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- 世界初の冷却機構を搭載!Palitのハイエンドグラボ
※この記事は価格.comで2017年6月に掲載されたレビュー記事を転載しています。
抜群の冷却性能と静音性を誇る
ウルトラハイエンド・グラフィックボード
NVIDIAの公式パートナーであるPalitは、コストパフォーマンスにすぐれたグラフィックボードを数多く展開する、世界トップクラスの市場シェアを誇るメーカーだ。その主力製品は「価格.comプロダクトアワード」の「グラフィックボード」部門において3年連続で金賞を獲得するほどの人気ぶりを見せている。そんなPalitから、「GeForce® GTX10」シリーズ最上位のGPUを搭載したウルトラハイエンドモデル「GeForce® GTX 1080 Ti GameRock Premium」が登場。本記事では、その真価を徹底検証していこう。
独自の二重反転ファン「TURBO JET 4 technology」が圧倒的な冷却性能を実現!
高性能なGPUを搭載したハイエンドクラスのグラフィックボードでは、高負荷処理時の発熱によるパフォーマンス低下が気になるもの。この課題を解消するべく、「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」に搭載されたPalit独自の冷却システムが「TURBO JET 4 technology」だ。同システムは、風力の拡散(ボルテックス効果)を抑制する独自設計の「Anti-Vortex Design」を採用したのがポイント。2つの吸気口に、傾きが異なる100mm径のファンを2枚ずつ重ねて設置し、それぞれを反対方向に回転させることで空気の流れを集中化し、エアフロー効率を高めている。また、空気の流れがスムーズになり、風切り音などの騒音レベルを低減できるのも大きなメリットだ。
また、ファンの直下には面積の広いアルミニウム製のヒートシンクが搭載されており、集中的に吸気される気流でしっかり放熱する。ヒートシンク最厚部の厚さは約25mmで、冷却性能も抜群だ。さらに、GPUの温度が60℃未満ではファンが停止する準ファンレス設計「0-dB Tech」により、低負荷時は静かに動作する。なお、排熱部には六角形を網状に配した「ハニカムブラケット設計」を採用し、空気の流量を最大15%増やすことに成功した。
実際の冷却性能を確認するため、付属アプリの「THUNDER MASTER」でGPUのコア温度を計測してみた。まず、アイドル時のGPUコアの温度は約35℃と、ミドルクラスのグラフィックボードと比べてもかなり低い。次に、GPUに高い負荷がかかる4K動画の再生を行ってみたが、それでも約45℃と余裕たっぷり。そこで、さらなる高負荷状態で試すべく、ベンチマークプログラム「ファイナルファンタジーXIV ベンチマーク」を最高品質・4K画質で実施したところ、約77℃まで上昇したものの、80℃を超えることはなかった。さらに注目したいのは、ベンチマーク実施後の温度変化だ。終了してからわずか30秒ほどで、約77℃から約50℃まで一気に低下。Palitこだわりの「独自」冷却ファン機構「TURBO JET 4 technology」の威力をハッキリと見せつけられる結果となった。
「ファイナルファンタジーXIV ベンチマーク」を最高品質・4K画質で動作させると、GPUコア温度は約77℃まで上昇(左写真)しファンが稼動したが、終了後わずか30秒ほどで約50℃まで低下(右写真)。ファンの回転もストップした
抜群の冷却性能が確認できたところで、ファンの静音性をチェックしてみよう。今回は40dB程度の室内環境で、至近距離から騒音計で測定した。まず、「ファイナルファンタジーXIV ベンチマーク」を最高品質・フルHD画質で動作させ、ファン回転数1,100rpm前後時のノイズを測ってみると、45dB以下という低い値だった。この程度なら、PCケースのふたを閉じればファンの稼働音はほとんど聞こえない。次に、最高品質・4K画質で動作させ、ファン回転数1,600rpm前後時のノイズを測ってみたが、それでも稼働音は50~53dB前後にとどまった。このレベルのノイズなら、CPUファンやケースファンの音に紛れるので、騒音が気になるほどではないだろう。二重反転ファンによる送風のおかげで、ファン回転時でも高い静音性が実現できるのだ。
「ファイナルファンタジーXIV ベンチマーク」を最高品質・フルHD画質で実行すると、ファンノイズは最大44.6dBを記録(左写真)。最高品質・4K画質で実施しても、最大で53.1dBにとどまった(右写真)。
また、外観デザインにもこだわりが光る。「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」にはLEDが搭載されており、内部温度の状況に応じて色が変化するようになっている。デフォルト状態では、50℃未満で緑、50~80℃で青、80~90℃でオレンジ、90℃以上で赤に発光するようになっており、直感的に温度を確認することが可能。なお、付属アプリ「THUNDER MASTER」で自由に色をカスタマイズすることもできる。
「GeForce GTX 1080 Ti」の高OCでハイクラス3Dゲームも抜群のなめらか感
続いて、「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」の処理性能を確認していこう。まず注目したいのは、搭載されているGPU「GeForce GTX 1080 Ti」だ。最新の「GeForce GTX 10」シリーズの中でも最上位にあたり、標準モデルでもパワフルな処理性能を発揮するが、「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」ではそのパフォーマンスを最大限に引き出すべく、コア周波数を100MHz以上もオーバークロック。ベースクロックで1,594MHz、ブーストクロックで1,708MHzにも達する。いっぽう、メモリーは大容量の11GB GDDR5Xを搭載。4Kなど高解像度ディスプレイでのゲーミングやなめらか感を左右する負荷の高いアンチエイリアスも難なく処理できる。
システムチェックツール「CPU-Z」で「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」を確認すると、コアクロックが1,594MHzとオーバークロックされていることがわかる(左画面)。なお、リファレンスモデルの「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」は1,480MHz(右画面)だ
続いて、実際の処理性能を確認するため、ベンチマークテストを複数実施することに。検証に使用するデスクトップPCの構成は、CPUが「インテル Core i7-7700K プロセッサー」、メモリーは8GBのDDR4、ストレージは1GB HDDとなる。また、接続したディスプレイは4K対応の28型モデルだ。同時にリファレンスモデルとなる「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」でも同じベンチマークテストを実施し、「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」との処理性能の差を確認した。
グラフィックボードの性能を存分に引き出すため、「インテル Core i7-7700K プロセッサー」搭載のパソコンと4K対応ディスプレイを用意(左写真)。参考までにリファレンスモデル「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」のスコアも確かめてみた(右写真)
まずは、ハイエンドなグラフィックボードにとっては比較的負荷が軽めの「PCMark 8」のCreativeベンチマークテストから。「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」ではスコア5,504を記録し、「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」の5,477をわずかに上回った。5,500を超えるスコアは相当なクリエイティブ性能を保証するものだが、グラフィック系の項目の中には測定上限に達しているものもあり、両者の実力の差を明らかにするには、より高負荷なベンチマークテストが必要になる。試しに「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」を最高品質・4K画質でテストしてみたが、どちらも上限近いスコアをたたき出したため、こちらもほとんど参考にならなかった。
「PCMark 8」のCreativeベンチマークテスト結果
「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」の
ベンチマークテスト結果
高負荷がかかる「バイオハザード6 ベンチマーク」でテストを実施。このテストも総じて「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」が「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」を上回り、最高品質・フルHD画質で約500ポイント、最高品質・4K画質では1,500ポイント以上もの大差がついた。このように、グラフィック処理の負荷が高ければ高いほど「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」の優位性が明らかになってくる。最高品質の4K画質で高負荷な3Dゲームをプレイする場合なら、高オーバークロック設定の「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」を選んだほうがよさそうだ。
「バイオハザード6 ベンチマーク」のベンチマークテスト結果
最高品質・フルHD画質では「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」のスコアは28,602(左画面)だが、「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」は500ほど低い28,111(右画面)だった
ハイスペック製品を支えるPalitのブランド力と信頼性
「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」がすぐれたパフォーマンスを発揮することは上記で確認できたが、これだけパワフルなグラフィックボードでも、価格.com最安価格は95,000円台(2017年6月7日時点)と、10万円を切っているのがうれしい。このように高い品質とコストパフォーマンスを両立できるのは、1988年設立の老舗メーカー、Palitだからこそと言えるだろう。
「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」に搭載されている独自の「Anti-Vortex Design」や「TURBO JET 4 technology」に代表されるように、Palitはほかのメーカーにはない革新的な技術開発を続けている。その開発・製造施設は「ISO9001」や「WHQL」の認証を取得しており、高品質で互換性の高い製品を安定的に供給。ローエンドからウルトラハイエンドまで幅広いラインアップの製品を手の届きやすい価格で生産しているのだ。
NVIDIAの最上位GPU「GeForce GTX 1080 Ti」を搭載したPalitのグラフィックボードは、今回紹介した「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」だけではない。ファンの枚数を減らし、1,556MHzにベースクロック数を落とした下位モデル「GeForce GTX 1080 Ti Super JetStream」も提供されている。スペックを抑えた分、価格も割安になっており、価格.com最安価格は89,000円台(2017年6月7日時点)。少しでも安く、高性能なGPUを搭載したグラフィックボードを手に入れたい人に、ぜひチェックしていただきたい製品だ。
「GeForce GTX 1080 Ti Super JetStream」はシルバーを基調としたメタリックな外観(左写真)。「CPU-Z」で確認すると、ベースクロックが1,556MHzであることがわかる(右写真)。
まとめ
「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」の真価を検証してきたが、特筆すべきはやはりその冷却性能の高さだ。独自開発された世界初の「TURBO JET 4 technology」と大型のヒートシンクにより、高負荷状態のグラボが発する高熱をあっという間に下げる様子は圧巻だった。こうしたすぐれた冷却性能があるからこそ、高オーバークロック設定の最高位GPU「GeForce GTX 1080 Ti」の処理性能がいかんなく発揮されているのだろう。それにもかかわらず、静音性にすぐれているのもうれしい。ハイクラスの3Dゲームをプレイするなど、高負荷のグラフィック処理を最高レベルのクオリティと速さで行いたい人にも、ぜひチェックしてほしい製品だ。
- 冷却性能と静音性を兼ね備えたウルトラ
ハイエンドグラボ - GeForce GTX 1080 Ti
GameRock Premium
「GeForce GTX 1080 Ti GameRock Premium」のスペック
GPU | NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti |
---|---|
バスインターフェイス | PCI Express 3.0 x16 |
ビデオメモリー | GDDR5X 11GB |
メモリーバス | 352bit |
メモリークロック | 11,000MHz |
ベースクロック | 1,594 MHz |
ブーストクロック | 1,708 MHz |
映像出力インターフェイス | DisplayPort×3/HDMI出力ポート×1/デュアルリンクDVIポート×1 |
幅×高さ×奥行 | 285×133×58 mm (2.5スロット専有) |
補助電源 | 8ピン×2 |