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【OooDa × takomayoインタビュー - 前編】eスポーツ 大会に欠かせない実況・解説の仕事とは?

eスポーツ大会を盛り上げるためには欠かせない、実況・解説の仕事。その仕事の裏側には、どんな準備や工夫があるのでしょうか?


今回、eスポーツ界の第一線で活躍するキャスターOooDaさんと『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)の選手として活動後、現在は解説者やコーチを務めるtakomayoさん(Rascal Jester所属)にインタビューを行いました。


前編にあたる本記事では、お二人のエピソードを交えつつ、キャスターや解説者としての仕事について、お話をうかがっていきます!

目次[非表示]

  1. 1.2人の初共演は「東京ゲームショウ2018」の舞台
  2. 2.eスポーツ大会における実況・解説の役割とは
  3. 3.実況・解説をするために、どんな事前準備をしている?
  4. 4.名実況はどうやって生まれる? 試合中に意識すること
  5. 5.実況・解説をしていて、難しさを感じることは?
  6. 6.この仕事をしていて、やりがいを感じる瞬間とは

2人の初共演は「東京ゲームショウ2018」の舞台

――まずは、簡単にお二人の実況・解説の歴を教えていただけますか?

OooDa:
僕はアマチュアでの活動を入れれば、キャスター歴は9~10年くらいになります。お仕事を頂けるようになったのが、2011年くらいから。なので、そこからであれば7~8年くらいですね。


最初の頃は、お仕事と言っても1年に片手で数えられるほどでしたが、ここ3年くらいでeスポーツが一気に盛り上がってきて、ぐっとお仕事を頂く機会が増えました。


takomayo:
自分は、1年半くらい前に『PUBG』の選手をしていた時から、「AfreecaTV」さんのPUBG大会配信で解説をさせていただく機会がありました。当時は、選手として解説をしていたんですが、やってみたら楽しくて。


その後、「PUBG JAPAN SERIES」(以下、PJS) Season1のPaRのタイミングで実況・解説の募集があったので、それに応募してみたら、いきなり「東京ゲームショウ 2018」(以下、TGS)で開催されるGrade1の試合で解説として出ることになったんです。


一発目がTGSの舞台だったので、もうガチガチになりながら(笑)。その時に、OooDaさんと初めて一緒に出演させていただいて、OooDaさんにいろいろ聞きながらやっていたのを覚えてます。


OooDa:
あの時が初めてだったんですね。ちょうど1年前くらい。ガチガチに緊張して、岩みたいになってましたよね(笑)。でも、試合が始まったらしっかり話せてましたし、全然初めてとは思えないような……。


takomayo:
それ、本当ですか?


OooDa:
ちょっと盛ってますけど(笑)。


takomayo:
絶対に盛ってますよ! だってあの時、緊張しすぎてまったく記憶ないですもん(笑)。

eスポーツ大会における実況・解説の役割とは


――eスポーツ大会において、実況と解説は必要不可欠な存在だと思います。それぞれの役割について、どのように捉えていますか?

takomayo:
自分は『PUBG』の解説しか経験がないのですが、基本的には実況の方が試合の状況を伝えていく中で、解説としては「選手がどのように考え、その動きに至ったのか」という経緯を、プレイヤーの目線で説明するように意識しています。


OooDa:
日本のeスポーツ大会では、”状況を実況する人”と”何が凄かったのかを解説する人”、という実況・解説の2人がワンセットのイメージがありますよね。
ただ、海外のeスポーツ大会を見ていると、例えば”実況・実況・ガヤ”で3人というパターンなんかもあって、もっと変則的なんですよ。日本も従来のイメージにとらわれず、もっと変化があってもいいのかなと思いますね。


例えば、ゲームのジャンルに合わせて、カードゲームやリアルタイムストラテジーであれば、将棋のようにアナリスト2人でじっくり解説しても面白いと思いますし。


日本でも少しずつ変わってきている例もあって、最近で言えばサードウェーブ主催の「GALLERIA GLOBAL CHALLENGE 2019(GGC 2019)」という『Counter-Strike:Global
Offensive(CS:GO)』の大会では、司会・実況・解説に加えて、さらに3名のアナリストを迎えるという形になっていました。そういった役割を分けた構成も面白いなと思いますね。

実況・解説をするために、どんな事前準備をしている?


――続いて、実況・解説の事前準備について聞いていきたいと思います。ちなみに、
OooDaさんが実況をされているタイトル数は、今どれくらいなんでしょう?

OooDa:
わかんないです……(笑)。たぶん、10タイトルくらいですかね?


ゲームは下手で、そこそこ楽しむくらいの実力しかないんですが、プレイはしているので、その中でアップデート情報を追ったり、Twitterで話題をチェックしたり。


あとは、実況でここを言えたらカッコいいんだろうな、この情報を聞けたら見る側は面白いだろうな、といったポイントを押さえるようにしています。


――例えば、最低でも何時間はプレイするとか、自分の中で決めていることはありますか?


OooDa:
全然ないですね。実況するタイトルは何時間プレイする、と決めているキャスターの方もいると思うんですけど、あまり僕はこだわりはないんです。極端な話、30分でも1000時間でも、という感じですね。


――takomayoさんは解説のための事前準備として、どんなことをされていますか?


takomayo:
自分は、大会配信のアーカイブやスクリム(練習試合)の内容をチェックして、『PUBG』の大会に出場するチームの特徴であったり、それぞれの選手がどういうプレイを好んでいるか、といった情報を事前知識として頭に入れています。


特に、なるべくマップ配信を見るようにしていて、試合中にマップが映された時に「このプレイヤーは、こういう狙いがあって動いているんだな」と理解できるようにしていますね。


――eスポーツ大会では、読みづらいチーム名や選手名に苦戦しそうなイメージもあります。


OooDa:
それはありますね。噛みそうな名前とか、読み方が難しいとか(笑)。でも、そこは事前準備に入らないくらいの最低限ラインかなと思いますね。気になったら、チーム名の由来や特徴を調べておいたりもします。


――チームや選手に関して調べておいた情報は、メモを用意しているのでしょうか?


OooDa:
運営の方から資料を頂けることも多いんですが、なければ自分で動画を見て全部メモしておきます。選手名のリストをもらったら、それに付け加える形で、ここまでの成績がどうだったか、元はどのチームに所属していたか、などのメモを自分で作ったりもしていますね。


――それを、試合中に見れるように手元に置いていると。


OooDa:
そうです。そういった資料を、ぶわーってまとめて持っていかないと落ち着かなくて。どのタイトルでも。ただ、実際それを試合中に見るかっていうと、あんまり見ないんですけどね。


でも、それがないと不安なので持っていって、あとは頭に入っていた内容がどこかのタイミングで使えたらラッキーだな、くらいの感じですね。


takomayo:
前に控え室で、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、スマブラSP)のアイテム名を、ひたすら覚えてたことがありましたよね。


OooDa:
あったあった! いやー、本当に『スマブラSP』は大変なんですよ(笑)。任天堂さんの公式大会で実況しているんですけど、ファイターとファイターの技だけじゃなく、膨大な数のステージとステージのギミック、さらにとんでもない種類のアイテムがあって……。


――受験生が単語を覚えるような(笑)。でも覚えておかないと、咄嗟に言えないわけですね。


OooDa:
本当にそんな感じで(笑)。やっぱり覚えておかないと、すぐには出ないんですよね。初歩的なところではありますが、ゲーム内に出てくる武器やアイテムの名前を略称で言わないようにしていて。


ここぞという場面で正式名称をズバッと言えた方が、聞いている方も気持ちいいと思うので、そういうところはきちんと押さえるようにしています。

名実況はどうやって生まれる? 試合中に意識すること


――続いて、お二人が実況・解説をしている時に意識することを教えてください。

takomayo:
試合中は、できれば実況の合間に入りたいと考えているので、解説が入れそうだなと思うタイミングで、すぐに話すべきことを言えるように考えています。


OooDa:
解説の方ってすごいですよね。実況が状況を説明している中で、タイミングを見て解説を入れて、さっと引いて。タイミングも難しいじゃないですか、2人の息が合わないと。


takomayo
そうですね。何でもない場面で、実況と解説が被るとあんまりカッコ良くないですし。逆に、盛り上がっている場面で被るのは、カッコ良いと思うんですけど。


OooDa:
あとは、できるだけ実況と解説が会話形式になるといいですよね。それぞれがバラバラに話すのではなくて、実況から「今どこが凄かったんですか?」と解説に振ったり、逆に解説から「次はここで戦闘が始まりそうですよ」ときっかけを作ったり。そうやって、お互いにキャッチボールできるのが理想的なのかなと思います。


――OooDaさんは、実況する際にどんなことを意識されていますか?


OooDa:
試合中に選手の表情がワイプで抜かれたり、試合終わりの選手の映像が出てきたりしたら、その表情やポージングを必ず拾うようにしています。


喜ぶ姿だったり、悔しそうな表情だったり。勝った選手がガッツポーズをしていたり。ゲームの大会なので、ゲーム画面がメインになるとはいえ、あくまで操作しているのは人なので。そこは伝えられるようにしています。

それから、選手にとって”おいしい場面”を作れるように、というのは常に考えているかもしれないですね。すべての選手にスポットライトを当てるのは難しいですが、「この選手は、こんな特徴があるよ」ということを、何かフレーズで印象づけてみたりして。面白いシーンがあれば、必ず拾うようには意識しています。


――OooDaさんの実況は、印象的なフレーズが出てくることが多いですよね。例えば、「This is PJS」のシーンとか。ああいったフレーズは、事前に準備しているのか、その場で思いつくのか、どちらなんでしょう?


OooDaさんの「This is PJS!」という名実況が飛び出したのは、PJS Season1の最終試合。PJS初期から活躍してきた5チームが俯瞰で映し出され、国際大会をかけたトップ争いやGrade1残留への意地など、さまざまな思いが重なるドラマを一言で表した印象深いシーン。


OooDa:
どちらもありますね。あのフレーズは、事前に考えていたわけではなかったです。言いたいフレーズをまとめた紙も持っていくんですが、ほとんど使わなかったりするので。99%くらいは即興かなと思います。


PJSだと、CrazySam選手(※)を”ミスターPJS”と呼んだりしていますけど、あれは言おうと思ってたんですよ。TV番組の「SASUKE」で、”ミスターSASUKE”という異名を持つ人がいて。今更ながらカッコいいなと思って、”ミスターPJS”と呼ぶとしたら誰だろうなと。あの呼び名は、そういう経緯から考えてありました。


※プロゲーミングチーム「SunSister」PUBG部門に所属する選手。国内大会で複数の優勝実績を持ち、個人としてもPJS史上最多となる6回のMOST KILL賞を獲得している。PJSの初期から活躍を続ける代表的な選手の1人。

実況・解説をしていて、難しさを感じることは?


――お二人が実況・解説をしていて、難しさを感じるのはどんなところですか?


takomayo:
やっぱり、解説を入れるタイミングですね。試合の状況が常に変わり続けていく中で、どこでどうやって解説を入れるかという判断がすごく難しい。


例えば、「ここは実況の見どころだ」と思うタイミングでは話さないようにして、そのシーン終わった瞬間、即座にその場面の解説を入れられるように、と考えていたりします。


――その判断ができるかどうかは、やはり経験なのでしょうか。


OooDa:
経験だと思いますね。あとは、実況・解説として出演する相方によっても、また違ってきたりすると思うんですけど。


――1年ほど解説の経験を重ねてきて、自身でも成長を感じますか?


takomayo:
ちょっと言いづらいですけど、少しはできるようになってきたかなと思います。


OooDa:
いやいや、もっと自信持ってくださいよ!(笑)


takomayo:
この前、PJS Grade2の実況が岸大河さんだった日があったんです。初めて解説として組ませていただいたんですが、いつも一緒にやっているシンイチロォさんとは間の取り方に違いがあって、慣れていないので難しいなと思いました。


でも、これまでとは違うキャスターの方と組ませていただいて楽しかったですし、自分の足りない部分も見えてきたので、すごくいい経験になったなと思います。


――OooDaさんは、実況をしていてどんなところが難しいと感じますか?


OooDa:
難しいところかぁ……。それぞれのイベントや大会の視聴者さんや参加者の方々が、何を求めているのかを探るところには気を使っていますね。


それに対する雰囲気づくりも含めて、真面目にやった方がいいのか、もっとくだけた方がいいのか。時によっては、誰が主役なのかとか。そこは、難しいなと思いながらやっている部分かもしれないです。

この仕事をしていて、やりがいを感じる瞬間とは


――実況や解説の仕事をしていて、一番やりがいを感じるのはどんな瞬間でしょうか?

takomayo:
やりがいというか、一番気持ちいい瞬間で言えば、自分が解説して試合の展開がその通りになった時ですね。


OooDa:
いわゆる予想的な解説ですね。「こういう展開になりそうですよ」っていう。


takomayo:
そうです。あと、例えば「このチームは、次こう動くべきですね」と言って、実際にそのチームがその通りに動いて勝った時なんかは、「ほらね、見たことか!」って思ってます(笑)。


OooDa:
ははは(笑)。ほらね、と!


――視聴者にとっても、次の展開を予測するような解説はわかりやすく、解説に対して「すごい!」と感じる瞬間でもありますね。


OooDa:
どこを見て、どう頭を働かせればいいのか、ということを示してくれるのがいいですよね。


このチームがこうなれば面白い展開なんだな、とわかったりもして。今後そういうシーンがあったら、ちょっと意識して見てみようかな。


takomayo:
たぶんですけど、SHAKAさんも予想が当たった時は嬉しそうな声してますよ。


OooDa:
今度聞いてみます。解説が当たった時に、「SHAKAさん、今ドヤ顔しました?」って
(笑)。


――楽しみにしておきます(笑)。OooDaさんがやりがいを感じるのは、どんな瞬間ですか?

OooDa:
大会の視聴者や参加者の方々から、「今日の大会楽しかった」「選手のあのシーン凄かった」「実況が良かった」といったポジティブな反応を頂けるのが、やっぱり素直に嬉しいですね。


あと、実際に先日のTGSであった出来事なんですが、ある大会に出るのを夢見てプロになった選手が、ずっと頑張ってきてやっとそのステージに立てたんです。その選手が「今までずっと大会を見ていて、OooDaさんに名前を呼ばれるのに憧れていました」と言ってくれて。そういう話を聞いたりすると、とても嬉しいですね。


やっぱり「いつかあのステージに立って、チャンピオンになりたい」と思ってもらえるのは光栄なことですから、大会の良さを引き出す役に立てたと思うと、すごくやりがいを感じる瞬間です。


OooDa × takomayoインタビュー、後編へ続く!


後編では、「実況・解説の仕事を続けている理由は?」「今の仕事をするようになって、考えや見え方が変わったことは?」など、OooDaさんとtakomayoさんのパーソナリティを掘り下げる質問をぶつけていきます。お楽しみに!


▼後編はこちら

【OooDa × takomayoインタビュー - 後編】先の読めないeスポーツの世界で生き残るために


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綾本ゆかり
綾本ゆかり

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