欠点を面白く解決したアイデア作品「DUO」

 ブロック崩しタイプのゲームは何十年も前から存在するが、ゲームごとに独自の要素を取り入れながら進化を続けており、根強いファンが多い。そのブロック崩しも、VRとの融合によって新たな進化を見せている。今回ご紹介する「DUO」は、VRで遊ぶブロック崩しを真面目に考えて、VRならではのアレンジを加えた作品となっている。

 VRでのブロック崩しには大きな特徴が2つある。1つは空間が3Dになったこと。ブロック崩しと言えば2D画面で、画面下にボールを跳ね返すパドルがあり、上に壊すブロックがあるというスタイルが一般的。VRでは3D空間にブロックが浮かび、ボールが空中を飛んでいく。縦横と高さを合わせてボールを返さないと当たらないので、2Dのブロック崩しに比べるとブロックに当てるのが難しくなる。

 もう1つは、パドル操作をポジショントラッキングコントローラーで行うこと。簡単に言えば、両手に持ったコントローラーがVR空間ではパドルに見える。自分の方に飛んできたボールを返すには、自分の手を動かしてパドルをボールに当てる必要がある。ボールは頭上や足元にも飛んでくるので、全身を使ってボールを返していくことになる。

 この2点により、VRのブロック崩しは従来のブロック崩しとは全く違うプレイ感になっている。これはもちろん進化と言ってもいいのだが、3Dになったことでボールがブロックに当てづらいというのは、ゲーム的にはネガティブな問題だ。

 「DUO」はこの問題にきっちりと対応してきている。まずボールは青と黄の2色があり、同時にフィールドに現れる。2個のボールを返すのは大変だが、その分だけ単位時間当たりの命中率は上がる。

 次にフィールドの形だ。2Dのブロック崩しの多くは四角いステージ枠の中にブロックが配置されているが、本作はステージ奥の方に広がっていく、野球場のような形状になっている。壁も何段かに角度がつけられているため、壁に当たった時のボールの跳ね方も複雑になる。そのおかげで、ボールが意外な角度でブロックにヒットすることが多い。パドルで返す時に角度をつけて狙うこともできるが、アバウトに返していても何とかなる。

 また一部のブロックを破壊すると、アイテムが登場する。プレイヤーの方に飛んでくるのでうまくキャッチする(パドルで受ける)と、特殊な効果が発揮される。ボールがブロックを貫通するようになったり、命中した地点で爆発したりというものもあり、うまく当てれば一気に多数のブロックを破壊できる。

 ルールにもアレンジがある。従来のブロック崩しの多くは、全てのブロックを破壊するとステージクリアとなる。本作ではステージごとに目標とする破壊率が設定されている。例えば目標が80%であれば、現れたブロックのうち80%以上を破壊できればステージクリアとなる。2Dのブロック崩しでも、ブロックが残り少なくなった時に当てるのは難しいが、3D空間では難易度が飛躍的に上がる。それを目標破壊率というルールで緩めているのである。

 これらのアイデアによって、VRのブロック崩しに特有の当てづらさ問題を解決し、快適なプレイ感を実現している。開発において、ゲームとして面白くするための様々な試行錯誤があったのだろうと感じられる。

 本作のゲーム内容についても紹介しておこう。ゲームはステージクリア型の進行となっており、クリアするごとに次のステージがアンロックされていく。3D空間に配置されたブロックは、ライオンやパイナップルなど様々なデザインになっており、見た目にもユニークで楽しませてくれる。

 各ステージには制限時間があり、時間切れまでに目標破壊率を達成すればステージクリア。ただし青と黄のボールにもそれぞれ残数があり、パドルで返しきれずに見逃してしまうと残数が減少。両方0になった場合も攻略失敗となる。

 登場するアイテムは、先述の威力を高めるもの以外にも、一定時間スコアを増加させるような補助効果のもの、ステージが真っ暗になってボール以外見えなくなるマイナス効果のものもある。有用なアイテムだけを取って、要らないアイテムはパドルに触れないよう避けるというのも可能だ。

 速くクリアするためには、アイテムの活用に加えて、パドルの角度調整による狙い付けと、ボールを勢いよく返すパドルの速さが重要になる。ただしあまり強くボールを叩くと、すごいスピードで手元に戻ってくることもある。特にボールに貫通効果がある時は、ブロックを突っ切って超高速で戻ってくる。スピード感抜群の内容はゲーマー的には面白いが、動かすのはゲームパッドを持つ指ではなく自分の体だということもお忘れなく。