リバースファンとは?普通のケースファンとの違い・取り付け場所・選び方を解説

通常ファンとリバースファンの違いを比較したイメージ

自作PCのケースファンを探していて、「リバースファン」という製品名を見かけ、通常のケースファンと何が違うのか気になった方も多いのではないでしょうか。

実は、リバースファンと通常のケースファンの違いは風向きだけです。ブレード(羽根)の傾きが通常のファンとは異なるため、風の流れる向きが反対になります。

この特性を活かせば、側面や底面から吸気するピラーレスケースなどでもファンの支柱が目立ちにくく、統一感のある見た目を作りやすくなります。

この記事でわかること

  • リバースファンは、通常のケースファンとはブレードの傾きが異なり、ファンの表側をPCケース内部に見せながら吸気する構成を作りやすいケースファンです。特に、ピラーレスケースやLEDライティングなど、ケース内部の見た目を重視する場合に適しています。
  • 取り付ける際は風向きに注意し、ファン本体の目印や製品の説明書を確認して、正しい向きで設置しましょう。
  • リバースファンはメーカーや製品によって名称や仕様が異なるため、選ぶ際はサイズ、PWM対応の有無、接続方法、風量などを確認することが重要です。

目次

リバースファンとは?通常のケースファンとの違い

ブレードの向きが逆になっているだけ

ケースファンは、フレームの内側でブレード(羽根)が回転し、風を発生させる仕組みです。通常のファンは、ブレードが見える面(表側)から風を吸い込み、フレームのある面(裏側)へ風を送り出します。

一方、リバースファンはブレードの傾きが反対に設計されており、風が出ていく向きが通常のファンと逆になります。具体的には、通常ファンが裏側に風を送り出すのに対し、リバースファンは表側(ブレードが見える面)に向けて風を送り出す仕組みです。

ファンの回転する方向自体は通常のファンと変わりません。ブレードの傾き(角度)が反転しているために、風の流れる向きだけが変わるという点がポイントです。

通常のケースファンとリバースファンの風向きとブレードの傾きを比較した図
通常ファンとリバースファンでは、ブレードの傾きが異なるため、空気が流れる向きが反対になります。

冷却性能自体に優劣はない

リバースファンだからといって、風量や静圧、騒音値が通常のファンより劣る、あるいは優れているということはありません。風向きに関する設計の違いであり、冷却性能を左右する規格ではないという点は誤解されやすいため、押さえておきましょう。冷却性能は、後述する風量・静圧・回転数など、製品ごとの個別スペックによって決まります。

呼び方はメーカーによって異なる

リバースファンには決まった呼称があるわけではなく、メーカーによって「リバースブレードファン」「リバースローターファン」など、表記が異なります。呼び方の違いは選ぶときの注意点にもなるため、詳しくは後述の「呼び方の違いに注意」の項目で解説します。

なぜリバースファンが必要とされるのか

LEDライティングをきれいに見せるための製品

風向きが違うだけであれば、なぜわざわざリバースファンが作られているのでしょうか。その理由は、ARGB(アドレサブルRGB)LEDを搭載したファンのライティング演出にあります。

ARGB対応ファンの多くは、半透明のブレードに光を拡散させて、ファン全体を光らせる仕様になっています。ブレードが見える表側からはライティングがきれいに見えますが、フレームのある裏側から見ると、光がフレームによって遮られてしまいます。

PCケースに取り付けるファンは、設置場所によって吸気・排気の役割が分かれています。一般的には、フロントとボトム(底面)は吸気、トップとリア(背面)は排気として使われます。通常のファンの場合、排気用ファンは表側がケース内部を向きますが、吸気用ファンは裏側がケース内部を向くことになります。つまり、通常ファンだけで組むと、ケース内部から見たときに表側と裏側が混在してしまい、吸気側のファンだけライティングが遮られて見えてしまうのです。

リバースファンを吸気側に使うことで、吸気ファンも表側をケース内部に向けられるため、ケース内部から見たときに遮るものなくライティングを楽しめます。

PCケースのフロントとボトムを吸気、トップとリアを排気にしたファン配置例
吸気側にリバースファンを使うと、ケース内部から見えるファンの面をそろえやすくなります。

ピラーレスケースの普及も後押し

リバースファンの需要が高まった背景には、ピラーレスPCケースの登場もあります。ピラーレスケースは、フロントパネルが強化ガラスになっている構造が多く、通常のケースのようにフロント面にファンを取り付けにくい設計です。そのため、フロント寄りのサイド面にファンを配置する構成が増えました。

このサイド面のファンは吸気として使われることが多く、通常のファンのままだと裏側がケース内部から見えてしまいます。ピラーレスケースでは内部が見える範囲が広いぶん、見栄えを重視してリバースファンが選ばれる場面が増えています。

リバースファンが活躍する取り付け場所

外から見える吸気ファンとして使うのが基本

リバースファンは見た目を良くするための製品という性質上、外から見える位置に取り付ける吸気ファンとして使うのが基本です。主な設置場所は次の3ヶ所です。

  • フロント:正面パネルがガラス・メッシュなどで内部が見える構成の場合
  • サイド:ピラーレスケースなど、側面から内部が見える構成の場合
  • ボトム(底面):ケース底面にファンスペースがあり、内部から見える構成の場合

内部を隠すスチール製サイドパネルのPCケースなど、そもそもファンが外から見えない構成であれば、通常ファンとの見た目の違いは体感しにくいため、無理にリバースファンを選ぶ必要はありません。

水冷クーラーを使う場合は、ラジエーターの両面にファンを配置する「プッシュプル構成」で、風を吸い出す側にリバースファンを使うケースもあります。

通常ファンとリバースファンの使い分け例

PCケース全体で見ると、通常ファンとリバースファンは役割によって使い分けるのが基本です。以下は一般的な配置の考え方です。

設置箇所 役割 見える場所か 推奨ファン
フロント(ガラス面) 吸気 見える リバースファン
サイド(ピラーレス構成) 吸気 見える リバースファン
ボトム(底面・内部から見える構成) 吸気 見える リバースファン
トップ 排気 見える場合が多い 通常ファン(排気側は表側が内部を向くため)
リア(背面) 排気 見えないことが多い 通常ファン

吸気側はリバースファンで見た目をそろえ、排気側は選択肢の多い通常ファンにする、という組み合わせが一般的です。すべてのファンをリバースファンにする必要はありません。

風向きを確認する方法

リバースファンを取り付けるときは、見た目だけで風向きを判断しないことが重要です。

ケースファンの多くは、フレームの外周部分(側面)に、空気の流れる方向を示す矢印が刻印またはシール表示されています。ファンを手に取り、フレームの縁をぐるっと確認すると見つかりやすいでしょう。矢印がある場合は、その向きに沿って風が流れると考えて取り付けます。矢印がない製品や、印字が薄くて判断しにくい製品では、メーカーの商品ページや取扱説明書に記載の風向き情報を確認してください。

通常ファンでは、フレームを支える支柱(ステー)がある側を排気側の目安にできる場合がありますが、リバースファンでは同じ見方が当てはまりません。特に通常ファンとリバースファンが混在する構成では、「表側が見えているから吸気のはず」と思い込まず、1台ずつ矢印や仕様を確認することをおすすめします。

リバースファンを選ぶときの確認ポイント

リバースファンを購入する場合は、「リバース仕様かどうか」だけでなく、取り付けるPCに合うかどうかを確認しましょう。

呼び方の違いに注意(リバースファン/リバースブレードなど)

「リバースファン」という総称は共通していますが、製品名の表記はメーカーによって異なります。

呼び方 主なメーカー例
リバースファン CORSAIR、NZXT、ドスパラセレクト
リバースブレード Lian Li、DeepCool 等
リバース(型番に「Reverse」を含む表記) Thermaltake、ZALMAN 等

「リバースファン」と「リバースブレード」では検索結果が異なる場合があるため、購入時は両方のキーワードで探してみることをおすすめします。

ピラーレスPCケースの側面から見えるARGBリバースファンのライティング
ピラーレスPCケースに取り付けたARGBリバースファンのイメージ

PCケースに取り付けられるサイズ

ケースファンには120mm、140mmなど複数のサイズがあります。使用しているPCケースの取り付け位置が、選んだファンサイズに対応しているか確認しましょう。

PWM対応の有無

4ピンPWM対応ファンでは、対応するマザーボードやファンコントローラーから回転数を制御できます。回転数を調整したい場合は、PWM対応の有無を確認しましょう。

ARGB・RGBの接続方法と配線

ARGB対応ファンでは、ファンを回転させるためのコネクタとは別に、LED用のコネクタを使用する製品があります。マザーボードやファンハブ側の対応状況をあわせて確認してください。また、複数台まとめて配線したい場合は、ファン同士を数珠つなぎにできる「デイジーチェーン接続」に対応した製品を選ぶと、ケース内部の配線をすっきりまとめやすくなります。

風量・静圧・騒音

同じ120mmのリバースファンでも、風量・静圧・最大回転数・騒音値は製品によって異なります。使用する場所や求める静音性に合わせて、商品ページの仕様を比較しましょう。

※製品の型番・スペック数値は執筆時点の公式情報をもとにしています。仕様や販売状況は変更される場合があるため、購入前に必ず公式の商品ページでご確認ください。

ドスパラで購入できるリバースファン製品例

ドスパラでは、プライベートブランド「ドスパラセレクト」からもARGBリバースファンが販売されています。サイズは120mm、カラーはブラック・ホワイトの2色展開で、回転数は800~2,000RPM程度の範囲で調整できるモデルです。吸気側からARGBライティングを見せやすいリバースブレード仕様で、通常のARGBファンと組み合わせることで、ファンの向きをそろえたPC構成を作りやすいのが特徴です。回転数の制御幅も広いため、冷却重視・静音重視のどちらの用途にも対応しやすいモデルです(※価格・仕様・サイズ展開は変更される場合があります。購入前に商品ページでご確認ください)。

ケースファンの商品一覧はこちら >

まとめ|表側を見せたまま吸気したい場合はリバースファンが選択肢になる

リバースファンは、通常のケースファンとブレードの傾きが異なり、ファンの表側をPCケース内部に見せながら吸気する構成を作りやすいケースファンです。特に、ピラーレスケースの側面や底面など、PC内部からファンが見える場所で吸気したい場合に選択肢となります。

一方で、リバース仕様は風向きに関する設計であり、それ自体が冷却性能を保証するものではありません。風量・静圧・回転数などのスペックを確認し、PCケース全体の吸気・排気バランスに合わせて、通常ファンと使い分けましょう。

取り付け時は見た目だけで判断せず、ファン側面の矢印表示やメーカーの商品仕様で、必ず風向きを確認することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

  • Q1 リバースファンは吸気専用ですか?
    いいえ、向きを変えれば排気にも使えます。ただし、表側を内部に見せたまま吸気できる特性が生きるのは吸気用途のため、実際には側面や底面の吸気ファンとして使われる場面が中心です。
  • Q2 同じ型番シリーズなら、リバース版と通常版で風量・静圧に差はありますか?
    基本的には風向き以外の設計を揃えているシリーズが多いですが、リバースブレード化にともない風切り音や静圧が若干変わる製品もあります。気になる場合は、購入前に商品ページで通常版とリバース版それぞれの数値を見比べてみてください。
  • Q3 通常ファンとリバースファンを一緒に使ってもよいですか?
    問題ありません。吸気側はリバースファンで見た目をそろえ、排気側は選択肢の多い通常ファンにする、という使い分けが一般的です。
  • Q4 ファンに矢印の表示がない場合は、どう判断すればよいですか?
    無理に見た目で判断せず、購入したメーカーの公式サイトや商品ページ、取扱説明書に記載の仕様を確認するのが確実です。フリマサイトなどで型番が分からない中古品を入手した場合は、メーカーの型番検索や問い合わせ窓口で確認する方法もあります。
  • Q5 リバースファンとリバースブレードは同じものですか?
    役割としては同じ「風向きが逆のファン」を指す言葉ですが、呼び方はメーカーによって異なります。購入時は両方のキーワードで検索すると探しやすくなります。
  • Q6 140mmサイズのリバースファンもありますか?
    メーカーによっては120mmに加えて140mmサイズを展開している製品もあります。取り付け位置に対応したサイズかどうかは商品ページで確認しましょう。
  • Q7 既存のPCケースにリバースファンは後付けできますか?
    一般的なケースファンと同様のねじ穴規格であれば後付け可能な場合が多いですが、ケースの取り付け位置とファンサイズが対応しているか事前に確認してください。

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