DDR4とDDR5どっちがいい?違いと選び方を比較

DDR4とDDR5どっちがいい?違いと選び方を比較

「DDR4とDDR5、結局どっちを選べばいいの?」——PCの自作やアップグレードを検討していると、こんな疑問にぶつかる方も多いのではないでしょうか。

DDR5はDDR4の後継規格で、速度・容量・省電力性のすべてで上回ります。ただし価格差ほど体感性能の差は大きくないため、必ずしもDDR5を選ぶ必要はありません。

この記事では、速度・互換性・価格の3つの軸でDDR4とDDR5の違いを整理し、用途別にどちらを選ぶべきかをわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • DDR4とDDR5の速度・電圧・容量・互換性の違いが比較一覧でひと目でわかる
  • ゲーム・動画編集・一般用途など、用途別にどちらを選ぶべきかがわかる
  • 価格が変動しやすい理由と、購入前に確認しておきたいポイントがわかる
更新日:

迷ったら用途で選ぶのがおすすめ

迷ったら、まずは以下を目安に選んでみてください。

DDR5はDDR4の後継規格で、速度・容量・省電力性のすべてで上回ります。ただし価格差ほど体感性能の差は大きくないため、「必ずDDR5を選ぶべき」というわけではありません。予算や用途によっては、DDR4を選んでおいても問題ありません。以下で詳しく見ていきましょう。

DDR4とDDR5の違い比較一覧

項目 DDR4 DDR5
登場年 2014年 2020年〜
転送速度
(標準規格)※1
2,133〜3,200 MT/s 4,800〜6,400 MT/s
データの通り道
(チャネル構成)※2
64bitのチャネルを1本 32bit×2のサブチャネルに分割
動作電圧 1.2V 1.1V
最大容量
(1枚あたり)
32GB程度(一般向け)/サーバー向けRDIMM等では64GBの製品も 64GB程度(一般向け)/サーバー向けでは128GB以上の製品も
電源管理 マザーボード側で制御 メモリ基板上のPMIC※3で制御
エラー訂正 専用のECCメモリのみ対応 全モジュールにOn-Die ECC※4を標準搭載
ピン数・形状 288pin(DDR5と物理的に非互換) 288pin(配列が異なり非互換)
対応ソケット例※5 AM4/LGA1700(一部) AM5/LGA1700(一部)/LGA1851

※DDR4とDDR5は切り欠き位置や信号仕様が異なるため、同じスロットに挿すことはできません。マザーボードとCPU、メモリの3点はセットで規格を揃える必要があります。

  • MT/s:1秒間に送れるデータの回数を示す単位です。数字が大きいほど転送速度が速いことを意味します。
  • チャネル構成:メモリがCPUとデータをやり取りする「通り道」の設計です。DDR5は通り道を2つに分けることで、細かい処理を並行して行いやすくなっています。
  • PMIC:メモリの電力を細かく管理する部品です。DDR5から新たに搭載されるようになりました。
  • On-Die ECC:メモリの中で起きた小さなデータのエラーを自動的に見つけて直す仕組みです。
  • ソケット(AM4/AM5/LGA1700など):CPUをマザーボードに取り付ける部分の規格です。CPU・マザーボード・メモリは対応する組み合わせで揃える必要があります。

転送速度についてもう少し詳しく

DDR4
〜3,200 MT/s
DDR5
〜6,400 MT/s

上のグラフの転送速度は、追加の設定をしなくても動作する範囲の目安です。
DDR5については、JEDECが2024年の規格改定でより高速な速度(最大8,800 MT/s)も標準規格として追加していますが、この速度を初期設定のまま出せる製品・マザーボードはまだ限られており、多くの場合XMP/EXPOと呼ばれる設定を有効にする必要があります。
購入時は、メモリ単体の対応速度だけでなく、マザーボード・CPU側の対応状況もあわせて確認しておくと安心です。

チャネル構成についてもう少し詳しく

DDR4 小さな処理をひとつずつ順番に CPU メモリ DDR5 小さな処理を2つ同時に CPU メモリ

DDR4は太い道が1本、DDR5は少し細い道が2本あるイメージです。道の数が1本だと小さな処理は一列に並んで順番待ちになりますが、2本あれば同時に2つの処理を流せます。一度に運べる量よりも、同時にいくつ流せるかが速さに効いてきます。

それぞれの規格の仕組みをもっと詳しく知りたい方は、以下もあわせてご覧ください。

性能面の違い:ゲーム・動画編集でどれくらい差を感じる?

スペック上、DDR5は規格上の最大値でDDR4の2倍以上の転送速度に対応していますが、実際の体感性能は用途によって差があります。

  • ゲーミング:高負荷なグラフィック処理を伴う最新タイトルではDDR5が有利な場面が見られますが、eスポーツ系タイトルや軽量なゲームでは、DDR4との差はごくわずかというケースも珍しくありません。
  • 動画編集・クリエイティブ作業:大容量データを扱う場面ほどDDR5の帯域幅(一度に運べるデータの量)の広さが効いてきます。4K以上の動画編集や3Dレンダリングなど、負荷の高い作業が中心ならDDR5のメリットを感じやすいでしょう。
  • Web閲覧・文書作成・オンライン会議など一般用途:この用途ではDDR4の帯域幅でも十分にまかなえることがほとんどです。

つまり、「何をするために使うPCか」によって、性能差が意味を持つかどうかが変わってきます。

レイテンシ(応答の速さ)についての補足

比較一覧を見ると、DDR5は「CL値」と呼ばれるレイテンシの目安の数値がDDR4より大きく見えることがあります。ただしこれは動作クロックが上がったことによる見かけ上の変化で、実際の時間(ナノ秒)に換算するとDDR4とDDR5の差はごくわずかというケースがほとんどです。CL値の数字だけを見て「DDR5の方が遅い」と判断しない方が良いでしょう。

「CL◯◯」という表記は他社の通販サイトや解説記事でも広く使われている一般的な表記方法ですが、商品ページによっては「CL値」ではなく「メモリタイミング」「対応レイテンシ」といった表記で数値のみが記載されている場合もあります(例:CL16-18-18-38、30-40-40など)。表記は商品ごとに異なりますが、いずれもこのCL値にあたる情報なので、商品ページで確認する際の参考にしてください。

DDR5を選ぶメリット

ここまでの内容と重なる部分もありますが、DDR5ならではのメリットを改めて整理すると、以下のようになります。

  • 将来性

    将来性

    直近の新世代CPU(Intel・AMDともに最新プラットフォーム)はDDR5を前提とした設計になっているものが増えています。長く使うPCほど、対応の広さという点でDDR5の恩恵を受けやすくなります。
  • CPUだけのアップグレードのしやすさ

    CPUだけのアップグレードがしやすい

    マザーボードとメモリを先にDDR5で揃えておけば、将来CPUだけを最新世代に交換したいときに、メモリやマザーボードまで買い直す必要が生じにくくなります。
  • メモリ速度・帯域の向上

    メモリ速度・帯域の向上

    規格上の転送速度がDDR4より上がっています。動画エンコードのように大量のデータを扱う処理では、条件によって数%程度処理時間が短縮されるケースもあるといわれています。

※ただし、体感速度への影響という点では、CPUの性能やメモリの容量(16GB・32GBなど)の方が大きく効いてくることが多いため、DDR5にすれば必ず作業が大きく速くなる、というわけではない点にも注意が必要です。

互換性・対応マザーボード/CPUの違い

DDR4とDDR5には互換性がなく、どちらか一方の規格でマザーボード・CPU・メモリを揃える必要があります。

  • DDR4対応のマザーボードとCPUの組み合わせは現在も広く流通しており、選択肢が豊富です。既存のDDR4搭載PCの増設・パーツ交換であれば、そのままDDR4を選ぶのが自然な選択です。
  • 一方、直近の新世代CPU(Intel・AMDともに最新プラットフォーム)はDDR5を前提とした設計になっているものが増えており、これから新規に組む場合はDDR5を選ぶことになるケースが多くなっています。

買い替え・増設の前に確認しておきたいポイント

1

今使っているマザーボードがDDR4/DDR5のどちらに対応しているか、事前に確認しておくと安心です。

2

新規購入の場合は、使いたいCPU世代がどちらの規格を前提にしているかもあわせてチェックしてみてください。

3

「メモリだけ交換すればいい」と思っていても、マザーボードごと交換が必要になるケースがあるので、その点は事前に把握しておきましょう。

価格動向の違い

なぜDRAM価格は変動しやすいのか

DDR4・DDR5に限らず、DRAM(メモリ)の価格は世界的な需給バランスの影響を受けやすい部品です。特に近年は、AI関連のデータセンター向け高帯域幅メモリ(HBM)の需要拡大により、メーカー各社がコンシューマー向けDDR4・DDR5の生産能力をHBM生産に振り向ける動きが強まっており、これがPC向けメモリの供給不足・価格上昇につながる構造的な要因となっています。

DDR4は登場から年数が経過している規格のため、本来であれば生産体制が安定し価格が下がりやすい傾向にあります。しかし、メーカーによる生産終了(EOL)の動きが重なると、話は変わってきます。生産終了が近づくにつれて逆に品薄・値上がりが加速することがあり、時期によってはDDR4の値上がり幅がDDR5を上回ることもあります。「発売から時間が経っている規格だから安いはず」と思い込まず、購入直前に両規格の実勢価格を確認したうえで判断することをおすすめします。

価格は変動が激しいため、正確な金額は商品ページでご確認ください。

価格の差ほど体感速度は変わらない?据え置きパーツとの比較

DDR5はDDR4より高性能ですが、値段の差がそのまま体感速度の差になるわけではありません。動画編集や重いゲームなど負荷の高い作業を除けば、DDR4とDDR5の違いを感じにくい場面も多くあります。

そのため、「値段が高い方が良いメモリ」と考えて無理にDDR5を選ぶよりも、その差額をCPUやグラフィックボードなど、体感速度への影響が大きい他のパーツに回す、という選び方もおすすめです。

用途別のおすすめ|あなたに合うのはどちら?

こんな人には おすすめ
Web閲覧・文書作成などの一般用途、オフィス用PC DDR4
既存のDDR4搭載PCを増設・修理したい DDR4
これから新規にPCを自作・購入する、最新CPUを使いたい DDR5
動画編集・3Dレンダリングなど負荷の高い作業が中心 DDR5
長期間(4〜5年以上)使い続けたい、将来のアップグレードを見据えたい DDR5

選ぶ前に知っておきたい注意点

どちらにも、購入後に「思っていたのと違った」とならないよう、押さえておきたいポイントがあります。

  • DDR4を選ぶ場合

    DDR4を選ぶ場合

    生産を終了しているメーカーもあるため、今後さらに入手しづらくなっていく可能性があります。また、最新世代のCPUではDDR4に対応していないモデルも多く、将来的にCPUだけを最新のものに交換したい場合は、選択肢が限られる点も知っておくと安心です。
  • DDR5を選ぶ場合

    DDR5を選ぶ場合

    メモリだけでなく、対応するマザーボード・CPUもまとめて用意する必要があるため、初期費用がまとまってかかりやすい点は事前に見込んでおくと良いでしょう。

まとめ|用途に合わせてDDR4とDDR5を選ぼう

DDR5はDDR4の後継規格として、速度・容量・省電力性のすべてで進化しています。一方で、価格差ほど体感性能の差が大きいわけではなく、用途によってはDDR4が十分な選択肢であることも事実です。

既存環境の活用ならDDR4、新規構築や長期利用を見据えるならDDR5、というシンプルな判断軸を軸に、ご自身の使い方に合った規格を選んでみてください。

よくあるご質問(FAQ)

  • Q1DDR4とDDR5を同じPC内で混在させることはできますか?
    できません。
    マザーボードはDDR4専用・DDR5専用のいずれかに設計されており、対応する規格のメモリしか使用できません。
  • Q2買い替えのタイミングはいつがいいですか?
    現在DDR4環境で不満がなければ、急いでDDR5に切り替える必要はありません。
    CPUを最新世代に更新するタイミングや、マザーボードの故障・買い替えのタイミングに合わせて検討するのが効率的です。
  • Q3DDR4とDDR5、見た目で区別できますか?
    どちらも288pinで一見似ていますが、メモリ基板の切り欠き(ノッチ)の位置が異なるため、物理的に挿し間違えることはありません。
    購入時はメモリ本体やパッケージの規格表記(DDR4/DDR5)で確認するのが確実です。
  • Q4DDR6が登場するまで待った方がいいですか?
    DDR6は2026年時点でまだ最終規格が確定しておらず、業界予想では一般消費者向けの登場は2027年後半〜2028年以降とされています。ただし、この時期はサーバーやAI関連など企業向け用途が先行する可能性が高く、一般的なデスクトップPCへの本格的な普及は2029〜2030年頃になるとの見方もあります。
    現行および次世代のCPUプラットフォームもDDR5を前提とした設計が続く見通しのため、今すぐDDR5環境を選んでも早期に陳腐化する心配は少ないと考えられます。急いで待つよりも、今必要な性能・予算に合わせて選ぶのがおすすめです。
  • Q5ノートパソコンにもDDR4とDDR5の違いはありますか?
    あります。
    デスクトップPCと同様に、ノートパソコンにもDDR4対応モデルとDDR5対応モデルがあります。
    ただしノートPCの場合はメモリを後から交換できない機種も多いため、購入時点でどちらの規格かを確認しておくことが大切です。
    関連記事:ノートパソコン メモリの選び方と増設メリットを徹底解説|初心者でも安心
  • Q6DDR4は今から新しく購入しても問題ないですか?
    現時点では問題なくご利用いただけます。
    ただし、生産を終了しているメーカーもあり、生産終了が近づく局面ではかえって品薄・値上がりが進むこともあります。
    長く安定して使い続けたい場合は、その点も踏まえて早めに検討していただくと安心です。
  • Q7DDR5にアップグレードすると、具体的に何が変わりますか?
    主な変化は「転送速度が上がること」「消費電力がやや下がること」「メモリ1枚あたりの最大容量が増えること」の3点です。
    ただし体感できる速度の変化は、動画編集や3Dレンダリングなど負荷の高い作業をする方ほど大きくなる傾向があります。
  • Q8メモリの容量とDDR4/DDR5の規格、どちらを優先して選ぶべきですか?
    一般的な用途であれば、規格の新しさよりも容量(16GB・32GBなど)の方が体感に影響しやすいと言われています。
    予算に限りがある場合は、無理に新しい規格を選ぶより、必要な容量を確保することを優先していただくのも一つの考え方です。
  • Q9DDR4からDDR5への交換は自分でできますか?
    メモリの取り付け自体は難しい作業ではありませんが、DDR5に交換する場合はマザーボードとCPUもあわせて交換が必要になるため、パーツ交換の範囲が広くなります。
    作業に不安がある場合は、パーツ持ち込みでの交換対応や、BTOパソコンでの構成変更サービスを利用する方法もあります。
    関連記事:BTOパソコンのメモリを増設するには?増設手順やポイントを解説
  • Q10CL値(レイテンシ)の数字だけ見るとDDR5の方が悪く見えるのはなぜですか?
    DDR5は動作クロックが高いぶん、規格上のCL値(クロック単位のレイテンシ)はDDR4より大きく表示されます。
    ただし実際の応答時間(ナノ秒)に換算すると、DDR4とDDR5の差はごくわずかというケースが多く、体感できるレベルではないとされています。CL値の大小だけで優劣を判断しない方が良いでしょう。

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