ケースファンの分岐・増設は何台まで?ファンハブ・デイジーチェーンの選び方

青白色に発光するケースファンを搭載したPCケース内部

PCケースにファンを増設すると、マザーボードのSYS_FAN/CHA_FAN端子が足りなくなることがあります。

こうした場合は、1つのファン端子から複数のファンへ接続する「分岐ケーブル」、複数のファンをまとめて接続する「ファンハブ」、ファン同士を配線でつなげられる「デイジーチェーン対応ファン」などが選択肢です。

分岐ケーブルを使えば何台でも接続できるわけではありません。マザーボードのファン端子から給電する場合は、接続するファンの最大消費電流の合計が、ファン端子の許容電流を超えないようにする必要があります。

この記事では、ケースファンを増設するときに何台まで接続できるのか、分岐ケーブル・ファンハブ・デイジーチェーン対応ファンの違い、PWM・ARGB対応ファンを接続するときの注意点を解説します。

ケースファンを探す

この記事でわかること

  • 増設できるファンの数には上限があります。マザーボードのファン接続端子(ファンヘッダー)の許容電流を確認し、接続するファンの合計電流が上限を超えないようにする必要があります。
  • PCケースにファンを増設する際、マザーボード側の接続端子が足りない場合は、分岐ケーブル・ファンハブ・デイジーチェーン対応ファンなどから接続方法を選びます。
  • ケースファンには、回転数を制御する3ピン(DC制御)・4ピン(PWM制御)の端子と、LEDを点灯・制御するARGB端子などがあります。分岐ケーブル・ファンハブ・デイジーチェーンを使用する場合は、それぞれの端子や規格に対応しているか確認が必要です。
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台数の上限は「電流」で決まる

グラフィックボードのファンが回っていなくても、必ずしも故障しているとは限りません。

マザーボードのSYS_FAN/CHA_FANなどのファン接続端子(ファンヘッダー)から給電する場合、まず各ファンの最大消費電流とファンヘッダーの許容電流を確認します。接続するファンの合計電流がファンヘッダーの許容範囲内に収まっていることが、台数を判断する基本です。

  • 各ファンの最大消費電流:接続するファン1台ごとの最大消費電流を確認します。
  • ファンヘッダーの許容電流:マザーボード側のファンヘッダーが供給できる上限を確認します。

基本的な計算方法 ファン1台の最大消費電流 × 接続台数 = 合計電流 この合計が、接続先となるファンヘッダーの許容電流を超えないようにします。

たとえば、最大消費電流が0.20Aのファンを4台接続すると、0.20A × 4台 = 0.80Aです。接続先のファンヘッダーの許容電流が1.00Aであれば、0.80Aは計算上は上限以内です。

一方、同じファンを5台接続すると、0.20A × 5台 = 1.00Aとなり、許容電流の上限に達します。

計算上の合計電流が上限以内でも、接続できる台数が決まるわけではありません。分岐ケーブルやファンハブには、接続台数や出力の上限があるため、それぞれの製品仕様も確認してください。

なお、ファンヘッダーの許容電流はマザーボードによって異なります。接続するファンや分岐機器の仕様とあわせて、使用しているマザーボードのマニュアルを確認してください。

※ファンヘッダーやファンハブの許容電流・最大出力は、製品や端子によって異なります。 ※接続するファンの合計電流は上限ぴったりにせず、余裕を持って許容範囲内に収めてください。

ケースファンの端子が足りない場合は3つの方法がある

ケースに搭載するファンが増えると、ファンの数に対してマザーボード側の端子が足りなくなることがあります。この場合は、主に次の3つの方法で増設できます。

接続方法 特徴 向いている場合
分岐ケーブル 1つのファン端子を2~3個などに分ける 少数のファンを追加したい
ファンハブ 複数のファンをハブへまとめて接続する ファンをまとめて増設したい
デイジーチェーン 対応ファン同士を順番につなぐ ケーブル本数を減らしたい

どの方法でも、接続可能な台数は一律ではありません。給電元や接続する製品の仕様を確認して選びます。

SYS_FAN・CHA_FANはケースファンを接続する端子

マザーボードには、ケースファンを接続するための端子が用意されています。メーカーによって名称は異なりますが、代表的なのがSYS_FAN(System Fan)とCHA_FAN(Chassis Fan)です。

どちらも主にケースファンの接続に使用します。一方、「CPU_FAN」はCPUクーラー用、「AIO_PUMP」「PUMP」などは水冷CPUクーラーのポンプ用として用意されている端子です。

端子ごとに供給できる電流や制御方法が異なる場合があるため、名称だけでなく使用しているマザーボードのマニュアルで仕様を確認します。

分岐ケーブル・ファンハブ・デイジーチェーンの違いと接続方法

ファン分岐ケーブルとは?

ファン分岐ケーブルは、マザーボードの1つのファン端子を複数の端子へ分けるケーブルです。2分岐や3分岐などがあり、ケースファンを少数追加したい場合に使いやすい方法です。

分岐後のファンも、基本的には同じSYS_FAN/CHA_FAN端子から電源と制御信号を受けます。そのため、分岐したすべてのファンの最大消費電流を合計し、前述のとおり元のファンヘッダーの上限以内に収める必要があります。

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分岐すると回転数は1台分だけ表示される場合がある

4ピンPWMファンの端子には、ファンの回転数をマザーボードへ返す信号があります。複数のファンから同時に回転数信号を返すと正しく読み取れないため、分岐ケーブルでは1台のファンだけから回転数信号を取得する設計があります。

そのため、3台のファンを分岐していても、BIOSやファン制御ソフトでは1台分のRPMしか表示されない場合があります。これは分岐ケーブルの故障とは限りません。

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ファンハブとは?

ファンハブは、複数のケースファンを1か所へまとめて接続するための機器です。給電方法によって、大きく2種類に分けられます。

そのため、3台のファンを分岐していても、BIOSやファン制御ソフトでは1台分のRPMしか表示されない場合があります。これは分岐ケーブルの故障とは限りません。

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マザーボードのファン端子から給電するタイプ

マザーボードのファンヘッダーから電力を供給するタイプです。この場合は分岐ケーブルと同様に、接続するファンの合計消費電流がマザーボード側の上限を超えないようにします。

SATA電源などから給電するタイプ

電源ユニットのSATA電源などからファン用の電力を供給するタイプです。ファンを動かすための電力をマザーボードのファンヘッダーだけに頼らずに済むため、複数のケースファンをまとめたい場合に使いやすくなります。

一方で、接続できる台数や合計電流にはファンハブ自体の上限があります。購入時には、次の項目を確認します。

  • 最大接続台数ハブ全体で接続できるファン数を確認します。
  • 1ポートの上限ファン1ポートあたりの出力上限を確認します。
  • ハブ全体の最大出力全ポート合計の出力上限を確認します。
  • 外部給電SATA電源などから給電するかを確認します。
  • PWM制御PWMファンの回転数制御に対応するかを確認します。

デイジーチェーン対応ファンとは?

デイジーチェーン対応ファンの「デイジーチェーン」とは、ファンの羽根や構造ではなく、配線(ケーブル接続)の方式を指す言葉です。ファン同士を電気的に順番につなぎ、マザーボードや専用コントローラーへ接続できるファンのことで、たとえばマザーボード → ファン1 → ファン2 → ファン3のようにつなげます。

2枚の羽根を同軸上で逆方向に回転させる「二重反転ファン」とは異なる仕組みですので、混同しないよう注意してください。

ファンごとにマザーボードまでケーブルを引く必要がないため、ケース内やケース裏側の配線を減らしやすいことがメリットです。

デイジーチェーンには、一般的な4ピンPWM端子を連結できる製品のほか、隣り合ったファン同士を専用端子で直接連結する製品もあります。

マザーボードへ直接接続して給電するタイプでは、前述の電流上限の考え方がそのまま当てはまります。一方、専用コントローラーへ接続するタイプでは、1ポートあたりの接続可能台数、コントローラー全体の接続可能台数、SATA電源などの給電条件が製品ごとに決められています。

デイジーチェーン対応でも台数は無制限ではありません 製品ごとの接続仕様を確認して使用します。

分岐ケーブル・ファンハブ・デイジーチェーンはどう選ぶ?

3つの方法は、必要なファン数と配線のしやすさから選ぶと分かりやすくなります。

選び方 候補
少数のファンを追加する 分岐ケーブル
複数のファンをまとめる ファンハブ
配線を減らしたい デイジーチェーン対応ファン

少数のファンを追加するなら分岐ケーブル

ケースファンを少数追加し、ファンヘッダーの電流上限にも余裕がある場合は、分岐ケーブルが候補です。既存のケースファンをそのまま利用しながら増設できます。

複数のファンをまとめるならファンハブ

前面・上面・背面などに複数のファンを搭載する場合は、ファンハブを使うと配線をまとめやすくなります。特にSATA電源などから給電するタイプなら、マザーボードのファンヘッダーだけに電力を依存せずに構成できます。

配線を減らしたいならデイジーチェーン対応ファン

新しくケースファンをまとめて購入する場合や、PC内部の配線をすっきりさせたい場合はデイジーチェーン対応ファンが候補です。ただし、端子形状や専用コントローラーの有無など、メーカー・シリーズごとに接続方法が異なります。増設予定も含めて製品仕様を確認します。

PWM・ARGB対応ファンを接続するときの確認点

ケースファンの端子には、主に3ピンと4ピンがあります。

ケースファンの端子には、主に3ピンと4ピンがあります。

種類 主な制御方法 特徴
3ピン DC・電圧制御 電圧を変えて回転数を調整
4ピン PWM制御 PWM信号で回転数を制御

4ピンPWMファンでは、電源とは別にPWM信号を使って回転数を制御できます。3ピンファンを4ピンのファンヘッダーへ接続できる場合もありますが、マザーボード側がDC制御に対応しているか確認が必要です。

分岐ケーブルやファンハブを購入するときも、接続するファンが3ピンか4ピンPWMかを確認します。

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ARGBファンはファン回転用とARGB用の2系統を確認する

ARGB対応のケースファンでは、ファンを回転させるための端子とは別に、LEDを点灯・制御するためのARGB端子を使用する製品があります。一般的な構成では、ファン回転は4ピンPWM、ARGBは3ピン +5Vのように別々に接続します。

そのためARGB対応ファンを複数台接続するときは、ファン側だけでなくARGB側の接続上限も確認する必要があります。

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+5V ARGBと+12V RGBは別規格

+5V ARGBと+12V RGBは互換性がありません。ARGBで一般的な3ピン+5V端子と、RGBで使われる4ピン+12V端子は別の規格です。電圧も端子形状も異なるため、誤った端子へ接続すると故障につながる可能性があります。接続前に端子の規格を確認してください。

そのためARGB対応ファンを複数台接続するときは、ファン側だけでなくARGB側の接続上限も確認する必要があります。

デイジーチェーン対応ARGBファンは配線をまとめやすい

ARGB対応ファンにも、PWMとARGBの両方をデイジーチェーンできる製品があります。このタイプなら、複数のファンを連結し、4ピンPWMと3ピン+5V ARGBをそれぞれまとめて接続できる場合があります。

さらに、ファン同士を専用端子で接続し、電源・PWM・ARGBをまとめて専用コントローラーへ送る製品もあります。

「デイジーチェーン対応=ARGBファン」ではありません ARGBを搭載せず、4ピンPWMのみをデイジーチェーンできる製品もあります。製品を選ぶときは、ファン回転の接続方法、ARGBの接続方法、専用コントローラーの有無、1系統に接続できるファン数を確認します。

ケースファンを増設した後に確認するポイント

ケースファンを接続したら、PCケースを閉じる前に動作を確認します。

  • ファンの回転すべてのケースファンが回転しているか確認します。
  • 異音・接触異音やケーブルとの接触がないか確認します。
  • 回転数表示BIOS・UEFIでファン回転数を確認します。
  • PWM制御設定に応じて回転数が変化するか確認します。
  • ARGBARGBファンが正しく点灯するか確認します。
  • 吸気・排気ファンの向きが想定した構成になっているか確認します。

分岐接続ではRPMが1台分しか表示されない場合があるため、表示される回転数だけでなく、各ファンが実際に回っていることも目視で確認します。

まとめ

ケースファンの端子が足りない場合は、分岐ケーブル・ファンハブ・デイジーチェーン対応ファンを利用して増設できます。少数のファンを追加するなら分岐ケーブル、複数のファンをまとめるならファンハブ、配線を減らしたい場合はデイジーチェーン対応ファンが選択肢です。

「1端子につき○台まで」という共通の台数制限はありません。マザーボードから給電する場合は、各ファンの最大消費電流を合計し、ファンヘッダーの許容電流を超えないことを確認します。ファンハブやデイジーチェーン対応製品を使う場合も、それぞれの製品に設定された接続台数・出力の上限に従います。

ARGB対応ファンでは、ファン回転用の電源だけでなく、+5V ARGB側の接続条件も確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

  • Q1ファンヘッダーの許容電流はどこで確認できますか?
    マザーボードのマニュアルや製品仕様ページに、SYS_FAN/CHA_FANごとの最大出力電流(A)が記載されています。マザーボード付属のファン制御ソフト(Fan Xpertなど)でヘッダーごとの状態を確認できる場合もあります。表記が見当たらない場合は、メーカーのサポートページで型番から仕様書を探すか、問い合わせて確認してください。
  • Q2分岐ケーブルとファンハブは併用してもいいですか?
    併用自体は可能です。ただし、マザーボードから給電する構成であれば、分岐ケーブルとファンハブを介して最終的に1つのファンヘッダーへつながるファンの消費電流は、経路が複雑になっても合計して管理する必要があります。途中の分岐点ごとではなく、大元のヘッダー1個分の上限で判断してください。
  • Q3ファンの回転数が急に不安定になったときは、分岐が原因ですか?
    分岐ケーブルやファンハブが原因の場合、コネクタの接触不良・挿し込み不足、接続台数の増加による電流不足、分岐ケーブル・ファンハブ自体の劣化や不良などが考えられます。まずはコネクタの挿し直しと、合計消費電流がヘッダーやハブの上限内に収まっているかを確認してください。改善しない場合は、ファン単体をマザーボードへ直結して切り分けると原因を特定しやすくなります。
  • Q4PWM対応ファンと非対応(DC制御)ファンを同じハブに混在させても大丈夫ですか?
    ファンハブの仕様によります。ハブがPWM信号をポートごとに個別出力できるタイプであれば混在できる製品もありますが、全ポート一括でPWM信号や電圧を出力するタイプでは、意図した個別制御ができない場合があります。混在させたい場合は、購入前にハブの仕様で「ポートごとの個別制御に対応しているか」を確認してください。

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