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薄型で高速入力にも対応。無線ゲーミングキーボードの最高峰 ロジクール「G913」レビュー

 ロジクールから、新型のゲーミングキーボード「G913」が8月に発売された。無線・有線の両方で使用できるキーボードで、定価は30,200円と、同社が発売するゲーミングキーボードの中でも群を抜いて高価な製品となる。

 また「G913」を有線専用としたモデルの「G813」も同時に発売されており、こちらは定価で23,200円。いくぶん安価になったが、これでも同社のゲーミングキーボードの中で「G913」に次ぐ2番目に高い価格設定となる。

 他社のゲーミングキーボードでも、3万円超えの製品は少ない。それでも同社が発売に至った本製品はどんな特徴があるのか、実物を見ながらお伝えしたい。

 「G913」と名前の付いた製品は、実はキースイッチの違いで3種類用意されている。確かな打鍵感があり一般的なキーボードに近い「GLタクタイル」、クリック感がなくスムーズなストロークの「GLリニア」、強めのクリック感でカチッと音がするメカニカルキータイプの「GLクリッキー」となる。価格は全て同じなので、好みに応じて選べる。「G813」についても同様だ。

 ゲーミングキーボードにおいてキータッチはとても重要で、人によって好みが大きく分かれる。キーボードにこだわりのある人は、製品選びの際に「どんなキースイッチを使っているか」を真っ先に確認するものだ。そのため、見た目や機能が良さそうでも、好みのキースイッチではないから選ばない、ということも往々にしてある。しかし本機ならば異なる3タイプから選べるので、ほとんどの人が製品選びの選択肢に入れられるだろう。

 筆者は普段、東プレ製の「Realforce106S LA0200」(以下、LA0200)というキーボードを使っている。キーはクリック感のないリニアタイプで、押し下げ圧が全キー30gと軽量なもの。もう10年以上前の製品だが、「G913」と同様の高級機だ(ゲーム用をうたった製品ではないが)。今回はこれに近いタッチということで、「G913」の中でも「GLリニア」を選んだ。

「G913」(左)と、筆者が普段使っている「LA0200」(右)を比較

 では実物を見ていこう。本機を手に取った時、誰もが「薄い!」と感じるだろう。LA0200は一般的なキーボードと変わらない厚みだが、それと比べて圧倒的に薄い。またキーボードは手前側が薄く、奥が厚くなる製品が多い中、本機は全くの平ら(背面に足は出せるので斜めにもできる)なので、机に置いた時に感じる薄さがより際立つ。本機の厚さは22mmとされているが、これはキーの高さも含めたものだ。

横から見ると、圧倒的に薄いのがわかる

 しかし筐体はしっかりと重量がある。実際の重さは1,025gで、裏面の横長な滑り止めがよく機能していることに加え、薄い分だけ重心が低いためか、机に吸い付くかのような安定感がある。LA0200は約1.4kgある重量級だが、明らかに本機の方がピタッと止まってズレにくい。ゲームプレイ時に激しく操作しても、微妙な位置ズレでストレスを感じる可能性はかなり低い。

裏面の幅広な滑り止めもよく効いている

 キー配列は日本語でテンキー付き。配置は極めてオーソドックスだが、ひらがな文字はキーに刻印されていないので、カナ入力を使う人は要注意。CAPSロックキーの右端が少しくぼんでいて、ゲームでよく使うAキーを押した時に一緒に押してしまわないよう配慮されているのもいい。左端にはG1からG5までの特殊キーがあるが、これは後述する。

キーの配置はデスクトップ用キーボードとしてはオーソドックスなもの

 肝心のキータッチはどうか。本機は押し下げ圧が50gとされており、30gのLA0200に比べるとかなり重いことになっている。ただ実際に使ってみると、確かに30gよりは重いものの、50gもないように感じる。筆者がこれまで触ってきたキーボードで言えば、45gとされるCherryの赤軸よりもまだ軽く感じられる。

 筆者の体感だが、その理由は2つあると思う。1つはキーストロークの浅さ。LA0200は4mmで、キーボードとしては一般的な深さなのだが、本機は2.7mmとかなり薄い。これはノートPC並、あるいはパンタグラフ式キーボードの感触に近い。ストロークが短くて済む分、思ったほど力を入れずにキーを叩けているのだと思われる。

 もう1つは、キートップの広さ。薄型筐体で短いストロークにするためか、キートップの面積が一般的なキーボードより広めになっている。これもノートPCっぽいが、キーの幅自体はLA0200と変わらない。好みの範疇かもしれないが、キートップが広い方がブラインドタッチ時のちょっとした手のズレも許容してくれて、タッチが楽に感じる。ちなみにキートップをよく見るとわずかに縦長なのだが、キーの土台は正方形でタッチに違和感はない。

ストロークは2.7mmと浅めで、キートップが広い

 筆者はLA0200に慣れ過ぎて、一般的なキーボードを叩くと肩が凝ってしょうがないのだが、本機ならまだ大丈夫かもしれない。……と思ってこの原稿も本機を使って執筆しているのだが、やはり実際のところは押し下げ圧の差があるようで、普段以上に肩こりはある。他のキーボードよりはマシという程度だろうか。ともかく、瞬間的なキーの打ちやすさ、手触りとしては、筆者はLA0200より本機の方が好みだ。ぜひもっと軽いキースイッチも開発して欲しい(笑)。

 静粛性については、一般的なキーボードに比べれば静かな方だとは思う。ただキーストロークが浅いこともあり、慣れないうちは底打ちの音が大きくなりがち。キーボードのストロークに体が慣れてくれば底打ちはマシになると思うが、リニアタイプだからといって特別静かな製品だとは思わない方がいい。

 本機はストロークが浅いことに加えて、アクチュエーションポイント(キー入力を認識する押し込みの深さ)が1.5mmと浅いのも特徴。一般的なキーボードは2mm程度なので、キー入力が僅かに速くなる。普通に使用していても速さの違いに気づくことはないと思うが、一瞬でも早い入力が求められるeスポーツなどでは意味が出てくる。

 無線については、付属のUSBアダプタをPCに挿し込み、本体上部にあるワイヤレスボタンを押せば使える。無線にはロジクール独自のLIGHTSPEEDという技術が使われており、1msのレスポンスを実現している。USBアダプタはUSB端子に挿入すると2cmほど出っ張るだけで、とてもコンパクトだ。このほかBluetoothでの接続にも対応している(LIGHTSPEEDよりレスポンスは落ちるようだ)。

 LIGHTSPEEDによる無線接続のほか、同梱のUSBケーブルを接続すれば有線接続でも使用できる。有線・無線の両方を試してみたところ、両者に使用感の違いは全く感じられなかった。筆者はPCとキーボードの距離が1mほどしか離れておらず、無線にする意味はあまりないのだが、机上を這うケーブルが1本減るのは思いのほかスッキリとしていい。

無線用のUSBアダプタと、有線用のUSBケーブル

 となると、気になるのはバッテリーの持ち時間。本機にはリチウムイオンバッテリーが内蔵されており、付属のUSB-Micro USBケーブルを使って充電する。このケーブルは充電のほか、有線接続にも使えるので、万が一バッテリー切れを起こしても充電しながら使用できる。

 公式発表では、バッテリー持続時間は30時間とされている。ゲーミング仕様とはいえ短いな……と思ったが実際は違った。これはキーボードバックライトの輝度を100%にし、色変化などの効果をフルに使った時のこと。輝度を下げたり効果を減らしたりすれば、バッテリー持続時間はもっと長くなる。

 実際の持続時間は、専用ソフトウェア「Logicool G HUB」で確認できる。試しにバッテリーがフル充電の状態で、輝度100%、効果をサイクルと設定してみると、34時間持つとの表示。これで朝から夕方までおよそ8時間使用したところ、バッテリー残量は93%、残り32時間と表示された。

「Logicool G HUB」の設定画面でバッテリーの残量を確認できる

 「Logicool G HUB」には、キーを触らないでいるとライトの輝度を下げたりオフにしたりする機能もあり、それぞれ標準で1分、5分に設定されていた。実際にはオフになった時間は昼食時の1時間ほどしかなかったはずなので、ソフトウェアで確認する以上にバッテリーが持続している。

 また輝度を50%まで下げると、持続時間が約100時間まで伸びた。さらにライトをオフにした場合は1,000時間を超える。電源を切らないでも1か月以上は使い続けられる計算だ。実際にどれだけ持つかは時間的に検証しきれないが、長時間持たせられるという安心感はある。またフル充電にかかる時間も3時間としている。

ライトをオフにしたところ、持続時間は1,000時間以上と表示された

 ちなみに輝度100%だと、明るい部屋で使っていてもキーがまぶしく感じるほどで、使うにしても50%くらいで十分だと思う。輝度は「Logicool G HUB」で調整できるほか、キーボード上部にあるボタンを押すとオフを含む5段階に調整できる。

キーボードバックライトは輝度100%だとかなり明るい

 「Logicool G HUB」によるカスタマイズ機能にも触れておきたい。先述のとおり、キーボードバックライトの明るさや効果を変更する機能があり、色はRGB各256階調で調整可能。キーボード全体に及ぶ効果もあれば、1キーごとに配色を変えることもでき、完全に自由なカスタマイズができる。

キーボードバックライトの光り方は1キー単位で細かく設定できる

 さらにキーボードの左端にあるG1からG5までの5つのオリジナルキーには、マクロ機能を含めたカスタマイズが可能。さらにキーボード上部にあるM1からM3ボタンを押すことで、G1からG5に持たせた機能を丸ごと切り替えが可能。ゲームやアプリケーションによって違う機能を使い分けることができる。

5つのオリジナルキーに好きな機能を設定できる

 Windowsキーなどを無効化するゲームモードも搭載。予め無効化するボタンを選んでおき、キーボード上部にあるゲームモードボタンを押すだけで無効化できる。またキーボード右上部には、音楽の再生やスキップを行う専用ボタンがあるほか、再生ボリュームを調整できるホイールも装備。音楽だけでなく、ボイスチャットなどで音量を変えたい時にも簡単に操作できる。

キーボード右上にあるホイールはボリューム調整用

 製品としての完成度は、確かにとても高い。キーボードはゲームのインターフェイスとしてマウスと並んで重要だし、それ以外でもPCを使う上では絶対に無くせないデバイスなので、使い心地のよいものを選びたい。性能的に見て、ゲーミングキーボードとして最高峰の1つとなる製品であることは確かだ。特にパンタグラフキーボードのように軽くて浅いキーが好きな人には、今回試した「GLリニア」がベストな選択になるだろう。

 あとは高価なりに長く使いたいものだが、本機のキーは従来のメカニカルスイッチに比べて40%耐久性が上がっているという。従来より4割長く使えるなら、価格分は元が取れるとも考えられる。充電ケーブルを接続すると本体から直角に飛び出す形になり、根元が痛みやすそうな気もするが、これはおそらく汎用のUSBケーブルなので代用は簡単そうだ。

 最後に、実際に使用して気になったことを1つだけ。製品に付属しているユニバーサルデザインな説明書によると、USBアダプタは同梱のMicro USB変換アダプタを挟んだ上、USBケーブルに接続して使うようにと指示されている。わざわざ長いケーブルの先にUSBアダプタを接続しなくても、PCのUSB端子に直接USBアダプタを挿し込めば無線で使用できる。

 ではなぜこんな指示があるのかと考えてみると、無線のアダプタをデスクトップパソコンの背面に接続した場合、まれに無線の接続性が悪くなるためだ。問題がないのならそのまま背面に接続して構わないが無線の調子が悪いと思ったなら長いUSBケーブルに接続してデスクトップの前面にアダプタをもってくると良い。

 勿論、デスクトップパソコンの前面にUSBがあるのなら迷わずUSBアダプタを本体に直結で構わないし、その場合は変換アダプタの出番はない。筆者も最初は困惑したので、一応ここに記しておきたい。

USB変換アダプタ(左)が同梱されているが、使わなくても構わない


・G913
https://gaming.logicool.co.jp/ja-jp/products/gaming-keyboards/g913-low-profile-wireless-mechanical-gaming-keyboard.html

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