第1回「ガレリア」が来た!:ガレリアPCゲーム探訪記

第1回「ガレリア」が来た!:ガレリアPCゲーム探訪記
  ※写真は当時の製品画像となります。

十数年ぶりにゲーミングPCに帰って来た!

ゲーム専用ハードの多い生涯を送ってきました。

ファミコン、セガマークIII、メガドライブ……と家庭用ゲーム機との付き合いを始めてからかれこれン十年。しかし、さらに振り返れば、筆者の原点は「ゲーミングPC」だった。『ゼビウス』のコンセプトを移植した(あまりに似すぎているのでナムコのマルシーをもらった)『アルフォス』を遊びたいあまり親にパソコンを買ってもらったあの日。でもマイナーPCだったためにソフト日照に耐えられず、ファミコンに“浮気”してしまった……やっと本来の故郷に戻ってきた!

そんなわけで、とある業界飲み会での名刺交換が縁になり、ゲーミングPCを使うチャンスに恵まれたしだい。まさか、あこがれのマシンをお迎えする日が来るとは! と玄関先に届いたデカイ箱を前にして、ジーンと来たものでありました。

大作からインディーズゲームまで

今はゲーミングPCがアツい。なぜかというと、一つには大作ゲームがほぼ全て移植されることが決定しているも同然だから。現在のゲーム専用機におけるメインストリームはPS4とXbox Oneだが、この2つに採用されているパーツはパソコンに近く、言ってみればどちらも4万円前後で買える「安いゲーミングPC」だ。よって、PCへの移植、ないしPCゲームからの移植がたやすい。

 量産効果は効いてお値段以上のパフォーマンスは出してるとはいえ、ゲーム専用機は発売された時点から仕様は大きく変えられず「古く」なっていく。(だからPS4も4K対応のアップグレードモデル「NEO」が噂されてるわけですな)。だったら、より高級なパーツが使えて、CPUやグラフィックボードなど部品ごとに取り替えられるPCの方が最新のゲームに向いているわけだ。

 そして大は小を兼ねる……とはチト違うが、PCでしか遊べない大作未満のゲームは結構ある。特にインディーズゲームは花盛りで、大体はあちらで流行ってからゲーム専用機に来る流れ。しかも数百円~高くても2000円前後で安かったりする。

ディスプレイとHDMI接続、サクッと起動

ベストチョイスなのは分かっちゃいる。分かっちゃいるが……と迷っていた背中を押してくれたドスパラさんに感謝しつつ、GALLERIAの段ボール箱を開封。フルタワーを触るのはDOS/Vがブームになった頃に(Windows以前っすね)牛さん柄の某PCを個人輸入して以来ひさしぶりで、あら軽いと驚き。あのPCケースは鉄製でやたら重かったなあ……。

同梱されてるマウスとキーボードは背面にある専用ポートにつなぐ。いずれも変換アダプタ経由で、もちろんUSBに接続もできるが、なるべく「USBポートを空けられるように」との気配りがうれしい。

ディスプレイとの接続はDVIも選べるが、音声も出力できるHDMIを使ってみた。ゲーム専用機もHDMIでつなげているので、HDMIセレクタで切り替えできて便利なのである。d-subケーブルを挿して別にスピーカーと接続して面倒だった昔を振り返ると感動もひとしおだ。

そしてスイッチを入れて起動。おお、数秒でデスクトップ画面が表示された! Windows 10もプリインストールされていて、途中でインストールが止まってどこのパーツとの相性が……と犯人探しをする自作PCの面倒さもない。Windows 10の瞬間起動も最高だ!

今回デジノスから提供いただいたのは、ゲーミングPC「ガレリアXF」。CPUにインテル Core i7-6700、ビデオカードにNVIDIA GeForce GTX970を搭載したハイスペックモデルだ

※写真は当時の製品画像となります。


Webブラウズも動画再生もとてもパワフル

Chromeが軽っ! GALLERIAの初期設定をしていて、最初にビビったのがこの点だった。筆者はWindowsとMacの両刀使いだったりするが、どちらでも必須のアプリがWebブラウザのChromeだ。

ChromeはマウスジェスチャやEvernoteなど各種サービスとの連携を実現する豊富な拡張ツール、なんと言っても「いくつものPCでブックマークやら拡張をシンクロできること」がデカい。仕事に使うPCがクラッシュしたとき、Googleに環境がバックアップされていて何度助かったことか。

しかし、難点はメモリの大食い。普及価格のノートPCに多い4GB程度ならすぐに動作が重くなり、やむなく8GBに増設しましたとも。それでも、タブを10枚ぐらい開くと反応速度が大幅ダウン。そんなに開かなきゃいいんですが、仕事の資料を見ながら別の情報を探して……という使い方だと、どうしてもそうなる。

それがもう、別のアプリですかってぐらい軽いのなんの。画像多めのサイトでも一瞬で読み込みが終わり、タブの切り替えもサクサク。試しに20枚ほど開きっぱなしにしてみたが、動作はド安定で落ちる気配さえない。

ゲーミングPCというとフツーのビジネスPCと別の商品カテゴリみたいな色メガネで見やすいが、要するに「猛烈にパワフルで、何でもこなせる仕事の中に「ゲーム」も含まれているPC」ということだ。仮想世界で何十もの敵味方が入り乱れるバトルを派手なグラフィックで難なく描けるデキる子であり、Webブラウズやビジネスソフトを何個も開いてもお茶の子さいさいなのだ。

動画再生もスムーズで、ローカルファイルはもちろん、YouTubeやニコニコ動画、Netflixほかネットストリーミング配信もぬるぬる動いてストレスフリー。おかげでアニメ関係の仕事も捗ります……いやゲームやろうぜ!?

過去のソフト・ハード資産が使える

寄り道ついでに「PCとしてのスゴさ」をもう少し語ると、5~10年以上も前のソフトがほとんどパッチも当てずに落ちもせず、ノートラブルで動く。

Windows 10のスゴさじゃないの? と言われると、半分はその通り。Windows 95時代(20年以上前!)の古いプログラムでも設定次第で稼働する場合もあるし、後方互換性の高さはあなどれない。

残りの半分は、GALLERIAというPCの素性の良さだ。その昔、自作PCを組んでいた時は実用以前にPCが起動しない、マザーボードと相性が悪くて丸々メモリを買い直し。OSが立ち上がってもソフトがハングアップしたりと苦しみ抜くことが自作道と見つけたり……だった。メーカー製ではない、いわゆるBTO(受注生産)PCでこの安定性の高さはビックリだ。

そして周辺機器もソフトと同じく過去の「資産」である。Windows 7時代に買ったまま封を開けてなかったトラックボールはどうかな、と接続すると当たり前のように認識して動く。ちょっと古めのBluetoothアダプタも問題なく稼働するし、ここ数年の間に買ったWindows用の外部機器はもれなく元気に動いている。あらかじめドライバが網羅されてるWindows 10の優秀さにしみじみ。

Xbox360のゲームコントローラも流用可能

この互換性の高さは、ゲーミングPCにとって重要な「ジョイスティックやゲームパッドなど入力デバイスが流用できるか」にも関わっている。現役ゲームハードの前世代、PS3やXbox360の頃からUSB化は進んでいるし、実際にXbox360のゲームコントローラは「PC用のゲームパッドとして優秀」と評価されてきた。

そちらはマイクロソフトが公式に対応を謳っていたが、サードパーティ製の機器はどうなのか。ゲーマーにとって気になるのは、リアルアーケードProなど国内メーカーとして定評あるHORIの製品だろう。

で、たまたま手元にあったXbox360用のデススマイルズ対応スティックを繋げてみると、さくっと認識。いろいろな対戦格闘ゲームで試してみたが、ボタン配置のキーアサインもひとつの例外もなく、スムーズにできた。中には「HORI製のスティックを想定してるのか?」というぐらい、最初から適切なアサインをしてるゲームもあったほどだ。

ゲーミングPCの購入に全力を注いだとしても、今までのゲーム周辺機器がそのまま流用できる場合が多く(自己責任ということで)追加の出費が最小限に抑えられ、慣れ親しんだマイスティックが使える。これは嬉しい!

手元にあったゲームコントローラーもすんなり認識した


ゲーム系ベンチマークも「非常に快適」ばかり

最新のゲーミングPCを手に入れて、真っ先に試すべきはゲーム系のベンチマークソフトだ。なんと言っても「ゲームを遊ぶためのPC」だし、ゲームが動かなければどうしようもない。それに「自分のPCが最近のゲーミングPCの中でどういう位置づけにあるか」を把握でき、今後ゲームライフを送っていく目安になるからだ。

で、今のところ定番と言われているのが3つ。ドラゴンクエストX(Windows無料体験版)とファイナルファンタジーXIV(最新は「蒼天のイシュガルド」)、そして『PSO2キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4』だ。中でも汎用性が高いとされるのがファイナルファンタジーXIVベンチで、大規模アップデートのたびにベンチマークソフトも更新されていて、グラフィックボードの性能を測る上で信頼できるともっぱらの評判だ。

さてベンチマーク。解像度はデスクトップPCで一般的なフルHD(1920×1080)、パフォーマンスを引き出すためにも高画質の設定をセット。結果はというと……どれも「解像度を少し下げましょう」や「設定変更を推奨」といった無情なメッセージ。アイエエエエ! ベンチナンデ?

ドスパラの担当者さんに相談してみたところ(対応が早い!)、一発で解決。映像出力ケーブルをグラフィックボードではなく、PC本体に挿してました……つまり「CPUに内蔵のグラフィック機能を使っていた」ということ。久しぶりにデスクトップに触ったもので、「映像出力が本体とグラボと別々にある」という基本中の基本を忘れていました(ドジ)。

さっそくグラボ側に挿し直して再計測した結果は以下の通り。どれも最高に重い設定で動作させたのに「非常に快適」というメッセージばかりだ。

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.4K

ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク

ファンタシースターオンライン2キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4


ちなみに「非常に快適」に遊べる最低限のボーダーは、ドラクエが10000以上、FF14が7000以上、PSO2が5001以上と言われる。3つとも余裕でぶっちぎりですよ! ついでに前に使っていたノートPC(4年前に購入)で試してみると、3つとも動きませんでした……。

そんなわけでゲーミングPCのスゴさと、「映像出力ケーブルはグラフィックボードに挿しましょう」という基本をおさらいした(すいません)第一回。次回は具体的なタイトルを遊んでみたプレイレポートをお届けする予定だ。コンゴトモヨロシク。