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【OooDa × takomayoインタビュー - 後編】先の読めないeスポーツの世界で生き残るために

前編に続き、eスポーツ界の第一線で活躍するキャスターOooDaさんと、『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)の選手として活動後、現在は解説者やコーチを務めるtakomayoさん(Rascal Jester所属)へのインタビューをお届けします。

前編:【OooDa × takomayoインタビュー - 前編】eスポーツ 大会に欠かせない実況・解説の仕事とは?


eスポーツ大会に欠かせない実況・解説の仕事に焦点を当てた前編では、その仕事の裏側にはどんな準備や工夫があるかをうかがってきました。後編では、OooDaさんとtakomayoさん自身の考えやパーソナリティをより深く掘り下げる内容へ。


先の読めないeスポーツ業界に感じる不安や、その先に叶えたい目標や夢とは。お二人の率直な気持ちを語っていただきました。

目次[非表示]

  1. 1.2人が実況・解説の仕事を続けている理由とは?
  2. 2.今の仕事をするようになって、見え方が変わったことは?
  3. 3.お互いのすごいと思うところ、尊敬するポイントは?
  4. 4.eスポーツに携わる仕事をしていて、感じる課題は?
  5. 5.2人の目標、そしていつか叶えたい夢は?


2人が実況・解説の仕事を続けている理由とは?


――実況・解説の仕事を始めたきっかけはそれぞれだと思いますが、お二人がこの仕事を続けている理由はどんなところにありますか?


OooDa:

takomayoさんの話、めっちゃ気になる! 選手としての活動を経て、今は解説者とコーチの立場になっているわけですよね。

takomayo:

僕の場合は、単純に『PUBG』が好きだからです。自分の好きなゲームに、どんな形でもいいから関わっていたいというのが理由ですね。コーチをしている理由は、Rascal Jesterというチームが好きだからです。


OooDa:

もし仮に『PUBG』というタイトルが終わって、あまり興味の持てない別タイトルで解説やコーチをして欲しいと頼まれたら、どうします?


takomayo:

とりあえずやってみて、楽しいなと思える瞬間があれば続けますね。自分が楽しいとか、好きだと思えるかどうかが一番なので。例えばですけど、Rascal Jesterの別部門に行ってくれと言われたら、チーム自体が好きだからやると思います。


OooDa:

面白い生き方してるな~! これから先、どうするの?

takomayo:

今後のことは、全然わかんないです(笑)。


――takomayoさんは今、解説とコーチのどちらがメインの仕事にあたるのでしょうか?


takomayo:

今のところは、解説とコーチの両方ともメインですね。絞った方がいいと言われることもあって、どちらかにオールインするべきか考えることもあります。ただ、現状はどちらが欠けても時間を持て余してしまうし、これでいいかなと思っています。


OooDa:

ちょっと特殊なキャリアですよね。たまに裏方の仕事もやっていたりしませんか?


takomayo

やってますね。この前の「LJL 2019 Summer Split Finals」の会場でも、Rascal Jesterのチームブースでスタッフをしていました。楽しそうだなと思ったら、なんでもやっています。


――OooDaさんが、キャスターの仕事を続けている理由は何でしょう?

OooDa:

難しい質問ですね……。僕は結構サラリーマン気質なところがあって、自分の好きなこと以外でもやっていたりします。takomayoさんと同じように、好きだからやっているという部分もありますし、生きるためでもあるかもしれないですね。


あと昔までは、ただ好きだからという気持ちで⾛り続けてきましたけど、特に20代終盤から30歳にかけて、ここ最近のeスポーツの盛り上がりもあって、この川の流れは止めたくないよねという考えです。
川の水位が低く流れも悪かった過去を思うと…。
選手や選手のファンの方々をみていると一層感じますね。
それに、今さら転職もできないかなって(笑)。


takomayo:

いやいや、OooDaさんなら何でもできそうじゃないですか。


OooDa:

なんだろう、営業とか? どうしよう、あと10年経って42歳とかになった時に、仕事あるのかなぁ……。


――10年後というと、eスポーツ業界自体がどうなっているかも想像つかないですね。


OooDa:

本当にそうですよね。最近、毎⽇のように頭を悩ませてて。50代とかその先とか、何してるんだろうなって……。


今の仕事をするようになって、見え方が変わったことは?


――今の仕事をするようになって、ゲームやeスポーツに対して見え方が変化したことはありますか?

OooDa:

僕は今の仕事をしている中で、いちプレイヤーとして「強くなりたい」「上⼿くなりたい」と思う集中⼒は、低下しましたね。もちろん勝って嬉しいとか、負けて悔しいという気持ちは強いですけど、⼀般的なプレイヤーとしての感覚とは違うかなと思います。


あと悪い癖で、この業界に⻑く居過ぎて、イベントの告知1つとっても、イベントをみても純粋な気持ちではみれないですね。
いろいろ考えてしまって。昔みたいに純粋ではないですね。職業病なのか、心が汚れているのか(笑)。


――ピュアな気持ちを失ってしまったと……(笑)。takomayoさんはいかがですか?


takomayo:

僕は選手として大会に出ていた頃、よく運営に不満を感じたり、進行にイライラしたりしていたんです。でも、今は運営側のことまでわかるようになって、そんなことは思わなくなりました。


プレイヤーとしての立場だけでなく、裏側のことまで考えられるようになったというのが、一番変わったところというか、大人になった部分かなと思いますね。あとは、運営の方々に限らず、スポンサー企業の方々がどんな協力をしてくださっているのかとか、そういうことも見えるようになりました。


OooDa:

すごくいい話。重要なことだよね。


お互いのすごいと思うところ、尊敬するポイントは?


――OooDaさんとtakomayoさんが、お互いのすごいと思うところや尊敬するポイントを、それぞれ1つ教えてください。


takomayo:

僕は1つ挙げるなら、これだっていうのがあります。さっき言われてしまったんですけど(※前編参照)、「This is PJS」のシーンがあったじゃないですか。「PJSを支えてきたこの5チームが!」っていう、あの実況が生放送の緊張感の中で出てくることが、本当にすごいなと思います。


あのシーンはリアルタイムで見ていて、もう涙が出そうになるくらいぐっときて。その時は、いろんな思いもあったんですけど。


OooDa:

そうですよね、ちょうどね。(※)


※takomayoさんが選手としての活動を終えた直後のシーズンで、Rascal JesterがGrade1降格の危機にあった。まさに「This is PJS」の実況が生まれた最終試合で、Rascal Jesterは最下位からGrade1残留を決める大逆転ドン勝を獲得した。


takomayo:

あれはもうビッグリスペクトですね。ビガップです。


OooDa:

あ、2人ともヒップホップ好きなので(笑)。


――なるほど、ヒップホップで尊敬を表す言葉なんですね(笑)。OooDaさんが、takomayoさんに対してすごいと思うのはどんなところですか?


OooDa:

takomayoさんって、基本的に誰にでも好かれるタイプですよね。敵を作らないというか。もし何かミスがあったとしても、「takomayoさんだから」と許されそうな雰囲気があって、そこはズルいなって(笑)。


それから、やっぱり『PUBG』のシーンが始まって以来ずっと、国内のコミュニティを支え続けているところですね。損得勘定を抜きにして、採算度外視で活動されてきたことがわかるので、そこが本当に素敵だなと思います。


takomayo:

でも、僕にPJSでキャラ付けしてくれたのって、OooDaさんとSHAKAさんですよ。


OooDa:

そうでしたっけ?


takomayo:

そうですよ! 「上からtakomayo」から始まって、いろいろ印象づけるような実況・解説をしてもらったおかげで、今があると思っているので。OooDaさんとSHAKAさんには、プレイヤー目線から見ても尊敬しかないです。


――「上からtakomayo」懐かしいですね! いつの試合でしたっけ?


takomayo:

2017年に韓国で開催されたG-STAR(※)での試合ですね。最初にSHAKAさんが言い始めて、その後にPJSでもOooDaさんが面白くいじってくれたりして。


選手としては正直、それほど秀でたプレイヤーではなかったと思うので、そういうキャラ付けがなかったら、僕そんなに知られてなかったと思うんですよ。OooDaさんとSHAKAさんに対しては尊敬もありますけど、感謝の気持ちも大きいです。


※2017年11月に韓国で開催された「PUBG ASIA INVITATIONAL at G-STAR 2017」のこと。国内大会でトップ4に入ったチームが、日本代表チームとして出場した初の国際大会。takomayoさんは、後にRascal JesterのメンバーとなるBuhidou Gamingとして出場。


OooDa:

そこは、やり続けてきたtakomayoさんの努力でもありますよ。



eスポーツに携わる仕事をしていて、感じる課題は?


――eスポーツに携わる仕事をしていて、現状の課題として感じることは何かありますか?


OooDa:

僕はなんとなく、今年の「東京ゲームショウ 2019」で感じたことがあったなぁ。eスポーツは今、いろんなチームにファンがついて、大会もどんどん増えて、すごくいい流れが来ているじゃないですか。


⼀般の企業さんや⼤⼿の代理店さんも⼊ってきて、すごくいいことだと思うんですけど、ゲームの⾒せ⽅がちょっと惜しいなと感じる部分があったりもして。そこは、経験豊富なイベント制作会社さんとかが、ちゃんとサポートしていければ、もっと成⻑していくんじゃないかなと思いますね。


あとは各チーム、選手達個人がその流れと共に歩んでいく覚悟があるかが重要ですね。


takomayo:

僕は『PUBG』の前にプレイしていたゲームで、新しいタイトルにプレイヤーが移って、一気に下火になってしまったことがあったんです。次々にゲームが出てくる中で、プレイヤーがどう動いていくのか、その大きな流れがまったく読めないところが怖いなと思いますね。


OooDa:

なんにも読めないですよね。「今、もう皆このタイトルしかやってない!」と思うくらい盛り上がったと思ったら、何ヶ月か経って気づいた頃には落ち着いていたりして。早いなって。


takomayo:

新しいゲームのグラフィックが綺麗になっていくほど、過去のゲームはそれだけでも差がついてしまうとか、そういうテクノロジーの進化の影響もありますしね。


2人の目標、そしていつか叶えたい夢は?


――インタビューもそろそろ終盤です。お二人の今後の目標について、教えていただけますか?


takomayo:

いろんなキャスターの方と共演してみたいというのが、直近の目標ですね。新しい方と組んで得られるものをどんどん吸収して、自分自身をもっとステップアップさせていきたい。そうして、もっといろんなところで使ってもらえるようになりたいです。


OooDa:

僕は、延命措置ですね。この業界でいかに生き続けられるか。そのためには、eスポーツシーンが続かなければいけないので、そのために僕も頑張りたいなと。もうそれしかないですね、1日でも長く生き残りたい。”OooDaサービス終了”の日が来ないように(笑)。


――もっと先に、実現できたらいいなと思う夢はありますか?


OooDa:

そうだなぁ、一軒家が欲しいな。駐車場付きの、2階建てくらいで。……えーっと、ちょっとtakomayoさんが話している間に考えておきます(笑)。


――わかりました(笑)。では、takomayoさんからお願いします。

takomayo:

夢って言われると、パッと出てこないですね。今やってることが楽しくて、先はあまり見えてこないというか。でも、Rascal JesterのPUBG部門が世界でトップ5に入れるように、というのは1つの夢ですね。


――解説者としてだけでなく、コーチとしても叶えたい夢があると。さて、OooDaさんはいかがでしょうか?


OooDa:

思いつきました! これは結構前から言っていることではあるんですけど、今この業界で頑張っている人たち皆で、できる限り生き延びたい。皆で、30年後になってもお酒を飲みながら、「またあのチームが勝ったね!」みたいなことを言って、笑っていたいなって。


昔は仕事がなくて、自身が生活するために必死だったんですけど、ある程度安定してきた時からそういう考えを持つようになりましたね。もちろん中には辞めていく人もいると思うんですけど、とにかく皆で生き残りたい。皆で幸せになりたいなって思います。


――素敵ですね! そんな未来が来て欲しいです。それでは最後に、これからeスポーツに携わりたいと考えている人に向けて、メッセージがあればお願いします。


takomayo:

漠然とeスポーツに関わりたいと考えるよりは、自分が好きなゲームに関わるために、何ができるかを考えるのが一番いいと思います。正直、「eスポーツに関わりたい」ほど胡散臭い言葉はないと思っているので。自分が本当に好きだと思うゲームに関わって欲しいなと思います。


OooDa:

いい言葉! 確かにそうですよね。eスポーツの中で、具体的にやりたいこと見つけよう、なんて話もよく聞きますけど、ゲームタイトルだと。僕自身も『Counter Strike』が好きで、何かできないかと考えてコミュニティ大会に関わり始めたので、すごく共感します。


takomayo:

あとは、きっかけがあったら飛び込んで欲しいですね。自分も、PJSの実況・解説募集に自ら応募して今に至るので。


小さなきっかけでも良くて、例えば「今度ネットカフェでイベントやるから手伝って」と誘われて、実際に行ってみると人との繋がりが広がったり、次の機会に繋がったり。そうやってチャンスを掴みに行くことが大事なのかなと思います。


OooDa:

その通りですね。僕からのメッセージは、「地獄でピクニックをしながらお待ちしています」でお願いします。


OooDaの波乱万丈すぎるキャスター人生。 「地獄でピクニックできる人、待ってます」

▲詳しくは、こちらの記事をご覧ください。


――OooDaさん、takomayoさん。本日はありがとうございました!



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綾本ゆかり

綾本ゆかり

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