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配信は「日本のファンの皆さんとのコミュニケーション」のため――Sengoku Gaming所属Blank選手インタビュー後編――

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お待たせしました!この記事は前編の続きとなります。前編をお読みになっていない方は先にそちらをご覧いただいてからこちらに戻ってきていただけると、より読みやすいかと思います。では早速続きをどうぞ。

前編:

Worldsは「楽な気持ちで練習室でゲームしているかのように」――Sengoku Gaming所属Blank選⼿インタビュー前編――

目次[非表示]

  1. 1.「僕がもう少し日本語ができていたら……」
  2. 2.韓国で一番人気のEvi選手と「もっと仲良くなりたいな」
  3. 3.「日本国内のユーザーが増えたら必然的に上手い選手も出てくる」


「僕がもう少し日本語ができていたら……」


――これまで中国と韓国のチームを経験してきたBlank選手ですが、初めての日本チームはどんな印象でしたか。


Blank:

SGは日本のチームで間違いないんですけど、コーチが韓国人の方なので練習は韓国式に近いタイトな感じでしたね。チームメイトはみんな明るくて良い人ばかりで、話もたくさんしたし、みんなで美味しいものもいっぱい食べました。

運動もTaka選手がまるでスポーツインストラクターのようにメニューを組んでくれて、どのトレーニングを何回って感じで決めていっしょにやるんですよ。Taka選手は重いものを持ち上げる系が得意みたいで、昔の写真を見たら筋肉がすごかったです(笑)。


――話に上がったPooManDuコーチについてですが、そもそもBlank選手が連れてきたのでしょうか。


Blank:

僕が連れてきたというよりも、紹介した感じですね。当たり前ですけど、最終的に決めたのはPooManDuコーチですから。チームからは僕の加入が決まってから「韓国人コーチがいたほうが楽か」と聞かれて「韓国人のコーチがいてくれたらいいなとは思う」みたいな感じで答えたと記憶しています。


――LJL Summer Splitは6位という厳しい結果となりましたが、Blank選手にとってどんなシーズンでしたか。


Blank:

やっぱりコミュニケーションの面で韓国チームでプレイしているときとは全く違いますから、日本語にも慣れなくて聞き取れない言葉もあって思い通りにいかない部分も正直ありました。

残念だったのは、勝てる試合を落としてしまったパターンが多かったことですね。最終的に成績がふるわなかったのも残念です。「僕がもう少し日本語ができていたら……」という思いもありますね。


――ゲーム内での日本語はどのくらいできますか。


Blank:

聞き取りはだいぶできるようになってきて、ゲーム内の基本的なコールも言えるようになってきたんですけど、具体的な話がもっとできたらなとは思いますね。ゲーム内では5人の息を合わせないといけないのに、シーズン前半は意思の疎通が難しかったんですよ。シーズン後半は僕の日本語が少しずつ伸びてきたのと、メンバー同士がお互いに慣れてきたおかげで徐々に良くなっていったと思います。


――当初デビューしたばかりだったDonShu選手の成長の影響もあるのではないでしょうか。


Blank:

DonShu選手を見ていると、自分がデビューしたばかりのときのことを思い出すんです。ちょうど同じぐらいの歳のころだったので。彼はすごくピュアですね。勝つとすごく喜んで負けると凹みまくるので、励ましてあげていました(笑)。可愛いやつです。

あとはRaina選手についても驚いたことがあって、あるとき試合に負けて泣いていたんですよ。普段からソロランクもすごく集中してプレイしていて勝ちたいという気持ちが強い性格だとは感じていたんですけど、ああいう負けず嫌いでプロ意識の高い選手は今後伸びる可能性が高いんじゃないかなって気がします。


韓国で一番人気のEvi選手と「もっと仲良くなりたいな」

Sengoku Gaming 公式Twitterより引用


――今シーズン、一番印象に残っている試合をひとつ挙げるとしたらどの試合ですか。


Blank:

Week9のRascal Jester(以下RJ)戦で、ジャーヴァンを使ったのが一番記憶に残っています。個人的に上手いプレイができたし、チームとして勝つこともできたので良かったっていうのもあるんですけど、ファンミーティングに来てくださったファンの方がこの試合を見て「ジャーヴァンすごく上手かった」と言ってくれて、こういう形で自分のプレイが皆さんの記憶のなかに残るんだなと気づいて、ありがたいなと思ったんです。

こういうことを言ってくださるファンのためにも頑張らないとって思いました。そういう気づきがあったので印象に残っています。


――ではLJLで戦った選手のなかで、一番の注目の選手といえば誰ですか。


Blank:

注目の選手というと、やっぱりCrest Gaming Act(以下CGA)のLuna選手ですかね。年齢も若くてすごく上手い選手だと思います。このまま伸びていけば、今後何年かの間に成功するんじゃないかなって気がしますね。これからもっともっと成長する可能性を秘めている選手だな、と感じました。


――それでは、チームメイト以外のLJLプレイヤーで仲の良い選手がいたら教えてください。


Blank:

仲が良いとなるとやっぱり韓国人選手になっちゃいますけど、一番はUnsold Stuff Gaming(以下USG)のDasher選手。素直で子供っぽいところもあるんですけどそれも可愛いし、友達としていっしょにいて楽しいです。

最初は他チームの韓国人選手たちとの横の繋がりはあまりなかったんですけど、彼が紹介してくれてちょっとずつ親しくなっていきました。人気者で常にみんなの中心にいる感じですね。横のつながりがある程度できてからは、RJのWyverN選手が可愛くて憎めない奴だなと思いました。

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WyverN選手 インタビュー:

「98ライン」WyverN選手 & Hollis選手、苦楽を共にした「LJL 2019 Spring Split」――Rascal Jesterインタビュー韓国人選手編――


余談ですが、LJLで唯一V3 Esports(以下V3)のNeo選手だけが、昔からの知り合いです。ただ今シーズンNeo選手はサブに回っていたので、戦うチャンスはなくて少し残念でしたね。


――できればLJLの日本人選手についての話も少し聞きたいです。


Blank:

すごい選手だなぁと思って見ていたのが、DetonatioN ForcusMe(以下DFM)のEvi選手です。もうベテランの域に入る選手でありながら根気よくゲームを続けているだけでもすごいのに、韓国のソロランクの点数も高いししっかりとしたプロ精神も持っていると感じたからです。

それに、韓国での人気がめちゃくちゃ高いんですよ。おそらく韓国では、日本人選手のなかで一番人気でしょうね。だからもっと仲良くなりたいな、って(笑)。


――Evi選手とは、配信で楽しそうにデュオしているのを見ましたよ。ところで先ほども日本語の話が少し出ましたけど、改めて具体的にどれぐらい日本語ができるのか聞かせてもらえますか。


Blank:

外食するときに店員さんを呼んで簡単に注文ができる程度ですね。ただし文字は一切読めないので、メニューを指さして「これ、ひとつください!」とか言ってます。

ゲーム内では「やばい」とか「たすけて」とかかな。「ガンクできる?」「ウルトない」「フラッシュある?」程度ならできます。

僕は昔から、プロゲーマーになる前から外国語には興味があって、英語・日本語・中国語はできるようになれたらいいなあって思ってたんですよ。だから海外生活から得た経験はプロゲーマーを引退した後も役に立つと思うし、機会があればもうちょっと勉強したいですね。

日本語はある程度のベースができたと思うので、完全に入門レベルの人よりは早く学べると思うし、上手くなれるんじゃないかなと思います。未来はどうなるかわかりませんけど、語学はやっておいて損はない気がします。


――LJLの公式通訳を担当している身として、心から同意します。ところで配信の話が出たのでついでに聞きたいのですが、ひとり暮らしをしていたころもやらなかった個人配信を日本で突然始めた理由は何だったんでしょうか。


Blank:

僕を応援してくれている日本のファンの皆さんとどうやってコミュニケーションをとれば良いか、そしてまだ僕のことをよく知らない日本のLoLプレイヤーの皆さんにどうすれば僕のことを知ってもらえるか、と考えたときに個人配信をやることが一番効率が良いような気がしたからです。


――これは日本人としてなんだか嬉しい話ですね。


Blank:

それで配信を始めたんですけど、やってみてわかったのがチャットが難しいこと。日本語が読めないので、いちいち翻訳機にかけないといけないのが大変でした。

さらに僕はまだ基本的な日本語しかわからないので、翻訳機でチャットの意味がわかったところで具体的に答えてあげることができないって気づいたんです(笑)。

どうすれば僕のことをもっと好きになってもらえるかなって考えた結果、自分のことを話そう、と。それでメイドカフェに行った話とか、美味しかった食べ物の話なんかをしたら、皆さん喜んでくれたように思います。


「日本国内のユーザーが増えたら必然的に上手い選手も出てくる」

LJL 2019 SUMMER ALL-STAR終了後の記念撮影(左からPaz選手、Zerost選手、Yutapon選手、eyes氏、Dasher選手、Blank選手)


――ここで今年のWorldsの話を少ししたいと思います。DFMと同じグループだったIsurus GamingがノックアウトステージでHongKong Attitudeと対戦した試合で、韓国語放送に客員解説として出ていましたね。


Blank:

DFMの試合だったら良かったのに……とは思いましたね。正直Isurus GamingやHongKong Attitudeのことはほとんど知らないので。DFMだったら良く知っているチームだからいろいろな話ができるし、楽しく放送できる自信もあったので残念です。


――では、WorldsプレイインのDFMの試合を見た感想を聞かせてください。


Blank:

同じLJLのチームだし、頑張ってほしいなと思って応援しながら見ていました。結果はあまり良くなかったかもしれませんが、彼らは十分良いプレイを見せてくれたと思いますよ。

Ceros選手のBotレーンでのカルマのムービングも本当に素晴らしかったですし、Evi選手のナーもすごく良かったと思います。もしかしたら試合内容についていろいろと言いたいことのある視聴者の方もいるのかもしれないですけど、彼らはよくやったと思うので、ファンの皆さんには引き続き彼らを応援してあげてほしいなって思いますね。


――結果は残念だったんですけど、確かに印象深いプレイを見せてくれました。そんなLJLが今後さらに発展するには、どうすれば良いと思いますか。


Blank:

僕は根本的に、日本国内のユーザーが増えたら良いなと思っています。そうすれば必然的に上手い選手も出てくるだろうし、日本サーバーがもっと盛り上がると思うんです。

僕もときどき日本サーバーでプレイしていますけど、上位帯になるとマッチングに10分20分かかってすごく待たなければならないことが多くて。そういった問題も含め、ユーザー数が増加することによっていろいろ解決するのではないかと考えています。


――プレイ人口の母数が多ければ、間違いなく可能性は広がりますよね。


Blank:

中国や韓国はユーザー数が多いので、新しい選手がどんどん出てくるんですよ。日本もユーザーが増えて上手い選手がたくさん出てくるようになれば、リーグの規模も今より大きくなって発展すると思います。

もちろん今いる選手が頑張って世界大会で良い成績をおさめることができれば、日本国内でも話題になって注目度が上がるかもしれませんね。

LJLが大きくなってより多くの人の目に触れるようになれば、そこから新規ユーザーが増える可能性もあると思うので。


――そういう意味では、Blank選手の個人配信も新規ユーザーの獲得に一役買っているのではないですか。


Blank:

僕もLoLを始めたきっかけが放送を見て面白そうなゲームだなと思ってやってみようって感じだったので、たまたま僕の配信を見てくださった日本の皆さんがLoLを始める可能性だってあるし、すでにLoLをやっている日本のゲーマーの皆さんも僕の配信を参考にして実力が上がってくれたらいいなという気持ちもあります。


――確かに、日本全体のレベルの底上げも大切ですよね。では、このインタビューもそろそろまとめに入りましょう。ぜひ日本のファンの皆さんへひとことメッセージをお願いします。


Blank:

正直に言うと、日本に来る前、LCKを見ていて当時から僕のことを応援してくれているファンの皆さんがそこそこいるだろう、と想像してはいたんです。だけどそれをはるかに超える次元で本当に大勢の日本の皆さんがこんなにも僕のことを歓迎してくれて、好きになってくれるとは思いもよりませんでした。

だからすごく嬉しかったですし、この恩をどのようにお返しすれば良いのかわからないんですけど、この場を借りて「応援してくださってありがとうございます」とお礼を言わせてください。


――ちょっと余談ですが、ファンの方がどこかでBlank選手を見かけたら声をかけてほしいタイプですか。プライベートだからといって、嫌がる人もたまにいるようですが。


Blank:

もちろんです!僕ってけっこうひとりでブラブラしてることが多いので、普通に声をかけてくれたら全然応じますよ。以前、日本の地下鉄でファンの方が僕に気づいてくれたことがあって、「サインしてください」と言うので地下鉄のなかでサインしたんです。その様子を見ていた人のなかにたまたま韓国語ができる方がいらっしゃって、ファンの方が降りたあとに心配して声をかけてくださったんですよね。

「なんか署名みたいなことさせられてたけど悪い人に騙されてない?」って(笑)。その方は僕のことを知らなかったので、自分は実はプロゲーマーでさっきの方は僕のファンでみたいな話をしたところ「韓国の友達に自慢しよう」って言ってましたね。

本当に、日本で声をかけてくださる方がいるのは不思議ですよ。嬉しいし、力にもなるので、是非声をかけてください!


――思いがけず面白いエピソードを聞かせてくださってありがとうございます。では、プロゲーマーとしての将来の目標についてお伺いして、インタビューを締めくくりたいと思います。


Blank:

僕の目標は、引退しても記憶に残る選手になることです。ファンの皆さんの記憶に残りたいんですよ。将来、「昔Blankっていう選手がいたよね」みたいな感じで思い出してもらえるように、もっと頑張らなければならないと思っています。

僕がこのインタビューの冒頭で「子供のころNal_rA選手やFlash選手が好きだった」と言ったみたいに、誰かが「Blank選手のことが好きで応援していた」みたいに言ってくれる日が訪れたら良いですね。



Blank選手へのロングインタビューは以上です。読者の皆さんも長文にお付き合いいただきありがとうございました。そして何よりもソウルまで往復3時間、インタビューすること1時間半という貴重な時間を費やしてくれたBlank選手にもお礼申し上げます。


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スイニャン
スイニャン

Twitter:https://twitter.com/shuiniao

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