ValveのハイエンドVRゴーグル「Index」が初回出荷を開始、レビューも解禁に

 2019年6月28日、ValveはVRゴーグルの新モデル「Index」の出荷を開始した。それに伴い、海外メディアでは製品レビューが公開されている。Indexの概要と併せて紹介する。

・Valve Index Review - The Enthusiast's Choice
https://www.roadtovr.com/valve-index-review

 Indexはハイエンドに属するVRゴーグルだ。ValveはVR用プラットフォームの「SteamVR」を提供しているが、これまでハードウェアはHTCと協力して「VIVE」シリーズを展開していた。ある意味SteamVRの公式VRゴーグルとも言える製品となっている。

 価格はフルセットで約1000米ドル(約11万円)とかなり高価。また、普及機のトレンドとは逆の方向を向いていることもあり、エンスージアスト向けということで間違いないだろう。

 Indexの特徴を短くまとめると、使いやすくはないが、使いこなすと高い体験レベルを得られるというものだ。現在のトレンドは使いやすさを追求することのため、あえてそこを外したことからも大多数の一般ユーザーに向けた製品ではないことが分かる。ディスプレイ、位置トラッキング、コントローラーの3点を、上記レビューの内容を参照しながら見ていこう。

 ディスプレイは1440×1600ドットの液晶パネルを2枚搭載している。リフレッシュレートは80Hz、90Hz、120Hz、144Hzから選択可能。リフレッシュレートは80~90Hzでも問題なく動作するが、144Hzに上げると「体感できるほど映像がスムーズになる」という。

 ただし、高解像度、高リフレッシュレートはPCにも高いスペックを要求するため、まさにハイエンドユーザー向けとなる。上記レビューでは「総合敵な映像のクリアさは『Oculus Rift S』や『VIVE Pro』よりも上」という評価だ。

 ディスプレイ周りでは、IPD(InterPupillary Distance、瞳孔間距離)の調整レバーのほか、奥行き方向にレンズの位置を調整するダイヤルも備えている。

 レンズを目に近付けると視野角が広がり、代わりにディスプレイの端が見えるようになる。反対に目から離すとディスプレイの端は見えなくなるが、視界の端は歪んで見える(視野角が狭くなる)。こうした設定は、使い方が分かる詳しい人にとっては最適な見え方を模索できる嬉しい機能だ。

 一方で、初心者にとってはどういう状態が正しいのかが分からないため、混乱の原因にもなりかねない。

 位置トラッキングは、VIVEシリーズ同様ベースステーションを2個以上使うoutside-in方式を採用している。現在は外部デバイスの不要なinside-out方式が主流になりつつあり、この点でもトレンドとは異なるアプローチを採用している。

 VRゴーグルは「SteamVR Tracking 1.0/2.0」両対応だが、付属するベースステーションはバージョン2.0にのみ対応する。

 トラッキング精度そのものは外部デバイスを使うoutside-in方式の方が高いとされる。しかし、コストやセットアップの簡略化の点では圧倒的にinside-out方式が優れている。inside-out方式を採用すると「Tracker」のようなベースステーションを前提とした周辺機器が使えなくなってしまうため、既存ユーザーにとってはこちらの方がありがたい場合もあるだろう。

 Indexに付属するコントローラーは、かつて「knuckles」と呼ばれていたものだ。「Oculus Touch」に似た外見で、基本的に親指でボタンやレバーを操作する。手や指をトラッキングすることを重視しており、内蔵したセンサーにより指1本1本の曲げ伸ばしを検知できる。ただ、対応するコンテンツはまだないため、レビューでは「最初の数分は面白いが、すぐに非対応のゲームに戻って行くことになる」と記している。

 装着方法も独特で、バンドで手に固定し、手を開いても落とさないようになっている。バンドの付け根をスライドさせ、4カ所に固定できるようになっており、自分に合う位置に調節可能。ただ、「最終的には快適になったものの、調節には試行錯誤が必要だろう」としている。

 もう一つ特徴となるのが、Valveが「Frunk」と呼ぶ周辺機器用の増設スロットだ。前面カバーを外すとくぼみがあり、ここに何かを取り付けられるようになっている。もっとも、現時点では対応する機器はないようだ。

 ValveはIndexの出荷を始めたが、その量はまだ十分ではないようだ。既に次回出荷は9月30日と予告されており、ごく初期に予約した人しかまだ入手できていない。そのためか注文可能な地域は限定されており、7月1日時点で製品ページは開けるものの日本からは注文できない。

・Indexの製品ページ
https://store.steampowered.com/valveindex

 Indexのメリットとデメリットははっきりしており、メリットの部分に魅力を感じるのであれば十分選択肢に入れられるだろう。日本からも早く購入可能になるよう期待したい。

Reported by 宮川泰明(SPOOL