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OooDaが振り返る、2019年eスポーツ大会の忘れられない名シーン!【前編 - パズドラ・CS:GO】

数多くのタイトルで大会が行われ、国内でもますますeスポーツの盛り上がりを感じる年となった2019年。今年も残すところ、わずかとなってきました。


そんな2019年を振り返るべく、幅広いタイトルで実況を務めるeスポーツキャスターのOooDaさんに、今年行われた大会の中でも、特に印象に残っている名シーンについて語っていただきます。


「挙げればキリがないほどある」とのことですが、今回はOooDaさんが出演された国内の公式大会を中心として、『パズドラ』『CS:GO』『スマブラSP』『PUBG』の4タイトルから、名シーンをピックアップいただきました。


2019年、それぞれの大会ではどんなドラマが生まれていたのでしょうか。前編では、『パズドラ』と『CS:GO』の名シーンについてご紹介します。ぜひ大会動画と合わせてご覧ください!

目次[非表示]

  1. 1.【パズドラ】あっき~選手 VS ゆわ選手、圧巻のパズル対決
  2. 2.【CS:GO】チーム「Ignis」のとんでもない連携プレイ


【パズドラ】あっき~選手 VS ゆわ選手、圧巻のパズル対決


 © GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

【ゲームタイトル】

パズドラ


パズルRPGゲーム『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』の連動アプリ『パズドラレーダー』の対戦モードを使用した対人戦。スキルフェーズとパズルフェーズの2つを繰り返しながら進行する。消したドロップに応じて相手にダメージを与えることができ、4つに分かれた相手のHPゲージをより早く0にした方が勝利となる。


【大会名】

ドラゴンブースト presents パズドラチャンピオンズカップ TOKYO GAME SHOW 2019 決勝大会


【アーカイブ動画】

ドラゴンブースト presents パズドラチャンピオンズカップ TOKYO GAME SHOW 2019【決勝大会】生中継 - YouTube

▲1時間3分~1時間29分付近(クリックで該当シーンからスタート)


――まずは、ピックアップいただいた名シーンの1つ目からお話をうかがっていきたいと思います。東京ゲームショウで開催された「パズドラチャンピオンズカップ決勝大会」の準決勝の試合ですね。この試合で対戦した2人の選手について教えていただけますか?


OooDa:

あっき~選手は、今年の『パズドラ』の大会において優勝を総なめにしてきた選手です。圧倒的な強さを誇っていて、この大会も連覇するだろうと言われていました。入場シーンを見ていただければわかるように、なによりこの『パズドラ』を楽しんで大会に臨んでいるプレイヤーですね。


対するゆわ選手は、とにかくパズルの組み立てがすごい。15歳という若さなんですが、プロ選手の中でも頭1つ抜けたパズル力を持つプレイヤーです。ただ、それまでプロの大会で上位入賞はしていても、優勝した実績はなかったんです。こうした背景もあって、僕としては正直あっき~選手が勝つだろうと思っていました。


――連覇をかけたあっき~選手と、初優勝を狙うゆわ選手の戦い、ということですね。


OooDa:

その通りです。この戦いに関しては、印象的な1シーンがあったというより、2人の対決全体を通して名試合でしたね。2本先取で勝ち抜けのルールで、1試合目はあっき~選手が勝利。「さすがだな」という流れだったのですが、2試合目はゆわ選手が勝利します。


そして、3試合目であっき~選手は「オーディン=ドラゴン」という得意キャラクターをリーダーに選ぶのですが、ゆわ選手はそれを読んで同じキャラクターをぶつけてきたんですよ。このリーダーを使った試合で重要なのは、緑と黄色のドロップをいかに十字消しできるか。このパズル勝負で勝ったのは、ゆわ選手でした。

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▲一瞬で複数の十字を作り上げる、ゆわ選手(画面右)のパズル力に注目。


――大会配信の中で、ゆわ選手が「パズルの神」と表現される場面もありましたね。いったい何が見えているのかと思うほど、一瞬でパズルを組み立てていくプレイに驚きました。


OooDa:

『パズドラ』の対戦では、各キャラクターが持つスキルで、相手の盤面を妨害する効果を発動させることができます。その中に、相手のパズル時間を短くさせるスキルがあるんですが、ゆわ選手はそれを使われても一瞬でパズルを組み立ててしまうんです。


それから、見てください! この2人の楽しそうな姿。これまでの試合では、ゆわ選手はあまりこういう姿は見せなかったんです。試合中に笑顔を見せているんですよ、2人とも。


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▲試合中にお互い笑顔を見せる、あっき~選手とゆわ選手。


試合が終わった後、2人とも「本当に楽しかった」「こんなに楽しい試合は初めてだったかもしれない」と言っていて、心から楽しんでいたんだなと。2人とも素晴らしいパズル力を持つ選手ですし、「2019年、いったい誰があっき~選手を止めるのか!?」と言われていた中での勝負だったので、本当に面白かったですね。


ゆわ選手はこの後の決勝戦でも勝利して、最年少での優勝を果たしました。この大会の後、ゆわ選手はとても多くのメディアに取り上げられたんですよ。ファッション雑誌の『anan』 や、スポーツ雑誌の『Number』に載ったりして。


――すごいですね! ゆわ選手は中学3年生で、JeSUジュニアライセンスの規定によって賞金が受け取れなかったために、それが大きな話題になったという出来事もありました。


OooDa:

彼らの表情を見ていただければ伝わると思うんですけど、賞金の有無で戦っているわけじゃないんですよね。『パズドラ』のプロ大会ができてから、ゆわ選手はずっと入賞しても賞金はもらっていなかったし、そのルールでやってきていたので、僕としては「今頃そこが話題になるの!?」という驚きもありました。


たしかに賞金の渡し方については、いろいろ議論の余地もあったのかもしれませんが、ゆわ選手自身は、優勝した後に「ジュニアライセンス最後の年で、しっかり優勝できて良かったです」とコメントしているんです。そういうところも含めて、皆もっと大会をちゃんと見てくれていたら、もう少し反応も違ったかなと思いますね。


【CS:GO】チーム「Ignis」のとんでもない連携プレイ



【ゲームタイトル】

Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)


テロリストとカウンターテロリストに分かれ、5人vs5人で対戦するFPSゲーム。テロリストは、相手を全滅させるか、C4爆弾をマップ上にある設置ポイントに設置して爆破させれば勝利。カウンターテロリストは爆弾を設置される前に相手を全滅させるか、爆弾を解除すれば勝利。15ラウンドで攻守交代し、先に16ラウンド先取したチームの勝利となる。


【大会名】

GALLERIA GLOBAL CHALLENGE 2019(GGC 2019) Grand Final


【アーカイブ動画】

GALLERIA GLOBAL CHALLENGE 2019(GGC 2019) Grand Final - Twitch

▲3時間24分~3時間25分付近(クリックで該当シーンからスタート)


――ピックアップいただいた名シーンの2つ目は、『CS:GO』の国内大会「GGC 2019」での試合ですね。まずは、対戦する2チーム「Absolute」と「Ignis」について教えてください。


OooDa:

『CS:GO』のeスポーツシーンにおいて、国内では 「Absolute」が優勝続きで、一強とも言えるトップチームです。それを崩すべく、背中を追い続けているライバルチームが「Ignis」。この2チームによる戦いです。


これまで、「Ignis」は1度だけオンライン大会で「Absolute」に勝ったことがあるんですが、それ以外の大会では、ずっと「Absolute」に勝つことができていないんです。


――その2チームが戦う決勝戦における「Ignis」の”とんでもない連携プレイ”とは、どんなシーンだったのでしょうか?


OooDa:

この日、1戦目は16-11で「Absolute」が勝利。続く2戦目も、「Ignis」は13-7と大きく差をつけられてしまいます。16ラウンド先取したチームが勝ちなので、「Absolute」があと3ラウンド取ったら試合終了という状況です。



▲13-7で「Absolute」が優勢の展開(スコアは画面上部に表示)


マップには、AポイントとBポイントがあって、そのどちらから攻めるかというのが戦略の1つなのですが、「Absolute」はずっとBポイントを攻め続けていたんです。「Ignis」は、なかなかそれを止めることができませんでした。



そういう状況の中で、この日最も会場が盛り上がったのが、「Ignis」のプレイヤーが縦に4人重なるトーテムを作って「Absolute」を止めるシーン。この大会で僕は、実況ではなく総合MCとして出演しているんですけど、会場でこのシーンを見た瞬間、鳥肌が立って泣きそうになってしまって。

▲プレイヤーを4人重ね、高所からの奇襲に成功した「Ignis」。


――えっ、そうなんですか! そんな感動的なシーンだったとは……!


OooDa:

僕は、両チームよく知っている選手がいて、特に「Ignis」のneth選手は、かなり古い付き合いなんです。 
 
「DetonatioN Gaming」が設立された当初(2012年)、まだ『Counter Strike Online』というタイトルのチームしかなかったんですけど、その時のチームメンバーでした。
日本代表になって海外に行く時に、チームメンバー全員が僕の狭いワンルームに泊まったりもして(笑)。  
 
それくらいよく知った仲なんですが、試合を見ていてやっぱり国内トップの「Absolute」と戦いは厳しいんだなと。 そうした中で、「Ignis」の意地を見た瞬間でした。ここからは流れが変わって、13-9まで追いつき出すんです。 
 
彼ら毎年、ステージで悔し泣きしているんですよ。今年も後がないところまで追い込まれて、そんな中で「絶対に負けたくない」という気持ちを見せてくれたシーンだったなと思います。


――背景にあるストーリーを聞くと、とても心が動かされるシーンですね。


OooDa:

「Ignis」のpoem選手は、元「Absolute」のメンバーだったりもするので、そういう背景も含め、いろいろな思いがつまった伝統の1戦という感じです。


会場では、どちらのチームを応援する声もすごく大きいんですけど、やっぱり王者が追い込まれる瞬間って盛り上がるものじゃないですか。だから、「Ignis」がラウンドを取ると、お客さん達からものすごい歓声が上がるんです。


その中でのさっきのラウンドは、ぐっと来ましたね。ぶわっと鳥肌が立って、「これぞeスポーツだ!」って感じました。



▲「Ignis」がラウンドを取り、会場から大きな歓声が上がる。


――たしかに、配信でも大きな歓声が聞こえて、会場の盛り上がりが伝わってきます。


OooDa:

この大会は、見せ方もすごくクオリティが高かったんです。配信画面でのさまざまな要素の見せ方を始めとして、まるで海外のeスポーツ大会のようで。運営陣もすごい大会だと思います。


――ちなみに、このプレイヤーを縦に重ねて高所から狙い撃つプレイは、もともと戦術として知られているものなのでしょうか?



OooDa:

このプレイ自体は、もともとあるにはあるんですけど、国内の大会ではほとんど使われていません。というのも、1ヶ所に人数をかけてしまうと、逆のポイントから攻められた時に、もぬけの殻になってしまう。なので、リスクのある賭けの戦術です。


今回は、「Absolute」がずっとBポイントから攻めて来ていて、それをなかなか止められないという流れ、そしてあと3ラウンド取られたら負けという状況があって、あの作戦だったんですよね。


――なるほど。「Ignis」にとっては、流れを変える一手だったんですね。


OooDa:

ただ、次のラウンドでも同じことを試すんですけど、 相手もそれをわかっていて、しっかり返すんです。やっぱり「Absolute」は強いですね。結果的に、「Ignis」が勝つことは叶わず、「Absolute」が連覇しました。


その後、「Absolute」はアジア大会に出場し、セミファイナルまで勝ち進んだんです。ずっと韓国や中国のチームに敵わなくて、日本は最弱だと言われてきたタイトルなんですが、そのイメージを変えてくれたのは、間違いなく「Absolute」です。


そんな 「Absolute」に「Ignis」は挑み続けていて、ライバルとしてお互いに高め合っている。そんな2チームだと思います。



後編:

OooDaが振り返る、2019年eスポーツ大会の忘れられない名シーン!【後編 - スマブラSP・PUBG】


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綾本ゆかり
綾本ゆかり

https://twitter.com/ayayuka99

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