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- Palit徹底解剖!GeForce GTX 1080 GameRock Premium Editionレビュー
GeForce GTX1080搭載のエンスージアストゲーマー向けモデル
GeForce GTX 1080 GameRock Premium Editionは、NVIDIAのGeForce GTX1080を搭載したエンスージアストゲーマー(熱狂的なゲーマー)向けのハイエンドビデオカードだ。
GeForce GTX1080は、NVIDIAの現行ラインナップの中では、超ハイエンドのNVIDIA TITAN Xに次ぐ2番目に高性能なGPUだ。新世代のPascalアーキテクチャの採用により、性能、電力効率ともに前世代のハイエンドから大きく向上させている。
本製品はそのGeForce GTX1080を、OC(オーバークロック)仕様で搭載している。GPUコアはベースクロック1746MHz、ブーストクロック1885MHzと、NVIDIAのリファレンスモデル(Founders Edition)と比べると大幅に高速だ。さらにメモリクロックもオーバークロックされている。
外観とサイズをチェック
まず目に留まるのが、大型のGPUクーラーだ。メタリックブルーとマットホワイトにシルバーを加えたカラーリングがインパクト抜群だ。メタリックブルーはサンドブラスト風、GameRockロゴはミラー加工と素材の表面仕上げも凝っていて、高級感がある。
クーラーを含めたボードの具体的なサイズは、285×133mmで、2.5スロットを占有する。NVIDIAのリファレンスモデル(267×111㎜)に比べるとかなり大きいが、オリジナルクーラー搭載のハイエンドモデルとしては特別巨大というわけではない。
補助電源コネクタは8ピン+6ピンの構成だ。インターフェイスは、DisplayPort 1.4を3基に、HDMI 2.0bが1基、デュアルリンクDVI-Dを1基備える。
GPUクーラーと基板をチェック
オリジナル設計のGPUクーラーをもう少し詳細にみていこう。ファンはデュアル構成で、口径はいずれも直径10cmmだ。強い気流と風圧を生み出すという独自のブレード形状を採用している。また、回転の仕方も工夫されており、それぞれが交互に回転することで気流がぶつかりあうことなく、最適なエアフローが得られるという。
ファンの回転速度は可変で、独自の「0-dB TECH」により、GPU温度が50度未満の低負荷状態ではファンの動作が停止する仕様となっている。実際に使って見ると、アイドル時やWebブラウジング時などは、まったく回転していなかった。
GPUクーラーを外して基板を見ると、ハイエンドモデルらしく高級部品がぜいたくに使われていることがみてとれる。耐久性、安定性のキモとなる電源部の回路構成は8+2フェーズで、高負荷高クロック状態でも安定した電流供給ができる。高負荷で長時間バリバリとプレイする場合でも安心感がある。
ビデオカードの魅力を引き出すユーティリティ「Thunder Master」
Palitは、オリジナルのユーティリティ「Thunder Master」をWebページで配布している。GPUクロックやGPU温度をリアルタイムにモニタできるほか、ファン制御のカスタマイズ、オーバークロック、RGB LEDの設定などが行なえる。自分でいろいろとカスタマイズして楽しみたいユーザーのニーズにも応えられる機能が揃っている。
GeForce GTX1080のOCモデルならではの高性能
さて、パフォーマンスをチェックしよう。ベースとなるテスト環境は別掲のとおり、最新のゲーミング環境を利用している。
ハイエンドモデルなので、FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマークは最高品質モードで、フルHD(1920×1080ドット)と4K(3840×2160ドット)、2種類の解像度で計測した。
また、PSO2(ファンタシースターオンライン2)ベンチマークテストは最高画質の「簡易描画設定6」で実行。こちらは、フルHD(1920×1080ドット)と同設定でのNVIDIA DSR 4X(Dynamic Super Resolutionを有効時の両方をテストした。
NVIDIA DSRは、設定解像度を上回る解像度で演算を行って最終段階で設定解像度に落とし込む機能。PSO2では公式に4K解像度に対応していないのだが、DSR有効かつ仮想フルスクリーンで実行することで仮想的に4K解像度相当の画質でプレイできるということで、高画質を求めるユーザーの間でこうした設定が使われている。
FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマークのスコアは、フルHDでは22518、4Kでも7530と、いずれも「非常に快適」評価(7000以上が対象)を得た。4Kでの高画質プレイも十分可能といえるだろう。
PSO2(ファンタシースターオンライン2)のスコアは96170。DSR有効時も24606と高いスコアをマークした。公式サイトでは快適な動作の目安として「5001以上」と記載されているが、実際のプレイで本当に快適なレベルは10000以上、条件によっては20000以上必要ともいわれているが、DSRを有効にしたイレギュラーな超高解像度設定でもこれを上回り、快適に遊べるレベルにありそうだ。GeForce GTX1080搭載モデルの中でも、OCモデルならではのスコアといえる。
テスト環境。最新レベルのゲーミング環境でテストを行った
FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマーク(DirectX11、最高品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコア
FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマーク(DirectX11、最高品質、3840×2160ドット、フルスクリーン)のスコア
PSO2ベンチマーク(簡易描画設定6、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコア
PSO2ベンチマーク(DSR 4X有効、簡易描画設定6、1920×1080ドット、仮想フルスクリーン)のスコア
GPUクーラーの高い能力を証明
NVIDIAのGPUは、GPUクーラーの能力によって実際の高負荷時の動作クロックが変わってくる。FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマーク(DirectX11、最高品質、3840×2160ドット)実行開始から10分間のGPUクロックと温度、ファンの回転速度をGPU-Zでモニタしてみた。テスト自体は8分過ぎくらいに終了するため、その後はアイドル状態の挙動ということになる。
GPUクロックは終始2GHz前後で推移。環境にもよるが、リファレンスモデルの場合はだいたい1.6~1.8GHzくらいで推移するので、かなり優秀といえる。なお、テスト終盤に1回クロックが最低近くに落ち込むのはテスト内容によるもので他のカードでも共通した傾向なので気にする必要はない。GPU温度も70℃を超えることなく推移しており、冷却も不安はない。
ファンの回転速度は高負荷時も1000rpm未満で推移。何度かぽつりと1秒ずつ1900rpm程度までの上昇を検知しているが、実際に途中で1秒単位で大きな音がするということはなかった。1000rpm未満だけに動作音も静粛で、密閉性の高い静音志向のケースであれば、ほとんど聞こえないだろう。
高性能+αの魅力があるGeForce GTX1080高付加価値モデル
これらのテストからPalitのGeForce GTX 1080 GameRock Premium Editionは、NVIDIAのGeForce GTX1080のOCモデルならではの高い性能を備えていると判断できる。
それもただ高性能というだけでなく、オリジナルデザインのGPUクーラーは性能が非常に優秀で、GeForce GTX1080をキッチリと冷却し、低い動作音で高い性能を引き出している。クーラーが優秀なだけに、Thunder Masterユーティリティでのカスタマイズの余地も大きいだろう。個性あるデザインとカスタマイズ可能なRGB LEDでライトアップを楽しめるビジュアル、演出面の魅力も大きい。
GeForce GTX1080搭載のハイエンドカードとして期待される高性能に加えて、静音性、カスタマイズ性、演出と、所有欲を刺激する要素をたっぷりと備えた高付加価値モデルに仕上がっている。
Reported by 鈴木雅暢