「DisplayPort 2.0」が発表、帯域はおよそ3倍に

 2019年6月26日、映像関連の規格を定めている業界団体のVESA(The Video Electronics Standards Association)が「DisplayPort 2.0」を発表した。以前のバージョンとの互換性を維持したまま、帯域を約3倍に引き上げた。

・VESA PUBLISHES DISPLAYPORT 2.0 VIDEO STANDARD ENABLING SUPPORT FOR BEYOND-8K RESOLUTIONS, HIGHER REFRESH RATES FOR 4K/HDR AND VIRTUAL REALITY APPLICATIONS
https://vesa.org/press/vesa-publishes-displayport-2-0-video-standard-enabling-support-for-beyond-8k-resolutions-higher-refresh-rates-for-4k-hdr-and-virtual-reality-applications/

 DisplayPortは知っての通り映像と音声を転送する規格で、主にPCとその周辺機器で使われている。HDMIよりも帯域が広いのが特徴だが、テレビやレコーダーなどの映像機器ではHDMIの方が普及しているのが現状だ。

 一方で、高解像度のディスプレイを使う環境ではDisplayPortの方が好まれる傾向にある。高い解像度やリフレッシュレートが求められるVRではより広い帯域が必要になる場面が多く、採用例が増えている。Facebookの「Oculus Rift S」やHTCの「VIVE Pro」は映像端子がDisplayPortのみとなっている。

 バージョン2.0は、現行のバージョン1.4aから帯域が約3倍に向上しているのが売りだ。DisplayPortは映像の伝送路を「レーン」で管理しており、通常は4レーン使用する。バージョン1.4aでは1レーンあたり最大8.1Gbps、4レーンで32.4Gbps転送できる。8ビットのデータを送るのに10ビット使う「8b/10b転送」を利用しているため実行速度は25.92Gbpsだ。

 バージョン2.0では1レーンあたり20Gbpsに向上したほか、より効率の良い「128b/132b転送」に転送方式を変更した。これにより4レーン利用時の転送速度は77.37Gbpsになり、バージョン1.4aの約3倍となる計算だ。この帯域は、10K解像度(10240×4320ドット)を無圧縮のまま60Hzで表示させられる。

 1レーンあたりの転送速度の向上で恩恵を受けやすいのは、USB Type-C端子を利用した場合だ。USB Type-C端子も最大4レーン扱えるが、この場合USB 3.xの高速なデータ転送ができなくなる。2レーンに抑えると5Gbps(USB 3.1 Gen 1相当)のUSB信号も併用可能になるため、活用の幅が広がる。DisplayPortを2レーンしか使わない状態でも、4K解像度(3840×2160ドット)、144Hzの液晶ディスプレイを3台接続できるという。VRゴーグルの場合、4096×4096ドットのディスプレイを2枚、120Hzで扱えることになる。

 DisplayPort 2.0の製品が登場し始めるのは2020年の後半になる予定。普及すれば、VRゴーグルの高解像度化にも役立つはずだ。

Reported by 宮川泰明(SPOOL