NVIDIAが「SIGGRAPH 2019」でAR用広視野角ディスプレイシステムを発表へ

 2019年7月28日から8月1日にかけて、コンピューターグラフィックスに関するイベント「SIGGRAPH 2019」が米ロサンゼルス市で開催される。同イベントに先駆けて、NVIDIAは発表するAR用ディスプレイの論文を公開した。

・Foveated AR: Dynamically-Foveated Augmented Reality Display
https://research.nvidia.com/publication/2019-07_Foveated-AR%3A-Dynamically-Foveated

 「Foveated AR」と名付けられた技術は、広い視野角と高い解像度と得られる。VRで利用されている「Foveated Rendering(フォービエイテッド・レンダリング)」に似ており、目の焦点付近を高い解像度で、周囲を低い解像度で描画するというアプローチだ。

 今回のプロトタイプでは、低解像度の部分は側面に配置した小型プロジェクターで、高解像度の部分は上部に配置した有機ELパネルで投影する。アイトラッキング機能も搭載しており、高解像度のエリアが視線に連動して動くことで体感の解像度を向上させている。

 奥行き方向の視線もトラッキング可能で、AR表示のボケを切り替える使い方もできる。下の図ではイチゴとドーナツに対してARでポップアップを表示し、両ポップアップが重なるようにしている。見ている対象に応じてどちらをボケさせ、どちらをくっきり描画するかを切り替えているのが分かる。

 現在ARゴーグルで主流の「waveguide」方式のディスプレイは、小型化できるものの視野角を上げにくいという課題を抱えている。例えばマイクロソフトの「HoloLens 2」でも視野角は対角線で52度に留まっており、ディスプレイの端が見えてしまう(CGが見切れてしまう)現象は避けられない。今回NVIDIAの発表したディスプレイシステムは片目あたりの視野角が対角線で100度と広く、快適性を大きく引き上げられる。一方、プロトタイプのサイズはかなり大きく、どれだけ小型化できるかが今後の課題となっていくだろう。

Reported by 宮川泰明(SPOOL