【ドスパラVRゲームレビュー】
動いて避けて、思い切り剣を振れ! リアルなVRバトルアクション
「TITAN SLAYER II」

Reported by 石田賀津男

 ゲームがVRになったことで、プレイヤーはあたかもゲームの空間に入り込むかのような体験が得られるようになった。迫ってくる敵を銃で撃ち、背後から迫る敵に振り返って剣で斬る。そこまでのVRゲームは今までにも多数あった。

 「TITAN SLAYER II」は、そこからさらに1歩、リアリティを高めようとしている。VR空間で剣を振るなら、速く大きく振った方が敵のダメージは大きいはずだし、敵が攻撃してきたら体を動かして避ければいい。VR空間に自分が居る、という感覚を覚えるゲームだ。HTC VIVEとOculus Riftに対応している(筆者はHTC VIVEでプレイ)。

 本作は様々なモンスターに対して、剣と銃、弓矢という3つの武器を駆使して戦うというもの。最初のステージの序盤はチュートリアルになっており、少しずつ操作方法を覚えられるようになっている。

 ゲームをスタートすると、破壊された古代遺跡のようなファンタジックな空間が広がる。前方に見える青い光の柱は移動ポイントとなっており、コントローラーのタッチパッドを押すと出るレイ(光の筋)を光の柱に向け、タッチパッドを離すことで移動できる。

 移動した先には、モンスターが登場することがある。敵はゆっくり近づいて来て噛みついてくるゾンビのようなものや、空から襲ってくるコウモリなどもいる。各ステージの最後には、重厚な鎧をまとった巨大なボスモンスターも現れる。

 武器の使い方は、プレイヤーの右肩辺りにコントローラーを持ってきてトリガーを引くと剣を持てる(背中の鞘から抜く感じ)。同様に、左肩でトリガーを引くと弓矢(反対の手で弓の弦を引いて矢を射る)。腰のあたりでトリガーを引くと拳銃を持てる。剣と弓矢はトリガーを離すと、手から落としてしまうので注意。銃はトリガーを引くたび発射でき、上か下に向けると自動でリロード。サイドボタンを押すと離すことができる。

 武器は両手に持てるので、片手に剣、片手に銃でもいいし、二刀流もできる。また武器はいくらでも取り出すことができるので、手にした剣を敵に投げて、また新たな剣を抜いて、というアクションも可能だ。

 敵とのバトルでは、どの武器を使って戦っても構わない。威力は剣が高く、特に大きく振りかぶってから敵に当てると大ダメージになる。銃や弓矢は単発威力こそ低いものの、敵の頭を狙えば大ダメージを与えられる。特に弓矢は、敵の背後から頭を射抜けば、気づかれないまま一撃で倒せるという効果がある(違う部位に当たると、小ダメージで気づかれるが)。

 徐々に近づいてくる敵に対して、最初は銃や弓矢で応戦し、接近されたら素早く剣に持ち替えて戦うのが基本だ。最初はこの持ち替えに戸惑って、剣を取り損ねたり、銃を持ったままなのに気づかずほかの武器を取ろうとして取れなかったりもするのだが、チュートリアルステージをクリアする頃には自然と別の武器を持てるようになった。これがうまくできるようになるだけで、自分が超人になったような気がして、急にバトルが楽しくなる。

 とはいえ常に戦いが楽なわけではない。正面からゆっくりした球を投げて攻撃してくる敵に対して、銃や弓でのんびり応戦していたら、いつの間にか左右の視界の外からモンスターが目前に迫っていて、慌てて剣を掴み直して脳天をカチ割るように剣を振り下ろす……としている間にゆっくりした球の直撃を食らっていたりもする。

 こんな時にも慌てず対処したいものだが、ただ武器を掴んで急いで敵を倒すだけでなく、敵から少し距離を取るとか、投げられた球を移動して避けたりもできる。移動というのは上で述べた光の柱によるものではなく、プレイヤーが足で動いて移動するということ。無制限に逃げられるわけではないが、ルームスケールの許す範囲で移動できる。

 ちなみにSteamでの情報には、プレイエリアは着席・立位・ルームスケールに対応とあるが、このように体を使って敵の攻撃を避けるなどのアクションがあるため、現実的にはルームスケールがないと満足に楽しめないと思う。さらに筆者のプレイ環境は、ルームスケール最小サイズがギリギリで取れる程度しかなく、すぐ体が壁に当たるわ、焦って振った剣で壁をへこませるわで大変である。なるべく広い部屋でプレイしてほしい。

 ボス戦では、敵も様々な攻撃を仕掛けてくる。最初のボスは、巨大な斧を大きく振りかぶって攻撃してくるので、縦に振り上げた時は左右に、横に振りかぶった時はしゃがんで攻撃をやり過ごせる。その隙に、頭なり足なりに剣を叩き込んでやる。

 また次のボスは、衝撃波のようなものや、巨大な盾などを投げて飛ばして来る。これも移動して避けてもいいが、剣を合わせるように当ててやることで、軌道をそらすような回避もできる。何なら巨大な武器を両手に持った剣で防ぎきれないかと思ったが、これはあっさり叩き潰されたりもした。このあたりの挙動ははっきりとはわからないが、そういう試行錯誤ができること自体が面白い。

 なおプレイヤーは攻撃を受けるとHPが減っていき、0になると倒されてしまう。とはいえ、すぐ直前からコンティニューできるので、必要以上に怖がる必要はない。ステージクリア後のスコア判定に影響するだけのようだ。

 本作のいいところは、現実には体験できないリアルなバトルを、全身を使って実現できる点であることは間違いない。プレイエリアの許す限り自由に動いて、なおかつ剣を振って戦えるというのは、様々なVRコンテンツに触れてきた筆者でも意外と未知の体験だ。子供の頃に遊んだヒーローごっこを現実化したような楽しさがあって、男の子(年齢問わず)なら間違いなくハマりそうな手ごたえがある。

 また本作はグラフィックスの美しさも売りの1つで、血しぶきとともに部位が欠損する残虐表現もリアル。実は筆者はゾンビものやスプラッター表現は好みではないのだが、正直に言ってそんな好みはどうでもいいくらい、アクションの楽しさに集中していた。グラフィックスがどうでもいいと言いたいのではなく、残虐表現が嫌いだから遊ばないというのはあまりにもったいないと感じる楽しさなのだ。

 もう1つ大事なこととして、本作は移動を伴う激しいアクションゲームであるにも関わらず、プレイ中に酔いの感覚が一切なかった。移動はポイントへのジャンプと、ルームスケール内の歩行に限られており、ベルトコンベアー的な自動移動がないためだと思われる。それでもフィールドを探索している気分はしっかり味わえており、酔い対策の点から見ても完成度の高いコンテンツだと感じた。

 なお本稿の執筆時点(2018年11月13日)では、本作は早期アクセス版が提供されている。そのためステージは最初の2つだけが公開されており、今後順次アップデートで追加される予定となっている。まだ序盤のステージだけあって、敵の攻撃はゆっくりで避けやすいが、先々で猛烈な攻撃がやってきたら大変だと思う。何せ今の時点でも、ステージを1つクリアしただけで汗だくになるほどの激しいアクションを楽しめているのだから。

・TITAN SLAYER II
https://store.steampowered.com/app/906770/TITAN_SLAYER/