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「98ライン」WyverN選手 & Hollis選手、苦楽を共にした「LJL 2019 Spring Split」――Rascal Jesterインタビュー韓国人選手編――


eスポーツに限らず、シーズン終了後のインタビューと言えば優勝チームに聞くのが定番です。ところが今回、League of Legends(以下LoL)の国内プロリーグ「LJL」で7位に終わったRascal Jester(以下RJ)の所属選手にインタビューしてみませんか、という依頼が筆者のもとにやってきました。


プレーオフに進出したチームへのインタビューにシーズンの振り返りを盛り込むことはあっても、進出を逃したチームに対してシーズンの振り返りをテーマにインタビューするというのは、筆者としても初めての経験です。


少し慎重なテーマではあるものの、「LJL」韓国語通訳として毎週顔を合わせてきた筆者であれば選手たちも少しは話しやすいのではないかと思い、思い切って実施してみました。今回の記事では、RJの主軸として活躍した2名の韓国人選手、JunglerのWyverN選手とMidレーナーのHollis選手による率直なトークをふんだんに盛り込んであります。「LJL」公式サイトに掲載されているデータや動画を片手に読んでいただけると、より一層楽しめるかもしれません。


一時は暫定4位、プレーオフも狙える位置に

姿を現したのはWyverN選手のみ。韓国へひと足先に帰国したHollis選手とは、この場でオンライン通話をしながらインタビューを実施。


――2019年1月19日にSpring Splitが開幕しました。RJは初戦のAXIZ戦で1勝をあげたのち4連敗となりましたが、まずは当時のチーム状況や雰囲気がどんな感じだったのか聞かせてもらえますか。


WyverN「最初はなかなか息が合わない感じでした。ちょっと今シーズンは厳しいかな、と思いましたね」


Hollis「僕も正直、簡単ではないなと感じました。でもチームのみんなもすごく頑張っていたので、無理だとは決して思わなかったですよ」

試合に臨むHollis選手


WyverN「あとこれは仕方なかったんですが、1onzコーチのビザの発給が少し遅れたのも負けが込んだ理由のひとつかもしれません。Lillebeltコーチは今シーズンからコーチ業以外の業務も任されるようになったので、スクリムをあまり見ていない状態で試合に臨まなければならないこともありましたから」


――チームの体制があまり整っていなかったんですね。しかしその後、V3 Esports(以下V3)に勝ったのを皮切りに4連勝しました。ここで勢いに乗れた感じでしたか。


Hollis「V3戦は運が良かったんです。V3は直前の試合で逆転負けを喫してしまい、メンタルが良くない状態で僕らと対戦したんですよ。こちらは準備してきたヤスオ・グラガスが上手くいって、自信もつきましたね。それからBurning Core(以下BC)戦のときも運が良かったのが、彼らインフルエンザで主力選手が出られなかったんですよ」


WyverN「正直Cogcog選手かYutorimoyashi選手のどちらかが出ていたら、負けていたんじゃないかなと思います(笑)」


――なるほど(笑)。では、Crest Gaming Act(以下CGA)戦についてはどうですか。


WyverN「1回目のCGA戦で僕がカーサスを使って、ボコボコにやられたんですよ。その後、何かでカーサスADCをやっているところを見て、すごく良さそうだなって思って。それを2回目のCGA戦で上手く使って、勝つことができました」


Hollis「あのときは相手がどんな戦い方をしてくるか、なんとなく読めていたんです。だからわざとアカリを空けて、僕は自信を持っていたルブランを使いました。チームとしても練習どおりレベル1でカウンタージャングルに成功し、上手くゲームを進めることができたと思います」


――準備したとおりにできたわけですね。では、その次のUnsold Stuff Gaming(以下USG)戦はどうだったんですか。

© 2019 Riot Games. All Rights Reserved. 


WyverN「USGのときは、自信のある構成が使えたので勝利できたんだと思います。Botレーンに強いチャンピオンをもってきてレーン戦で勝って、Topレーンはサイオンで耐えてもらって、序盤に強いオラフで時間を稼いでアジールがキャリーできるようにする戦い方です」


Hollis「USG戦は、準備が難しかったのを覚えています。1回目のUSG戦では、ガリオがMidレーンへ行くのかなと思ってリサンドラを出したら実はADCで、相手にカウンターピックをされて負けたんです。そのせいで、相手が何をしてくるか想像できませんでした。でも2回目では相手の構成を見たところレンジが短くて、こちらがレンジの長いチャンピオンで戦えば合うんじゃないかと思ってアジールを使ったところ、上手く機能しましたね」


プレーオフ進出失敗、下位に沈んだ終盤戦

――この4連勝で波に乗れたかと思ったんですが、その後は何と7連敗。一体、何があったのでしょうか。


Hollis「僕らが4連勝したときは、メタがチームと合っていたんです。DetonatioN FocusMe(以下DFM)戦がそのメタの最後で、彼らはすごく強いので負けましたけど(苦笑)。その後メタが若干変わって、上手く適応できませんでした」


WyverN「ADCのクリティカル系アイテムにパッチが当たって、ADC中心にゲームをつくっていくようなチームが有利になったんですよね。最初の週はメタに適応できなくて負けたんですが、その次の週は運悪くスクリムが立て続けにキャンセルとなり、あまり練習ができない状態で試合をしなければなりませんでした。それでAXIZ戦はもうソロキューで使ってるような自信のあるピックを各自使ったんですけど、まあ勝てないですよね」


――悪条件がたまたま重なってしまった、と。


Hollis「でもUSG戦の敗北は、僕のミスです。今のメタで、アジール相手にライズを使うべきではなかったと思います。しかも、相手がザックを使うことも想定外でした。ライズはザックに弱いんです。ジャンプするのを止めることもできないし避けることも難しいので。だからプレイしながら『ああ、何でこのピックにしちゃったんだろう』って何度も自責の念にかられました。あとは相手に青バフを渡してしまったのも、思いのほか大きかったですね。僕のレーン戦がかなりきつくなっちゃって」


WyverN「あのときはBotの2人がリコールタイミングをちょっと間違えてしまって、合流ができず青バフを渡してしまいました。僕はレベル6で相手のザックはレベル5だったので、戦える構図だったんですけどね」


――その後Week9でBC戦に勝利し、ようやく連敗を止めることができました。最終的にBCには、2-1で勝ち越しも決めていますね。

WyverN「あのときBCは連勝中だったので悪くなかったんじゃないかと思いますが、僕らに負けてから上手くいかなくなったようでした」


Hollis「BC戦では僕へのターゲットバンを5つされたものの、一番相手にしやすいリサンドラを残してくれたので良かったです。僕がリサンドラを使う感じがしないプレイスタイルなので相手も考えていなかったんじゃないかなと思いますが、実は結構練習してました」


――さて、ここまで今シーズンのいろいろな試合を振り返っていただきましたが、全体を通して印象に残っているチームってどこですか。


WyverN「Sengoku Gaming(以下SG)ですかね。そんなに強そうな感じはしなかったんですよ。だけど試合になると上手いので印象に残ってますね。スクリムのときも僕らが結構勝てていたのに、試合では全部負けちゃいましたし。DFMにも勝ったのを見て、不思議なチームだなと思いました」


Hollis「僕はAXIZですね。正直、日本人5人って今のLJLだとキツいじゃないですか。でもたまたま観客席で観戦したときに、彼らの試合中のやり取りが聞こえてきて。本当にとてつもない努力をしているのが感じられて、すごいと思いました」


楽しかったオールスターやファンとの交流

――振り返りついでに、オールスターのお話も聞いちゃいます。WyverN選手はチームリーダーとなり、Midを担当。TopがReiya選手、JunglerがLuna選手、ADCがRoki選手、SupportがKeymaker選手でした。


WyverN「あのときはLuna選手がJungleをやりたいと言ってきたので、僕がMidをやることにしたんです。Luna選手はリー・シンに自信を持っている様子でしたが、エピソードがひとつあって。序盤に相手がBotレーンでガンクを狙いに来ているのが見えたんですけどRoki選手がデッドしちゃって、その3秒後にリフトスカトルの争奪戦で今度はLuna選手がデットしたんです。そしたらいきなりLuna選手が『Bot差だな』、とか言いだして(笑)。Roki選手とKeymaker選手とは、ほぼ初対面だったんですけどね。彼らも『いやいやJungle差でしょ』って言い返したりしながら、楽しくゲームができたので面白かったです」


――オールスターを通じて、選手同士も仲良くなれたみたいですね。Hollis選手のほうはviviD選手がADCだったのを除いてTopがNap選手、JunglerがFlaw選手、SupportがEnty選手というほぼロール通りのチームでしたがどうでしたか。


Hollis「ほかの韓国人Midレーナーは最初に選ばれていたのに、僕だけ3番目に選ばれて悲しかったです(笑)。まあそれはいいとして、Flaw選手があの会場で試合をするのは初めてだったので、良い経験をさせてあげたいなという気持ちがありました。だからポジションも変えずにプレイしたんです。個人的には僕のトレードマークみたいなチャンピオンであるゼドをシーズン中に2回もほかの選手に使われてしまったので、そういう意味でもゼドがやりたかったっていう裏話があります。Art選手もオールスターでゼドを使ったんですけど、負けていたのを見て安心しました(笑)」


――そういえばFlaw選手のイヤホン装着を手伝ってあげているところがファンの間で少し話題になりましたが、あれはどんな状況だったんですか。


Hollis「Flaw選手が、味方の声が聞こえないって言うんですよ。なんでだろうと思って見たら、イヤホンをつけないでヘッドセットだけ装着してたんですよね(笑)。だからイヤホンをつけないとダメだよと言ったんですが、つけ方もわかっていなかったので手伝ってあげました」


――新人選手らしい可愛いエピソードですね(笑)。ファンの人たちも謎がとけたことでしょう。そんなファンの皆さんとの交流の場でもあるファンミーティングが今シーズンは毎回ありましたけど、どうでしたか。

WyverN「来てくださると本当に嬉しいんですけど、うちのチームってあまり来てもらえなくて(苦笑)。最初は知らなかったんですけど、ほかのチームのファンミーティングに参加してみたらすごい大勢来ていて、なるほどなと思いました」


Hollis「僕の場合、誰かが自分のプレイを見てくれることが嬉しいんです。だから試合を見て、何か感想を言ってくれたりするのは本当に良かったですね。もちろん、差し入れもありがたかったです」


1シーズン、苦楽をともにした仲間たちへ……

――さて、そろそろまとめに入りたいと思います。まず先に、今シーズン一緒に頑張った日本人選手とコーチ陣へのメッセージを聞かせてください。


WyverN「日本人選手たちはストレスが多かったと思うんですが、それを表に出さずに頑張ってくれたので感謝しています。1onzコーチはV3から一緒なんですけど、前のチームでは求められていることがすごく多くて、休まずに仕事していた記憶があります。RJに来て少しはゆったり仕事できたんじゃないかなと思いますが、やっぱりストレスも多かったことでしょう。Lillebeltコーチもそれまでやったことのないほかの業務に追われて大変だったと思うので、2人にはお疲れさまと言いたいですね」


Hollis「僕も1onzコーチとLillebeltコーチには、本当にお疲れさまでしたという気持ちでいっぱいです。日本人選手たちが一生懸命頑張ってくれたのも、重々承知しています。僕なりにいろいろとゲームのことを教えたつもりではありますが、結構キツく言ってしまったりしたこともあったので、僕についてきてくれてありがとうと言いたいですね。もし彼らが挫折していたら、もっと悪い結果だったと思うので」


――まさにチーム一丸となって掴んだ7勝ですね。では、今日のハイライト。最後に、お互いに向けてメッセージをお願いします!


WyverN「僕はRJというチームに慣れているからいいんですけど、Hollisにとっては慣れないチームだったわけで、最初は苦労もあったんじゃないかなと思います。僕の立場からすると同い年の韓国人チームメイトが初めてで、それが良かったですね。友達みたいな感じで仲良くなれて、休みの日とかに一緒に遊びに行ったりできたおかげで、上手く気分転換ができた気がします」


Hollis「正直、苦しいシーズンをともに過ごしたので、WyverNにはお疲れさまと言いたいですね。僕も同い年の韓国人チームメイトはこれまでほとんどいなかったので、楽しかったです。これからもお互いに頑張ろう!」



決して軽いテーマではなかったにもかかわらず、明るくインタビューに応じてくれたWyverN選手とHollis選手。タイトルにある「98ライン」とは「98年生まれの仲間」という意味で、韓国で若者を中心に使われている表現です。お互いへのメッセージにも表れているように、時にチームメイトとして、時に友達として、苦しいことも楽しいことも分かち合ってきた良い仲間であったのだなあと感じました。 


そして、次回は日本人選手編をお届けしますので、皆さんお楽しみに!


さあ、新しいゲーミングワールドへ。

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