発売直前の「Index」のレビューが公開、万人向けではないが体験レベルは高い

 ValveのハイエンドVRゴーグル「Index」が米国で2019年6月29日に出荷予定となっている。それに先駆けて、海外ニュースサイトの「Road to VR」がレビューを掲載している。ソフト側はまだ変更が入るため、ハード側の紹介となっている。

・Preview: Valve Index is the DSLR to the Oculus Rift S Point-and-shoot
https://www.roadtovr.com/valve-index-preview-dslr-oculus-rift-s-point-and-shoot/

 Indexはフルセットで999米ドル(1ドル110円換算で約11万円)というハイエンドクラスのVRゴーグルだ。ディスプレイに解像度1440×1600ドット、リフレッシュレート120Hzの液晶パネルを2枚使っている。2要素レンズを採用し、HTCの「VIVE」よりも約20度広い視野角を得られたとしている。

 一方で、Facebookの「Oculus Rift S」のようなinside-out方式の位置トラッキングは採用しておらず、「SteamVR Tracking」に対応したベースステーションが必要になる。上記記事では、これは「Indexはエンスージアスト向けの製品であり、安さや使いやすさを目指した製品ではないため」と解説している。

 装着時の快適さは、フィッティングと映像の快適さで評価している。ヘッドバンドの後頭部のクッションとフェイスクッションは柔らかく、適切な締め付け調節をしやすいという。

 フェイスクッションはマグネットで固定しており、簡単に取り外しできるためサイズが合わない場合でもオプション品があれば交換できる。

 ディスプレイはIPD(Interpupillary Distance、瞳孔間距離)の調節ダイヤルのほか、前後に動かすダイヤルもあり、ディスプレイを目に近付けて視野角を広くすることも可能だ。上記記事の筆者は「最も調節項目が多いVRゴーグル」と評している。

 ディスプレイは有機ELパネルではなく液晶パネルだ。VRゴーグル向けの液晶パネルは応答速度が改善され、画素密度の向上などによりスクリーンドア・エフェクトが抑えられている。

 リフレッシュレートは標準で120Hzだが、最大144Hzに設定可能。筆者は具体的には説明しにくいとしつつも、「144Hzでは、映像の滑らかさがより現実のクオリティに近付いている」としており、80~90Hzと比べて「違いは感じられる」。全体としては、映像のクリアさは「VIVE Pro」を超えると評価した。

 ただ、VIVEと比べて、「ゴッド・レイ」(明るい物を中心に放射状の光が見える現象)は改善しているものの、「グレア」(ランダムに意図しない光が見えてしまう現象)は発生しやすくなっているという。視野角を広げるためのレンズの選択によるトレードオフだろうとしつつ、他のVRゴーグルでは見られないほどグレアが発生するのには驚いたとしている。

 ヘッドバンドが内蔵しているヘッドホンの音質については、「これまで使用したVRゴーグルの中で最高の内蔵ヘッドホン」と絶賛している。耳に触れないタイプのため装着するとヘッドホンの存在が分からなくなるにも関わらず、迫力のある音が得られた。また、かつてのVRゴーグルでは気付かなかった音が聞こえるようになったという点が高評価につながったようだ。

 Indexは従来通りのVRゴーグルを洗練させ、体験レベルを向上させることを目指している。Oculusシリーズが目指している「使いやすいVRゴーグル」とは対極にあり、万人向けの製品ではない。ただ、最高の環境を求める人には高い価格に見合う品質が得られると言えそうだ。

 現在、Indexは日本からは注文できない。米国で今注文すると9月30日の発送予定のため、注文可能になるとすればそれ以降になると思われる。

Reported by 宮川泰明(SPOOL