Varjoからマイクロディスプレイで解像感を高めたVRゴーグルが登場

 2019年2月19日、Varjoが業務向けの新しいハイエンドVRゴーグル「VR-1」を発表した。2種類のディスプレイを組み合わせた「Bionic Display」による高い解像感が特徴だ。

・Varjo Announces VR-1, World’s First Human Eye-Resolution VR Headset For Industrial Use
https://varjo.com/press-release/varjo-announces-vr-1-worlds-first-human-eye-resolution-vr-headset-for-industrial-use/

 VarjoはフィンランドのVRゴーグルメーカー。2017年に、高解像度のマイクロディスプレイを重ねることで高い解像感を得るという試作品を公開していた。今回、その改良版にあたる製品を発表した。業務向けのため、価格はVRゴーグルのみで5995米ドルと高価だ。オプションとして年間995米ドルのサービスライセンスもある。

 VR-1では、画面の中央にマイクロディスプレイの高解像度、高画素密度の映像を重ねるという手法を試作品から継承している。1440×1600ドットの有機ELパネルをベースとし、中央に1920×1080ドットのマイクロディスプレイの映像を重ねる。マイクロディスプレイは画素密度が高いため、スクリーンドアエフェクト(画素の隙間が見えてしまう現象)のない高画質な映像が得られる。これを同社はBionic Displayと呼んでいる。

 下図は製品ページにある比較。HTCの「VIVE Pro」と比べても高画質であることが分かる。

 視野角は他社製のVRゴーグルと比べて狭く、87度。ただ、ディスプレイの解像度は高いため、PPD(Pixel Per Degree、視野角1度当たりのドット数)は高くなる。

 アイトラッキングを搭載し、目線による入力にも対応する。しかし、試作品の時点で語っていた、マイクロディスプレイを視線に追従させて動かすという目標は先延ばしになったようだ。製品ページの分解図を見ると、マイクロディスプレイは側面に配置されている。

 トラッキング技術はValveの「SteamVR Tracking 1.0/2.0」に対応する。ただし製品に含まれるのはVRゴーグルのみで、ベースステーションやコントローラーは付属しない。本体の重量はヘッドバンド込みで905g。リンクボックスとのインターフェースはUSB Type-C端子を使う。ケーブルは10mと長い。

 動作要件も特徴的で、DisplayPortの入力が2系統必要。ディスプレイが合計4枚あるため、1本では帯域が足りなかったのだろう。このほか、最低スペックでCPUはIntelのCore-i7 6700、GPUはNVIDIAのGeForce GTX 1080、メモリーは16GBと要求はかなり高い。

 価格や動作要件を抑えることを考えず、高画質を求めたという点はユニークだ。2種類のディスプレイを組み合わせるというアイデアをコンセプトに留めず、製品化したという点でも興味深い。

Reported by 宮川泰明(SPOOL