John Carmack氏、「Oculus Rift S」にはまだメリットがあるとコメント

 2019年9月25日と26日に開催された開発者向けイベント「Oculus Connect 6」で、Facebookは一体型VRゴーグルの「Oculus Quest」の追加機能「Oculus Link」を発表した。PCにつなぐことで「Oculus Rift」シリーズ用のコンテンツも使えるようになるというものだ。

 同じコンテンツが使えるとなると、Oculus Questと「Oculus Rift S」の関係が難しくなる。従来は一体型とPC接続型というタイプの違いにとどまらず、対応するコンテンツが異なるため住み分けができていた。しかしOculus Linkが提供されると、少なくともカバーできる利用シーンについてはOculus Questの方が完全に上位となってしまう。これからVRゴーグルを購入するユーザーにとって、Oculus Rift Sの魅力が減ってしまうのは否めないだろう。

 これについて、Oculus(FacebookのVR部門)のCTO、John Carmack氏はTwitter上でユーザーの質問に答える形でコメントを出した。

 Carmack氏は「Rift Sはより快適で、遅延が少なく(今後のアップデートで逆転する可能性はある)、映像の圧縮がなく、トラッキング用カメラを5台搭載している(Oculus Questは4台)」としており、Oculus Rift Sの優位性は残っていると考えているようだ。

 別の質問に対しても「Oculus Questは(前世代の)Oculus Riftからのアップグレードにはならないと思う」と答えており、あくまで「Oculus Rift」の後継は「Oculus Rift S」という見方を示している。

 実際、Oculus QuestとOculus Rift Sの間には仕様の違いがある。映像の追従性に影響するディスプレイのリフレッシュレートは、前者は72Hzだが後者は80Hzだ。

 ただしOculus Quest側が優れている点もあり、ディスプレイの解像度はOculus Questは解像度が1440×1600ドット×2(合計2880×1600ドット)でOculus Rift Sは2560×1440ドット×1。IPD調節機能もOculus Questはスライダーのつまみを備えているのに対し、Oculus Rift Sはソフトの設定のみ。IPDをより多くの人に合わせられるのはOculus Questだ。

 今後両者の位置付けはユーザーの反応次第で変化していくと思われる。Oculus Linkの体験レベルが高いほど、Oculus Rift Sの優位性は相対的に下がっていくのではないだろうか。

Reported by 宮川泰明(SPOOL