パソコンのイヤホンが聞こえないときの原因と設定の確認方法

パソコンにイヤホンを挿しても音が聞こえない場合、原因は多岐にわたります。まずはどこに問題があるのかを切り分けるために、主な原因を把握しておくことが重要です。物理的な不具合なのか、設定によるものなのかを見極めることで、正しい対処ができるようになります。

パソコンのイヤホンが聞こえないときの原因は、次のようなものがあります。

• イヤホンのプラグが奥まで差し込まれていない
• 音量設定がミュートまたは極端に小さい
• 出力デバイスがスピーカーのままになっている
• ドライバーの不具合や未認識
• アプリ側で出力先が指定されていない

まずは、物理的な接続と音量設定を目視と操作で確認することから始めましょう。

パソコンでは、複数の音声出力デバイスが同時に接続されていることがあります。イヤホンを接続していても、設定上スピーカーやモニターの出力が優先されていると、音がイヤホンに出力されません。そのため、手動で出力デバイスを切り替えることが必要です。

パソコンのイヤホンのサウンド設定で出力先を変更する手順

Windowsの設定メニューから、音声の出力先を切り替えることができます。

パソコンのイヤホンのサウンド設定で出力先を変更する手順は、次のようになります。

1. 「タスクバー右下」の「スピーカーアイコン」を右クリック
2. 「サウンドの設定」を選択
3. 「出力」→「サウンドを再生する場所を選択」の直下にある項目から接続中のイヤホンを選ぶ

パソコンのイヤホンが聞こえない場合は既定のデバイスの設定も確認

一部のアプリでは、Windowsの既定出力デバイスに音声が送られます。イヤホンが既定の出力になっていない場合、音が出ないことがあります。

「サウンドの詳細設定」から、接続中のイヤホンが既定デバイスになっているか確認しましょう。

イヤホンが聞こえないときは、接続方式によって確認すべきポイントが異なります。有線タイプとBluetoothタイプで、よくあるトラブルがそれぞれあります。

有線のパソコンイヤホンが反応しない場合

有線イヤホンが聞こえないときは、物理的・設定上の原因が考えられます。

有線のパソコンイヤホンが反応しない場合は、次のようなことを確認します。

• プラグが正しく奥まで入っているか
• ジャックに異物やホコリがないか
• サウンド出力が有効になっているか

接続の確認と同時に、イヤホン端子の劣化や断線も疑ってみましょう。

Bluetooth接続のパソコンイヤホンが聞こえないときの対処法

Bluetoothイヤホンの場合は、無線特有の問題にも注意が必要です。

Bluetooth接続のパソコンイヤホンが聞こえないときは、次のような項目を確認します。

• BluetoothがONになっているか
• ペアリング状態が有効かどうか
• 他のデバイスに接続されていないか確認

また、接続していると表示されていても、出力先がBluetoothイヤホンになっていないこともあります。

パソコンのイヤホンが聞こえない原因が、パソコン側ではなくイヤホン本体にある可能性もあります。イヤホンが故障していないかを見極めることで、無駄な設定変更を避けることができます。

パソコンのイヤホン自体が故障している可能性は、次のようにチェックします。

• 他のパソコンやスマートフォンに接続して音が出るか試す
• 別のイヤホンをパソコンに接続して動作を確認

これらの手順を試すことで、イヤホン側の問題かパソコン側の問題かを切り分けることができます。

音声出力に関わるドライバーに問題があると、イヤホンが認識されず音が出ないことがあります。ドライバーの更新や再インストールで解決することがあります。

パソコンのイヤホンのサウンドドライバーを更新する

ドライバーが古い場合や破損している場合は、手動で更新を行いましょう。

パソコンのイヤホンのサウンドドライバーを更新する手順は、次のようになります。

1. 「スタートを右クリック」→「デバイスマネージャー」
2. 「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」を展開
3. 「使用しているデバイスを右クリック」して「ドライバーの更新」を選択

自動更新で改善しないときは、一度ドライバーを削除してから再起動することで、Windowsが新しいドライバーを自動インストールします。

パソコンのイヤホンのドライバーを一度削除して再インストールする手順は、次のようになります。

1. 「スタートを右クリック」→「デバイスマネージャー」
2. 「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」を展開
3. 「使用しているデバイスを右クリック」して「ドライバーのアンインストール」を選択
4. 「パソコンを再起動」することで新しいドライバーがインストールされる

Windowsには、音の問題を診断・修正するトラブルシューティングツールが搭載されています。複雑な設定を操作する前に、これを使って自動で異常を検出させるのも有効です。

Windowsの設定でパソコンのイヤホンが聞こえないときの対処法は、次のような手順となります。

1. 「スタートを右クリック」→「設定」→「システム」→「サウンド」→「詳細設定」→「すべてのサウンドデバイス」
2. 「各デバイスのプロパティ」→「出力の設定」→「形式」項目の右の方にある→「テスト」ボタンをクリックすることでイヤホンに音が送られるかを確認

これにより、設定ミスや出力先の問題を簡単に把握できます。

Windowsでは、アプリごとに音量を個別に設定できる「音量ミキサー」があります。この設定が原因で、一部のアプリから音が出ていない可能性があります。

パソコンのイヤホンのアプリごとの音量設定の確認方法

特定のアプリだけ音が出ない場合があります。

パソコンのイヤホンのアプリごとの音量設定の確認方法は、次のようになります。

1. 「タスクバーの音声」を右クリック →「音量ミキサー」を開く
2. 「アプリ」→「各アプリの音量」がミュートやゼロになっていないか確認

必要に応じて音量を上げるか、アプリを再起動して再度確認しましょう。

音が出なくなったタイミングを把握することで、原因の特定に役立ちます。突然音が出なくなったのか、起動直後から問題があるのかで、対処方法が異なることがあります。

パソコンのイヤホンの音が出ないタイミング別に見る確認ポイントは、次のようになります。

• 起動直後から聞こえない場合：ハードウェア接続やドライバー関連の可能性
• 途中から聞こえなくなった場合：アプリの不具合や設定変更が原因となることが多い

問題が発生したタイミングを思い出し、それ以前に行った操作が影響していないか振り返ることも大切です。

ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツール、またはYouTubeやSpotifyなどのブラウザベースのアプリケーションでは、それぞれ独立した音声設定を持っている場合があります。

Zoomやブラウザでパソコンのイヤホンが聞こえないときのチェックは、次のように実施します。

• ZoomやTeamsなどの設定画面から「スピーカー」をイヤホンに変更
• YouTubeなどのブラウザで音が出ないときは、タブごとのミュート設定やブラウザ再起動も確認

アプリごとに出力設定が異なる場合があるため、個別の設定確認を行いましょう。

外部モニターをHDMIやDisplayPortで接続すると、音声出力がモニター側に切り替わることがあります。モニターにスピーカーがない場合、音が出ないように見えることがあります。

外部モニター接続時にパソコンのイヤホンが聞こえない場合は、次のようなポイントを確認しましょう。

• モニターが音声出力を持たない場合、音が再生されない
• サウンド設定で再度イヤホンを出力先に指定する

外部モニター使用時は、映像と音声の出力が分離されていることを意識して設定を見直すようにしましょう。

パソコンでイヤホンが聞こえない原因は、接続不良や出力設定、ドライバーの不具合など多岐にわたります。焦らずに物理的な接続→設定の見直し→ドライバーの確認といった順にチェックしていくことが、スムーズな解決につながります。

本記事で紹介した手順を一つずつ試しても改善しない場合は、イヤホンやパソコン本体の故障も視野に入れてみましょう。今後もパソコンのトラブルを防ぐためにも、日頃から設定や接続環境を把握しておくことが大切です。

音が出ないトラブルを乗り越えたら、次は快適に使えるイヤホン選びや、音質改善の方法にも目を向けてみてはいかがでしょうか。