Lemnisが焦点距離を調整する「バリフォーカルレンズ」を開発中、「アルバレスレンズ」を採用

 Lemnis Technologiesが同社の開発している「バリフォーカルレンズ」のデモを行った。海外ニュースサイトの「Road to VR」が報じた。

・Lemnis Demonstrates Latest Varifocal Lens Tech in New VR Headset Prototype
https://www.roadtovr.com/lemnis-demonstrates-latest-varifocal-lens-tech-new-vr-headset-prototype/

 「バリフォーカル」とは、焦点距離を変化させられるという意味。「Vergence-Accommodation Conflict」と呼ばれる、VRを体験する際の疲れの原因を軽減するために研究されている。

 通常、人の目は近くのものを見る時には内側に寄り、遠くのものを見る時は外側に開くように動く。しかしVRゴーグルではディスプレイまでの距離が一定なので、VR内で遠くのものを見た時に同様の目の動きが起こらない。ソフト処理で焦点が遠くのものに合っているように見せかけることはできるが、実際の目は動かないので、感覚とのずれが起こる。これがVRによる疲れの一因と言われている。

 バリフォーカルの考え方は、焦点距離を変化させることで目も動かし、脳にとってより自然に見られるようにするというものだ。同社のユニークな点は、「アルバレスレンズ」という特殊なレンズでこれを実現すること。アルバレスレンズは、片側が平面、反対側が曲面になっている1対のレンズを組み合わせたもの。2枚のレンズをずらすことで焦点を変化させられるという仕組みになっている。

 Oculusも「バリフォーカルテクノロジー」としてVRゴーグル内でディスプレイが前後に動く仕組みを発表していた。こちらは目とディスプレイの距離を実際に変化させることでバリフォーカルを実現する。

 いずれのアプローチも一長一短だ。Lemnis Technologiesのバリフォーカルレンズは2枚のレンズとそれを動かす機構だけでよいため、非常にコンパクトにできる。焦点距離も25cmから無限遠まで調整可能だ。しかしアルバレスレンズ自体が非常に緻密な加工が必要になるためコストが高くなる。Oculusのディスプレイを動かす仕組みは構造自体は単純だが、実装するのにスペースが必要になる。調整可能な焦点距離の範囲は公開されていない。

 Lemnis TechnologiesはVRゴーグルそのものは開発しておらず、デモもWindows Mixed Reality対応VRゴーグルを改造したものを利用していた。見方を変えれば、既存のVRゴーグルに実装できるほどのスペースしか必要ないということだ。

 Vergence-Accommodation Conflictへの対策はまだ始まったばかりと言える。解像度や視野角とは違った形での快適さへのアプローチだ。今後の展開に期待したい。

Reported by 宮川泰明(SPOOL