VRで海底を歩く! 魚の群れを眺め、触れ合いも楽しめる「TheBlu」

 自分で直接体験できない世界を、リアルな映像で見られるのはVRの醍醐味の1つ。「TheBlu」は、海底に立って海を眺められるソフトだ。3つのシチュエーションが用意されており、魚の群れや巨大な鯨を、水中から手の届くような距離で見ることができる。またコントローラーを使って、生物に触れることも可能だ。

 最初のシチュエーションは、岩礁の近くにある海底。南国の海のようで、色鮮やかな熱帯魚が泳ぎ、足元にはサンゴも見える。遠くには魚の群れが見え、近くには小さな熱帯魚がまばらに泳いでいる。上を見上げると、海面が輝いて見える。

 時間が経つと、見える魚も変化していく。色々な魚の姿を堪能していたら、遠くの方から近づいてくるのはクラゲの群れ。薄いピンクの大群が向かってきて、やがて群れの中に飲み込まれる。中にはとんでもなく巨大なクラゲもいて、美しいやら気持ち悪いやら。非現実的な驚きの世界が広がる(VRだから非現実なのだが)。

 次のシチュエーションは、ホエールウォッチング。鯨を見るのは船の上からだが、海上ではなく、海底に沈んだ船の上からだ。薄暗い海の中で、遠くから少しずつ、巨大な鯨の姿が迫ってくる。遠くにうっすらと姿が見える時から、圧力を感じるほどに迫力がある。

 間近に接近した時には、手も届きそうな距離になる。迫ってくる時も近寄ってくる時も、とにかく鯨の存在感に圧倒される。泳ぎ去る時には巨大な尾びれを豪快に揺らしていくが、「あれが直撃したらタダでは済まないだろうなあ」と心配してしまう。もちろんVRなので何の危険もないのだが、そう思えてしまうほどにリアルな迫力がある。

 最後のシチュエーションは、深海だ。海面からの光が届かず、周囲はほとんど真っ暗。コントローラーが懐中電灯になっており、照らして見ることができる。よく見ると発光するクラゲがいたりして、真っ暗な中にも美しさを感じられる。

 周囲を照らして見ると、岩陰にチョウチンアンコウを発見。自ら光るので懐中電灯を消して見ていると、その近くに別の小魚が近づいてきた。これはもしや、と様子を見ていると、光に寄ってきた小魚をチョウチンアンコウがすかさず捕食。一瞬の出来事に驚きつつ、チョウチンアンコウは満足げに岩陰の奥へと隠れていく。体験する際は、この一瞬を逃さずに見ていただきたい。

 これら3つのシチュエーションでは、いずれもHTC Viveのルームスケールが許す範囲で歩いて移動できる。近くに泳いでいる魚はコントローラーを持った手を動かせば触れることができ、魚が驚いて逃げていく様子が見える。また岩礁では足元にイソギンチャクがおり、触れると触手を引っ込めてしぼんでしまう。ちょっとしたインタラクティブ性もあって、ただ見るだけではない楽しさと現実感を生み出している。

 映像はとにかく美しく、リアルな海中を描いている。筆者が初めて試した時には、水中だからと無意識に息を止めてしまっていた。海底に何の装備も持たずに立つ感覚は、重装備で海中を泳ぐスキューバダイビングとは似ているようで違う、ファンタジックな感覚が味わえる。とてもリアルな体験のように見えて実際には体験し得ない、VRだからこそできる面白い体験だ。