Appleが「ARKit 3」を発表、CGが人の後ろを通れるように

 2019年6月3~7日、Appleは同社の開発者向けイベント「WWDC 2019」を開催した。3日のキーノートスピーチでは、ARプラットフォーム「ARKit」のメジャーアップデートとなる「ARKit 3」を発表した。

・WWDC 2019 Keynote - Apple(ARKitの話題は1時間59分辺りから)

・Introducing ARKit 3
https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2019/604/

 目玉となる新機能が「People Occlusion」だ。これは簡単に言うとARのCGが現実の人の後ろを通れるようになるという機能。多くのARコンテンツでは表示するCGオブジェクトが画面の一番手前に配置される。CGを現実の映像に重ねているだけだからだ。下の図は机の上にARでエスプレッソマシンを置いているが、手前に立っている人で隠れるべき部分が人より手前に表示されてしまっている。

 そこで、People Occlusionでは映像から人物を切り出して深度情報と共にレイヤー化し、その間にCGのレイヤーを挟む。これにより、「手前に立っている人でCGが隠れる」という状態を作れる。奥の人と手前の人の間にCGを置くことも可能だ。

 「Body Tracking」は簡単にモーションキャプチャーができる機能だ。映像から人物を認識し、2Dまたは3Dでスケルトン(CGの骨組み)を作成し、動きをリアルタイムでキャプチャーできる。

 他にも背面カメラと前面カメラを同時に使う機能や、顔認識で人を識別し、一度画面から離れても戻ると同じ人物として認識する機能など、メジャーアップデートだけに多数の機能が追加されている。ただし、People OcclusionとBody Trackingを利用するには「A12」以降のプロセッサー(「iPhone XS」シリーズや「iPhone XR」など)が必要だ。

 また、ARコンテンツの開発をより簡単にするため、「RealityKit」と「Reality Composer」という開発環境も発表している。CGのレンダリングや動かし方、最適なオーディオの作成などをサポートするという。

Reported by 宮川泰明(SPOOL