Googleが高解像度のディスプレイを開発中、実験段階では片目で2000万画素も

 VRゴーグルのディスプレイは、多くの人がまだ改善の余地があると考えている。解像度はその一つだ。しかし解像度はただ上げればよいという単純なものではない。今年5月に開催された「SID Display Week 2017」でのGoogleによる講演から、海外ニュースサイトの「Road to VR」が「ARMdevices.net」の動画を引用して次世代への手がかりを紹介している。

・Google is Developing a VR Display With 10x More Pixels Than Today’s Headsets
https://www.roadtovr.com/google-developing-vr-display-10x-pixels-todays-headsets/

 講演で登壇したのはGoogleのVR担当、Clay Bavor氏。現在のVRゴーグルは解像度が足りていないとした。例えば、VR内で新聞を読もうとした場合、見出しくらいしか読めない。小さい文字を読めるレベルで描画するには解像度が足りないからだ。また、視野角も足りないという。人の視野角は200度と言われているが、VRゴーグルでは100度前後しかない。これでは現実とはほど遠い。

 そこで必要になるのは画素数だ。画素数を増やせば解像度を上げられ、視野角も広げられる。Googleはある有機ELディスプレイメーカーと協力し、通常の10倍の画素を表示できるディスプレイを開発した。そのディスプレイは1枚で2000万画素あり、それを2枚使ったVRゴーグルで見た映像は壮観だったという。

 しかし、これは製品にできるものではないとも語った。VRゴーグルではディスプレイのリフレッシュレートが90~120Hzとなるため、表示に必要なデータ量が50G~100Gbpsに達するとした。GPUへの負荷もさることながら、PCから転送するのも困難になってしまう。

 その解決のため、注目しているのが「foveate rendering」だ。これは目の焦点が当たっているエリアの解像度を上げ、周辺の解像度を下げるという描画方法。目に見える解像感は高いままで、描画負荷とデータ転送量を抑えられる。そのためには目の動きを検出(アイトラッキング)する必要がある。そのためのセンサーをVRゴーグル内に搭載することになる。

 アイトラッキングを利用した描画負荷の低減のアイデア自体は珍しいものではないが、Googleがそれを利用した高解像度化の研究をしているというのは興味深い。2018年には続報が聞けるだろうか。

Reported by 宮川泰明(SPOOL