NVIDIAが「GeForce RTX 20」シリーズを発表、注目の機能は「レイトレーシング」

 2018年8月21日から25日にかけて、ドイツのケルン市でゲーム分野の大規模なイベント「gamescom 2018」が開催されている。これに先駆けてNVIDIAは20日に独自イベントを開催し、グラフィックチップの新モデル「GeForce RTX 20」シリーズを発表した。

・NVIDIA GeForce Keynote Live
https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/news/nvidia-geforce-keynote-live-on-august-20th/

・GeForce RTX 20シリーズの製品ページ
https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/20-series/

 GeForce RTX 20シリーズは「Turing」と呼ぶ新しいアーキテクチャーを採用し、従来のGeForce GTX 10シリーズから設計の方針を大きく変化させた。今回前面に押し出しているは「レイトレーシング」と「ディープラーニング」だ。名称を「GeForce GTX」から「GeForce RTX」に変更しているところからも、大きな方向転換があったことが伺える。

 レイトレーシングとは、CGにおける光の表現方法の一つだ。光の軌道を計算、シミュレートすることで、物体の光り方や映り込みなどを表現する。

 ただ、現実の光はあらゆるものに反射しており、反射した光もまた別の物体に当たって反射し、他の光とも相互に干渉し、と無限とも言える要素で構成されている。

 レイトレーシングで扱う光線の量が増えるほどよりリアルな映像が得られるが、その分計算の負荷は高くなる。

 映像制作であれば描画に時間がかかってもある程度許容されるが、ゲームの場合はプレイ不能になっていまう。そのためゲームでは、あらかじめ用意された動画では美しい表現ができても、操作するゲーム本編になると少し品質が落ちてしまうのが通常だ。

 GeForce RTX 20シリーズはレイトレーシングに必要な機能を強化し、ゲーム本編中でも高い品質の表現ができるようにした。

 ディープラーニングはAIを活用する際の基盤となる技術だ。「Tensorコア」と呼ぶ専用のコアを用意し、ディープラーニングの学習や活用を高速化している。ディープラーニングを利用した「DLSS(Deep Learning Super-Sampling)」という映像のアップスケール技術も発表している。

 ラインアップはGeForce RTX 2080 Ti、同RTX 2080、同RTX 2070の3種類が同時に発表された。各モデルの仕様は以下の通りだ。それぞれにNVIDIA独自モデルの「ファウンダーズエディション」とサードパーティー製のモデルがあり、前者の方がブーストクロックを高く設定している。

 発表のステージではこれらの解説、紹介に時間が割かれ、従来のような3D描画性能がどのくらい向上したというスライドは用意されていなかった。

 性能を大きく左右するシェーダー(CUDAコア)の構成などもまだ公開していない。ただ、製品ページの仕様を確認すると、CUDAコアの数は引き上げられているのが分かる。

 GeForce GTX 1080 Ti、同GTX 1080、同GTX 1070のCUDAコア数はぞれぞれ3584個、2560個、1920個なので、384~768個増えている。その分の性能の積み増しは期待できると思われる。

 また、GeForce RTX 20シリーズは主にVRゴーグルを接続するための規格の「VirtualLink」に対応しており、映像出力端子の横にUSB Type-C端子を搭載している。対応製品が出てくれば、ケーブル1本でVRゴーグルをつなげられるようになるかもしれない。

 価格はGeForce RTX 2080 Tiが999米ドル、同RTX 2080が699米ドル、同RTX 2070が499米ドルから。発売は9月20日。ただしいずれも米国内の情報で、日本国内での価格や発売時期は未定だ。

 ステージの様子は、動画配信サービスの「twitch」で見られる。

・NVIDIAのイベントの動画(ステージは1時間52分付近から)
https://www.twitch.tv/videos/299680425

Reported by 宮川泰明(SPOOL