2017年6月5日から9日の間、Appleは毎年恒例の開発者向けイベント「WWDC 2017」を開催している。そこで発表された新製品の一部にVRへの対応がうたわれ、HTCの「VIVE」を使ったデモも行われた。VR関連の話題がほとんどなかった同社も、とうとう正式に対応へ踏み出した形だ。
新製品の発表があったのは5日のキーノートのステージだ。まず登場したのは外付けグラフィックユニットの「External Graphics Development Kit」。グラフィックボードにはAMDのRadeon RX 580を搭載している。Thunderbolt 3で接続することで、「Mac Book」などをVRへ対応させられる。こちらは製品名の通り、まだ開発者向けキットの段階だ。価格は599米ドル。
一体型の「iMac」シリーズも、新しく発表された3機種のうち最上位の「iMac Retina 5K 27-inch」がRadeon Pro 570/575/580を搭載し、VRに対応した。「iMac 21.5-inch」のグラフィック機能はCPU内蔵、「iMac Retina 4K 21.5」はRadeon pro 555/560なので、対応はうたわれていない。iMac Retina 5K 27-inchの価格は、下の画像にあるように1799米ドルから、となる。
最後は今年の12月に登場予定の「iMac Pro」だ。CPUにIntel Xeonシリーズ、グラフィック機能にAMDの未発売のチップ「VEGA」を採用するなど、iMacシリーズの最上位を担うモデルとなる。価格は4999米ドルからと、かなり高価だ。
製品以外にも、Valveの「SteamVR」がMacにも対応することや同社のグラフィックAPI「Metal 2」がVRのレンダリングをサポートするといった発表も行われた。
これまでAppleはあまりVR、ARに関して積極的ではないように見えた。しかし開発者向けイベントで大々的に発表したということは、今後は力を入れていくということだろう。独自のプラットフォームを作るのではなく、最初にSteamVRへの参加を発表したという点も興味深い。Appleならではのアプローチがどのように行われるのか楽しみだ。
キーノートの様子は下記のWebページで動画が公開されている。新製品を紹介するページへのリンクもある。ページ自体は日本語だが、動画は日本語字幕もなく英語のみだ。
・Apple Special Event 2017年6月5日
https://www.apple.com/jp/apple-events/june-2017/
Reported by 宮川泰明(SPOOL)
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