「東京ゲームショウ2018」でアジア競技大会eスポーツ部門出場の選手が凱旋報告
「ウイニングイレブン2018」では金メダルを獲得

 東京ゲームショウ2018のビジネスデイ初日となる9月20日、一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)主催による、アジア競技大会のeスポーツ部門に出場した3選手の凱旋報告会が開かれた。

 2018年8~9月にインドネシア・ジャカルタで開催されたアジア競技大会では、参考種目として6タイトルのeスポーツ種目が取り入れられた。JeSUではこのうち5タイトルで東アジア地区予選に日本選手を送り、「ウイニングイレブン2018」と「ハースストーン」の2種目でアジア競技大会への出場権を獲得。さらにアジア競技大会では「ウイニングイレブン2018」で金メダルを獲得している。

 最初にJeSUの岡村秀樹会長が挨拶。「2022年には正式競技になるといわれるところに、日本選手を送り出せた。日本から国際大会に頻度高く送り出していきたい。それが日本のeスポーツののすそ野を広げ、新たな選手の参入にもつながる。日本でのeスポーツ拡大と発展の一助にしていきたい」と語った。

 続いて、アジア競技大会に「ウイニングイレブン2018」で出場した杉村直紀(SOFIA)選手と相原翼(レバ)選手、「ハースストーン」で出場した赤坂哲郎(Tredsred)選手、日本チームのマネージャーを務めた羽染貴秀氏がステージに登場。試合内容などを振り返った。

左から杉村直紀選手、相原翼選手、赤坂哲郎選手と、マネージャーを務めた羽染貴秀氏

 「ウイニングイレブン2018」では、各国から2人の選手が出場し、1対1で2試合行ったほか、2対2での試合も行い、その勝ち数が競われた。決勝戦ではイランと対決。1試合目に登場した杉村選手は敗北。「見たこともないフォーメーションで戸惑った。トリッキーなプレイで対処が難しかった」と悔しさをにじませながら語った。

 相原選手は「杉村選手が負けるとは思わなかった」と言いつつも、「驚いた部分もあったが、逆に気持ちを切り替えられて、2戦目、3戦目といい気持ちで臨めた」という。結果的に、2対2での2戦目、相原選手1人での3戦目に勝利して金メダル獲得となった。杉村選手は「アジアトップレベルの選手が集まるだけに、拮抗してタフな試合が多かった。1試合目を落として気持ち的にも難しかったが、相原選手と気持ちを上げて2本目取り返せたのがよかった」と語った。

 「ハースストーン」に出場した赤坂選手は、1戦目でインドの選手に敗戦。「相手はいつもやっているメンバーでよく知っていたが、会場の雰囲気や、アジア大会全体の雰囲気がいつもの大会より大きかったので興奮した」という。負けて悔しい気持ちよりも、大きな大会で戦った喜びを語ったのが印象的だ。

 今後の目標について聞かれると、杉村選手は「今後どんな大会があるかわからないが、参加する大会はすべて優勝を目指す」、相原選手は「いろんな大会で安定した成績を残せるよう頑張りたい」、赤坂選手は「来月シンガポールで開催される公式大会を始め、好成績を残したい」と語った。

 最後に岡村会長より、日本・サウジアラビアeスポーツマッチについての説明が行われた。これはサウジアラビア政府と日本政府の間で2017年に結ばれた国家間プロジェクト「日・サウジ・ビジョン2030」の一環として実施されるもので、2019年1月にリヤドと東京の両都市で開催される。種目は「ウイニングイレブン2019」、「鉄拳7」、「ストリートファイターV アーケードエディション」で、さらにタイトルの追加も検討中としている。

 報告会終了後の質疑応答では、普段のフィジカル・メンタルのトレーニング内容を聞くものがあった。3選手の回答は、どれもアスリート的なトレーニング方法を示すものはなく、独自に各タイトルを練習するという部分に終始しているように感じられた。

 そもそもeスポーツにおいて、他のスポーツアスリートのようなトレーニングが必要かどうか、という是非は改めて問う必要はある。ただ、フィジカルはともかくメンタルのトレーニングは、他のスポーツ以上に必要になることは容易に想像できる。

 JeSUは複数のタイトルで選手にプロライセンスを与え、選手の育成にも取り組むとしている。国内で有力選手を選考して送り出すのと同時に、eスポーツ選手をどのように育成・サポートしていくかということもeスポーツのさらなる発展に向けての課題となる。JeSU自体がまだ発足から1年足らずなだけに、今後の活動がより注目を集めることになりそうだ。

 なお東京ゲームショウ2018の会場では、ホール11に2つの大型ステージが用意され、「e-Sports X」と名付けられたeスポーツイベントが開催される。

 また同ステージの近辺には、eスポーツ関連のブースを集めた「e-Sportsコーナー」も展開されている。

Reported by 石田賀津男