【ドスパラVRゲームレビュー】
いつでも気軽に山歩き! 謎の遺跡も巡るVRトレイルラン
「VR Jogger」

Reported by 石田賀津男

 VRの持つ魅力の1つに、気軽に行けない場所や実在しない世界を仮想体験できることがある。筆者は子供の頃に何度か登山をしたことがあるのだが、今は体力的に気軽にはできないし、それ以上に山へ行って登るための長い時間が作れない。

 「VR Jogger」は、気軽に山でのジョギングを楽しめるコンテンツ。要はVRで「なんちゃって山歩き」をするわけだ。正確には、とある島のあちこちを巡るというもので、海も山もある。

 プレイ内容は至ってシンプル。両手にコントローラーを持ち、歩いたり走ったりする時のように腕を振るだけ。その動きに応じてVR空間を走ることができ、山間の道をどんどん進んでいく。

 トレイル(登山道)は3つのコースが用意されており、それぞれ3分、6分、13分の想定プレイ時間が設定されている。各コースごとにベストタイムが記録されるようになっているが、時間制限はない。途中で腕を振るのをやめて、立ち止まって周囲の風景を楽しんでも構わない。

 コースを選んだら、腕を振って進むのみ。進むルートはコースごとに固定されており、自分で好きな場所へと走れるわけではない。いわゆるベルトコンベア式のコンテンツだが、腕を動かさなければ進まないというのが本作のポイント。島の風景を楽しみながら運動してもらおう、というのがコンセプトだ。進行方向は変えられなくとも、頭を動かせば周囲の風景を自由に堪能できる。

 スタート地点は山間部にあるが、少し進むと海が見えてくる。ヨットが停泊している港や、岬に立つ灯台も見える。草原には動物がいるし、空を見れば鳥も飛んでいる。時折、飛行機が飛んできたりもする。

 またコースによっては、モアイ像やマヤ文明風のピラミッド、謎の城壁など、なぜここにあるのかとツッコミを入れたくなる遺跡が登場する。とはいえ、ひたすら自然の風景ばかりが出てくるよりは、こういった変化がある方が飽きなくて面白いとは思う。

 これに加えて、本作には時間や天候の変化もある。スタート時は美しい星空が広がる夜だったのが、途中で美しい日の出が楽しめたりする。そうかと思えば、いきなり雷が鳴り響く豪雨がやってきたりもする。同じコースを選んでいても、天候が違うと雰囲気もずいぶん変わる。

 周囲の音も変化する。鳥のさえずりや木々のさざめきを聞きながら、朝露のありそうな山道を散歩できる。映像と音の感覚が合わさると、リアリティがぐっと増してくる。夏場の今だと、エアコンの温度を少し下げて、風の当たる場所でプレイするのがいい。ひんやりした風が肌に当たると、気分は完全に高地の朝だ。

 そうでなくとも、エアコンは温度を下げ気味にした方がいい。何せ腕は数分間動かしっぱなしなので(休んでも構わないのだが)、気づくと結構な運動になっていて、汗ばんでくる。ロングトレイルを選ぶと、10分以上も動きっぱなしだ。「10分腕を振った程度で運動だなんて、軟弱な!」と言われそうだが、実際は腕だけでなくなぜか体も動いてしまう。開発者の想定どおり、まんまと運動させられている。

 本作はトレイルランをするというシンプルな内容で、操作も走るように腕を動かすという直観的なものなので、VRコンテンツとしては実にわかりやすい。Steamから無料でダウンロードできるので入手も簡単だ。

 唯一の注意点は、山間部を走るため上下動が大きく、進路が決まったベルトコンベア式なので、ややVR酔いしやすいこと。中断してもペナルティはないので、無理せず休んでいただきたい。