【ドスパラVRゲームレビュー】
映画のVR世界へダイブ! 他のプレイヤーとVRゲームで競え!「Ready Player One: OASIS beta」

Reported by 石田賀津男

 「Ready Player One: OASIS beta(レディ・プレイヤー1:オアシス ベータ)」は、スティーブン・スピルバーグ監督による映画「Ready Player One」をモチーフにしたVRゲーム作品。タイトルにもある通り、現時点ではまだ開発進行中のβ版となっているが、Steamなどで誰でも無料でダウンロードできる。対応するヘッドセットは、HTC Vive、Oculus Rift、Windows Mixed Realityと幅広い。

 映画では、近未来の荒廃した街に生きる人々が、理想の世界を求めて楽しむVR世界「OASIS」が登場する。ゲームでは、スタートすると汚れた薄暗い部屋から始まり、無造作に置かれたVRヘッドセットを手に取って顔に装着することで、OASISの世界へと飛び込んでいく。

 OASISに入ると、目の前に未来的なマンションの一室が広がる。高層マンションから見る窓の外は、やはり未来感あふれる大都会。ヘッドセットを装着する前の世界とは全く異質なものであると感じさせてくれる。

 本作の実質的なコンテンツは、ヘッドセット装着後のOASIS上にあるため、ゲームプレイだけを考えればヘッドセット装着のアクションは不要だ(もっと言えば、未来的マンションすら不要なのだが)。ただ「Ready Player One」の世界を知るためには、とても重要なワンステップである。映画を見ていなくとも、たったこれだけの演出で作品の世界が正しくイメージできる。

 本作のメインコンテンツは、OASIS上で遊べる複数のVRゲーム達だ。マンションに到着後、コントローラーのメニューボタンを押すと、OASISのメニューが表示される。続いて右下にあるスターマップを選択すると、ルービックキューブのような物体が現れる。このキューブの中の一部に濃い色になっている部分があるので、ターゲットしてトリガーを引くと中身が展開され、星座図のようなゲームリストが表示される。

 4月末時点では4つのゲームが用意されており、ターゲットしてトリガーを引くと、目の前に巨大な円形のポータルが現れる。ポータルに触れられる位置まで移動すると、選んだゲームの世界へと移動できる。

 各ゲームはそれぞれ別の開発会社が制作している。つまり本作は、OASISというVRプラットフォーム上で、様々なVRゲームをプレイできるもの、と言える。おそらく今後も様々なゲームが追加されるのであろう。

 では現在プレイできる4つのゲームを順に紹介しよう。

・「Planet Gauntlet(惑星ガントレット)」

 古代遺跡風のフィールドを探検するアクションアドベンチャー。開発はDirective Games(「Ready Player One: OASIS beta」の開発元でもある)。

 プレイヤーの武器は弓矢。片手に弓、反対の手に矢を持って、弦に矢をつがえてトリガーを引き、引いてからトリガーを離すと矢を射る、という直観的な操作。道中にはガイコツやミイラ男などの敵が現れるので、矢を使って撃退していく。命中すれば敵のHPが減るが、頭に当たるとヘッドショットとなり大ダメージになる。

 移動は地面をポイントした先にワープするタイプなのだが、ポインタが矢のように曲線を描いて飛んでいくものになっており、思った位置へ移動するのが少々難しい。垂直な壁など移動できない場所に当たった場合は、移動せずその場に留まってしまう。再びポインタを飛ばす必要がある。

 敵はゆっくりとした動きで近づいてくるので、最初は余裕があるように感じるのだが、少し進むと遠距離から矢を飛ばしてくる敵が出てきたり、一度に相手できない多数で襲い掛かってくることもある。そういう時は適切に移動して逃げながら反撃することになるが、矢で狙いながらポインタも使うという2つの操作を並行して考えるのがまた難しい。プレイヤーはライフ制なので、攻撃されても即死はしないものの、寄ってたかられるとすぐやられてしまう。

 道中には爆弾などのアイテムや、矢の性能を強化するアイテムが落ちていたりする。またあちこちにお金が落ちており、近づいて手の平を上に向ける(ようにコントローラーを動かす)と、ジャラジャラと音を立ててお金が手元に吸い込まれる。これがちょっと楽しい。また壷などは矢で壊すこともできる、中からお金やアイテムが出てくる時もある。

 最終的に、取得したお金、倒した敵、ヘッドショットを決めた数によってスコアが算定され、そのスコアで他のプレイヤーとランキングで競う。ゲームとしては、現在遊べる4つのタイトルの中で最もシビアだと感じるが、映像のクオリティも高く、冒険している感じもよく出ている。

・「Battle for the OASIS(オアシスのボス)」

 迫り来る敵を撃退していくガンシューティング。開発はSteel Wool Studios。

 移動の概念はなく、前方から次々と襲い掛かってくる敵を両手に持った銃器で撃ち倒していくタイプ。敵はウェーブ単位に分けて登場し、決められたウェーブ数をクリアすればステージクリア。

 ステージをクリアするごとに新たな武器がアンロックされていく。ハンドガンやマシンガン、ショットガン、ロケットランチャーなど多数あり、プレイ中にいつでも好きな武器に変更できる。左右の手で異なる武器を持っていても構わない。弾切れはあるが、どの武器も弾切れ後数秒で勝手にリロードされる。

 VRガンシューティングとしてはオーソドックスなスタイルなので、経験のある人ならプレイ方法に悩むことはない。敵は遠距離から撃ってくるもの、近距離まで走り寄って攻撃してくるもの、空を飛ぶドローンのようなものなどがいる。フィールドは常に夜間で暗く、空を飛ぶタイプは上を見ていないと気付かなかったりするので注意が必要だ。

 最後のステージでは巨大なボスも登場する。ターゲット表示される弱点を攻撃すればダメージを与えて、少しずつ部位を破壊できる。敵の攻撃をしゃがんで避けたりするなど、プレイヤーの動きが求められる場面が出てくるのが他とは異なる。

 ゲームとしてはとっつきやすく、映像も十分美しい。武器の種類も豊富にあるので、状況に応じた武器の使い分けを考えるのも楽しい。何よりシンプルで、難易度も低く(現状では序盤のステージしか遊べないので、そう感じるのかもしれないが)、誰でもすぐに爽快なプレイを楽しめるのが本作のいいところだ。

・「Rise of the Gunters(ライズ・オブ・ザ・ガンターズ)」

 こちらもガンシューティングだが、フィールド移動が可能なタイプ。開発はDrifter Entertainment。

 移動は地面をターゲットするテレポートタイプか、トラックパッドで前後左右に移動するスムーズタイプかを選択できる。スムーズタイプでは左手のトラックパッドで移動、右手のトラックパッドでテレポートが可能なので、迷ったらこちらを選んでおくといい。

 SFチックなフィールドで、あちこちに出没する敵を両手に持った銃器で倒して進む。武器は最初に6種類から選択でき、ハンドガンやロケットランチャーのほか、遠方の敵を捕まえて自分の前に引っ張ってくるパルサーという変わったものもある。

 ゲームを開始すると、四方八方敵だらけのフィールドが現れる。やるべきことは、とにかく敵を倒して回るだけ。もちろん敵も攻撃してくるので、うまく避けながら反撃することになる。弾切れの概念はなく、リアルなガンシューティングに集中できるのも魅力だ。

 敵の攻撃を受けてHPがなくなるとゲームオーバーとなり、コンティニューするかを選べる。その際に「INSERT COIN」と表示されるが、もちろんコインは入れなくてもコンティニューできる。ゲームセンター文化へのオマージュであろう。

 全3ラウンド制となっており、各ラウンドは時間制となっている。制限時間内に、敵を倒して出たコインをどれだけ集めたかでスコアが決まる。同じく敵を倒した時に出現するチェリーを取ると、コイン取得時に倍率がかかって取得量が増えていく。

 広いフィールドを自由に動き、銃器をバンバン撃って戦うというフリーなプレイスタイルと、映像のリアリティが魅力。ドット絵のキャラクターが登場したりもして、原作映画のイメージもよく感じさせてくれる。ゲームとしての難易度は低くないが、コンティニューも可能なので、とりあえず全ラウンドを回るだけなら誰でもできる。SF的なVRガンシューティングとして、単体で見ても十分クオリティの高い作品だ。

・「Smash」

 両手のコントローラーをパドルに見立てて、ボールを打ち返して遊ぶ、3Dの「PONG」的なゲーム。元々は「Arcade Saga」という名前で販売されているタイトルに収録されているゲームで、本作には再録となるようだ。開発は2 Bears Studio。

 直方体のチューブのような空間でボールを返し合い、相手のフィールドにボールを叩きこめばポイントとなる。ボールは壁を反射して飛んでくるので、ボールを返す角度や速度で相手を困惑させて突破を狙うというのが基本だ。

 本作の特徴は、ボールにスピンをかけられるところ。パドルをボールに対して斜めに切るように当てると、ボールに強いスピンがかかり、壁に当たった時に方向を変えたり、加速したりする。パドルを振った速度も加味されるので、素早い動きでボールを叩くのも大事なのだが、スピンによる加速の方が強力なので、いかにうまくスピンをかけて返すかが勝利へのポイントになる。

 ボールはかなり高速になるのだが、トリガーを引くと出る丸いビームを当てると、ボールの速度が一気に遅くなる。狙いすまし、強力なスピンをかけて返せるので、命中すれば一気に有利になる。ただし外せば無駄なだけでなく、パドルが真横を向いている状態になるため、打ち返すのも困難になりがち。またビームはエネルギー制で、時間経過で回復するが、むやみに連射はできない。

 さらにフィールド中央付近には、ボールを巨大化させたり、ボールの数を増やしたりするアイテムが登場する。ボールがアイテムに命中すると発動するので、思わぬタイミングで発動して困らされることもある。また爆弾のようなオブジェクトが現れることがあり、ボールが当たると角度が変えて加速する。複数出現すると、自分が打ち返したボールが爆弾に跳ね返って、超高速で戻ってきたりもするので油断ならない。

 ステージ制で進行し、最終ステージにはボスも登場する。ボスはおしゃべりで、プレイ中もあれこれ話してくるのが面白い(全て英語だが)。

 現時点では4つのゲームがプレイできる状態だが、どれもミニゲームと呼ぶには忍びないクオリティの高さで、映画を見る見ないに関わらずプレイする価値がある。ましてや現状はβで無料。正式版になった時にどんな料金体系になるかはわからないので、興味があるなら今のうちに試してみることをお勧めしておく。

 たとえ映画の内容を知らなかったとしても、本作はOASISというVR世界のイメージをよく伝えてくれていて、VRコンテンツとして十分に楽しめる。実はゲームスタート時に自分のアバターを選ぶのだが、そういう点から考えても、OASISが単なるゲームメニューとして終わるとは思えない。ソーシャル要素が拡充されれば、もっと面白いコミュニティとして機能する可能性がある。

 なお日本語対応は、コンテンツによってしていたりしていなかったり、翻訳が怪しかったりでばらつきがある。特にOASISのメニュー操作方法は英語の音声で説明されている(4月末現在)。英語がわからないと面食らうかもしれないが、必要な操作は僅かなので、諦めずにあれこれ試してみて欲しい。

・Ready Player One: OASIS beta
https://store.steampowered.com/app/779650/

Reported by 石田賀津男